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インサイダー取引とは?事例や違反した際の罰則をわかりやすく解説

インサイダー取引とは?事例や違反した際の罰則をわかりやすく解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    インサイダー取引

    インサイダー取引という言葉は投資家でなくても聞いたことがあるという人が多いかと思います。

    インサイダー取引=罪というイメージを持っている人も少なくないかと思いますが、具体的にインサイダー取引がどういったものかはわかりづらいものです。

    何となく投資を始めたらインサイダー取引になってしまった…なんてこともあり得るかもしれません。

    今回はインサイダー取引の規制の対象者や注意点についてお伝えしていきます。

    インサイダー取引とは?インサイダー取引の意味

    まずはインサイダー取引とはどういったものかについてお伝えします。

    インサイダー取引とは上場会社(親会社・子会社関係なく)の従業員・役員や大株主といった会社関係者、情報受領者が会社の株価に影響を与えるような重大な事実を知ったうえで特定有価証券といった売買を行うことをいいます。

    つまり株価が変動することを事前に把握した上で株式の売買を行うといった行為がインサイダー取引に該当します。

    言ってしまえばインサイダー取引はカンニングのようなものです。

    インサイダー取引は投資者保護、金融市場の信頼確保のために厳しく規制されており、罰則も設けられている不正構成です。

    日本でインサイダー取引というと2006年に起こった「村上ファンド事件」が有名ですが、他にもNHKの記者や公認会計士、経済産業省審議官など会社の内部情報を手に入れられる立場の人間がインサイダー取引を行う、あるいは加担するという事例も少なくありません。

    もちろん社会的地位に関わらず、その会社の一社員でも株価に影響を与える重要な情報をたまたま手に入れたことでインサイダー取引に加担してしまうという事例もあります。

    その点を踏まえると、インサイダー取引は投資を行える人であれば誰もが加担できる、あるいは実行できるものだといえます。

    そのため意識していなくてもインサイダー取引を行ってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

    もちろんM&Aにおいてもインサイダー取引は注意すべき事柄です。

    M&Aを行うという情報がインサイダー取引を招いてしまうなど、トラブルが発生するリスクがあるからです。

    インサイダー取引のようなトラブルを未然に防ぎたければ、M&A総合研究所が協力致します。

    M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。

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    インサイダー取引の規制の対象者と違反事項

    ここではインサイダー取引の規制の対象者と違反事項についてお伝えします。

    インサイダー取引の規制の対象者

    金融商品取引法ではインサイダー取引をするリスクが高い人に対して規制がかけられています。

    金融商品取引法では規制対象者に「会社関係者」「元会社関係者」「情報受領者」が定められています

    それぞれの具体的な内容は以下の通りです。

    ①会社関係者

    会社関係者は大きく分けて4種類あり、「当該上場会社の役員(親会社・子会社関係なく)」、「当該上場会社の議決権の3%以上の議決権か株式を持つ株主(子会社の会計帳簿を見る権利を持つ親会社の株主や株式を持つ社員なども該当)」、「当該上場会社を監査する監査省庁の公務員、あるいは監査役や会計監査人」、「当該上場会社との契約締結者」といったものがあります。

    金融商品取引法ではそれぞれの重要事実の知覚方法についても記されています。

    • 役員:その者の職務の過程で知った時
    • 議決権の3%以上の議決権か株式を持つ株主:当該権利の行使の過程で知った時
    • 監査省庁の公務員、あるいは監査役や会計監査人:当該権限を行使して知った時
    • 契約締結者:当該契約の締結、交際、履行に際して知った時

    ②元会社関係者

    元会社関係者はさきほどお伝えした会社関係者とほぼ同じであり、会社から離職して1年間はインサイダー取引の規制対象者として扱われます。

    ただ、規制がかけられるのは会社に在籍していた際に知った重要事実に限られています。

    会社を離職してから知った重要事実に関しては情報受領者への規制に該当しなければインサイダー取引の規制の対象にはなりません。

    ③情報受領者

    情報受領者は原則として会社関係者、あるいは元会社関係者から重要事実を伝えられた人が該当します。

    情報受領者は大きく分けて2種類あり、会社関係者や元会社関係者から重要事実を伝えられた第一次情報受領者、あるいはその人が所属している法人の他の役員などでその者の職務に関して重要事実を知った人が該当します。

