2021年6月8日更新会社・事業を売る

中小企業M&Aの流れ、注意点とは?成功ポイント、件数、失敗事例、おすすめ本も紹介

中小企業のM&A件数は年々増加しており、M&Aの重要性が高まっている状況です。本記事では、中小企業M&Aを行う際の流れや注意点について、成功ポイント・失敗事例などと合わせて解説します。また、M&Aを詳しく勉強したい方のために、おすすめ本もまとめました。

目次
  1. 中小企業によるM&A
  2. 中小企業M&Aが増加している理由
  3. 中小企業M&Aの手法
  4. 中小企業M&Aのプロセスの流れ
  5. 中小企業M&Aの売却価格の計算方法
  6. 中小企業M&Aの成功ポイント
  7. 中小企業M&Aの失敗事例と注意点
  8. 中小企業M&Aの成功事例
  9. 中小企業M&Aに関するおすすめの本
  10. 中小企業M&Aを行う際におすすめの相談先
  11. 中小企業M&Aのまとめ
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中小企業によるM&A

中小企業によるM&A

M&Aは大企業が実施するもので、中小企業には関係ない」と考えている経営者の方は依然として多いです。しかし、中小企業によるM&Aは年々増加しており、経営者の高齢化に伴い今後さらに増加するものと考えられています。

そのため、中小企業の経営者の方も自身の問題と捉えたうえで、経営戦略のひとつとしてM&Aを理解しておくべきです。そこで本記事では、中小企業M&Aを行う際の流れや注意点について、成功ポイント・失敗事例などと合わせて解説します

本章では、まず中小企業およびM&Aの定義や現状を取り上げます。

中小企業とは

中小企業は「小規模な企業」の意味合いで使用されることの多い言葉ですが、厳密にいうと中小企業基本法により明確に範囲が規定されています。

中小企業基本法によると、中小企業(正確には中小企業者)とは、以下の表の資本金と従業員のいずれかを満たす企業のことです。業種ごとに範囲に違いがあるため注意しましょう。

業種 資本金または出資の総額 常時使用する従業員の数
製造業・建設業・運輸業など 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下

参考:中小企業庁「FAQ『中小企業の定義について』」

M&Aとは

中小企業の経営者の方からすると、M&Aになじみのないケースも多いです。M&Aとは、会社や事業を売買する取引全般をさす言葉であり、中小企業M&Aの多くは株式譲渡の手法で実施されます。

上記のほかにも、M&Aの手法には事業譲渡株式交換・株式取得・合併・分割などが存在しており、資本提携・業務提携・第三者割当増資などをM&Aに含むケースもあります。

中小企業M&Aの現状

中小企業によるM&Aはほとんど情報が公開されておらず、正確な現状の把握は難しいです。しかし、中小企業によるM&Aが年々増加傾向にあるのは確かであり、今後もさらに増加するものと推測されています。

もともと中小企業のM&Aは事業承継を目的に実施されるケースが多いですが、近年ではシェア拡大など経営戦略の一環としてM&Aを活用する事例も増加中です。以上のことから、中小企業にとってM&Aの重要性は今後ますます大きくなると考えられています。

中小企業M&Aの件数

中小企業のM&Aが実際にどれほどの件数行われているかを示す正確なデータはないため、ここでは公表されているデータから推測を行います。レコフの調査によると、日本企業が当事会社となったM&Aは2017年に3,000件を超えたほか、2019年には4,000件を超えて過去最高を記録しました。

新型コロナウイルス感染症拡大などの影響を受けて、2020年以降のM&A件数は減少傾向にあるものの、コロナ禍の状況が収束に迎えば再び増加傾向に転じる可能性があります。

参考:レコフ「グラフで見るM&A動向」

中小企業M&Aのガイドライン

M&Aについて勉強したいけれど、信頼できる情報がなかなか見つからない方も少なくありません。中小企業M&Aに関して信頼できる情報のひとつに、2020年3月31日に経済産業省が策定した「中小M&Aガイドライン」があります。

これは経済産業省が中小企業M&A促進のために策定した文書であり、インターネット上で無料閲覧が可能です。80ページ程度の文書ですが、中小企業の経営者が押さえておきたいM&Aの知識が網羅的かつコンパクトにまとまっています。

