2020年10月28日更新事業承継

事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

事業承継は「親族内承継」「親族外承継」「M&Aによる事業承継」の三種類に分けることができます。事業承継の手順、方法、メリット・デメリット、事業承継税制や補助金について解説していきます。どの事業承継方法が最適なのか事業承継を検討のオーナー、経営者様は参考にしてみてください。

目次
  1. 事業承継とは?事業承継の意味と現状
  2. 事業承継の方法
  3. 事業承継とM&Aの違い
  4. 事業承継のメリット・デメリット
  5. 中小企業における事業承継の課題
  6. 事業承継の流れや進め方・手順
  7. 事業承継における注意点
  8. 事業承継のタイミングと税金
  9. 事業承継で活用できる各種制度・補助金
  10. 事業承継の相談先
  11. まとめ
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事業承継とは?事業承継の意味と現状

事業承継とは?事業承継の意味と現状

それではまずはじめに、事業承継の意味と現状について紹介していきます。事業承継を検討している方は特に、よく現状や傾向を把握しておきましょう。

事業承継の意味

事業承継とは、会社を信頼できる後継者に引き継ぐ行為です。これまで企業を大きくしてきた社長の経営手腕や、存在そのものが独自の強みとなっている中小企業は多く、誰を後継者として企業を継がせるかはとても重要な課題となってきます。

不適任な人材を後継者に選んでしまうと、事業承継後の業績が悪化する恐れがあります。また、後継者問題以外にも膨大な課題を解決していかなければならないため、時にはアドバイザーによるサポートを受けながら慎重に進めることが必要です。

事業承継に関する現状

経営者の高齢化が進む現在、今まで以上に事業承継に関する関心が高まってきています。そのため、事業承継に関する現状として、以下のような傾向が挙げられます。

  • 後継者不足の問題
  • M&Aを利用した事業承継が増加

後継者不足の問題

近年の事業承継における傾向として、親族ではない第三者へ承継する「親族外承継」を行うケースが増加しています。親族外承継が増加している理由として挙げられるのが、近年問題視されている後継者不足です。

中小企業庁のデータによると「事業をやめたい」と考えている中小企業のうち、約5割の企業が後継者関係の問題を理由にしています。さらにその約5割の企業では、「親族である息子や娘に引き継いでもらえない」と回答した中小企業が約6割となっています。

参考URL:中小企業庁「後継者選びの現状と課題」

加えて、子供には自由な人生を歩んで欲しいと考える経営者も増加しています。従業員への親族外承継も、資金面などを理由に実行できるケースは多くありません。

M&Aを利用した事業承継が増加

後継者不足が問題となっている現状から、M&Aを利用した事業承継を検討・実施する中小企業が近年増えています。M&Aによって事業承継を遂行するといっても、何をすべきかわからずに、対策を全くしていない中小企業が多いのも現実です。

また、事業承継を実行したいのにもかかわらず、廃業してしまうケースも多々あります。また、ある日突然経営者が病に倒れてしまい、経営が成り立たずそのまま廃業せざるを得なくなる可能性も十分にあります。

経営者の交代を計画的に遂行した企業は、計画的に遂行しなかった企業よりも経常利益率が高いというデータもあります。リスクを減らす観点からも、より良い経営を実現する観点からも、事業承継の対策は早い段階から実施しましょう。

もしM&Aによる事業承継を検討している際には、ぜひM&A総合研究所までお気軽にご相談ください。M&A総合研究所は、事業承継に詳しい専門家が多数在籍しており、M&Aによる事業承継のフルサポートをお約束します。

また初回相談料は無料で、費用については国内最安値水準の完全成功報酬制となっています。ぜひお悩みの際には、一度M&A総合研究所までお気軽にお問合せください。

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事業承継の方法

事業承継の方法

事業承継には、「親族内承継」「親族外承継」「M&Aを活用した承継」の計三種類の方法があります。各事業承継ごとにメリット・デメリットが異なるため、特徴を把握して自社の状況に合った方法を選択しましょう。

