2020年2月9日更新業種別M&A

建設業の事業譲渡・事業売却の流れや注意点を解説!許認可はどうなる?

近年、建設業の中小企業では、経営者の高齢化や後継者不在などにより、M&Aによる事業譲渡・事業売却を選択するケースが増えていますが、実際に行う際は許認可の引継ぎに注意が必要です。建設業の事業譲渡・事業売却の流れや注意点、許認可について解説します。

目次
  1. 建設業の事業譲渡・事業売却
  2. 建設業の事業譲渡・事業売却の流れ
  3. 建設業の事業譲渡・事業売却の注意点
  4. 建設業の事業譲渡・事業売却時には許認可はどうなる?
  5. 建設業の事業譲渡・事業売却を考えるタイミング
  6. 建設業の事業譲渡・事業売却でおすすめの相談先
  7. まとめ
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建設 ゼネコンのM&A・事業承継

建設業の事業譲渡・事業売却

建設業の事業譲渡と事業売却

近年、国内の中小企業は後継者問題に悩んでおり、それは建設業界も例外ではありません。そのため、M&Aによる事業譲渡や事業売却を行うケースが増えています。しかし、建設業でM&Aによる事業譲渡・事業売却を行う際は、許認可について注意しておかなければなりません。

この記事では、建設業の事業譲渡・事業売却についての流れや注意点、許認可の取り扱いについて解説しますが、まずは建設業の定義や事業譲渡・事業売却の意味を解説していきます。

建設業とは

建設業とは、土木建築に関する工事のうち、建設業法で定められた建設工事種類の工事を請け負う事業をいいます。建設工事種類は29種類に区分されており、たとえば土木一式工事土木工事業・建築一式工事建築工事業・左官工事左官工事業・電気工事電気工事業・鉄筋工事鉄筋工事業などがあります。

原則として、建設業を行うためには請負工事の種類ごとに、「国土交通大臣許可」あるい「都道府県知事許可」の許可を受けなければなりません。また、土木や建築の工事一式について発注者と直接契約する元請負者を、一般的にゼネコン(ゼネラルコンダクター)と呼びます。

事業譲渡とは

事業譲渡は、自社が行う事業の一部あるいは全部を第三者に譲り渡すM&A手法です。事業譲渡では、譲渡の対象を選択できるのが大きな特徴であり、取引の対価は現金で支払われます。

売り手のメリットは、事業を選んで売却することができ、事業譲渡後も法人格を残せる点です。事業の選択と集中を目的とする場合や、また、経営者が引退しても会社は存続させたい場合にも用いられることがあります。

一方で買い手側のメリットは、引き継ぐ資産や負債の対象を限定できるため、簿外債務や偶発責務を引き継がなくて済むことや、取得した資産やのれんを償却すれば資金流出のない状態で損失を計上できるため、節税効果があることが挙げられます。

このように、事業譲渡には多くのメリットがありますが、許認可・契約などは引き継がれないため、改めて手続きを行わなければならず、他の手法に比べて手続きは煩雑になります。

事業売却とは

事業売却とは、会社や組織が行っている事業の一部や全部を第三者に売却することです。自社の事業を第三者に売却(譲渡)するといった意味では事業譲渡と同じですが、単に事業売却といった場合は株式譲渡か事業譲渡のいずれかによって売却したということになります。

つまり、事業売却という場合は株式譲渡によるケース・事業譲渡によるケースの2つが含まれ、用いた手法によって対価も株式・現金のどちらかになります。

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建設業の事業譲渡・事業売却の流れ

建設業の事業譲渡と事業売却の流れ

この章では、建設業の事業譲渡・事業売却の流れについて解説します。各手順でのポイントや注意点などもあわせて紹介します。まず、事業譲渡・事業売却の大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 仲介会社などへの相談
  2. 事業譲渡・事業売却先の選定
  3. 基本合意書の締結
  4. デューデリジェンスの実施
  5. 最終契約書の締結
  6. クロージング
では、それぞれの手順を1つずつ見ていきましょう。

①仲介会社などへの相談

事業譲渡・事業売却を行う場合、まずはM&A仲介会社などの専門家に相談・依頼するのが一般的です。自社の希望条件をM&A仲介会社に伝えれば、相手先候補の絞り込み・最適なスキームの選択・交渉や手続きの代行など、トータルサポートを受けることができます。