    ただ、上記に該当しないうえに第一情報受領者から重要事実を伝達されたという人は「第二次の情報受領者」と呼ばれ、インサイダー取引の規制対象者としては扱われません。

    情報受領者のやっかいな点は重要事実の伝達がどういう経緯で発生したかによって第一次情報受領者か第二次の情報受領者になるかが変わってきます。

    例えば第三者に直接重要事実が伝えられた場合や間にメッセンジャーを挟んで第三者に重要珠報を伝えた場合、その第三者は第一次情報受領者になります。

    しかし第三者が偶然重要事実を聴いていた場合、それは第三者に重要事実を伝える意図がなかったことになるため第一次情報受領者には該当しません。

    つまり「重要事実の伝達をその第三者に意図的に行っているかどうか」がポイントになります。

    インサイダー取引の違反事項

    インサイダー取引において最も重要な違反事項は「公表されていない株価に影響を与える重要事実を知ったうえで株式などの特定有価証券の売買を行う」という点にあります。

    基本的に下記で紹介する重要事実が「2つ以上の報道機関で公表されて12時間以上経過している」「有価証券届出書などで公衆の縦覧に供されている」「Dnetなどで公衆の縦覧に供されている」のであればインサイダー取引にはなりません。

    この重要事実は上場会社の親会社・子会社問わず以下のようなものが該当します。

    ①決定事実

    会社が「行う」と決定した事項、あるいは公表されている事項に関して「行わない」と決定した事項を指します。

    決定事実は会社合併、事業譲渡、新株発行、新製品・新技術開発などといったものが該当します。

    ②発生事実

    発生事実は会社が意図していない範囲で発生した事柄を指します。

    決定事実が会社が「意図して」決定したことを指すのに対し、発生事実は会社が「意図せず」発生させてしまったことを指していると考えればわかりやすいでしょう。

    発生事実に該当するものは自然災害や上場廃止、主要株主の異動などがあります。

    ③決算情報

    決算情報は直近で公表された決算の予想値と比べてある程度の差が発生した場合の決算の数値が該当します。

    売上高や営業利益などといったものが予想値よりある程度の差がある場合は決算情報として扱われます。

    ④バスケット条項

    バスケット条項は2017年に初めて適用された重要事実であり、決定事実・発生事実・決算情報に該当はしない一方で会社の株価変動や運営、業務、財産に関する重要な事実であると同時に投資判断に大きな影響を与える情報のことをいいます。

    従業員持株会のインサイダー取引に関する注意点

    昨今は従業員持株会(俗にいうストックオプション制度)をインセンティブとして導入する会社が増えていますが、これもインサイダー取引の観点から注意する必要もあります。

    一見、会社関係者に該当する会社の従業員が株式を売買できる従業員持株会はインサイダー取引の観点から見るとアウトのように感じるかと思います。

    ただ、会社の何らかの重要事実を知っていても、従業員持株会で株式を「取得する」こと自体はインサイダー取引には該当しません。

    インサイダー取引に該当するのは知っている重要事実が公表される前に株式を「売却する」ことです。

    つまり仕事の過程で知った重要事実が公表されていないにも関わらず、株式を売却してしまえばインサイダー取引として摘発されてしまう恐れがあります。

    もちろん意図的に重要事実の公表前に株式を売却したのであればインサイダー取引として摘発されてしかるべきですが、この点は裏を返せばなかなかやっかいだといえます。

    そもそも従業員だからといって「自分の知った情報が重要事実かどうかわからない」ということは珍しくありません。

    末端の従業員や部署が異なる従業員であれば重要事実かどうかを判断できない可能性は十分に考えられます。

    会社内部の人間であればひょんなことで重要事実を知ってしまうこともありますし、上層部にいなければそれが重要事実かどうかを見極める判断材料も少ないものです。

    公表前の重要事実を知ったことを自覚しないまま株式を売却したらインサイダー取引になってしまった…みたいなことは充分にあり得るといっても過言ではないでしょう。

    そのため従業員持株会を通じて株式を売却する場合、公表前の情報を知ったならなるべく公表後に株式を売却するようにしたり、従業員持株会を管理している部署に知った情報を確認してもらうなど、ちゃんと対策を立てておくようにしておきましょう。

