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居酒屋の事業承継とは?事業承継課題や事例を解説

居酒屋の事業承継とは?事業承継課題や事例を解説

居酒屋の事業承継とは

居酒屋は、大手チェーン店が代表的ですが、個人営んでいる居酒屋も多く点在しています。
居酒屋業界の動向では、業界規模の推移を見てみると平成20年から平成22年にかけて若干低迷していた時期もありましたが、平成24年からは徐々に増加して平成27年には7700億円規模となっています。
平成23年ごろは、東日本大震災の復興需要があり、急激な増加とはなっていませんが、徐々に上昇しています。
しかし、欧州債務危機や新興国経済成長が鈍く、先の景気が読みづらい状態が続いていました。
平成24年になって、円高の是正、株価上昇など経済に明るい兆候が見え始めて、景気回復へと転じました。
景気が回復傾向にあれば、居酒屋のような外食業界も売上高を伸ばすきっかけとなります。
経済的な背景を受けやすい居酒屋業界では、後継者不在によって廃業を選択しているところも多くあります。
大手居酒屋チェーン店以外の個人で経営している居酒屋は、景気のほかにもアルコール離れや家飲みなどの影響を受けやすい状況にあります。
アルコール離れに関しては、飲酒習慣率を見ると50代が42.5%を推移していますが、20代は2.7%と言う低い水準となっています。
この状況は、居酒屋業界にとって今後のお店の運営にも影響を与える数値と言えるでしょう。
そのため、居酒屋を経営している店主は「自分の代で廃業しよう」という傾向が強く、後継者を見つけて後継ぎとすることを諦めている場合があります。
居酒屋業界では、居酒屋だけでは売り上げが伸びないことから、非居酒屋事業にシフトしている動きもあります。
大手居酒屋チェーンのワタミは、平成16年ごろから居酒屋だけでなく、介護事業と宅食事業への参入を果たしています。
ワタミの平成27年の売上高比率を見ても、非居酒屋事業の売上高が全体の60%を占める割合となっています。
居酒屋を経営している場合の事業承継については、店主の世代交代の時期に来ているのに、後継者がいないという現実があります。
後継者がいないという現状は、居酒屋業界だけでなくほかの業種にも共通している事項です。
帝国データバンクの後継者問題に対する企業の実態調査でも、居酒屋を含むサービス業では、後継者不在率が71.3%となっており、国内全体の会社においては66.1%となっています。
居酒屋の場合は、夕方から深夜に仕事をすることから、後継者が見つけにくく店主に子供がいたとしても、居酒屋の後継者とするのが難しい現状があるでしょう。
老舗の居酒屋がなくなってしまうことは寂しいことですが、店主の高齢化や後継者不在を理由に閉店を余儀なくされているケースもあります。
どのように事業承継を進めていくかは、店主の考えや後継者の有無によって変化するものとなります。

居酒屋の事業承継の課題

中小企業庁の中小企業の事業承継の課題として取り上げられているのは、経営者の平均年齢のピークが2015年に66歳となっていることや経営者の平均引退年齢が67.7歳、小規模事業主では70.5歳となっていることが一つ目に挙げられます。
この年齢は、年々上昇しており、1995年では経営者の平均年齢は47歳であり、平均引退年齢でも30年以上前では61.3歳、小規模事業主でも62.6歳となっています。
居酒屋の経営規模は小規模である場合が多いので、小規模事業主の平均年齢を見ても62.6歳から最近の引退年齢を見ても70.5歳となっており、引退年齢が上昇していることが分かります。
現在の日本は、長寿国となり平均寿命も80歳を超える時代となっているため、居酒屋を経営する店主が60歳、70歳では「まだまだ現役」とお店を経営し続けることも可能ではあります。
しかし、後継者の問題となると「跡取りはない」としている場合が多く、自身の代で閉店、廃業を選択するケースが多いのです。
居酒屋の場合は、店主が創業者となっていることが多く、店主の人柄や独自のメニューなどによって、お店の人気を高めている場合もあります。
これらを事業承継してお店を存続させていくことが難しい業界でもあります。
居酒屋における後継者不足の理由には、そもそも居酒屋業界全体が人材不足となっており、働く環境に良い印象を持っていない人が多いということも考えられます。
働く時間帯が夕方から深夜になることが多く、働くスタイルとして魅力が少ない点が人材不足を加速させている部分もあります。
2017年6月に酒税法が改正され、酒類の安売りが規制されています。
そのため、居酒屋でも価格を見直す動きがあり、経営が厳しい状態になることも課題となります。
このような中で、居酒屋の事業承継は現経営者が先行きの不安やお店の運営に不安を抱いていることから、後継者にお店を託そうとしない動きも課題の一つと言えます。
居酒屋の事業承継では、どのようにお店を展開していくのか、という現店主が持つ希望も重要になりますが、お店を引き継ぐ後継者にも、どのようにお店を引き継ぐかということも課題となります。

