2021年6月8日更新会社・事業を売る

地方銀行にM&A・事業承継を相談できる?注意点やポイントを解説

M&A・事業承継を行う際、相談先の一つに地方銀行があり、年々深刻化している中小企業の後継者問題などに取り組むべくサポート体制を構築しています。本記事では、地方銀行にM&A・事業承継サポートを依頼する際の注意点やポイントを解説します。

目次
  1. 地方銀行にM&A・事業承継を相談できる?
  2. 地方銀行にM&A・事業承継を相談する際の注意点
  3. 地方銀行にM&A・事業承継を相談する上でのポイント
  4. 地方銀行にM&A・事業承継する際はセカンドオピニオンの検討が必須
  5. まとめ
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地方銀行にM&A・事業承継を相談できる?

地方銀行にM&A・事業承継を相談できる?

地方銀行は「全国地方銀行協会」の会員であり、各地方や都道府県内に本店を持つ銀行のことです。地元企業や行政機関などとのネットワークにより、地域に根付いた営業基盤を有しています。

地方銀行は預金や融資を主たる業務としていますが、2004年4月に銀行業務の規制緩和が行われたことで、M&A・事業承継関連の業務も行えるようになりました。

この章では、M&A・事業承継の現状や地方銀行のM&A・事業承継のサポート体制について解説します。

M&A・事業承継の現状

M&A・事業承継の成約件数は、2012年から右肩上がりを続けています。M&A情報を扱うレコフデータによると、2019年のM&A・事業承継の成約件数は4,088件を記録しています。

M&A・事業承継の件数が伸びている理由は、中小企業やベンチャー企業を中心としたM&A・事業承継が増えたためです。

特に、中小企業の事業承継問題は少子高齢化の影響で年々深刻化しており、後継者不在による廃業を避けるため、今後も中小企業のM&A・事業承継が増える見込みがされています。

【関連】後継者と事業承継の現状、後継者選びのポイントを解説

地方銀行にM&A・事業承継の相談した際のサポート体制

需要が増え続けるM&A・事業承継をサポートするため、地方銀行もM&A・事業承継に関する支援業務を行うようになりました。地方銀行のM&A・事業承継の主なサポート内容は以下の3つです。

【地方銀行にM&A・事業承継の相談した際のサポート体制】

  1. M&A・事業承継を検討する企業の売り案件化
  2. 買い手企業とのマッチング
  3. M&A・事業承継の手続き

1.M&A・事業承継を検討する企業の売り案件化

地方銀行のサポート内容1つ目は、M&A・事業承継を検討する経営者からニーズを汲み取り、売り案件化することです。営業店の担当者が聞き出したニーズを本店に情報伝達し、案件化する流れが一般的とされています。

そのほかには、M&A・事業承継セミナーにより、潜在的ニーズを引き出すこともあります。セミナーでは地域内の企業の経営者を集め、企業が抱える課題を通してM&A・事業承継の必要性を説いて、承継に向けた取り組みを促します。

経営者からのニーズの引き出しが終わったら、売り案件化します。売り手企業の情報を整理して、企業価値評価や企業概要書の作成などを行い、買い手企業を選定するための準備を進めます。

2.買い手企業とのマッチング

売り案件化が完了したら、M&A事業承継を成約させるために買い手企業を探します。地方銀行の場合、まずは銀行の取引先同士で買い手企業とのマッチングを図ることが一般的です。

取引先同士で条件を満たす買い手企業がみつからない場合は、選定範囲を広げるために地方銀行同士や提携先のM&A仲介会社との情報交換を行います。

地方銀行の強みでもある地域に根付いたネットワークにより、買い手企業との円滑なマッチングを目指しています。

3.M&A・事業承継の手続き

買い手企業とのマッチングが済んだら、M&A・事業承継の手続きを行います。成約までには条件交渉や契約書の締結などの工程が必要になるため、地方銀行から派遣されたM&A人材がサポートを行います。

M&A・事業承継の過程では、会計・税務・法務などの知識も必要になります。M&Aの専門部署を設立している地方銀行であれば、各分野に明るい人材が揃っていることも多いです。

M&Aの専門部署がなかったり、あまり注力していない地方銀行の場合は、担当者だけでは対応できないことも多いため、地域の提携先の士業事務所などから人材が派遣されることもあります。

地方銀行にM&A・事業承継の相談は可能

M&A・事業承継業務の需要の高まりから、地方銀行においてもサポート体制を整える動きが強まっています。金融機関という社会的信用の高さから、相談先の候補に挙げられることも多いです。