  1. 親族内承継
  2. 親族外承継
  3. M&Aを活用した事業承継

①親族内承継

親族内承継とは子供などの親族に事業承継する方法で、いわゆる「跡取りが家業を継ぐ」行為が親族内承継の最たる例です。約20年以上前までは一般的に実施されていた親族内承継ですが、最近は前述の理由から親族内承継の実施件数は減少しています。

メリット

最も大きなメリットは、早い段階から長期的な教育を実施できるため、後継者教育の面で有利になってきます。社外で修行を積んだり、セミナー等で幅広く知識を習得したりと、柔軟に後継者教育を遂行できる点は、親族内承継の大きなメリットです。

また、後継者が周囲の関係者に受け入れられやすいメリットもあります。従業員から見ると、見ず知らずの他人が自分たちの上に立つよりも、信頼できる現経営者の子供の方が安心できます。

デメリット

跡継ぎが経営者としての資質があるとは限らないため、不適格な経営者に変わった途端に事業の業績が悪化するリスクもあります。逆に、会社を引き継ぎたいと考えている人物が親族内に複数いる場合、後継者争いが勃発して親族内の仲が悪化するというケースもあります。

②親族外承継

親族外承継とは、自社内の従業員や役員に事業承継する方法です。親族内承継の実行件数が減少するにつれて、親族外承継がポピュラーになってきました。

メリット

会社全体の一体感を保てる MBO(役員に買収してもらう手法)やEBO(従業員に会社を買収してもらう手法)等の方法を用いれば、 M&Aを活用した際に生じる「従業員に不安や動揺が広がってモチベーションが低下する」リスクを回避可能です。

また、会社員からトップになれるので、従業員や役員のモチベーション向上につながるメリットもあります。加えて、既に既存事業の業務に詳しい人が引き継ぐので経営者の質も担保できる上、その他の従業員や金融機関から見ても受け入れられやすくなります。

デメリット

後継者の資金力では株式取得できない可能性が残り、また企業を買い取る際には一般の従業員にとっては莫大なお金を要します。それを理由に、事業承継の引き受けを躊躇する可能性も少なくないです。

加えて、会社内に債務等がある場合には、より事業承継を引き受けてもらえる可能性が低くなります。メリットの大きい事業承継方法ではあるものの、親族外承継を引き受けてくれる人を見つけるのは困難です。

③M&Aを活用した事業承継

親族や自社内に事業承継できない場合でも、M&Aを活用して第三者に事業承継することで廃業せずに済みます。M&Aを活用する場合、基本的には所持する全株式を売却する株式譲渡によって事業承継を実行します。

なお、一部の事業のみ事業承継したい場合には、事業譲渡や会社分割が用いられるケースもあります。

メリット

廃業すると在庫品の処分や税務処理に多額の費用がかかりますが、M&Aを用いて第三者に企業を売却すればまとまった資金を獲得できます。この資金を活用して新規事業を立ち上げることも可能になってきます。

また、M&Aを用いて事業承継すれば長年培った技術等や、従業員の雇用も維持できるメリットもあります。上記の通り、廃業するよりもM&Aを活用して事業承継した方が、メリットは非常に大きいです。

デメリット

希望の条件を満たす買い手の発見は困難です。大半のケースでは、M&Aで自社を買収してもらう際に、従業員の雇用条件や売却価格等自分たちが希望する条件を満たす買い手を見つけるのは困難です。

なぜなら、買い手企業も自身に有利な条件で売買を成立させたいと思っているからです。したがって、時間や取引に要する労力を考慮した上で、妥協できる部分は妥協する必要があります。

※関連記事
親族外承継

事業承継とM&Aの違い

事業承継とM&Aの違い

この項では違いが分かりづらい、事業承継とM&Aの違いについてご説明します。まずM&Aとは、本来「会社同士が合併したり、ある会社が他の会社(の事業)を買収する行為」を意味します。

買い手企業は、多角化や事業の拡大等の経営課題を、スピーディーに遂行する目的でM&Aを実施します。一方で売り手企業は、事業承継や主力事業への集中、経営再建を目的にM&Aを行います。