居酒屋の事業承継の注意点

居酒屋の事業承継の注意点は、小規模であっても従業員がいる場合は事業承継の情報が従業員に漏れないようにすることです。
事業承継の情報によって、従業員が店主の交代の情報を耳にするとその後の雇用関係に影響があるのではないか?と不安を感じる場合があります。
事業承継をしても、従業員の雇用は守られる場合が多いですが、従業員にとっては店主の交代は、お店の業績悪化やリストラなどの不安を与えるものになります。
そのため、従業員がいる場合は事業承継の情報は、事業承継が確定するまで情報が漏れないようにした方が良いでしょう。
居酒屋の事業承継の準備は、早めに取り掛かった方が良いでしょう。
現店主のお店への思いや考え方、あり方などを後継者に引き継いでもらいたいと思う場合があります。
お店の切り盛りの仕方なども伝授したいことがたくさんあります。
お店の独自のメニューや味付けなど承継してもらいたいものがたくさんある時は、早めに後継者を決めて、事業承継の準備を始めるべきです。
また、後継者と今後のお店のあり方などを話し合って検討する場合も、早めに後継者が決まっていれば、どのような方向性でお店を承継したいか、などの話し合う時間を取ることができます。
現店主にとっても、これまで居酒屋を経営してきた中で、譲れない条件もあるでしょう。
それらを、後継者と話し合い事業承継がスムーズにできるように、事前にしっかりと話あっておく必要があります。
現店主と後継者が話し合うことで、最も良い形で事業承継ができ、その後のお店の存続も可能になります。
居酒屋の事業承継の場合は、現店主の子供が後継者となることも考えられますが、親族以外の人が「お店を引き継ぎたい」と申し出る場合もあるでしょう。
このような場合は、現店主の子供に引き継ぐ意思がないことをしっかりと確認しておきます。
居酒屋の後継者となる人材は、現店主の子供以外に従業員が引き継ぐことを申し出る可能性もあるので、後継者を誰にするのか、という点も明確にしておく方が、事業承継がスムーズに進みます。
従業員が後継者となる場合は、お店の雰囲気やあり方、人気のメニューなどお店のことをよくわかっているので、事業承継の準備期間を短縮することも可能となるでしょう。

居酒屋の事業承継はM&A仲介会社に相談

居酒屋の事業承継で「後継者がいない」と言う場合や店主の高齢化で事業承継が難しいという場合は、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。
M&A仲介会社に相談することで、お店の現状や財務、税務、会計など専門家の力を借りて、お店の経営状況がどうなっているのか、改めて確認できます。
そのうえで、事業承継をするの、M&Aを実施するのか、などの判断も可能になります。
現店主が事業承継をどのようにしていけばいいのか迷っている時も、M&A仲介会社に相談することで、事業承継をどのようにしていけばいいのか、方向性が見えてきます。
M&A仲介会社に相談したことによって、すぐにM&Aが実施されるわけではありません。
まずは、事前相談をしてどのように事業承継をすればいいのか、M&Aが必要なのか、などの疑問を解決することができます。
親族や従業員への事業承継が難しいという結果が出れば、M&Aを実施するという方向性が決まっていきます。
M&A仲介会社は、M&Aをサポートする会社ですが、必ずしもM&Aありきで相談を受け付けているわけではないので、まずは事前相談を受けてみると良いでしょう。
事業承継についても、相談することが可能となっているので事業承継で悩みを抱えているのであれば、何もしないで閉店や廃業を選択するしかない、と考える前にM&A仲介会社に相談することをおすすめします。
M&A仲介会社には、会計士や税理士、弁護士などの専門の士業資格を取得しているスタッフが常駐している場合も多く、専門家のアドバイスやサポートを受けることができます。
事業承継は、単純に店主の交代だけで済むものではないので、M&A仲介会社に相談して専門家のアドバイスやサポートを受けるべきです。
現店主が自身の力だけで進めようとしても手続きなどが不十分となり、スムーズにできない場合もあります。
いろいろと手間がかかるので、やはり専門家の知識が必要なります。
スムーズに事業承継を進めるためにも、M&A仲介会社に相談してアドバイスやサポートを受けながら進めた方が良いでしょう。