自社のみで進めるよりも効率的に事業譲渡・事業売却を行うことが可能であり、最近では無料相談を行っているM&A仲介会社が増えているので、まずは相談してみると良いでしょう。そんな場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。

M&A仲介会社であるM&A総合研究所は、会計士や知識と経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、これまで培ってきたノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。もちろんご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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秘密保持契約書の締結

M&A仲介会社に事業譲渡・事業売却の仲介を依頼する際、秘密保持契約書を締結します。秘密保持契約書とは、M&Aを行うにあたって開示する、業務や財務などの情報を第三者に漏洩しない旨を約束するものです。

万一、情報が漏れてしまうとM&Aが不成立になるだけでなく、売り手・買い手双方の企業に不利益が及ぶ可能性があるため、必ず締結します。

②事業譲渡・事業売却先の選定

次は、事業譲渡・事業売却先の選定を行います。M&A仲介会社に自社の希望条件を伝えると、条件に見合った企業を何社か選定してくれます。この作業はスクリーニングと呼ばれ、まずは大まかな条件で買い手候補を抽出したロングリストと呼ばれるリストを作成します。

それから、数社に絞り込んだショートリストを作成し、候補となる企業に打診をしていきます。打診した結果、よい感触が得られたらトップ同士の会談を行い、M&Aを進める意思について確認します。

③基本合意書の締結

トップ同士の会談・交渉を経て、大筋で事業譲渡・事業売却の合意が得られたら、基本合意書を締結します。基本合意書とは、M&Aの最終契約締結までの協議過程で締結される、基本的な内容について定めたものです。

基本同意書は、最終合意に限りなく近い内容の場合もあれば、交渉による変更の可能性を前提とした場合もあります。いずれにせよ、最終合意を決定したものではないため、デューデリジェンスの結果などによって、内容が変更される場合もあります。

なお、基本合意書に盛り込む内容には、以下のようなものがあります。

  • M&Aの手法
  • 対象・対価
  • 役員の処遇などの基本的な条件
  • 支払いのタイミング
  • デューデリジェンスのスケジュールおよびデューデリジェンスの協力義務
  • 独占交渉権
  • 秘密保持義務
  • 費用負担
  • 裁判管轄

意向表明書の提示

意向表明書とは、簡単に言えば「相手先企業を譲受する意思がある」ことを示す書類です。具体的には、M&Aを行う意思があること・取引額や譲渡対象などの大まかな条件を記載します。通常、意向表明書はトップ面談後に買い手側から売り手側に提示されます。

その後、独占交渉権などの内容を含めた基本合意書を締結し、具体的な手続きへと進みます。基本合意書は売り手・買い手双方の合意の上で締結されるので、内容も最終契約に近いものなっており、デューデリジェンスの協力義務・独占交渉権・秘密保持に関する事項などが盛り込まれます。

対して、意向表明書はあくまでも買い手側が交渉する意思を伝えるものであり、提出が義務付けられているというものでもありません。しかし、意向表明書を提出することによって、買い手側の意思を明確に伝えられるので、以降の交渉をスムーズに進めることができます。

④デューデリジェンスの実施

基本合意書を締結した後は、買い手側によるデューデリジェンスが行われます。デューデリジェンスとは、対象となる企業(売り手側)の経営状況についての調査をいいます。デューデリジェンスは、法務・財務・税務などさまざまな観点から行われ、いずれの調査も専門的な知識を必要とします。

そのため、弁護士・会計士・税理士などの各専門家に依頼して行われるのが一般的です。買い手側はデューデリジェンスを行うことにより、簿外債務や簿外負債を引き継ぐリスクを避けることができます。

なお、デューデリジェンスの結果によっては、売買価格や取引条件を変更したり、M&Aの交渉自体が破棄されたりすることもあります。

⑤最終契約書の締結

デューデリジェンスの結果、売り手側の企業に問題がなければ、事業譲渡・事業売却についての最終契約書を締結します。最終契約書には、効力発生日・譲渡対象および譲渡目的・対価に関する事項を記載します。

なお、最終契約書には法的な拘束力があるため、もし契約後に一方的に破棄した場合は、相手側から損害賠償請求される可能性があります。

⑥クロージング

クロージングはM&Aにおける最後の手続きになり、これをもって経営権が買い手側へと移ります。株式譲渡と事業譲渡では、クロージングに必要な手続きが異なり、株式譲渡の場合は、株券の受け渡しと対価の支払い・新役員の選任などが必要になります。