つまりM&Aとは「事業拡大や選択と集中等の経営戦略を達成する」手段であり、一方の事業承継は「会社を引き継ぐ後継者を探して経営権を譲渡する」行為です。M&Aでは引き続き経営権を保持することもある一方で、事業承継では経営者の交代が必ず起こります。

M&Aは実施するもしないも自由ですが、事業承継はどの企業にも必ず訪れる実施すべき課題であるため、経営者は常に意識しておく必要があります。そして「事業承継」という経営課題を解決する手段として、M&Aが存在するということです。

以上をまとめると、M&Aは戦略遂行や課題解決の手段、事業承継は中小企業が解決すべき課題である点が異なってると言えます。

※関連記事
M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!

事業承継のメリット・デメリット

事業承継のメリット・デメリット

この項では、事業承継のメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。メリットとデメリットを理解した上で、どのように事業承継を行うか検討していきましょう。

事業承継のメリット

事業承継のメリットは、経営者が汗水垂らして構築してきた会社を存続できる点です。会社を廃業するとこれまで培ってきたノウハウやブランド力等が全て消滅してしまいますが、事業承継を実施すれば残すことが可能です。

自身は経営者の地位から下りたとしても、自身の功績や結果は脈々と受け継がれます。また事業承継には、従業員の継続雇用や取引先の売上を維持させることが可能といった、従業員や取引先にとってもメリットがあります。

会社全体で考えると、事業承継により社内に新しい風が吹き込むメリットがあります。経営者の交代により、以前の経営者では考えられなかったアイデアが持ち込まれ、業績の向上や差別化等の効果を期待できます。

事業承継のデメリット

事業承継のデメリットは承継方法により異なり、まず親族内承継であれば後継者の資質次第で業績が低下するデメリットがあります。また、親族外承継には後継者に会社の買い取り資金が必要となるデメリット、M&Aによる事業承継には時間や費用がかかるデメリット等があります。

事業承継を実施する際はメリットのみならず、ここの手法に潜在するデメリットにも目を向けなくてはいけません。

※関連記事
事業承継を戦略的に行う方法!成功ポイントや事例を解説

中小企業における事業承継の課題

中小企業における事業承継の課題

中小企業の事業承継では、先にも挙げた後継者不足以外にも課題を抱えています。中小企業における事業承継の課題は、下記のようなものが考えられます。

  1. 後継者の確保
  2. 事業承継の早期準備
  3. 会社内の新陳代謝

①後継者の確保

中小企業の事業承継において最大の課題は「後継者の確保」で、この問題は現在どの業界においても社会問題となっています。後継者不足を理由に黒字廃業する中小企業は多く、事業承継を成功させる為には後継者の確保が最優先の課題と言えます。

後継者確保のためには、まずは自社内の状況を把握し、後継者候補の有無を整理しなくてはいけません。後継者候補がいる場合は事業承継を打診して早いうちに確定する必要があり、後継者候補が全くいない場合はM&Aによる事業承継を検討・対策しましょう。

②事業承継の早期準備

事業承継を実行するには長い年月をかけた準備が必要になってくるため、事業承継の早期準備も留意すべき課題です。株式の引き継ぎや後継者教育、企業価値の磨き上げ等、事業承継の手続きはどれも時間がかかります。

経営者が体調を崩してから準備を始めては、事業承継に間に合わない恐れがあります。早めの準備は、事業承継を成功させる上で不可欠な課題です。

③会社内の新陳代謝

人手不足や社内の生産性向上等、中小企業が抱える経営課題は山ほどあります。事業承継する後継者には上記課題の解決も求められた上で、経営者の若返りや外部で培った経験・知識を活かし、会社内の新陳代謝を図ることも今後生き残る上で必須の課題です。

単に会社を引き継ぐのではなく、自身で新たに会社を創業する気概で、事業承継後の経営に取り組むことが重要になってきます。

※関連記事
跡取りがいない会社のM&Aを成功させるには?M&A相談先の選び方や後継者不足問題を解説

事業承継の流れや進め方・手順

事業承継の流れや進め方・手順

事業承継を実施する手順は、事業承継ガイドラインに記載されています。事業承継ガイドラインとは、中小企業が事業承継を円滑に実施できるために中小企業庁が策定したものです。