【関連】M&Aの課題とは?中小企業における人材流出・システム統合における課題

中小企業M&Aが増加している理由

中小企業M&Aが増加している理由

中小企業M&Aの増加要因は事業承継のニーズが多くを占めていますが、それ以外にもさまざまな理由が存在します。中小企業M&Aが増加している主な理由は、以下の6つです。

  1. 後継者問題に直面している
  2. 人材不足
  3. 事業の将来性
  4. 経営者・従業員の高齢化
  5. 売却益の獲得
  6. 成長戦略の実現

どのような理由があるのか把握して、自社の経営戦略にM&Aを活用する選択肢を増やしましょう。それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

①後継者問題に直面している

後継者不足による事業承継問題は、中小企業のM&Aが増えている最も大きな理由です。近年はいわゆる団塊世代の中小企業の経営者が70歳代に突入しており、世代交代の大きな転換期に入っています。

しかし、近年は子供が代々家業を継ぐ考え方が薄れてきており、子供がすでに別の職業に就いていて後継者にできないケースが増加しています。さらに、少子化により、経営者自身に子供がいないケースも多いです。

そのほか、子供自身は家業を継いでも良いと思っているものの、苦労をさせたくない思いから経営者側が子供による事業承継を断るケースも存在します。こうした事情を踏まえると、後継者が見つからない中小企業にとって、M&Aによる事業承継は非常に有力な選択肢です。

②人材不足

中小企業の人材不足は、少子化による生産年齢人口(または労働力人口)の減少や、優秀な人材が給与の高い大企業に流れてしまう点などが原因となり発生しています。人材不足により経営が立ち行かなくなり、廃業・倒産してしまう前にM&Aによる売却を決断するケースも多いです。

さらに、優秀な人材を手早く手に入れる目的のもとで、M&Aによる買収を活用する事例も増えつつあります。つまり、人材不足の問題解決を目指したM&Aは、買い手・売り手双方の立場に有効です。

③事業の将来性

長い不況が続く中で、事業の将来性に不安を持つ中小企業の経営者は多いです。特に成熟産業や衰退産業において今後大きな発展が見込めない業種を営んでいる場合には、なおさら不安が強まります。

現時点では倒産のおそれがなくても、将来的に黒字が見込めないと判断して、早期の段階でM&Aにより中小企業を売却するケースも今後ますます増加すると考えられます。

④経営者・従業員の高齢化

経営者の高齢化は大きな問題ですが、そこで働いている従業員も同様に高齢化が進行中です。特に町工場など長年の技術と経験が必要な仕事では、職人が高齢化する一方で若手が育ちにくいために経営を維持できなくなるケースが増加しています。

このような理由で中小企業が廃業してしまうと、日本の経済を支えている貴重な技術やノウハウが消滅してしまいます。そこで他の企業に売却して経営を続けてもらい、廃業を逃れたうえで技術を残していくのも、中小企業M&Aで掲げられる重要な目的のひとつです。

⑤売却益の獲得

中小企業のM&Aで、主に利用されるスキームは株式譲渡です。株式譲渡を行うと、株主である経営者は創業者利益を獲得できます。利益を得る目的のもとで中小企業をM&Aで積極的に売却するケースは、主にベンチャー企業などで盛んに実施されている手法です。

中小企業のM&Aは、株式上場によるイグジットに代わる手段として今後増加していくと考えられます。M&Aは株式上場に比べて厳しい上場基準を満たす必要がないために実行しやすい点や、上場により不特定多数の投資家が株主となるリスクを回避できる点などが主なメリットです。

【関連】イグジットとは?イグジットの種類とメリット・デメリット

⑥成長戦略の実現

中小企業M&Aで買い手側となる場合、自社の成長戦略を実現させる目的でM&Aを行うケースも見られます。成長戦略として中小企業M&Aを実施する際のメリットは、主に以下のとおりです。