居酒屋の事業承継事例

個人経営の居酒屋の事業承継

個人経営の居酒屋で地元での人気も高く、業績もよいお店を経営していた店主が引退を検討していましたが、閉店するのは惜しいと考えていました。
その理由は、地元の常連客が多く「みんなが集う場所」とお店を自負していたためです。
しかし、店主には息子がいましたが、すでに東京の会社に就職しており、居酒屋を継ぐ意思もなかったために、閉店するしかないと考えていました。
それでも、地元の常連客のために何とか存続する方法はないか、と模索していたところに、地元のレストランオーナーがM&Aを活用した事業承継の提案を受けたのです。
レストランオーナーは、すでに3店舗を展開しており、業績を伸ばしていました。
レストランオーナーは、地元の常連に人気のある居酒屋と知って、もっと需要があるのではないか?と考え、「みんなが集う場所」と言う空間も気に入ったようです。
レストランオーナーは、「みんなが集う場所」というコンセプトを理解して、M&A後も同じ雰囲気で居酒屋を運営することを決めました。
居酒屋の店主とレストランオーナーの考えや気持ちも一致して、レストランオーナーが居酒屋をM&Aによって引き継ぐことになったのです。
これによって、居酒屋の店主は安心して引退を決め、レストランオーナーに託すことになったそうです。
居酒屋の店主は引退後に、お客としてお店を訪れることもあるそうです。

チムニー株式会社とマルシェ株式会社の資本・業務提携

チムニー株式会社は「はなの舞」、「さかな道場」などの居酒屋を関東圏に多く出店している会社で、直営店338店、コントラクト店舗91店、フランチャイズ店舗285店、グループ会社32店を展開しています。
マルシェ株式会社は「酔虎伝」、「八剣伝」、「居心伝」などの居酒屋を関西圏に多く出店している会社で、直営店123店、フランチャイズ店舗354店を展開しています。
関東圏と関西圏に多く店舗を持つ両社が2017年6月27日に資本・業務提携を発表しています。
この資本・業務提携によって地域的な補完関係を築くことができ、全国の店舗で商品供給力、メニュー制作力、地域の特性を生かした店舗営業力を強くして促進していく予定のようです。
商材の相互供給や共同購買によって付加価値の向上やコスト削減、共同フェアの開催など店舗力の向上、教育交流・人材交流・採用・人材マネジメントで協力していく方針を示しています。
店舗運営のノウハウの共有によって、経営効率の高い店舗づくり、そのほかの企業価値の向上などを両社が協議した内容で協力する予定としています。

ジー・テイストによる湯佐和の子会社化

株式会社ジー・テイストは、神奈川県と中心に株式会社湯佐和の株式を取得して子会社化しています。
湯佐和は、地域密着型の寿司居酒屋や海鮮居酒屋を神奈川県に13店舗を出店しており、三崎漁港と長井漁港の買参権を持っており、新鮮な魚を店舗に提供するノウハウを持っています。
ジー・テイストは、神奈川県に店舗展開しており、新鮮な魚を仕入れるノウハウを持つ湯佐和を子会社化することで、外食業界の人材不足の門財やコストの高騰、消費者の節約志向・低価格指向の高まりに対して、ブランド力の向上や地域に根差した店舗展開、価格競争力やサービス力の強化などのシナジー公開を期待して子会社化しています。

まとめ

居酒屋の事業承継は、飲食業界の人材不足などの問題もありますが、後継者不足や店主の高齢化によって、難しい状況だといえます。 そのような中で、どのように事業承継していくか、店主を悩ませることとなっているのは明らかです。 特に、個人で経営している居酒屋の場合は、地元の常連客が多く惜しまれつつ閉店を余儀なくされているケースも多くみられます。 現店主の代で閉店しまうには惜しいお店もあり、事業承継についてはM&Aも視野に入れて検討していくべきなのでしょう。

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