事業譲渡の場合は、譲渡対象となる資産・負債・義務や権利の各譲渡手続きを行い、買い手から売り手へ譲渡対価を支払って完了となります。

※関連記事

デューデリジェンスとは?目的・方法・種類

M&Aの流れ、進め方について解説します

建設業の事業譲渡・事業売却の注意点

建設業の事業譲渡と事業売却の注意点

建設業の事業譲渡・事業売却を行う際は、どのような点に注意しておけばよいのでしょうか。ここでは、とくに注意すべき以下の6点について解説します。

  1. 事業譲渡・事業売却を行う際は計画的に行う
  2. 事業の強みやアピールポイントをまとめてから交渉を行う
  3. 事業譲渡・事業売却が決まってから従業員・取引先に報告する
  4. 進行中の案件・建設予定の案件の引き継ぎに注意する
  5. 建設業許可の引き継ぎに関して知っておく
  6. 事業譲渡・事業売却の専門家に相談する

①事業譲渡・事業売却を行う際は計画的に行う

事業譲渡・事業売却を成功させるためには、計画的に行うことが大切です。どのような目的で事業譲渡・事業売却を行い、譲渡・売却の対象となる事業を見極める必要があります。また、事業譲渡・事業売却では譲渡後も自社は存続することになります。

そのため、期待できる効果や取引先・下請け業者などへの影響についても検討しておかなければなりません。まずは、計画書を作成し、スケジュールに沿って事業譲渡・事業売却を行えるように準備をしておきましょう。

②事業の強みやアピールポイントをまとめてから交渉を行う

事業譲渡・事業売却を成功させるためには、対象事業の強み・アピールポイントを買い手先候補の企業にしっかり伝えることが大切です。具体的な交渉へ進む前に、まずは自社の強み・アピールポイントを明確に伝えられるよう、具体的なデータをもとに資料をまとめておくとよいでしょう。

具体的には、ノウハウや技術・施工管理責任者などの有資格者数・許認可・取引先に関する内容などをまとめておくと、買い手は買収後のシナジー効果を想定しやすくなり、交渉もスムーズに進めることができます。

③事業譲渡・事業売却が決まってから従業員・取引先に報告する

事業譲渡・事業売却をする際は、従業員・取引先へ報告するタイミングにも注意が必要です。事業譲渡・事業売却の内容が決定しないうちに従業員や取引先に情報が伝われば、余計な不安や憶測を与えかねず、優秀な人材の流出や関係性が悪化する可能性もあります。

そのような事態を避けるため、事業譲渡・事業売却について報告するタイミングは、内容が具体的に決定してからにしましょう。

④進行中の案件・建設予定の案件の引き継ぎに注意する

事業譲渡・事業売却時に、進行中や建設予定の案件がある場合は、引継ぎについて注意が必要です。現在請け負っている工事案件を完了してから事業譲渡・事業売却を行うことが望ましいですが、長期案件がある場合などやむを得ないこともあるでしょう。

そのようなケースでは、買い手に工事案件を引き継いでもらうか、同業他社への案件引継ぎを検討しなければなりません。買い手に工事を引き継ぐ場合は、後のトラブルにならないよう、費用分担の割合を明確にするとともに、工事の引き継ぎ先に関する内容は、発注者にも必ず伝えておくようにしましょう。

⑤建設業許可の引き継ぎに関して知っておく

建設会社の事業譲渡・事業売却では、売り手側が取得した建設業許可は、買い手側の会社に引き継がれません。そのため、買い手側側は譲受する事業に必要な建設業許可を、改めて取得する必要があります。

建設業許可の取得には一定の条件を満たさなければならず、申請してから認可されるまでには期間を要するため、事業譲渡・事業売却後の事業を開始する日程は調整が必要になることもあります。

⑥事業譲渡・事業売却の専門家に相談する

建設業の事業譲渡・事業売却を行うためには、M&Aに関する知識だけでなく、建設業界の動向や許認可の取り扱いについての知識も必要になるため、M&A仲介会社などの専門家に相談しながら進めるのが良いでしょう。

建設業のM&A・事業譲渡・事業売却の成約実績がある仲介会社であれば、許認可についても熟知しており、適切なサポートに期待できます。なお、M&A総合研究所にはM&Aの知識だけでなく、豊富な事例の経験を持ち、必要な手続きを熟知しているアドバイザーが在籍しております。

建設業で事業譲渡・事業売却をお考えの際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。

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建設業の事業譲渡・事業売却時には許認可はどうなる?