  • 自社が持たない技術の獲得
  • 事業の多角化や海外進出の実現

そのほか、競合企業をM&Aにより買収すれば、市場シェアの間接的な拡大も可能です。

中小企業M&Aの手法

中小企業M&Aの手法

本章では、中小企業のM&Aで実際に用いられている手法を以下の3項目に分けて取り上げます。

  1. 株式譲渡
  2. 事業譲渡・会社分割
  3. 株式交換・株式移転

それぞれの特徴を把握して、自社のM&A戦略策定に役立てましょう。

①株式譲渡

株式譲渡とは、会社のオーナーが保有する株式を買い手に譲渡する手法であり、会社の経営を承継させる手続きをさします。中小企業M&Aで株式譲渡を用いるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 売却利益を獲得できる(売り手)
  • M&A成立後に少数株主や反対株主を抱え込まなくて済む(買い手)
  • 手続きが比較的簡便である(双方)
  • 利害関係の調整が容易である(双方)

これに対して、株式譲渡では買い手からすると「対象会社の簿外債務やトラブルなどを引き継いでしまう」デメリットが問題となるケースもあるため注意しましょう。

②事業譲渡・会社分割

事業譲渡や会社分割は、中小企業M&Aにおいて株式譲渡の次に採用される機会の多い手法です。まず事業譲渡とは、会社の財産の一部またはすべてを他の会社に譲渡する行為をさします。中小企業M&Aで事業譲渡を用いるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 1カ月以上の債権者保護手続きや登記手続きが不要(売り手)
  • 資産や負債を自由に選んで取得できる(買い手)
  • 簿外債務の承継リスクがない(買い手)

これに対して、事業譲渡では、契約上の移転手続きに多くの手間・時間がかかるほか、税務上の優遇措置がないために税負担が重い点もデメリットとして挙げられます。

次に、会社分割とは、企業組織再編の手法のひとつであり、既存の会社を他の既存の会社または新設する会社に分割する行為をさします。中小企業M&Aで会社分割を用いるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 従業員から個別の承認を得る必要がない(売り手)
  • 新株の発行を対価とすると買収資金が不要(買い手)

その一方で、会社分割では、買い手企業が上場企業であれば1株あたりの利益が低下して株価下落のリスクが発生するおそれがあるほか、人事制度やシステム統合によって現場が混乱する可能性がある点もデメリットとして挙げられます。

③株式交換・株式移転

中小企業M&Aでは、株式交換・株式移転の手法が採用されるケースも見られます。株式交換とは、完全子会社となる会社の発行済株式すべてを完全親会社となる会社に取得させる手法のことです。また、株式移転とは、完全子会社となる会社の発行済株式すべてを新設する株式会社に移転させる手法をさします。

中小企業M&Aで株式交換・株式移転を採用するメリット(買い手側)は、主に以下のとおりです。

  • 売り手側の株主3分の2以上に及ぶ合意のもとで100%の株を取得できる
  • 親会社の株式が対価の場合は資金調達が不要
  • M&A後も売り手企業は別法人扱いであるため経営統合を急ぐ必要がない

これに対して、株式交換・株式移転では以下のデメリットが問題となるケースもあるため注意しましょう。

  • 買い手企業が上場企業だと株価下落のリスクがある(売り手)
  • 買い手企業の株主構成が変化してしまう(買い手)
  • 手続きが複雑で登記が必要なケースもある(双方)
  • 多くの費用・時間がかかる(双方)

【関連】M&Aのスキームを解説!特徴やメリット・デメリット、事例も紹介します

中小企業M&Aのプロセスの流れ

中小企業M&Aのプロセスの流れ

本章では、中小企業M&Aのプロセスの流れを、売り手側の視点から大まかに取り上げます。

  1. マッチング
  2. 基本合意
  3. クロージング

上記のプロセスを把握して、中小企業M&Aをスムーズに進めましょう。それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

①マッチング

まずは、自社内でM&Aを実施する理由・目的を明確化させます。具体的にいうと、自社の課題や今後の事業プランなどを策定したうえで、「M&Aを実施する必要性」に関する意思決定を行うプロセスです。そのうえで、自社にとって適切なM&A手法を選択します。

上記のプロセスを実施した後は、相手先企業の選定(ソーシングおよびマッチング)のプロセスに移ります。ここでは、M&A仲介会社が提供するノンネームシートを活用すると手続きをスムーズに進行可能です。相手先企業を絞ったら、秘密保持契約を締結したうえで自社の情報開示を行います。

②基本合意

ここでは、大まかに以下の流れでプロセスを進めます。

  • トップ面談・条件交渉
  • 基本合意契約の締結
  • デューデリジェンス(買収監査)の実施

本格的な契約を行う前に、買い手企業と売り手企業双方の経営者(トップ)が面談し、M&A実行に向けて情報・意見交換を行います。ここで齟齬がない場合、基本合意契約の締結に移行する仕組みです。

