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病院・クリニックにおける事業売却(M&A)とは?メリット・デメリット、事例を解説

病院・クリニックにおける事業売却(M&A)とは?メリット・デメリット、事例を解説

病院・クリニック業界のM&Aとは

M&Aを行う会社は急増しており、日本のM&A案件の数は年々増加しています。 M&Aはもはや業界・業種を問わず行われている経営手法であり、病院やクリニックのような医療機関もM&Aを行うケースもあります。 ただ、病院やクリニックは通常の会社とは違うため、M&Aのやり方も異なります。 今回は病院・クリニックの事業売却について、メリット・デメリットなどをお伝えします。

病院とクリニックの違いとは?

まずは病院とクリニックの違いについてお伝えします。 一見すると違いがわかりにくい二つの言葉ですが、実は明確な違いがあります。 その大きな違いは「ベッド数」です。 一般的な定義では、ベッド数が20床以上だと病院、19床以下だとクリニックとして扱われます。 厳密にいうと19床以下の医療機関は「診療所」として扱われ、クリニックもその部類に入るというわけです。 単純な括りでいってしまうなら、20床以上のベッドを持つ規模が大きい医療機関が病院、それより下の小規模な医療機関がクリニックに該当します。

高齢化の影響が直撃

病院・クリニック業界の現状を語るうえで欠かせないものが高齢化の影響です。 高齢化によって高齢者の数が急増しているのは周知の通りですが、それによって病院とクリニックの経営の変革が求められています。 増加する高齢者は当然病気やケガなどといったリスクが高く、病院・クリニックへのニーズが非常に高いものです。 しかし、このような状況に対して病院・クリニックの従来通りの受け入れ方が通じるわけではありません。 高齢者が多い地域であれば、その分効率的に診察・治療をする必要がありますし、その分医師や看護師といったスタッフを揃えなければなりません。 そのため医療へのニーズが高い地域の病院・クリニックは増加していく高齢者への対応を迫られています。 さらに高齢者の増加と同時に懸念されているのが認知症の増加です。 高齢者に多い認知症は、当然高齢者が増加すればそれに比例して患者数も増えていきます。 現状認知症を完全に治療できる方法が発見されていない以上、認知症患者にとって長期的なケア、つまり介護が重要になります。 介護サービスを提供するには病院・クリニック単体だと厳しいため、最近は介護事業所と連携を取ることで医療・介護など複合的なサービスを網羅した地域包括的なサービスを実施するケースが増えています。

最先端技術の導入

医療技術は常に発展しており、毎年のように最先端技術が開発されています。 最先端の医療器具や新薬、AIを活用したIT技術など、そのジャンルは実に多種多様です。 ただ、それらを導入するには一定以上のコストがかかりますし、MRIや放射線治療装置のような大型の機材の導入となると数千万円以上の費用がかかることも珍しくありません。 もちろん他の最先端技術も導入すれば数十万円~数百万円の費用は必然的にかかります。 大型の病院ならいざ知らず、クリニックのような規模が小さく、資金に限界がある診療所では最先端技術を導入することは難しいでしょう。 また最先端技術はそれを使いこなすのに一定以上の知識や技量が必要となります。 つまり最先端技術を導入したとしても、それを使いこなせる人材がいなければ意味がありません。 加えて最先端技術を投入した機器はメンテナンスにも費用がかかります。 これらの点を踏まえても、資金に限界がある病院・クリニックが最先端技術を導入することは非常にハードルが高いことだといえます。 他方で、患者の最先端技術への注目度・関心は非常に高く、とりわけガンなど特定の病気に対する最先端技術を持つ病院へのニーズはかなり高まっています。 そのため、最先端技術を持っているかどうかは診察を受ける患者数を増やせるかどうかを左右するといっても過言ではありません。 最近は病院・クリニックの内情や評判を調べられる口コミサイトも増えており、最先端技術導入の有無はそのまま病院・クリニックの評判に直結します。