建設 ゼネコンのM&A・事業承継
建設 ゼネコンのM&A・事業承継
建設業の事業譲渡・事業売却時には許認可はどうなる?

先述しましたように、建設業の事業譲渡・事業売却では、買い手企業への建設許可引き継ぎはできません。買い手側企業がすでに建設業許可を取得している場合は、その許可を維持することができますが、買い手側が建設業許可をもっていない場合は、申請をして許可を得なければなりません。

許可申請をしてから許可がおりるまでには、1~4か月程度の期間(知事許可と大臣許可で異なる)が必要になるため、事業開始日の調整が必要です。このように、現行の制度では建設許可がおりるまでに「無許可の期間」ができてしまいます。

しかし、許可行政庁の事前認可が得られれば、建設許可の承継できる改正案が2019年に可決されたことにより、2020年秋ごろからは建設許可の承継が可能となります。

建設業の事業譲渡・事業売却を考えるタイミング

建設業の事業譲渡・事業売却を考えるタイミング

建設業の事業譲渡・事業売却を考える適切タイミングは、どのような場合なのでしょうか。

  1. 後継者問題を抱えており悩んでいる
  2. 高齢になり健康問題が出てきた
  3. 別事業に注力したいと考えている
上記3つが建設業で事業譲渡・事業売却を考えるタイミングでとくに多いタイミングであり、他の業界と大きく違うわけではありません。

①後継者問題を抱えており悩んでいる

近年、国内にある中小企業の多くは、後継者問題を抱えており、それは建設業界も例外ではありません。なかには、経営状態に問題なくても、後継者がいないために廃業を選ぶ企業もあります。

このように、後継者が見つからずに事業承継ができない場合、M&Aによる事業譲渡・事業売却を行えば、適切な第三者(企業)に事業を引き継ぐことができます。

②高齢になり健康問題が出てきた

経営者が高齢になり健康問題が出てきたことによって、事業譲渡・事業売却を検討・実施するケースもあります。経営者の中には、実際に建設現場へ出ている人もおり、健康上の問題が出てくれば現状を維持するのは難しくなります。

経営者が高齢になり健康問題が出できたことによって、今後の経営が困難であると判断した場合は、事業譲渡・事業売却を考えるタイミングのひとつといえるでしょう。

③別事業に注力したいと考えている

建設業業界の将来性や自社の成長などの理由により、別の事業に注力したいと考えることもあるでしょう。新しく事業を始める場合は当然資金が必要になりますが、自社の事業を譲渡または売却すれば、それにより利益を得ることができます。

このように、別事業に注力したいという理由も、事業譲渡・事業売却を考えるひとつのタイミングかもしれません。

建設業の事業譲渡・事業売却でおすすめの相談先

建設業の事業譲渡・事業売却でおすすめの相談先

建設業の事業譲渡・事業売却を行う際は、業界の動向を把握したうえで計画的に進めることが大切ですが、M&Aを進めるうえでは、建設業許可の取り扱いにも注意しなければなりません。それに加えて、M&Aに関する専門的な知識や見解、交渉力なども必要になります。

そのため、M&A仲介会社など専門家のサポートは不可欠といえるでしょう。株式会社M&A総合研究所では、案件ごとに実務豊富なアドバイザーと会計士・弁護士が3名体制で就き、クロージングまでしっかりサポートいたします。

料金体系は着手金・中間報酬無料の成功報酬制となっており、初期費用を抑えてM&Aを行いたい場合も安心です。無料相談も随時お受けしていますので、建設業の事業譲渡・事業売却を検討の際は、どうぞお気軽にお問合せください。

※関連記事

M&A仲介会社を比較!M&A仲介会社のランキング、仲介手数料を解説します

まとめ

建設業の事業譲渡と事業売却のまとめ

この記事では、建設業の事業譲渡・事業売却について解説しました。建設業を事業譲渡・事業売却する際には、建設業許可の取り扱いに注意しなければならず、買い手が新たに建設業に関わる場合は、認可までの期間などの調整が必要になります。

また、建設業の事業譲渡・事業売却を成功させるためには、業界や許認可に関する知識、M&Aの見解や高い交渉力が必要になるため、M&A仲介会社など専門家のサポートは不可欠といえるでしょう。そのため、M&A総合研究所のようなM&A仲介会社に相談・依頼することをおすすめします。

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