その後は、買い手側によりデューデリジェンス(買収監査)が実施されます。これは、外部のM&A専門家が派遣されて、売り手企業の設立時にまでさかのぼって調査するプロセスです。売り手側には、調査進行のために株券・原始定款・各種議事録などの資料提出が求められるため誠実な姿勢で対応しましょう。

デューデリジェンスが終了すると、最終合意に向けて役員の処遇や今後のスケジュールなど詳細な内容を決定します。

③クロージング

最終的なM&A条件が決まり、契約内容に両社の相違がなければ最終契約書を締結します。その後はクロージングを実施する流れです。ここでは、「買い手売り手への譲渡金の支払い」「売り手側経営者の私的資産の買い取り」「株券や会社代表印などの引き継ぎ」などのプロセスが実施されます。

買収後は、PMI(経営統合プロセス)を行う流れです。買い手からすると、「買収成立後の経営能力の向上」をM&Aの目的に掲げるケースが多いため、PMIはM&Aプロセスの中でも非常に重要な位置付けにあります。

一般的にPMIはクロージング前から開始されるケースが多く、以下のような流れで進行します。

  • 統合方針の決定
  • ランディング・プランの策定
  • 100日プランの策定
  • 統合実施・効果検証

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中小企業M&Aの売却価格の計算方法

中小企業M&Aの売却価格の計算方法

本章では、中小企業M&Aにおける売却価格の計算方法として、以下の3つを簡単に取り上げます。

  1. コストアプローチ
  2. インカムアプローチ
  3. マーケットアプローチ

まず、コストアプローチとは、企業の純資産の時価評価額などをもとに株主資本価値を算定する方法のことです。 評価対象企業を構築するうえで必要なコストに着目して企業価値を評価します。時価純資産法や簿価純資産法と呼ばれる計算方法を用いるのが一般的です。

次に、インカムアプローチとは収入にもとづいた企業価値算定方法であり、将来得られる収入であるキャッシュフローや利益などの指標を用いて企業価値を算定します。DCF法と呼ばれる計算方法を用いるのが一般的です。

最後に、マーケットアプローチとは比較対象となる企業・業界をもとに企業価値を算出する方法であり、評価対象企業の決算書などの数値に係数(一定の率)を乗じて価値を算出します。類似会社比較法や類似取引比較法と呼ばれる計算方法を用いるのが一般的です。

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中小企業M&Aの成功ポイント

中小企業M&Aの成功ポイント

ほとんどの中小企業経営者の方にはM&Aの経験がないため、あらかじめ成功のポイントを押さえたうえで慎重に手続きを進めていく必要があります。中小企業M&Aの成功ポイントは、主に以下の5つです。

  1. M&Aを行う理由や目的が明確
  2. M&Aを行う影響を把握する
  3. 議決権の確保・協力者への打診
  4. 売却価格の算出
  5. 専門家への相談

それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

①M&Aを行う理由や目的が明確

中小企業のM&Aを成功させる条件のひとつとして、M&Aを行う理由や目的が明確である点が挙げられます。理由と目的が明確でないと、どのような基準で売買相手を選定すれば良いのかわからないうえに、交渉時に相手にはっきりとした主張ができません。

そのため、事業承継が目的なのか売却益が目的なのか、はっきりと相手に立場を表明できるようにしておくことが大切です。

②M&Aを行う影響を把握する

中小企業のM&Aは大企業のM&Aに比べると規模は小さいものの、それでも従業員・顧客・取引先などに大きな影響を及ぼします。そのため、影響をしっかり把握しておくことが大切です。

特に注意しておきたいのは、従業員の反発による離職です。依然としてM&Aには会社を身売りするといったマイナスイメージが存在するため、従業員が反対するケースは少なくありません。また、M&Aにより会社が売却された結果として、給与などの雇用条件が悪化するのではないかとの不安もあります。

中小企業M&Aを行う際は、影響を受ける関係者に対して十分理解してもらえるようケアしておくことが大切です。

③議決権の確保・協力者への打診

中小企業では経営者が全株式を保有しているケースが多いですが、規模が比較的大きい企業になると株式が分散している場合もあります。株式を譲渡するには、株主総会の決議が必要です。そのため、M&Aを成約したものの、株主に反対されて株式を譲渡できない事態に陥らないよう注意しなければなりません。

