2020年7月7日公開会社・事業を売る

新型コロナ後のM&A市場の見通しは?2020年4月はM&Aが急減

世界経済に影響を及ぼす新型コロナが感染拡大した後には、M&A市場にどのような影響を及ぼすのでしょうか。当記事では、新型コロナの影響を加味したM&A市場の予測について、リーマンショックとの比較や、M&Aの増加が見込まれる業種、M&Aの戦略などを取り上げています。

目次
  1. 新型コロナ後のM&A市場の見通しは?
  2. 新型コロナ後の2020年4月からのM&A市場
  3. 新型コロナ後でもM&Aの増加が考えられる業界
  4. 新型コロナ後にM&A・会社売却を考える企業の戦略
  5. 新型コロナ後のM&A市場はどうなる?
  6. まとめ
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新型コロナ後のM&A市場の見通しは?

新型コロナ後のM&A市場の見通し

新型コロナ後のM&A市場の見通しは?

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2020年7月5日現在でも、日本における新型コロナの感染流行が、企業の事業活動に影響を及ぼしています。しかし、M&A市場での成約件数の減少は、世界的な不況をもたらしたリーマンショック後のように、徐々に回復すると見られています。

2020年の1月から3月までは、M&Aの成約期間の長さから、減少の傾向は見られていませんが、今後は買い手の慎重な姿勢が影響して、M&A市場の動きが鈍くなると予想されています。

さらに、資金調達では、融資の利用などでも資金を確保できない企業が、会社・事業の売却で、事業運営の資金を集めると見られます。

リーマンショック後との比較

M&A市場に与えた影響といえば、2008年に発生したリーマンショックが挙げられます。マールオンラインによるリーマンショックの影響を見てみると、2,500件を超えていたM&Aの件数は、2008年で2,500件を下回り、2009年には2,000件に達していません。

M&A市場の動きが鈍くなった理由には、買い手がM&Aを仕掛ける余力を失っている点と、金融機関が融資に慎重な姿勢を見せている点が挙げられています。

しかし、一定数のM&Aは成立していることから、買い手にM&Aに割く余力があったり、融資を受けられる案件を対象に据えたりすれば、M&Aの取引を完了できていたといえます。

また、2011年まではM&A件数の減少傾向が続きましたが、2012年からは上昇に転じて、M&A市場の回復が見て取れます。

そのため、経済へ大きな打撃を与えた新型コロナについても、余力を残した企業によるM&Aが見られ、感染が収束するに従ってM&A市場の動きは回復すると予想されています。

新型コロナ前の2020年1月~3月までのM&A市場動向

M&AOnlineに掲載された公開企業のM&Aを見てみると、新型コロナの影響が少なかった2020年の1月~3月までは、M&A市場で232件の案件が成立しています。2019年の同じ期間と比べると、10件の増加が見て取れます。

M&Aの買収額は1.1156兆円で、2019年の同じ時期と比べると、およそ53%もアップしています。

100億円を上回るM&A案件はほぼ同じ件数で推移していましたが、三菱商事による海外のエネルギー事業会社の買収がおよそ5,000億円だったことから、買収額が大幅に増加しています。

以上のようなM&A市場の動きから、新型コロナの影響が出始めていても、M&Aの成立には短くて3カ月ほどの期間を要するため、感染の影響が見られていた1月~3月の時点では、M&Aマーケットの動きを鈍らせてはいなかったと捉えられます。

資金調達はどうなる?

新型コロナの影響で資金繰りが難しくなった企業は、日本政策金融公庫などが設けた融資制度を利用したり、補助金・休業に対する支援金をもらったりして、当面の運転資金を確保しています。

しかし、上記のような融資制度に該当しない・得られる資金が不十分などの場合には、運営に必要な資金を得るために、子会社・事業を売却して、活動資金を得ている企業も見られます。

M&Aの方法で事業譲渡を利用すれば、特定の事業を売却できるので、資本を集中させる事業を残し、そのほかの事業を売り渡せます。

ただし、新型コロナの影響が続く状況下では、M&A市場の買い手に、黒字化が続く・リモートワークに対応できている会社などを選ぶ傾向が見られます。

提供する製品などが市場に受け入れられずにいる・赤字を出している・超過債務に陥っているなどの企業は、買い手に好まれないため、売却での資金調達は難しい状況にあります。

【関連】M&Aに補助金制度!新型コロナウイルス対策の補正予算

スタートアップによる資金調達も難しい

会社の価値を高めてから会社売却し、多額の利益を得ることを目的につくられる会社がスタートアップです。

スタートアップは、ベンチャーキャビタルから資金を調達して事業を進め、企業価値を高めていますが、新型コロナの影響により、上場を果たす企業の数が減少しています。

現在の状況は、各業界での活動は停滞しているため、ベンチャーキャピタルに投資分の利益を得られる企業だと見なされなければ、資金調達は難しいといえます。

ただし、新型コロナの影響下でも、リモートワークで事業活動が行えている企業は、企業価値が高いと見なされてベンチャーキャピタルによる資金提供が受けやすいと捉えられます。

【関連】スタートアップのM&Aとは?成功・失敗事例、M&AとIPOの違いを解説

新型コロナ後の2020年4月からのM&A市場

新型コロナ後の2020年4月からのM&A市場

新型コロナ後の2020年4月からのM&A市場

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新型コロナの流行を受けて、M&A市場の動きが鈍くなり、2020年の4月におけるM&Aの件数は、3月と比べると36件も減少しています。

1月~3月までは、新型コロナの影響はあまり見られませんでしたが、4月からは全国規模にまで広がった感染への対策として緊急事態宣言が発令されたため、市場への影響が現れています。

2020年4月はM&Aが急減?

