M&A・事業承継の理解を深める M&A総合研究所ポータル(旧M&A STORY)

Logo

この記事は、約 2分で読めます。
税制適格ストックオプションとは?メリットや有償・非適格との違い

税制適格ストックオプションとは?メリットや有償・非適格との違い

目次

    税制適格ストックオプション

    ストックオプションを活用する企業は増加していますが、税務知識に関しては意外と知られていません。

    税務知識を把握しておかなければ、ストックオプションのメリットを十分に活かすことはできません。

    ストックオプションを有効活用する為には、課税される税金や仕組みを理解することが重要です。

    今回の記事では、税制適格ストックオプションに関して分かりやすく解説します。

    税制適格ストックオプションとは

    まず最初に、ストックオプションのメリットや分類を解説します。

    ⑴ストックオプションの概要とメリット

    ストックオプションとは、事前に設定された価格(権利行使価格)で株式を購入できる権利です。

    付与された対象(従業員や役員)は、株価が上昇した時点で権利行使・売却することで、権利行使価格と株価の差益を享受できます。

    株価は従業員・役員の頑張りによる業績により上がる為、従業員や役員のモラール(やる気)が上昇するメリットが得られます。

    株価が権利行使価格よりも低い場合は、権利行使しなければ損失を被らずに済みます。

    無償でストックオプションを付与される場合、証券会社を通じた株取引よりも遥かに低リスクで、キャピタルゲインを稼げます。

    ストックオプション導入により、会社側と付与される従業員や役員双方に大きなメリットがもたらされます。

    ⑵ストックオプションの種類

    一口にストックオプションと言っても、様々な種類が存在します。

    ストックオプションは、無償か有償かによって大別できます。

    さらに無償ストックオプションの中でも、税制適格か税制非適格かによって更に分類可能です。

    つまりストックオプションは、下記の通り分類されます。

    • 税制適格ストックオプション(無償)
    • 税制非適格ストックオプション(無償)
    • 有償ストックオプション

    各種類ごとに、課税される税金や仕組みが異なります。

    上記以外にも、権利行使価格の設定方法により分類される場合もあります。

    ※関連記事

    ストックオプションのメリット

    税制適格ストックオプションの要件

    税制適格ストックオプションの要件をご紹介します。

    税制適格ストックオプションのメリットを享受する為には、下記要件をクリアしましょう。

    ⑴発行形態

    無償で発行されるストックオプションであることが、第一の要件です。

    この要件には、役務提供の対価として発行されたものも含まれています。

    無償発行される事に加えて、ストックオプションの譲渡を禁止することも要件になります。

    つまり付与された人物がストックオプションを使わなければ、税制適格とはなりません。

    ⑵付与対象者の要件

    ストックオプションの付与対象者は、自社や関連会社の役員または従業員である必要があります。

    役員であっても、監査役や会計参与に対しては税制適格ストックオプションを付与できない為注意が必要です。

    更に監査役等以外の役員でも、発行済株式数のうち3分の1超(公開会社は10分の1超)を保有する者は税制適格の対象外です。

    一定数以上の株式を保有する経営陣(要件を満たさない者)に対しては、有償ストックオプションの付与がオススメです。

    ⑶権利行使価格・限度額

    権利行使価格に関しても、適格要件が設定されています。

    権利行使価格は、ストックオプション付与契約時の株価以上でなくてはいけません。

    従業員のモチベーション向上を考慮すると、極力ストックオプションの権利行使価格は低く設定することがベストです。

    例えば契約時の株価が100円であれば、権利行使価格は101円という感じで、適格要件を満たしつつ極力低く設定しましょう。

    年間権利行使価額が1,200万円を超えない事も要件となります。

    超えてしまうと超えた金額分だけでなく、権利行使価額の全額に課税が生じるので要注意です。

    ⑷権利行使期間