議決権割合に不安がある場合は、M&Aを成約させる前に必要な議決権を確保しておく必要があります。

④売却価格の算出

中小企業のほとんどは非上場企業であるため、適切な株価を算定するうえで問題が生じます。上場企業のように市場株価がないため、異なる方法で価格を算出しなければなりません。

売却価格の算出方法には、コストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチなどの種類があり、これらを組み合わせて適切な価格帯を見積もるのが一般的です。

そして上記を踏まえて、最終的には経営者同士の交渉により価格が決定されます。適切な売却価格の算出は、中小企業M&Aの成功のために必要不可欠です。

【関連】バリュエーションとは?バリュエーションの方法と注意点

⑤専門家への相談

中小企業経営者の方のうち、M&Aに詳しい方は非常に少ないです。自身のみで売却先を探して交渉し、契約書を作成できる方はほとんどいません。

中小企業がM&Aを成功させるには、やはりM&A仲介会社などの専門家へ相談して進めていくのがベストです。

どれほどの手数料を取られるか不安で相談をためらう方もいますが、ほとんどのM&A仲介会社は初回の相談料無料に設定しているため、無料相談の場で手数料について質問するのも良いでしょう。

M&A実施をお考えの場合は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。M&A総合研究所は中小・中堅規模のM&A案件を主に手掛けるM&A仲介会社です。

M&Aの知識・実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、親身になってフルサポートいたします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

中小企業M&Aの失敗事例と注意点

中小企業M&Aの失敗事例と注意点

M&Aが成約に至ったうえで、統合プロセスに成功して満足のいくシナジーを得られる確率(M&Aが成功する確率)は、約30%だとされています。反対にいうと、70%程度のM&Aは失敗している状況です。

失敗の原因は個々の事例によりさまざまありますが、典型的な失敗例は大まかに分類できます。特に以下のような失敗事例は多いため、初期段階から注意して回避しておきましょう。

  1. 準備不足
  2. 簿外債務や偶発債務の発覚
  3. 都合の悪い情報の隠匿
  4. 企業価値評価および価格交渉の失敗
  5. 統合プロセス(PMI)の失敗

それぞれの失敗事例から注意点を紹介します。

①準備不足

中小企業の経営者のうち、将来の事業承継を見据えて早めにM&Aの準備を行っている方は少ないのが現状です。たとえ準備すべきだとわかっていても、どう行えば良いのかわからなかったり、日々の業務に追われて手が回らなかったりするパターンが多く見られます。

しかし、中小企業のM&Aを失敗しないためには、事前準備をしっかり行っておくことが重要です。早めにM&A仲介会社に相談して必要な準備を教えてもらい、サポートを受けながら進めていくと良いでしょう。

②簿外債務や偶発債務の発覚

買い手との交渉が決裂してしまう原因として、簿外債務や偶発債務が多いために買収対象としてメリットがないと判断されてしまう点が挙げられます。

こうした事態を避けるには、あらかじめ財務諸表を見直して簿外債務や偶発債務を洗い出したうえで、解消できる債務は解消し、解消できないものはリスト化して買い手が把握できるようにしておくと良いでしょう。

③都合の悪い情報の隠匿

多額の残業代の未払いがあったり、トラブルや訴訟を抱えていたりすると、情報が買い手に伝わらないように隠そうと考える経営者の方も見られます。しかし、隠匿が判明すると交渉は破談となるうえ、たとえ成約したとしてもいずれは明らかになり、表明保証違反で損害賠償を請求される可能性が高いです。

自社にとって都合の悪い問題は交渉前に解決しておくべきですが、解消できない問題は正直に相手側に伝えるのが賢明です。

④企業価値評価および価格交渉の失敗

中小企業M&Aの交渉時に重要となるポイントは、やはり売却価格です。特に非上場の中小企業では売却相場がつかみにくいため、交渉次第では相手側のいいなりで進んでしまうおそれがあります。

価格交渉に失敗しないためには、まず理論的な企業価値評価をしっかりと行ったうえで、「自社の強みを高く評価してくれる売買先を探すこと」「譲れない条件を絞っておくこと」などが大切です。

