2024年1月27日更新会社・事業を売る

ノンネームシートとは?意味やM&Aでの活用、情報漏えいの危険性を解説

ノンネームシートとは、M&Aの実施を検討する企業が、その概要を匿名でまとめた書類のことです。ノンネームシートに記載する事項として、所在地や事業内容、従業員数、売上高などが挙げられます。そのため、情報漏えいの危険性を減らすためにも、ノンネームシートは重要です。

目次
  1. ノンネームシートとは
  2. M&Aにおけるノンネームシートと企業評価
  3. ノンネームシートの活用
  4. ノンネームシートの内容
  5. ノンネームシートの活用と情報漏えいの危険性
  6. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

ノンネームシートとは

ノンネームシートとは

M&Aを実施する上で、1番はじめに明確にするのはM&Aを実行する目的です。そして、その次が相手企業の選定になります。相手企業の選定では、売り手企業も買い手企業も、相手企業の事業内容や売却金額を把握する必要があります。

現代ではそのような情報が簡単に手に入るため、情報の取り扱いに関しても十分に注意する必要があります。また、M&Aの際には、相手企業の情報を厳重に取り扱う必要があります。相手企業の情報を伏せながらM&Aを実施する際、手助けとなるものがノンネームシートです。

ノンネームシートとは、秘密保持契約を締結する前の段階で買手候補企業に提示する簡易的な資料をさします。会社が特定されるような具体的な情報は記載せず、地域、事業内容、売上規模などの概要を匿名でまとめます。今回は、ノンネームシートについて詳しく解説していきます。

※関連記事
M&Aとは?M&Aの意味をわかりやすく解説!

M&Aにおけるノンネームシートと企業評価

M&Aにおけるノンネームシートと企業評価

M&Aは、これまで取引がなかった企業と実施するケースがほとんどで、M&A仲介会社やアドバイザリーを介して実施されます。

M&Aの流れの中で、最も重要なプロセスは企業評価です。企業を評価することで、相手企業がM&Aを実施するにふさわしい企業であるかを確認できます。企業評価は、大きく3つの要素に大別できます。

  1. 既存情報とのすり合わせ
  2. 定量分析
  3. 会社の定性分析

①既存情報とのすり合わせ

手元にある既存の情報と、相手先企業の経営者に対するヒアリングの情報に相違点がないかを確認します。たとえば所在地や従業員数、具体的な事業内容などが該当します。

②定量分析

多くの会社は資産と負債を抱えています。そのため、定量分析では、現段階所持している会社の資産を時価評価し、負債の額と伴うリスクについて把握する必要があります。

③会社の定性分析

②の定量分析は、数値化して把握できる要素です。一方、会社の定性分析で換算する資産は数値化できません。会社の定性分析では、具体的に以下の事柄について分析します。

  • 経営者の能力や資質
  • 幹部社員の能力や資質
  • 会社を売却するに至った理由
  • 具体的なビジネスモデルと営業ビジョン
  • 今後の設備投資の実施計画
  • 特許があれば所有権と特性
  • 工場の場合は土壌汚染の有無
  • 労働組合があるか否か、ある場合には上部団体の特質
  • 対象となる業界の動向と今後の成長性
  • 業界の許認可などの動向

上記の項目によって、売り手側企業の定性分析を実施します。

このように、譲渡価格を決定する際は、上記3つの評価を実施します。企業評価はM&Aを実施するために必須の項目ですが、企業評価する前にはノンネームシートという企業の概要を匿名で記した書類が必要です。

また、企業評価を実施するためには、専門的な知識が必要になるため、プロのサポートを受けることをおすすめします。

M&A総合研究所には、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)事前相談も無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。

※関連記事
企業評価とは?企業評価方法や企業評価のメリット・デメリット

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

ノンネームシートの活用

ノンネームシートの活用

ノンネームシートとは、M&Aを検討している企業が、買手候補企業に提示する匿名の資料です。主にM&Aの仲介会社がM&Aの候補先企業に対して打診する際に使用します。

ノンネームシートは、「1次情報」や「1枚もの」とも呼ばれ、M&Aでは非常に重要な書類となります。つまり、ノンネームシートは、M&Aにおける匿名のエントリーシートの役割を果たします。

ノンネームシートが活用される流れ

M&Aを検討している会社が仲介会社にその旨と希望条件などを伝えると、仲介会社から候補となる企業の情報が提示されます。その情報こそがノンネームシートです。

その後、買い手企業がノンネームシートに関心を示すと、具体的なM&A検討の段階に進み、会社名やさらなる詳細情報が開示されます。

【関連】M&Aにおけるソーシングとは?業務内容や手順、M&A仲介会社への依頼方法を解説!

