2023年5月10日更新都道府県別M&A

三重県の事業承継とは?3つの方法や流れについても詳しく紹介!

本記事では、三重県の事業承継について解説します。中小企業の全国的な課題である後継者難による事業承継について、三重県では他の自治体に負けじと熱心に支援を行っています。三重県で事業承継を検討している方は必見の内容になっています。

目次
  1. 三重県の事業承継とは
  2. 三重県における事業承継の方法と流れ
  3. 三重県の公的事業承継支援
  4. 三重県の事業承継におすすめのM&A仲介会社
  5. 三重県の事業承継についてのまとめ
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三重県の事業承継とは

国内の各産業にとって少子化による人口減少は、これ以上の市場規模成長が見込めないばかりか、縮小が予測される厳しい状況を作り出しています。さらに、その少子化は、中小企業に対して別の問題をも引き起こす元凶です。

その問題とは、中小企業における後継者不足問題です。高齢となった経営者が引退しようとするとき、過去においては身内などの親族に事業は承継されていました。しかし現代では、少子化によって、後継者候補となる身内の存在が減少してしまったわけです。

そして、後継者がいない中小企業の経営者は、やむを得ず引退とともに会社を廃業する事態が多発するようになりました。中小企業庁発表資料によると、2016(平成28)年時点で中小企業数の比率は全体の99.7%、従業員数の比率は中小企業が全体の70.1%です。

つまり、このまま中小企業の廃業が増加していってしまうと、多くの人の雇用が失われ、経済が悪化してしまうことは避けられなくなってしまいます。そこで、昨今は全国において、官民一体となって中小企業の廃業に歯止めをかけるべく、事業承継を支援する取り組みが行われています。

本記事では、その中から、三重県における事業承継支援の実情について詳細を明らかにします。

中小企業の事業承継については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

※関連記事
中小企業の事業承継とは?事業承継税制や課題、事業承継の方法を解説
事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

三重県における事業承継の方法と流れ

2017(平成29)年、三重県が県内の中小企業に実施したアンケート結果によると、「後継者が決まっている」または「後継者候補はいる」と答えた企業の合計は69%でした。つまり、31%の企業では後継者が決まっていないということです。

この全国で共通する後継者難という事態に対峙するため、国としても支援策を打ち出す一方、その動きや指示を受けて三重県としても、中小企業が廃業せずに事業承継を実現させるための支援を積極的に取り組んでいます。

高齢者となった中小企業の経営者は、身内で後継者がいなければ社内での事業承継を検討します。しかし、それでも後継者が見つからないということになると、事業承継を断念し廃業を選んでしまうのです。

国も三重県も、そこにM&Aでの事業承継という第三の選択肢があることをアピール・啓蒙し、中小企業が存続していけるためのサポートを行っています。そのサポートは公的機関だけでなく、金融機関や商工会議所、各士業事務所、民間M&A仲介会社などを連携させる規模のものです。

それは、「事業承継ネットワーク」と呼ばれる体制で、三重県だけでなく、全国の各都道府県ごとに設置され、自治体主導で運営されています。中小企業経営者は事業承継ネットワーク窓口で相談することによって、必要と考えられる各種サポートを適切な組織にあっせんしてもらえる仕組みです。

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三重県の公的事業承継支援

三重県では、中小企業の事業承継支援に取り組む以前から、公益財団法人三重県産業支援センターを設立し、県内の全ての事業者および起業・創業を行おうとする人たち向けに、包括的な経営支援を行ってきていました。

その流れの中で、まず、三重県事業引継ぎ支援センターが設置され、そして、三重県事業承継ネットワークの体制が敷かれていきます。三重県事業承継ネットワークでは、他の都道府県とは違った取り組みも実践されています。

三重県事業引継ぎ支援センター

2014(平成26)年6月2日、三重県の中小企業の事業承継問題解決に向けた相談窓口として、三重県事業引継ぎ支援センターが設置されました。事業引継ぎ支援センターは中小企業庁の指導の下、全都道府県に設置されていますが、一度に全ての自治体に開設されたわけではありません。

事業引継ぎ支援センター設置に向けた諸準備が整った自治体から、順々に開設されたのです。三重県は全国で14番目の早さで事業引継ぎ支援センター設置に至っており、事業承継問題への意識の高さと、三重県産業支援センターによる活動の下地があったことがうかがえます。