売り手企業の強みと買い手企業のニーズが合致すると、お互いが満足いく売却価格で成約しやすくなります。また、譲れない条件を絞っておくことで、お互いの妥協点を見つけやすくなるのです。

⑤統合プロセス(PMI)の失敗

中小企業のM&Aは成約にたどり着くまで非常に多くの手間がかかりますが、成約後には統合プロセス(PMI)の遂行も待ち受けています。統合プロセスは、買い手側と売り手側をうまくすり合わせていく作業であり、給与・人事制度などの待遇の統一や、企業風土や業務システムの統合などが代表例です。

満足いく条件でM&Aを成約させた後に、統合プロセスに失敗してしまうケースは多く報告されています。統合プロセスは、M&Aの成約と同様に重要なポイントであると認識しておきましょう。

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中小企業M&Aの成功事例

中小企業M&Aの成功事例

失敗事例と注意点を把握したところで、次は成功事例も把握しておきましょう。本章では、中小企業が近年実施したM&Aの成功事例として、以下の5件を取り上げます。

  1. 小野写真館による桐のかほり 咲楽へのM&A
  2. スキットによるアヤトへのM&A
  3. SDアドバイザーズによるコウイクスへのM&A
  4. 日輪によるライフ・コーポレーションへのM&A
  5. 丸井織物によるミチへのM&A

これら5件の中小企業M&Aの事例からポイントをつかんで、自社のM&A戦略策定に役立てましょう。

①小野写真館による桐のかほり 咲楽へのM&A

小野写真館グループ

小野写真館グループ

出典:https://ono-group.jp/

2020年10月、小野写真館は、「桐のかほり 咲楽」の高級温泉旅館事業を取得しました。事業譲渡の取引価額は非公開とされています。買収側は、茨城県に拠点を持ち、フォトスタジオ・ブライダル・成人振袖ショップ・結婚式場などの事業をプロデュースしている企業です。

対する売却側は、静岡県において予約の取れない旅館として知られる「桐のかほり 咲楽」を運営していました。本件M&Aの狙いは、業務転換によるコロナ禍への対応にあります。

②スキットによるアヤトへのM&A

スキット

スキット

出典:https://skit.co.jp/

2020年8月、スキットは、アヤトの株式を取得しグループ会社化しました。株式取得価額は非公開とされています。買収側は、福井県に拠点を構える印刷・ダイレクトメール・選挙印刷サービスの中堅企業です。

対する売却側は1954年に創業され、地元広報誌の制作および一般商業印刷事業などを展開してきました。本件M&Aの狙いは、売上のさらなる増大にあり、顧客層の違いによるシナジーの獲得を期待しています。

③SDアドバイザーズによるコウイクスへのM&A

SDアドバイザーズ

SDアドバイザーズ

出典:https://www.sd-advisors.co.jp/

2020年7月、SDアドバイザーズは、コウイクスの株式を取得して子会社化しました。株式取得価額は非公開とされています。買収側は、FX・金融システム開発に関する幅広い知見を蓄積し活動するFintech企業です。

対する売却側は1984年に創業され、東京都中央区を拠点にコンピューターおよび周辺機器のハードウエア診断プログラムの開発などを手掛けてきました。本件M&Aの狙いは、非金融システム分野への新規参入にあります。

④日輪によるライフ・コーポレーションへのM&A

日輪

日輪

出典:https://www.nichirinn.com/

2019年7月、日輪は、ライフ・コーポレーションの株式すべてを取得し完全子会社化しました。株式取得価額は非公開です。買収側は、愛知県を拠点に、製造・物流・技術・事務分野への人材派遣・業務請負や、外国人技能実習生の活用に伴うライフサポート事業・特定技能者への登録支援事業などを展開しています。

対する売却側は、愛知県において施設の常駐警備事業を手掛けていました。本件M&Aの狙いは、自社求人サイトに登録している高齢人材の勤務先確保にあります。

⑤丸井織物によるミチへのM&A

丸井織物

丸井織物

出典:https://www.maruig.co.jp/

2019年7月、丸井織物は、ミチの事業を取得しました。事業譲渡の取得価額は非公開とされています。買収側は、石川県に本社を置き、織から加工までを手掛ける繊維メーカーです。