参考URL:中小企業庁「事業承継ガイドライン」

では、ガイドラインに記載されている事業承継の手順を見ていきましょう。

①経営課題の可視化

まずは、その後の事業承継の手続きをスムーズに進行するために、会社の経営課題等の現状を可視化します。この際可視化する対象は、以下の二点です。

  • 経営者自身の状況
  • 株式の保有割合

 

まず、経営者自身の負債や個人保証、保有資産の種類や価格をあらかじめ知っておくのがベターです。把握していないと、事業承継の前後で親族間トラブルが発生する可能性があるからです。

その結果、承継後の経営が上手くいかなくなったり、最悪の場合事業承継自体ができなくなる恐れもあります。必要に応じて、相続時に予想されるトラブルについては、あらかじめ対策を立てておく必要があります。

そして、中小企業が事業承継を実施する際には、株式の保有割合にも注意する必要があります。事業承継後も安定した経営を継続するためには、最低でも自社株式の過半数以上の株式所有が必要不可欠です。

さらに確実に経営権を行使したいならば、あらゆる決定を下せる67%以上の株式保有が好ましいと考えられています。なぜならば、株式の保有割合が低いと、経営上の権限が弱くなるからです。

②会社の磨き上げ

後継者が継ぐにしても、M&Aで第三者に売却するにしても、自社の価値を高める必要があります。特にM&Aを用いて事業承継する際には、会社の磨き上げによってM&Aの相手が見つかりやすくなったり、高い値段で会社売却出来る可能性が高まります。

具体的には、事業承継ガイドラインに以下の三つが磨き上げの手段として記載されています。

  • 会社の強みを更に伸ばし、弱みを改善
  • 会社の現状を利害関係者に公表し、自社の信頼感を高める
  • 社内の風通しやマニュアルの整備を行う

 

また、トラブルを抱えている会社とM&Aを実施したい企業はないため、訴訟案件の解決や私的整理の実施も重要です。事業承継を検討し始めた段階で、「会社の磨き上げ」に取り掛かるのがベストです。

③事業承継計画の策定またはM&Aの実行

親族や従業員への事業承継では、事業承継計画の策定を実施します。一方で、M&Aを活用して第三者に売却する際は、実際にM&Aを実行する段階に入りますのでそれぞれの手続きを見ていきましょう。

事業承継計画の策定

事業承継計画には、長期的な視点に立って、何を・いつ・誰に・どのように引き継ぐのかを具体的に記載します。具体的に、事業承継ガイドラインでは次の五つが記載内容として紹介しています。

  • 具体的な目標設定
  • 自社の現状分析
  • 事業承継の時期を盛り込んだ具体的な方向性の検討
  • 円滑な事業承継に向けた課題の整理
  • 今後の環境変化の予測と、その対応策の検討

 

事業承継では資金調達が必要になる場合がありますが、この計画策定により取引先や金融機関からの協力を得やすくなります。金融機関からの協力を得るためにも、事業承継計画の作成は重要なプロセスです。

M&Aの遂行

親族や従業員以外の第三者に事業承継を遂行する場合には、M&Aを使用します。中小企業が自力でM&Aを遂行するのは困難なため、専門的な知識を持った仲介業者やコンサルタント等のM&Aアドバイザーを活用することがおすすめです。

ただし、アドバイザーの活用には費用がかかるため、自社の状況を検討した上で経験が豊富なアドバイザーに業務を依頼しましょう。それらを踏まえてM&Aでお悩みの際には、初回相談料無料のM&A総合研究所までお気軽にご連絡ください。

経験豊富なアドバイザーが多数在籍するM&A総合研究所では、最短3ヶ月という短期間でのクロージングを実現可能です。また成約に至らない限り費用は一切発生いたしませんので、M&A総合研究所までお気軽にお問い合わせください。

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事業承継における注意点

事業承継における注意点

この項では、事業承継における注意点をご紹介します。事業承継には下記のような注意点があり、この注意点を意識するか否かで事業承継の成功可否が変わるといっても過言ではありません。