人手不足

病院・クリニック業界において非常に厄介な問題として扱われているのが、人手不足です。 少子化もあって日本では医師のなり手が不足しており、医療を必要としている高齢者の増加と反比例している状況になっています。 加えて医師の過酷な職場環境が明らかになり、それを知って医師になることを忌避する若者も増えています。 とりわけ産婦人科や緊急科のような診療科の意思不足は深刻であり、必要性が高い診療科であるにも関わらず、病院・クリニックによっては存続が危ぶまれています。 また、地域に集中して発生する医師不足も問題です。 少子化の影響もあって地域は人口自体が減っており、それに比例して医師の人手不足も深刻化しています。 その影響もあって地域の病院・クリニックが廃業するケースが増加しており、医師のなり手がいないことも手伝い、医療機関がなくなってしまった地域もあります。 また、医師以外にも看護師の不足も問題化しています。 そもそも日本の医療制度では「7対1看護配置」を採用しており、常勤の看護師1人が患者7人を受け持つ体制を作ることで診療報酬を高く設定できるようになっています。 いってしまえば、7対1看護配置を採用することで病院・クリニックの収益が引き上がるわけです。 それもあって病院・クリニックは7対1看護配置ができるように看護師を積極的に採用する傾向があり、その結果看護師の取り合いが始まっています。 もし7対1という比率が崩れれば、診療報酬が安くなってしまうからです。 また、受け持つ患者が増えれば看護師の負担も増加するため、労務の観点からみても一定以上の看護師の確保は重要な任務だといえます。 しかし、新たな看護師の採用はコストも時間もかかることであり、日々の診察をこなすだけでも手一杯という病院・クリニックだと限界があります。 また採用競争が激化すれば確保できる看護師も減ってしまい、競争に敗れた病院・クリニックは人手の確保のみならず、収益の向上にも失敗してしまいます。 これらの問題は今後も深刻化することが懸念されており、既存の病院・クリニックが存続するうえでも解決しなければならない課題だといえます。

病院・クリニックの事業売却におけるメリット・デメリット

病院・クリニックの事業売却のメリット

買い手のメリット

さきほどもお伝えしたように病院・クリニック業界は医師の人手不足が問題化しており、特定の診療科を担う医師や、採用競争の激化によって看護師が不足していることは珍しいことではありません。
ただ、事業売却をしている病院・クリニックを買収すればそこに務める医師や看護師をそのまま引き継ぐことができるため、採用する手間が省けます。
新規の採用と違って研修や育成の手間もかからないことも大きなメリットだといえるでしょう。
また、特定の診療科が欲しい、特定のエリアに進出したいという際でも事業を買収すれば、スムーズに進めることができるようになります。

売り手のメリット

売り手の事業売却のメリットは、やはり病院・クリニックを存続できる目途を立てられるという点でしょう。 そもそも病院・クリニックは非常に公共性の高い機関であり、廃業することはその地域に多大な損失を与えます。 さらに一定数の患者を抱えている病院・クリニックは、患者のことを考えると廃業自体選択肢に入ることはないでしょう。 他方で人手不足だったり、経営者が高齢化によって引退しなければならない事態になるなどして、存続が難しい場面は少なくありません。 しかし、事業売却であれば、そのまま他の病院・クリニックに承継してもらえるため、廃業を回避できるだけでなく、患者を受け入れてもらうこともできます。 また、事業売却によって大手の医療法人のグループの傘下に入ることができれば、潤沢な資金を得ることで経営基盤を強化することができます。 そうすれば最先端技術の導入も容易になるだけでなく、施設投資や人員の増員など様々な施策を実行できるようになるでしょう。

病院・クリニックの事業売却のデメリット

病院・クリニックの事業売却のデメリットは「地域とのギャップが生じ得る」という点です。 病院・クリニックはその特性上、地域に根差した経営を行うことが求められます。 また診察はある意味コミュニケーションが重要になるため、患者との信頼関係の構築も欠かせない要素だといえるでしょう。 しかし事業売却を行い、経営者が変わることでそれまでのやり方が変わってしまうことがあります。 そうなってしまうと患者が求める診察や治療が提供できなくなったり、これまで培ってきた信頼関係を損なってしまうリスクも出てきます。 この点は買い手と売り手でしっかり協議しておく必要があります。