ノンネームシートの内容

ノンネームシートの内容

多くの場合、ノンネームシートには大きく「厳秘」などの文字か記載されます。ノンネームシートには、機密情報が記載されているため、厳重に取り扱わなくてはなりません。

また、ノンネームシートにはすべての情報が抽象的に記載してあります。なぜなら、情報を厳密に記載してしまうと情報漏えいのリスクが高まるからです。

売り手企業としては、自社情報の詳細を魅力的に載せたいところでしょう。しかし、結果的にM&Aを実施しない場合は、ただ大量の情報を他社に教えることになります。そのため、ノンネームシートには抽象的な情報しか記載できないのです。具体的には、以下の項目が記載されています。

  1. 事業内容
  2. 所在地
  3. 売上高
  4. 従業員数
  5. 譲渡理由
  6. 特徴

①事業内容

「◯◯の企画」「製造卸」など、事業内容を抽象的に記載します。どのような商品を扱っているかといった具体的な部分は隠し、大まかに記載しましょう。

②所在地

首都圏、関東、東北など、地域までを記載します。当然ながら、詳細な住所は記載しません。基本的には都道府県も公開しません。

③売上高

M&Aでは比較的重要視される項目ですが、「1億円以上」などのように大まかに記載します。

➃従業員数

正確な人数ではなく「約◯名」と記載します。当然ながら役員の数も非公開です。

⑤譲渡理由

1〜2行程度で簡潔にまとめます。「後継者不足」や「自社の発展のため」などの記載方式が一般的です。

⑥特徴

この項目では、自社の強みを記載する部分であるため、具体的に記載したいと考える方が多いでしょう。しかし、情報漏えいに直結する項目でもあるため、1〜3個程度を箇条書きにして簡潔にまとめる必要があります。

たとえば、「近年はメーカー機能強化に力を入れている」「ショッピングモールへの販路がある」程度にしておくのが一般的です。上記6点のほか、ノンネームシートには書類の取り扱いについて細かく注意点が記載してあります。

ノンネームシートの活用と情報漏えいの危険性

ノンネームシートの活用と情報漏えいの危険性

情報漏えいの危険性があるため、ノンネームシートの取り扱いについては、十分に注意しなければなりません。情報が漏れ出してしまうと、以下のような事態に発展するため十分配慮しましょう。

  1. 機密情報が漏えいする
  2. 個人情報が流出する
  3. ホームページが無断で改竄される

①機密情報が漏えいする

機密情報が漏えいしてしまうと、会社への信頼力が下がってしまいます。加えて、会社全体がウイルスに感染する危険性も高まります。その結果、会社の機能が失われ、通常通りに業務をこなせない可能性も否定できません

②個人情報が流出する

多くの企業は個人の顧客情報を管理しています。そのため、会員の登録情報が漏れてしまうと、賠償や訴訟といった問題にも発展します。

また、個人情報の流出に伴って企業のブランドイメージは著しく低下し、情報力が回復したとしても新たに顧客を獲得しにくくなるだけでなく、既存顧客との関係も失う可能性があります。

③ホームページが無断で改竄される

情報が漏えいした場合、他の機関がホームページの改竄を実行する危険性があります。ホームページが勝手に改竄された場合、誤った企業情報が蔓延する原因になります。その結果、企業のブランドイメージが低下し、信頼力を失う事態につながります。

このように、情報が漏えいしてしまうと、上記のような事態に発展する可能性があります。情報の漏えいは企業のイメージダウンにつながり、最終的には経営が遂行できなくなる危険性もあります。したがって、M&Aを実施する際には、匿名性を重視したノンネームシートを使用して、情報の漏えいを防止する必要があります。

また、些細な情報の切れ端から、基幹となる情報が漏れ出してしまうリスクがあるので、匿名であるノンネームシートであっても、十分注意して取り扱う必要があります。

M&A総合研究所には、M&Aに豊富な知識と経験を持つアドバイザーが多数在籍しています。案件ごとに専任アドバイザーがつき、丁寧にサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)

無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

まとめ

まとめ

今回はノンネームシートについて紹介しました。M&Aとは、企業間のマッチングであり、相性のいい企業同士が統合します。しかし、現実は相性のいい相手が見つからず、成功率が低いのが現状です。

したがって、企業評価に力を入れて、両社が納得のいくM&Aを実施する必要があります。そのため、ノンネームシートを有効的に活用し、企業同士の信頼構築を図る必要があるのです。

要点をまとめると下記のとおりです。

・ノンネームシートとは
→秘密保持契約を締結する前の段階で買手候補企業に提示する簡易的な資料のこと

・企業評価の3つの要素
→既存情報とのすり合わせ、定量分析、会社の定性分析

・ノンネームシートの活用
→ノンネームシートはM&Aの仲介会社がM&Aの候補先企業に打診する際に使用する

・ノンネームシートの内容
→事業内容、所在地、売上高、従業員数、譲渡理由、特徴

・情報漏えいの危険性
→機密情報が漏えいする、個人情報が流出する、ホームページが無断で改竄される

M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談は成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 譲渡企業様完全成功報酬!
  2. 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
  3. 上場の信頼感と豊富な実績
  4. 譲受企業専門部署による強いマッチング力
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

あなたにおすすめの記事

M&Aとは?手法ごとの特徴、目的・メリット、手続きの方法・流れも解説【図解】

M&Aとは?手法ごとの特徴、目的・メリット、手続きの方法・流れも解説【図解】

近年はM&Aが経営戦略として注目されており、実施件数も年々増加しています。M&Aの特徴はそれぞれ異なるため、自社の目的にあった手法を選択することが重要です。この記事では、M&am...