  1. 他の相続人への配慮
  2. 事業承継の税金
  3. 取引先や金融機関への説明

①他の相続人への配慮

親族内承継の場合、他の相続人への配慮が必要です。なぜならば、後継者に全株式を集中相続させる場合、相対的に他の相続人の取得財産が少なくなるためトラブルに発展するリスクがあるのです。

法律では「遺留分」として、最低限相続できる財産が保障されています。遺留分により株式が分散する事態を防ぐ為にも、遺言や民法の特例等により対策しましょう。

②事業承継の税金

事業承継では、「相続税」や「贈与税」が課税されます。株式の引き継ぎタイミングや、承継方法により課される税額等は変動するため、後継者の税負担を考慮した上で事業承継を進める事が重要です。

③取引先や金融機関への説明

事業承継を実行すると経営者が変わるため、取引先や金融機関への事前アナウンスがないと、信頼を損ねる恐れがあります。あらかじめ後継者を取引先や金融機関に紹介しておき、円滑に事業運営できる様にしておきましょう。

※関連記事
事業承継を成功させるための後継者選び

事業承継のタイミングと税金

事業承継のタイミングと税金

M&Aを用いた事業承継の場合には所得税や法人税、消費税が課税され、通常の親族内承継でも税金が課税されます。また、どのタイミングで後継者に事業承継するかによっても税金の種類と税額が異なります。

ここでは、事業承継を実施するタイミングごとに、課税される税金について解説します。想定外の税金が課税されることを防ぐためにも、税金についてしっかり把握しておきましょう。

①生前贈与

生前贈与とは、現経営者が生きている間に会社を後継者に贈与する方法です。所持している全株式を後継者に贈与すると経営権が後継者に移転しますが、現経営者が健在のうちに事業承継した場合、株式を引き継ぐ後継者に対して贈与税が課税されます。

この際、贈与税額の算出方法が二通りある点には注意が必要です。実際に生前贈与する場合にはどちらかの方法を選択することとなりますので、各贈与税の計算方法を以下に解説します。

暦年課税制度

一年間に受け取った贈与金額の合計に対して税金が課税される「暦年課税制度」は、受け取る金額によって税率が変動します。しかし受け取る財産の金額が、110万円以下までは非課税となります。

それ以上の金額になると、一定額ごとに税率が上がる仕組みとなります。しかし、一般的に事業承継では多額の資産を引き継ぐことになるので、ある程度支払う税金の額は大きくなります。

相続時精算課税制度

生前贈与される資産額が2,500万円までなら非課税となる「相続時精算課税制度」は、2,500万円を超えた場合に20%の贈与税が発生します。一見優れている制度に見えますが、注意すべきポイントがあります。

現経営者が亡くなった際に、相続した財産には相続税がかかります。つまり、この制度を用いて生前贈与した場合には、非課税で事業承継できても相続税負担が増すということです。

各事業承継のケースによって、用いるべき計算方法は異なります。自社の状況をしっかり把握した上で、生前贈与による事業承継を実施しましょう。

②相続

経営者が亡くなったタイミングで株式相続の形で事業承継を遂行すると、相続により事業承継を実行するので引き継いだ財産に対して相続税が課税されます。株式の価格は高額になるケースが大半なので、事業承継の際の相続税も高額になりがちです。

1億円以上の財産を相続した場合は40%もの相続税が課税されるため、税金によって事業承継後の経営が上手くいかなくなる可能性もあります。実際に、事業承継したくても、相続税の存在により頭を悩ませている中小企業経営者の方は多いです。

しかし、後述する事業承継税制を活用することで、事業承継でかかる相続税を抑えるのは可能です。条件を満たせば相続税のうち80%分の支払いを猶予できたり、さらには相続税の支払いを免除にすることも可能です。

また、事業承継税制の他にも、相続税を低く抑える対策法があります。その中でも、代表的なものをいくつか紹介します。

財産を減らす

相続税対策の中でも最もメジャーな方法で、例えば現金を不動産に変える方法などがあります。他にも墓石や仏壇を購入、生命保険への加入など、あくまで相続分の財産が減るだけでデメリットは少ない方法です。