新型コロナの感染流行によって、M&Aの買収監査に時間がかかり、緊急事態宣言の発出・対象地区の拡大を受けて、M&Aへの着手が先送りにされた点が、M&A市場の動きを鈍らせていると見られます。

3密を防ぐために、不要な外出や他の都道府県との往来を自粛するように求められたことで、新型コロナの感染が広がる前のようにM&Aを進められない状況が続いていました。

さらに、業種によっては営業の自粛・営業時間の短縮で、売り上げの大幅な減少が予想されたことから、対象の業種については買収を控えて、事態の収束を見守り、一定期間を空けて再度M&Aに取り掛かる行動により、2020年4月のM&Aの件数は減少しています。

2020年4月に見るM&A件数の変化

M&AonlineがまとめたM&A市場での成約件数は、2020年4月で50件とし、3月と比べると36件の減少が見られます。

また、2020年の1月~3月では、2019年の同じ月と比べて件数の増加が見て取れましたが、2020年の4月は2019年の同じ月と比べると17件も減っていることからも、4月には新型コロナによる影響がM&Aのマーケットに発現し始めたといえます。

新型コロナ後でもM&Aの増加が考えられる業界

新型コロナ後でもM&Aの増加が考えられる業界

新型コロナ後でもM&Aの増加が考えられる業界

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新型コロナの感染が広まってからも、M&A市場では、感染を避けたい需要や、感染拡大による取引量の減少、人材・労働先の不足に対応するため、中古品関連事業や、物流事業、人材派遣・求職事業での増加が見て取れます。

中古品関連事業のM&A

2002年の4月では、中古品関連事業のM&Aが4件で、5月でも3件が確認されています。4月では、中古トラック販売会社の子会社や、中古農機具の買取・販売・輸出事業の取得などがM&Aのマーケットで行われています。

5月にはアイドルグッズ・トレカなどの中古品販売会社の子会社化や、中古品の販売・買取を手掛けるフランチャイズ法人の子会社化などを図っています。

新型コロナ後にM&Aを完了した中古品関連事業のなかには、ネットを通じた買取・販売に力を入れている事業者が見られるため、直接やり取りする販売・買取に加えて、密を避けたい利用者のニーズに応えていく事業方針が、M&Aの増加につながっていると捉えられます。

物流事業のM&A

物流事業のM&Aでは、5月に物流事業会社の連結子会社化や、医薬品の扱いを主力とするアメリカの物流会社の子会社化などを完了させています。

新型コロナの影響で、取り扱う製品によっては物流量の減少が見られるため、M&Aのマーケットでは同業の獲得で取り扱うサービスの拡充・販路の拡大などで成長を図る企業が増えると予測されます。

【関連】物流事業の事業売却とは?売却事例などを紹介

人材派遣・求職事業のM&A

人材派遣・求職事業のM&Aでは、5月において介護スタッフの人材派遣会社の子会社化や、夜の接客業に特化した人材紹介会社の子会社化、労働者の派遣事業会社の譲渡などが見られました。

介護事業は人材の不足が叫ばれている業界であることや、新型コロナの影響下により、介護事業を担う人材の増員が求められていることからも、人材派遣会社を傘下に収める企業が増えると予測されます。

夜の接客業では、新型コロナの影響で、職を失ったり、報酬の減額を受け入れたりなど、労働環境が変化しています。

さらに、新型コロナの感染拡大で既存の職だけでは、生活を維持できずに、初めて夜の接客業を勤める利用者も増加すると見られるため、対象の業界に特化した人材紹介会社のM&A増加が予想されます。

また、労働派遣事業では新型コロナの感染が広まったことを受けて、労働者の働き口が制限されているので、M&Aのマーケットでは新しい雇用先を生み出せる買い手へのM&A増加も予測されます。

【関連】​人材派遣・紹介会社のM&Aにおける売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

新型コロナ後にM&A・会社売却を考える企業の戦略

新型コロナ後にM&A・会社売却を考える企業の戦略

新型コロナ後にM&A・会社売却を考える企業の戦略

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新型コロナの感染が拡大してから、会社・事業のM&A・会社売却を考えるなら下記の戦略を取りましょう。

  1. 新型コロナの影響を分析する
  2. 自社の強み・弱みを分析する
  3. 新型コロナ後の価値を評価する

1.新型コロナの影響を分析する

買い手は過去の売上から買収を決めるため、新型コロナの感染拡大後における売上の推移をまとめておきましょう。売上の推移では、数値の変化はもちろんのこと、数字に表れていない変化もまとめると、買い手への説明に役立てられます。