    インサイダー取引における課徴金の事例

    万が一インサイダー取引をやってしまった場合は課徴金が課せられます。

    課徴金とはいってしまえば罰金であり、インサイダー取引規制の実効性を守るために行われる行政上の措置です。

    課徴金は基本的に違反した本人に対して課せられますが、役員のような経営の中枢にいる人間がインサイダー取引を行った場合は上場会社そのものに課徴金が課せられたり、役員などから重要事実の情報を提供された公開買付者に課徴金が課せられることがあります。

    原則として課徴金の額は以下のようになっています。

     

    誰の計算で行われたか

    違反類型

    課徴金の額

    自己、密接関係者、特殊関係者、上場会社(役員など)など

    売付など

    (売付などの価格×売付などの数量)-(重要事実が公表されて2週間の最安値×売付などの数量)

     

     

    買付など

    (重要事実が公表されて2週間の最高値×買付などの数量)-(買付などの価格×買付などの数量)

    他人の計算

    資産運用業者

    1ヶ月分の運用対価の総額×3

     

    その他

    違反行為に関わる対価の総額

     

    仲介関連業務

    1ヶ月分の仲介関連業務の対価の総額×3

     

    募集等業務

    (1ヶ月分の仲介関連業務の対価の総額×3)+(募集等業務や引受業務の対価の総額÷2)

    (情報伝達・取引推奨を行った者が対象)

    その他

    情報伝達・取引推奨を受けた者が得た利益額÷2

     

    また、課徴金は要件を満たせば増額・減額されることがあります。

    例えば自社株取得を行った場合、課徴金の調査が行われるよりも先に証券取引等監視委員会に自主的に報告すれば課徴金は半額になります。

    逆にインサイダー取引を行った者や情報伝達・取引推奨を行ったものが違反行為日から過去5年以内に課徴金納付命令を出されていた場合は課徴金が1.5倍になります。

    家族や知人でも罰則や逮捕の恐れのあるインサイダー取引

    インサイダー取引の怖い点は場合によっては家族や知人でも罰則を受ける、あるいは逮捕されてしまうリスクが伴うという点です。

    実際インサイダー取引の事例の中には会社の従業員だけでなく、その従業員の妻や母親、友人が逮捕されたり、課徴金を納付したというケースが少なくありません。

    公表されていない会社内部の重要事実は必ずしも当事者や、その業界に身を置く人間だけが知るとも限りません。

    何となく仕事の愚痴を家族に話している過程で重要事実が漏れてしまったり、パソコンやスマホから偶然重要事実を家族や知人が知ってしまうということは充分に考えられるでしょう。

    従業員持株会の項で「従業員でも重要事実かどうかわからない」ことがあるとお伝えしましたが、家族であればなおさら公表されていない重要事実かどうかの判断は難しくなります。

    またインサイダー取引は上手くいけば数百万、数千万円以上の利益をもたらすこともあるため、軽はずみにやってしまうこともあり得るでしょう。

    しかしインサイダー取引はさきほどお伝えした課徴金の納付だけでなく、懲役5年以下・罰金500万円以下の刑を受ける可能性があるものです。

    家族や知人といえども重要事実をうっかり口にしないようにしておきましょう。

    インサイダー取引の対象者が決定された基準はその場の情報を知ったいきさつや、その場のシチュエーションに依拠しており、思わぬ形でインサイダー取引に該当してしまうこともあるため、注意が必要です。

    まとめ

    インサイダー取引は健全かつ公平な株式市場を守るために規制されているものです。

    利益が出そうだからといって安易に実行してしまうと社会的制裁を受けるだけでなく、会社や関係者からの信頼も失ってしまいます。

    また「うっかりやってしまう」可能性も孕んでいるのがインサイダー取引の注意点だといえます。

    株式の売買を行う際は十分に注意しましょう。

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