債務や葬式等の支出の増額

債務や葬式に対する支出を増やすことにより、支払う相続税を減額可能です。ただし、あまりにも常識的な範囲を超えた支出に関しては、認められない可能性があるので注意しましょう。

※関連記事
中小企業庁が実施する事業承継支援

事業承継で活用できる各種制度・補助金

事業承継で活用できる各種制度・補助金

事業承継は多額の費用や税金がかかる上に、後継者不足問題もあり多くの中小企業にとっては非常にハードルが高い状況です。そこで、事業承継で悩んでいる中小企業のために、国の機関が様々な支援策を実施しています。

事業承継のための様々な支援策の中でも、今回は特に事業承継で役立つサポート制度を以下に紹介します。

  1. 事業承継税制
  2. 事業承継補助金
  3. 後継者人材バンク

①事業承継税制

事業承継税制とは、後継者が現経営者から非上場株式を相続または贈与により取得した際に、相続税や贈与税の納税義務が猶予・免除される特例制度です。通常、事業承継により後継者が現代表者から株式を取得する際には、多額の相続税や贈与税が課税されます。

その結果、事業承継後の経営が立ち行かなくなる可能性が高く、現に税金の負担が理由で事業承継が失敗する中小企業は少なくありません。しかし、事業承継税制を利用すれば、税金負担を大幅に軽減できます。

具体的には、事業承継税制を活用すると、相続税や贈与税のうち80%が猶予可能となります。しかし、税制の猶予を受けるためには「会社」「先代」「後継者」の条件が設けられています。

ここでは各条件の説明を省きますが、事業承継税制の活用を検討する場合にはしっかり活用しましょう。ちなみに、平成25年度に税制改正されたことにより、中小企業はより事業承継税制を活用しやすくなりました。

独断で判断するには限界があるため、税理士等のアドバイザーに意見を聞くことをおすすめします。その際、特にM&Aや事業承継に詳しい税理士の方に相談するのがベストです。

②事業承継補助金

事業承継補助金とは、事業承継を実行する際にかかる費用を軽減する目的で、中小企業に支給される補助金です。原材料費や店舗等の借入金、設備費、在庫処分費などが補助金の対象となります。

支給される補助金の額は、事業承継の目的や形式によって異なりますが、経営革新に取り組んでいる中小企業に対しては100万円~200万円が補助金として支給されます。一方で、事業転換に挑戦する中小企業に対しては、最高で500万円まで補助金が支給されます。

しかし、補助金を支給してもらうためには、厳しい審査や長期間にわたる手続きを得なければいけません。また全ての企業が対象になるわけではなく、経営革新や事業転換のために事業承継を遂行した(行う予定の)中小企業が対象です。

加えて、地域への十分な貢献も条件に含まれています。以上の点を踏まえた上で、事業承継補助金の利用を検討しましょう。

③後継者人材バンク

後継者人材バンクとは、後継者不足に悩んでいる中小・零細企業に対し、後継者候補となる人材をマッチングする制度です。全都道府県に存在している事業引継ぎ支援センターが、後継者人材バンクを運営しています。

後継者人材バンクでは、起業家や起業を志す人材を紹介されるため、熱意ある人に自分の会社を引き継げます。平成23年度に発足した発展途上な制度ですが、この制度を用いて事業承継を成功させた人は年々増加しています。

事業承継で悩んでいる経営者の方は、一度後継者人材バンクの活用を検討してみることをおすすめします。

※関連記事
事業承継補助金とは?採択率やM&Aでの活用を解説

事業承継の相談先

事業承継の相談先

事業承継を実行するためには、多方面に渡る専門知識が必要です。事業承継を実施する経営者の方は、今回紹介する資格を持つ専門家に依頼してサポートしてもらうことをおすすめします。

①税理士

事業承継では必ず税金が発生するため、税理士の存在は欠かせません。税理士は、事業承継の税務処理のみならず、株価算定やM&Aのデューデリジェンス、事業承継の計画策定等、幅広く事業承継の業務を実施可能です。