病院・クリニックの事業売却の事例

病院・クリニックの事業売却の事例は日本でも徐々に増えています。 日本では会社を問わず、大型のM&Aでなければ具体的な内情が公開されることは少ないですが、大型の医療法人に病院・クリニックを売却するケースが多いようです。 病院・クリニックの事業売却の特徴としては、譲渡価格が全体的に高額になりがちな点が挙げられます。 病院・クリニックはその特性上、専門的な知識を持つ人材や設備などを承継することが原因だと考えられます。

病院・クリニックの事業売却における注意点

病院・クリニックの事業売却における注意点は、やはり病院・クリニックという機関の特殊性でしょう。
一般的な企業とは違い、病院・クリニックは株式がないため、事業売却を含めたM&Aのやり方が大きく異なっています。
例えば病院・クリニックは許認可が必要な事業ですが、事業売却を行うと医療機関コードや雇用契約の主体を変更しなければならないため、様々な手続きが必要になります。
また、そもそも病院・クリニックは専門性が高い事業であり、医療技術に関する知識はもちろん、経営に関しても様々な知識が必要になります。
これらのような点を踏まえると、病院・クリニックの事業売却を一般的なM&Aや経営の知識だけで行うことはとても危険です。
病院・クリニックの事業売却は買い手と売り手同士で折り合いがつかずに破談したり、無事に契約が終了して開業したと思っても、契約や手続きで間違いが発覚して開業できなくなるケースがあります。
もちろん一般的なM&Aと同様に、税務や財務など様々な専門的な知識も必要となる場面も少なくありません。
病院・クリニックの事業売却を行う際には、ここで挙げた注意点を十分に理解したうえで行うようにしましょう。

病院・クリニックの事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談

実際に病院・クリニックの事業売却を行うのであれば、M&A仲介会社の専門家に相談することがおすすめです。
というよりも、さきほどの注意点で述べたように、病院・クリニックの事業売却は特殊性が高く、一般的な企業が行うM&Aと異なる点が多いため、素人だけで行うことはおすすめできません。
それにM&Aそれ自体が専門的な知識が必要な手法であるため、専門家のサポートは必要不可欠だといっても過言ではありません。
しかし、だからといってM&A専門家であれば誰でもいいというわけではありません。
病院・クリニックは特殊性が高い事業であり、医療はもちろん、経営に関するノウハウにも精通していなければ事業売却は上手くいくものではありません。
そのため、専門家も医療や医療・クリニックの経営に関するノウハウを知っており、実際に事業売却などのM&Aに携わった経験を持っている方が頼りになるでしょう。
幸いなことに、昨今はM&A仲介会社も多様化しており、特定の業界・業種に特化している業者が増えています。
もちろん病院・クリニックのM&Aを専門的に扱っているM&A仲介会社も多く、そのような業者であれば業界の事情にも精通しているため、事業売却が成功する可能性が高まるでしょう。
他にも病院・クリニックを専門にしている経営コンサルティング会社などもあり、このような業者がM&Aを手掛けてくれることもあります。
ただ、M&A仲介会社をはじめとするM&A会社は報酬設定がそれぞれ違っているため、リーズナブルにサポートを受けたい場合は依頼する前に調べておくようにしましょう。

まとめ

病院・クリニックは少子高齢化の影響により、今後大きく経営の見直しを求められることになる可能性が高いです。 それだけでなく、最先端技術の導入や人手不足など、解決しなければならない課題も多くあります。
病院・クリニック業界において事業売却のようなM&Aは有効的な手段となります。
専門性が高い病院・クリニックのM&Aは一筋縄ではいきません。
実績のある専門家にサポートを依頼し臨むようにしましょう。

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