普段から取引関係にある地方銀行であれば、ほかの専門家よりも相談しやすいことも魅力の一つです。面識のある銀行員がいれば、会社の内情をある程度把握しているので、M&A・事業承継の話も進めやすくなります。

しかし、すべての地方銀行がM&A・事業承継業務に積極的な姿勢というわけではないので、手放しで相談できるわけではありません。サポート体制が十分に構築できていない場合、M&A・事業承継が失敗する可能性も高くなります。

【関連】M&Aにおける銀行の役割

地方銀行にM&A・事業承継を相談する際の注意点

地方銀行にM&A・事業承継を相談する際の注意点

地方銀行は日頃から取引関係にあることも多く、何かと経営に関する相談がしやすいため、M&A・事業承継業務を行っている地方銀行であれば、相談先の候補として挙げられることも少なくありません。

しかし、地方銀行にM&A・事業承継を相談する際はいくつかの注意点があります。特に注意したいポイントとしては、以下の3点があります。

【地方銀行にM&A・事業承継を相談する際の注意点】

  1. M&A・事業承継に慣れていない地方銀行の存在
  2. 案件の少なさにより最適な相手選びが出来ない可能性
  3. 利益相反になる可能性

1.M&A・事業承継に慣れていない地方銀行の存在

M&A・事業承継業務に本格的に取り組んでいる地方銀行がある反面、あくまで消極的な姿勢で業務に必要な知識・ノウハウを身につけられていない地方銀行もみられます。

M&A・事業承継の業務を滞りなく進めるためには、M&Aの知識や税務・法務などの分野に詳しい必要があります。

知識やリソースが足りない場合は外部の専門家を頼ることになるので、顧客視点からはコスト負担が増加する心配もあります

また、銀行や地方銀行は基本的に大規模なM&Aを好む傾向にあり、実務が煩雑になりがちな中小規模のM&A・事業承継は慣れていないことが多く、成約までに時間がかかる傾向があります。

2.案件の少なさにより最適な相手選びが出来ない可能性

M&A・事業承継を成約させるためには、買い手企業とのマッチングを行う必要があります。しかし、地方銀行は、取引先同士という狭い範囲から買い手の選定が行われるため、案件が少ないという問題もあります。

また、M&A・事業承継の成功には、幅広い選択肢を持つことが重要です。これは相手選びにおいても同様であり、相談先の案件数が少ないと選択肢が狭まり、M&A・事業承継が成功する可能性も低くなります。

地方銀行は、特定地域外の案件に関しては影響力をほとんど持ち合わせていません。顧客からの要望で選定範囲を他エリアに拡大する場合は、ほかの地方銀行や外部の専門家に依頼する必要があるので時間がかかってしまいます。

地域内の取引先同士でマッチングできれば、地域の活性化にも繋がるので喜ばしいことですが、成約条件や企業成長という面で見た場合、最適な買い手企業とマッチングできる可能性は高くありません。

3.利益相反になる可能性

後継者問題の解決を目的とするM&A・事業承継は友好的なM&Aが望ましいため、仲介型のアドバイザリー契約を結ぶことが多いですが、地方銀行は融資回収のため買い手企業に有利になるように動くことがあります。

M&A・事業承継において、売り手企業はなるべく高く、買い手企業はなるべく安くという要望があるため、両者の本質的なニーズを一致させることができません。

そのため、M&A・事業承継を成立させるためには、双方の落としどころを探っていくのが基本的な流れになり、客観的な企業価値評価や納得できる材料を双方に提示することで成約を目指します。

しかし、地方銀行はリピーター顧客になる可能性がある、買い手企業を優先する傾向があります。一度きりの売り手企業よりも買い手企業に有利になるように交渉を進めて、次の案件も獲得しようと狙う可能性があります。

片方の損失が極端になる事態はあまりないものの、利益相反に該当する可能性があるので注意しておく必要があります。

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地方銀行にM&A・事業承継を相談する上でのポイント

地方銀行にM&A・事業承継を相談する上でのポイント

地方銀行にM&A・事業承継を相談する際は、いくつかのポイントを踏まえておくと円滑に進めやすくなります。特に重要なポイントは以下の4点です。

【地方銀行にM&A・事業承継を相談する上でのポイント】

  1. M&A・事業承継実績を確認する
  2. 売り手・買い手の案件数が多い
  3. 手数料や報酬などを確認する
  4. ほかのM&A・事業承継の専門家にも相談する

1.M&A・事業承継実績を確認する

1つ目のポイントは、地方銀行のM&A・事業承継の実績を確認することです。地方銀行によってサポート体制の質に大きな開きがあるため、相談先の実績確認は必須ともいえます。