②弁護士

弁護士も事業承継には欠かせない存在であり、資格保有により業務の幅が広がります。事業承継では親族間でトラブルが発生するケースもあり、そんな当事者同士で解決できないトラブルでも、弁護士が介入すればスムーズに解決できます。

M&Aによる事業承継においても、契約書作成や法務デューデリジェンスで弁護士の存在は不可欠です。

③司法書士

法務手続きの専門家である司法書士は、事業承継において不動産登記を担います。登記手続きは司法書士の独占業務であり、契約書作成や成年後見人制度を用いた事業承継も司法書士がサポートしてくれます。

④事業承継士

事業承継士とは、一般社団法人「事業承継協会」が認定する資格です。上記三つの資格とは異なり民間資格ですが、事業承継に関する幅広い知識を持つ専門家です。

※関連記事
事業承継を税理士に相談するメリット

まとめ

まとめ

事業承継を実施する際には、進め方から税務など、やるべき事柄が非常に多いです。経営者が亡くなったタイミングで、初めて事業承継を始めてもほとんどのケースでは上手くいきません。

事業承継対策は早い段階から実施する必要があり、アドバイザーによる助言や事業承継ガイドラインを参考にして早めに対策しておきましょう。それでは今回の記事をまとめると、以下のようになります。

・事業承継とは
→会社を信頼できる後継者に引き継ぐこと

・事業承継に関する現状
→後継者不足の問題、M&Aを利用した事業承継が増加

・事業承継の方法
→親族内承継、親族外承継、M&A

・事業承継とM&Aの違い
→M&Aは「戦略遂行や課題解決の手段」、事業承継は「解決すべき課題」

・中小企業における事業承継の課題
→後継者の確保、早期準備、会社内の新陳代謝

・事業承継の各種制度・補助金
→事業承継税制、事業承継補助金、後継者人材バンク

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事業再生ADRとは、経営危機に瀕した企業が法的整理手続きを使わず、当事者間の話し合いで解決を図る手続きです。債務免除を受けられるため、再生を図る手段として活用されています。本記事では、事業再生A...

後継者がいない中小企業を廃業させずに存続!経営者が取るべき戦略とは

後継者がいない中小企業を廃業させずに存続!経営者が取るべき戦略とは

後継者いない中小企業は廃業するしかないと考えられがちですが、戦略次第では存続の道もあります。会社を存続させることができれば、技術や雇用を守ることも可能です。本記事では、後継者いない中小企業を廃業...

2025年問題をM&A・事業承継で解決!中小企業が取るべき行動とは

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2025年問題とは、日本が超高齢社会に至ることで生じるさまざまな問題でを指し、中小企業の事業承継にとって深刻な影響を及ぼす可能性もあります。本記事では、2025年問題をM&A・事業承継で解決する...

タグアロングとは?意味やメリット・デメリットを徹底解説【条項例】

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タグアロングとは、大株主が大量の株式を売却する際、少数株主も同等の条件で当該株式を売却することができる権利です。この記事では、タグアロングとはどのようなものか、条項を盛り込む際のメリット・デメリ...

廃業する会社を買うには?相場や買い方・成功ポイント・注意点を解説

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廃業する会社を買うと、通常よりも安価で事業やノウハウを獲得することができるなど、新規で起業する労力と比較するとメリットもたくさんあります。本記事では、廃業する会社を買う方法、相場・成功ポイント・...

商工会議所が支援する事業承継とは?セミナー情報や評判を解説

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経営者の高齢化による中小企業の廃業を防ぐため、商工会議所では積極的に事業承継サポートを行っています。本記事では、商工会議所が行っている事業承継支援の内容や開催されているセミナー情報、実際に商工会...

事業承継に必要な準備期間/心構えとは?適切な承継タイミングなど解説

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事業承継を成功させるには、しっかりと準備期間を設けて事業承継に対する心構えをし、適切なタイミングで事業承継を行う必要があります。本記事では、事業承継を実行するまでに必要な準備期間や心構え、適切な...

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