対する売却側は、ネイルチップの販売サイト「ミチネイル」を運営しており、「日本人女性のハンドメイド技術を世界に伝える」 ビジョンのもとでハンドメイドブランドを展開していました。本件M&Aの狙いは、シナジー効果の獲得にあります。

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中小企業M&Aに関するおすすめの本

中小企業M&Aに関するおすすめの本

中小企業M&Aの情報はインターネットでも入手できますが、書籍からの情報も質が高いためチェックしておくと良いでしょう。本章では、中小企業の経営者の方がM&Aを理解するためにおすすめの書籍を4冊ピックアップして紹介します。

  1. M&Aで創業の志をつなぐ 日本の中小企業オーナーが読む本
  2. Q&Aでよくわかる 中小企業のためのM&Aの教科書
  3. トップM&Aアドバイザーが初めて明かす 中小企業M&A 34の真実
  4. 下町M&A 中小企業の生き残り戦略

それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

①M&Aで創業の志をつなぐ 日本の中小企業オーナーが読む本

『M&Aで創業の志をつなぐ 日本の中小企業オーナーが読む本』は、実際にM&Aを行った中小企業の事例を紹介している本です。M&Aによる会社売却に興味があるものの、実際どのように進んでいくのかイメージが沸かないと悩んでいる方が、具体的なイメージをつかむのに最適な本だといえます。

著者は大手M&A仲介会社の代表取締役社長である中村悟氏であり、豊富な経験にもとづいた信頼できる情報が得られる書籍です。

②Q&Aでよくわかる 中小企業のためのM&Aの教科書

『Q&Aでよくわかる 中小企業のためのM&Aの教科書』は、中小企業の経営者が知っておきたいM&A知識をQ&A方式でわかりやすく解説した本です。著者は名南M&A代表取締役社長の篠田康人氏であり、100件を超えるM&A成約実績にもとづくわかりやすい記述が特徴的だといえます。

③トップM&Aアドバイザーが初めて明かす 中小企業M&A 34の真実

『トップM&Aアドバイザーが初めて明かす 中小企業M&A 34の真実』は、インテグループ代表取締役社長の藤井一郎氏により、仲介会社や買い手・売り手の本音、裏事情などが記された本です。型どおりの知識を身に付けるよりも実践的な感覚を知りたい方におすすめします。

④下町M&A 中小企業の生き残り戦略

『下町M&A 中小企業の生き残り戦略』は、下町の中小企業M&Aの物語をとおしてシナジー効果が得られる過程を記した小説仕立ての本です。理念的な本は読みづらい方にもおすすめできます。

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中小企業M&Aを行う際におすすめの相談先

中小企業M&Aを行う際におすすめの相談先

中小企業のM&Aを検討中であれば、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は中堅・中小企業のM&Aを主に手掛けている仲介会社で、経験豊富なアドバイザーが親身になってサポートいたします

また、売却金額と売却可能性を正直に話したうえで、買い手・売り手双方が納得できる成約を目指しております。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談を受け付けていますので、中小企業のM&Aをお考えの方は、電話かサイトのメールフォームから気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

中小企業M&Aのまとめ

中小企業M&Aのまとめ

従来、M&Aは大企業が主に実施していましたが、今後は中小企業が積極的にM&Aを実施していくものと考えられています。中小企業の経営者の方も自身には関係ないと思わず、自社に役立つ手段としてM&Aを理解しておくと良いでしょう。本記事の要点は、以下のとおりです。

・中小企業M&Aが増加している理由
→後継者問題に直面している、人材不足、事業の将来性、経営者・従業員の高齢化、売却益の獲得、成長戦略の実現

・中小企業M&Aの成功ポイント
→M&Aを行う理由や目的が明確、M&Aを行う影響を把握する、議決権の確保・協力者への打診、売却価格の算出、専門家への相談

・中小企業M&Aの手法
→株式譲渡、事業譲渡・会社分割、株式交換/株式移転

・中小企業M&Aのプロセスの流れ
→マッチング、基本合意、クロージング

・中小企業M&Aの売却価格の計算方法
→コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチ

・中小企業M&Aの成功ポイント
→M&Aを行う理由や目的が明確、M&Aを行う影響を把握する、議決権の確保/協力者への打診、売却価格の算出、専門家への相談

・中小企業M&Aの失敗事例
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