三重県事業承継ネットワーク

2017(平成29)年8月、三重県産業支援センターが事務局となって、三重県内の中小企業の事業承継を支援・推進するために、三重県内の公的機関と商工団体、金融機関、各士業事務所が連携して対応する三重県事業承継ネットワークが組成されました。

三重県事業承継ネットワークを構成する各組織・団体は、以下のとおりです。

【公的機関】

  • 三重県
  • 三重県事業引継ぎ支援センター
  • 三重県よろず支援拠点
  • 三重県中小企業再生支援協議会
  • 市長会
  • 町村会
  • 中部経済産業局
  • 東海財務局津財務事務所
  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構中部本部

【商工団体】

  • 三重県商工会議所連合会
  • 三重県商工会連合会
  • 三重県中小企業団体中央会

【金融機関】

  • 桑名三重信用金庫
  • 北伊勢上野信用金庫
  • 津信用金庫
  • 紀北信用金庫
  • 百五銀行
  • 三重銀行
  • 第三銀行
  • 中京銀行
  • 日本政策金融公庫
  • 商工組合中央金庫
  • 三重県信用農業協同組合連合会
  • 名古屋中小企業投資育成
  • 三重県信用保証協会

【士業団体】

  • 一般社団法人三重県中小企業診断協会
  • 日本公認会計士協会東海会
  • 東海税理士会三重県支部連合会
  • 三重弁護士会

三重県の事業承継ネットワークの特徴として、多くの自治体では中核組織を担うのは事業引継ぎ支援センターであるところが、より歴史と実績がある三重県産業支援センターである点です。

また、市長会、町村会が事業承継ネットワークのメンバーに加わっているのも珍しく、三重県をあげて事業承継問題解決に向けて取り組もうという姿勢が、よく表れています。

ビズリーチとの事業承継包括協定

2018(平成30)年6月20日、三重県および三重県事業承継ネットワークは、東京のインターネット・サービス事業ビズリーチと、M&Aによる事業承継において連携・協力する包括協定を結びました。

具体的には、ビズリーチがインターネット上で運営している、事業承継に特化したM&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」を活用し、1件でも多くのM&Aによる事業承継の実現を目指すものです。

三重県事業承継ネットワーク側としては、加入する全ての金融機関が別途ビズリーチと業務提携を結び、ビズリーチ・サクシードの周知と利用促進を図ります。ビスリーチ側は、導入支援やビズリーチ・サクシードの有効活用アドバイスなどのサポートをする協定です。

事業承継支援資金

三重県では、中小企業融資制度の一環として事業承継支援資金サポートを実施しています。これは、M&Aなどでの事業承継を検討する際、事業譲受側の自己資金不足で事業承継を断念するようなケースに対して、三重県が後ろ盾になって金融機関からの融資を実現させるものです。

ただし、申し込みには以下のように、いくつかの条件があります。

【申し込み可能事業者】

  • 三重県内に事業所がある
  • 引き続き1年以上同一事業を営んでいる
  • 事業税等県税を完納している

【手続き要件(以下のどちらかに該当すること)】

  • 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律第12条第1項の認定
  • 三重県事業承継ネットワークの構成機関による支援を受け事業承継計画を策定

最終的な決定は金融機関および信用保証協会次第となりますが、基本的には三重県事業承継ネットワークに相談することによって、諸手続きをサポートしてもらえます。融資が実施される場合には、三重県より利子や保証料の補助も行われることになっています。

事業承継対策については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

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事業承継補助金とは?採択率やM&Aでの活用を解説

三重県の事業承継におすすめのM&A仲介会社

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三重県の事業承継についてのまとめ

三重県は知事が率先して事業承継問題の解決促進に積極的です。民間M&Aプラットフォーム活用など、アイディアも斬新と言えるでしょう。廃業・事業承継問題の核心の1つは、高齢となった経営者が、前向きにM&Aでの事業承継を行う気持ちになれるかどうかであるとも言われています。

報道を賑わすような各種アピールも、そのための施策という一面もあるのでしょう。事業承継の支援体制という点では三重県は充実しており、安心して事業承継に取り組めるでしょう。

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