    税制適格要件をクリアする為には、付与決議日後2年から10年以内の間に、ストックオプションの権利行使を実施しなくてはいけません。

    2年以内もしくは10年を超えた場合は、税制非適格ストックオプションとなります。

    ⑸その他の要件

    上記以外にも、細かい税制適格要件が設定されています。

    会社法に反しない形での付与や証券会社との契約、法定調書の提出が要件となります。

    以上が税制適格ストックオプションの要件です。

    条件が厳しいのでストックオプションを活用する際は、計画的に準備しましょう。

    ※関連記事

    ストックオプションでかかる税金

    税制適格ストックオプションと非適格ストックオプションの違い

    税制適格ストックオプションと税制非適格のものでは、どの様な違いがあるのでしょうか?

    先に結論を示すと、課税されるタイミングや税金の種類に違いがあり、税制適格の方が税金上有利です。

    各ストックオプションごとに、課税のタイミングを確認しましょう。

    ⑴税制適格ストックオプションの課税

    税制適格ストックオプションでは、権利行使後に株式を売却した時点で課税が発生します。

    株式売却時には、「権利行使価格と売却価格の差額×株式数」分だけ譲渡所得が生じ、その譲渡所得に対して20.315%の所得税等が課税されます。

    通常の株取引と同様、申告分離課税により譲渡所得の金額に対して一律の税率で課税されます。

    20.315%の税金のうち5%分は住民税であり、所得税とは納税するタイミングが異なるのでご注意ください。

    申告分離課税である上に税率が一定である為、税負担は比較的軽いです。

    ⑵税制非適格ストックオプションの課税

    税制非適格ストックオプションでは、株式売却時点に加えて権利行使時にも課税されます。

    この時点で、税制適格ストックオプションの方が税金上有利である事は理解出来るでしょう。

    税制非適格の場合、課税タイミングのみならず権利行使時の税金種類の観点でも、非常に不利です。

    税制非適格ストックオプションでは、「権利行使時の株価と権利行使価格の差額×株式数」が給与所得となります。

    給与所得に対しては累進課税により課税される為、差額が大きいほど多額の税金が持って行かれます。

    最大で5割程度の税金を取られる事だけでなく、「実際には現金を得ていないにも関わらず課税される」点が難点です。

    権利行使と同時に株式を売却しなければ、納税する資金が不足する恐れがある訳です。

    以上から分かる通り、税制適格ストックオプションの方が非適格と比べて遥かにメリットが大きいです。

    役員・従業員のモチベーションを向上させる目的であれば、税制適格ストックオプションを導入しましょう。

    ※関連記事

    ストックオプション税制

    税制適格ストックオプションと有償ストックオプションの違い

    この項では、税制適格ストックオプションと有償ストックオプションの違いを解説します。

    ⑴両者の相違点

    ストックオプションを取得する際に費用が必要かどうかに違いがあります。

    通常ストックオプションを付与する際には、モチベーション向上の為に無償で従業員や役員に付与します。

    有償ストックオプションを取得する際には、付与対象者である従業員や役員が一定金額を支払う必要があります。

    不確実性の高い資産にお金を出す事になる為、役員や従業員のモチベーションには繋がらない様に思えるかもしれません。

    実際有償ストックオプションは一見すると持ち株制度や通常の株式取引と相違無いですが、有償ストックオプションには魅力的なメリットがあります。

    ⑵両者の共通点

    有償ストックオプションの場合、株式売却時のみ課税が生じます。

    つまり有償ストックオプションと税制適格ストックオプションは、課税タイミングの面で共通しています。

    付与対象者(従業員・役員)は、最初に費用を払えば税制適格と同じ条件でストックオプションを利用できます。

    税制適格要件を満たせない場合でも、有償ストックオプションを導入すれば、役員や従業員の利益を十分確保できます。

    ※関連記事

    ストックオプションと株価の関係性

    税制適格ストックオプションの課税と確定申告

    通常の株取引であれば確定申告が必要となりますが、税制適格ストックオプションでは確定申告は必要となるのでしょうか?