2.自社の強み・弱みを分析する

新型コロナの感染拡大は、多くの業種に影響を与えているので、現状の環境下でも、他社に勝っている点を見つけられると、買い手の関心度合を高められます。

たとえば、新型コロナの影響下でも売り上げが安定している・トップシェアを維持している・優秀な人材を抱えている・リモートワークに対応できているなどの強みがあるかどうかを分析しましょう。

弱みについても、当面の活動資金を確保できていない点をはじめ、取引先・輸送ルートの限定による原料入手の遅れや、新型コロナ対策の実行による受け入れ可能な客数の制限、リモートワークへの移行不可などが挙げられます。

他社よりも劣る点があっても、目を背けずに弱みを認識しましょう。M&A・会社売却までの間に改善させられれば、買い手に買収の価値があると見なされます。

3.新型コロナ後の価値を評価する

売り手企業・事業の価値は、キャッシュフローを軸にして算出されるため、新型コロナの影響が及んでいる時点での会社の価値を算出しましょう。

新型コロナの影響により事業計画を立てるのが困難であっても、事業計画が提出できなければ、買い手は別の売り手に関心を向けてしまうため、一定の条件を設けた事業計画書をつくることが重要です。

これまでの実績とを比べても一貫性が保てていると見なされれば、買い手は買収後の経営を想像しやすく、新型コロナ後のM&Aでも売却の可能性を高められますし、影響を踏まえた自社の分析にも活用できます。

新型コロナ後のM&A市場はどうなる?

新型コロナ後のM&A市場はどうなる

新型コロナ後のM&A市場はどうなる?

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経済に大きな打撃をもたらしたリーマンショックの後も、M&Aの件数は年々増加する傾向が見られたため、新型コロナの感染拡大の後も、M&A市場の活動は活発化すると見られます。

とはいえ、2020年1月~6月のM&Aを見てみると、大型の案件が少ないことから、しばらくは小規模な案件が増えていくと予測されます。また、海外企業へのM&Aも減少傾向にあるため、国内企業に対するM&Aの増加が見込まれます。

そのほかの傾向は、売却の増加です。新型コロナの影響で、資本の選択と集中の一環として、事業を切り離す企業の割合が高まっていることから、M&Aの市場では売り手の増加が予想されます。

新型コロナ後のM&Aの相談はM&A仲介会社へ

新型コロナの感染が広まってから、M&Aを検討されているなら、独自のネットワークを持ち、各士業を在籍させるM&A仲介会社へ相談を持ち掛けましょう。

仲介会社独自のつながりから、自社に見合った相手が紹介されるため、候補先の探索期間の短縮が可能です。また、各士業による支援が受けられると、M&Aの各段階で別の士業に協力を求める手間を省けるので、自社の価値が下がる前にM&Aを終えられます。

M&A総合研究所は、中堅・中小企業向けの案件を扱う仲介会社です。案件ごとに3名の専門家(アドバイザー・弁護士・会計士)を就け、成約までの一貫支援を行っています。

成約までは平均して3カ月で終えられているので、短期でM&Aを終えられます。そのほか、完全成功報酬型(レーマン方式)の料金システムや、求める取引額を上回る譲渡額の提示などの支援も実施しております。

新型コロナの感染が広まった後に、M&Aを行う際には、M&A総合研究所へご相談ください。無料による相談は、24時間年中休むことなく、電話・メールフォームで受け付けております。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

まとめ

まとめ

まとめ

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新型コロナの感染拡大後におけるM&A市場の見通しについて、2020年4月のM&A件数の減少や、リーマンショック後のような回復傾向、資金調達・資本の集中のための売却傾向などを取り上げました。

M&Aの件数は増えつつあるものの、大型・海外の案件の成立は少ないため、しばらくの間は国内企業に対する小規模な案件の割合が高まると予想されます。

新型コロナの影響下でも、中古品関連事業や、物流事業、人材派遣・求職事業では、増加傾向が見られるため、業種によって買い手の関心度合に差が見られています。

新型コロナの感染が広まってから、M&Aに取り組む際には、自社の分析や、強み・弱みの把握、新型コロナ後の評価を行うと、買い手の興味を引きやすいといえます。

【企業の戦略】

  • 新型コロナの感染拡大後における売上の推移をまとめる
  • 現状の環境下でも、他社に勝っている点を見つける
  • 弱みを認識し、売却までに改善する
  • 一定の条件を設けた事業計画書をつくり、買い手にアピールする

とはいえ、自社の分析や、強み・弱みの洗い出し、新型コロナ後の評価は自社のみで行うと時間を要しますし、専門的な知識・経験も必要とします。悠長に構えていると、会社の価値が下がってしまい、売却の機会を逃しかねません。

新型コロナの影響が及んでいる時期でも、会社・事業の売却を成功させるなら、仲介経験のある専門家を擁したM&A仲介会社の利用をおすすめします。

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