買収とは?用語の意味やメリット・デメリット、M&A手法、買収防衛策も解説

買収とは?用語の意味やメリット・デメリット、M&A手法、買収防衛策も解説

買収には、友好的買収と敵対的買収とがあります。また、買収に用いられるM&Aスキーム(手法)は実にさまざまです。本記事では、買収の意味や行われる目的、メリット・デメリット、買収のプロセスや...

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

M&Aや投資の意思決定するうえでは、今後得られる利益の現時点での価値を表す指標「現在価値」についての理解が必要です。今の記事では、現在価値とはどのようなものか、計算方法や割引率、キャッシ...

株価算定方法とは?非上場企業の活用場面、必要費用、手続きの流れを解説

株価算定方法とは?非上場企業の活用場面、必要費用、手続きの流れを解説

株価算定方法は多くの種類があり、それぞれ活用する場面や特徴が異なります。この記事では、マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセス、株...

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。しかし、会社は赤字だからといって、必ず倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリット...

関連する記事

法務デューデリジェンス(法務DD)とは?目的から手続きの流れまで徹底解説!

法務デューデリジェンス(法務DD)とは?目的から手続きの流れまで徹底解説!

M&Aは事業継続やシェア拡大の目的達成のために行われ、その取引を成功させるためにも法務デューデリジェンスは欠かすことができません。そこで本記事では法務デューデリジェンス(法務DD)を詳し...

トップ面談とは?M&Aにおける役割や進め方・成功のためのポイントも解説!

トップ面談とは?M&Aにおける役割や進め方・成功のためのポイントも解説!

トップ面談は、M&Aの条件交渉を始める前に行われる重要なプロセスです。当記事では、M&Aにおける役割や基本的な進め方を確認しながらトップ面談の具体的な内容と知識を解説します。トッ...

ディスクロージャーとは?M&Aにおける意味やメリット・デメリットまで解説!

ディスクロージャーとは?M&Aにおける意味やメリット・デメリットまで解説!

ディスクロージャーは、自社イメージの向上や株価の上昇を実現する目的として実施されることが多いです。 本記事では、そんなディスクロージャーの意味や種類、メリットとデメリット、実施のタイミングなど...

連結会計とは?連結財務諸表の作成方法から修正・おすすめ管理システムまで紹介!

連結会計とは?連結財務諸表の作成方法から修正・おすすめ管理システムまで紹介!

対象の財務諸表を連結修正を行って正しい金額(連結会計)に再計算をする必要があります。ここでは、そもそも連結会計とはどういうものなのか、連結決算には絶対必要な連結財務諸表の作成方法から連結修正の方...

【2021年最新】webメディア売却の事例25選!動向や相場も解説

【2021年最新】webメディア売却の事例25選!動向や相場も解説

webメディアの売却・買収は、売買専門サイトの増加などの背景もあり年々活発化してきています。本記事では、webメディア売却の最新事例を25選紹介するとともに、売却・買収動向やメリット・デメリット...

会社売却でかかる税金はいくら?計算方法・税金対策をわかりやすく解説

会社売却でかかる税金はいくら?計算方法・税金対策をわかりやすく解説

会社売却にかかる税金は、株式譲渡・事業譲渡といったスキームによっても違い、株式譲渡の場合は株主が個人か法人かによっても違います。この記事では、会社売却にかかる税金に関して計算方法を解説するととも...

株式譲渡と事業譲渡の違いは?税金、手続き、メリットについて解説【図解】

株式譲渡と事業譲渡の違いは?税金、手続き、メリットについて解説【図解】

M&Aの主な手法は株式譲渡と事業譲渡ですが、両者は手続き・税金・メリット・デメリットなどあらゆる点で違います。本記事では、株式譲渡と事業譲渡の違いについて図解も交えながら解説しています。...

会社を売るタイミングはいつ?業績から最適な売り時を考えて売却しよう!

会社を売るタイミングはいつ?業績から最適な売り時を考えて売却しよう!

M&Aによる会社売却はタイミングが重要で、同じ会社でもタイミングの違いによって売却価格が大きく変わる可能性があります。この記事では、会社売却の適切なタイミング、会社売却のメリットや利益を...

【2021】出版業界のM&A動向と事例9選!会社売却・買収の実績を解説!

【2021】出版業界のM&A動向と事例9選!会社売却・買収の実績を解説!

出版業界は、電子書籍の普及と紙媒体の衰退といった大きな変化の渦中にあり、業界再編などを目的としたM&Aが活発です。本記事では、出版業界の最新M&A事例9選を紹介するとともに、出版...

M&Aコラム
人気の記事
最新の記事

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

ご相談はこちら
(秘密厳守)