実績が豊富にある地方銀行は、M&A・事業承継専用の部署や相談窓口を用意していることが多いです。公式ページにM&A・事業承継専用のページが開設されていると、本格的に取り組んでいることが明確に分かります。

そのほか、担当者の能力や経験を確認する方法も有効です。M&A・事業承継の能力や経験豊富な人材が多ければ、確かなサポート体制が整っている可能性も高くなります。

2.売り手・買い手の案件数が多い

M&A・事業承継を検討するうえでは、相手をみつけることがまず必要なので、相談先の案件数は重要なポイントになります。地方銀行が抱えている案件数が多ければ、好条件かつ短期的なM&A成約を目指しやすくなります。

地方銀行が抱える案件数を外部から確認することは難しいので、相談時に担当者に直接確認するしかありませんが、選定範囲や選定に使うネットワークなどが判断材料となります。

3.手数料や報酬などを確認する

M&A・事業承継の仲介業務は、サポートの対価として仲介手数料や報酬を支払います。M&A仲介会社の料金体系と比較すると、高く設定されていることがあるので注意が必要です。

地方銀行の仲介手数料が高くなる理由は人件費です。地方銀行のM&A部署の担当者は金融知識を備えるエリートなので、人件費も高くなる傾向があります。

M&A・事業承継の業務で発生した人件費は、顧客が仲介手数料や報酬として支払います。料金体系次第では、M&A・事業承継が長引くほど顧客の負担が増加する可能性があります。

手数料や報酬で想定外の出費があるとM&A・事業承継後の資金運用計画に支障が出る恐れがあります。計画的に進めるためにも、地方銀行の料金体系の事前確認は必須です。

4.ほかのM&A・事業承継の専門家にも相談する

地方銀行はM&A・事業承継を相談することができますが、相談先を地方銀行だけに限定すると選択肢を狭めてしまう可能性もあるため、ほかのM&A・事業承継の専門家への相談も検討することが大切です。

M&A・事業承継の専門家に相談すると、地方銀行の見解に対する検討や専門家としての見解を聞くことができます。別々の立場の見解を聞けば、M&A・事業承継に対する理解を深めやすくなります。

M&A・事業承継のおすすめの相談先はM&A仲介会社です。M&A・事業承継に特化した専門家なので、幅広い分野の専門家が在籍していて、相談から成約までの一貫したサポート体制を構築しています。

【関連】事業承継を銀行に相談するメリット

地方銀行にM&A・事業承継する際はセカンドオピニオンの検討が必須

地方銀行にM&A・事業承継する際はセカンドオピニオンの検討が必須

地方銀行の金融知識に基づいた見解はM&A・事業承継を進める上で存分に利用することができます。ただ、よりよい決断をするためには専門的な知識を持った第三者に意見を求めることも大切です。

M&A総合研究所は、M&A・事業承継の仲介事業を手掛けるM&A仲介会社です。中堅・中小規模の案件を得意としており、中小企業のM&A・事業承継仲介における豊富な実績を持っています。

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無料相談は随時お受けしています。M&A・事業承継のセカンドオピニオン先をお探しの際は、お気軽にM&A総合研究所までご連絡ください。

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まとめ

まとめ

本記事では、地方銀行のM&A・事業承継のサポート体制について解説しました。地方銀行の地域密着型という性質は相談しやすいメリットがある反面、抱える案件数が少ないなどのデメリットもあります。

なかには深刻なデメリットもあるため、依頼する前に注意点やポイントを把握しておくことが大切です。その際はM&A仲介会社などの専門家に合わせて相談することで、多くの選択肢を持つことができるようになります。

【地方銀行にM&A・事業承継の相談した際のサポート体制】

  1. M&A・事業承継を検討する企業の売り案件化
  2. 買い手企業とのマッチング
  3. M&A・事業承継の手続き
【地方銀行にM&A・事業承継を相談する際の注意点】
  1. M&A・事業承継に慣れていない地方銀行の存在
  2. 案件の少なさにより最適な相手選びが出来ない可能性
  3. 利益相反になる可能性
【地方銀行にM&A・事業承継を相談する上でのポイント】
  1. M&A・事業承継実績を確認する
  2. 売り手・買い手の案件数が多い
  3. 手数料や報酬などを確認する
  4. ほかのM&A・事業承継の専門家にも相談する

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