    この記事の最後に、税制適格ストックオプションにおける確定申告について、権利行使時点と株式売却時点に分けて解説します。

    ⑴権利行使時点

    税制適格ストックオプションでは、前述通り権利行使時点では税金は発生しません。

    確定申告とは、自身の所得金額に基づいて納税額を申告・納付する手続きである為、権利行使時点での確定申告は不要です。

    税制適格ストックオプションと同様の課税となる有償ストックオプションでも、この時点での確定申告は必要ありません。

    ⑵株式売却時点

    一方で株式売却時点では、税制適格か否かに関係なく譲渡所得に対する課税が発生します。

    つまりストックオプションの種類が何であっても、確定申告は必須です。

    税制非適格ストックオプションであれば、確定申告時に必要となる書類は通常の株取引と同様です。

    一方で税制適格ストックオプションの場合には、通常の株取引に要する書類に加えて、適格要件を満たす旨を証する書類が必要です。

    確定申告の際に、ストックオプション付与契約書のコピーや計算明細書等を証明書類として提出します。

    以上の通り税制適格か非適格かにより、確定申告時の提出書類が異なります。

    ストックオプションの確定申告を行う際は、予めストックオプションの種類を調べ、それに応じた提出書類を準備しなくてはいけません。

    確定申告に際しては、国税庁のHPにて書類を作成するか、もしくは手書きで申告書を作成します。

    ストックオプションの確定申告は慣れない部分も多いと思いますので、不安であれば税理士に相談することをオススメします。

    まとめ

    今回は、税制適格ストックオプションに関して説明しました。

    税制適格ストックオプションの要件は厳しいものの、導入により得ることが出来るメリットは非常に大きいです。

    税制非適格ストックオプションであると、課税タイミングが二重に発生する上に、現金が無い状態で納税しなくてはいけません。

    付与対象者にとってメリットが全く無いため、ストックオプションは税制適格要件を満たした上で導入しましょう。

    様々な事情で税制適格要件をクリア出来ない場合は、有償ストックオプションの導入がオススメです。

    最初に払い込みが必要とはなるものの、特に条件を満たさなくても税制適格ストックオプションのメリットを享受可能です。

    要点をまとめると下記になります。

    • ストックオプション導入のメリット

    →従業員・役員のモラール向上(会社側のメリット)、低リスクで株価上昇による差益を得られる(付与される側のメリット)

    • ストックオプションの分類

    →無償ストックオプション(税制適格・税制非適格)と有償ストックオプションに大別される

    • 税制適格ストックオプションと税制非適格ストックオプションの違い

    →税制非適格ストックオプションでは、権利行使時にも課税が発生する

    • 税制適格ストックオプションと有償ストックオプションの違い

    →有償でストックオプションを購入する代わりに、税制適格と同じ条件で税金が課される(税務上有利)

    • 税制適格ストックオプションの要件
    1. 発行形態→無償かつ譲渡禁止
    2. 付与対象者の要件→自社や関連会社の役員または従業員が付与対象(発行済株式数のうち3分の1超を保有する者は対象外)
    3. 権利行使価格・限度額→行使価格は契約時の株価以上、権利行使価額は年間1,200万円を超えない
    4. 権利行使期間→付与決議日後2年〜10年以内
    5. その他の要件→会社法に反しない、証券会社との契約が必要
    • 税制適格ストックオプションの確定申告

    →株式売却時のみ必要。税制非適格ストックオプションとは提出書類が異なる点に注意する

    M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

    M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
    M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

    M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

    1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
    2. M&Aに強い会計士がフルサポート
    3. 圧倒的なスピード対応
    4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
    >>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

    M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
    企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
    また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
    まずはお気軽に無料相談してください。

    >>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

    電話で無料相談WEBから無料相談
    • 02
    • 03
    • 04
    • 05
    お電話でのご相談
    03-6427-8841
    WEBから無料相談