2021年4月25日更新節税

相続相談に必要な費用とは?

専門家に相続の相談をするとき、相談先によって費用・対応可能な内容が異なるため注意が必要です。自身の状況に適した相談相手を選ばないと、必要以上に費用が発生してしまいかねません。代表的な相続の相談先・相談費用などを中心に解説します。

目次
  1. 相続の相談費用
  2. 相続とは
  3. 相続税の基礎知識
  4. 相続の相談先5選
  5. 相続の相談・業務の依頼にかかる費用
  6. 相続の相談費用を抑えるポイント
  7. まとめ
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相続の相談費用

相続の相談費用

高齢化の問題が進行している影響で、昨今の日本では相続について悩みを抱える方が増えています。相続に関する問題は、経営者を悩ませることも多いです。経営者が事業承継するには、相続の知識を活用しながら、適切な意思決定をする必要があります。

未公開株式・不動産などをはじめとして、相続について検討すべき問題は膨大です。相続の専門知識を備えていないと、上記のような事業資産をスムーズに引き継ぐことは困難だといえます。

とはいえ、多くの経営者は日々の業務で多忙なため、相続の知識を短時間で効率的に獲得・活用することが望ましいです。ここで役立つ存在となるのが、相続に詳しい専門家です。相続について悩みを抱えるならば、相続業務に強い専門家に相談すると良いです。

しかし、「相続について専門家に相談すると費用が発生する場合がある」点には注意が必要です。相談先ごとに、発生する費用・対応できる内容などは異なります。今回は、相続の相談にかかる費用・相続業務の依頼にかかる費用を中心に詳しく解説します。

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相続とは

相続とは

そもそも相続とは、特定人物(被相続人)の死亡時に遺産を子供などの親族が引き継ぐ行為のことです。それぞれの相続人が相続する財産の割合は、話し合いによって決定されるのが一般的です。話し合いで決まらない場合には、法律の定めに沿って相続財産を分け合います。

なお、被相続人から見て一定範囲内の親族(配偶者・子供・直系の尊属)には遺留分として最低限の財産獲得が保証されますが、事業承継をする場合には遺留分が制限されるケースもあります。特例により、企業経営の維持に必要となる株式については遺留分の対象外です。

事業承継を伴う場合、上記以外にも通常の相続と異なる点があるため、専門家に相談するのがベストです。

相続手続きの流れ

相続を実施するには、所定の手続きを取る必要があります。あらかじめ相続に必要な手続きを知っておくと、専門家への相談内容を明確化できます。相続で必要となる代表的な手続きは、以下のとおりです。

  • 相続の開始
  • 遺言書・相続人の確認
  • 相続財産の調査・評価
  • 遺産分割協議
  • 名義変更・移転登記
  • 相続税の申告
それぞれの手続きの流れを見ていきます。

相続の開始

被相続人が死亡した段階で相続が開始されます。はじめに、被相続人の死亡届を役所に提出する必要があります。死亡届は、死亡後7日以内に提出しなければなりません。

ちなみに、被相続人の死亡によって、通夜・葬式・初七日などの法要手続きも必要です。相続では、法要でも一定の費用が発生する点に留意しておくと良いです。

遺言書・相続人の確認

次に、遺言書と相続人を確認します。遺言書がある場合には遺言書の記載どおりに、遺言書がないケースでは民法の定めに沿って、それぞれ財産を分配します。そのため、遺言書の有無を確認する前に財産分割協議を実施しないよう留意しなければなりません。

もしも、後になって遺言書の存在が発覚すれば、財産分割協議をはじめからやり直す必要があります。法定相続人が不足していると財産分割協議は無効となるため、法定相続人についても正確な把握が求められます。

相続財産の調査・評価

遺言書・相続人の確認と合わせて、相続財産の調査・評価も大切なプロセスです。すべての相続財産が相続の対象となるため、相続人の間で把握できていない財産の有無を念入りに調べる必要があります。

相続財産には、現金・土地だけでなく、負債も該当します。相続時には、すべての相続財産が相続開始時の時価で評価されます。相続税は相続財産の評価をもとに算定されるため、相続財産の相続税について事前に目安を付けておきたい場合には評価額を計算すると良いです。

遺産分割協議

遺言書・相続人・相続財産などをすべて把握した後、遺言書が存在しないケースでは遺産分割協議を実施します。ここでは話し合いによって相続人ごとに相続財産の獲得割合を決定します。話し合いが円滑に進行しないこともあるため、専門家に協力を仰いで協議を実施すると良いです。

遺産分割協議では、遺留分減殺請求・相続放棄なども行使可能です。遺留分減殺請求とは、被相続人から見て一定範囲内の親族が遺留分を受け取れない場合に、最低限の財産を請求できる権利です。例えば、遺言に「資産全額を寄付する」と書かれていた場合などで、本請求を活用できます。

相続放棄とは、相続の権利を自ら破棄する行為です。相続では、借金などの負債も引き継ぎます。負債がプラスの資産を上回る場合には相続人が損をしてしまうため、相続放棄を行使する意義が生じます。

名義変更・移転登記

相続財産に不動産・預金口座が含まれる場合、名義変更のために所定の手続きを取ります。たとえ不動産を現金化して遺産分割するケースであっても、一旦は相続人に不動産の名義を変える必要があります。その後、売却相手に対する所有権移転登記手続きの実施が求められる仕組みです。

遺産分割協議を実施しているケースでは、名義変更時に遺産分割協議書の提出も求められます。遺産分割協議書は遺産分割協議の内容を記した書類であるため、名義変更前の作成を念頭に置いておくと良いです。

不動産の名義変更で移転登記の手続きを取る場合、登録免許税として費用が発生する点も考慮しておく必要があります。

相続税の申告

遺産分割が終わり・相続税が確定した後は、相続税を申告します。相続税ではさまざまな控除が活用できるため課税が発生しないケースもありますが、相続税の申告は課税額が0円でも実施する必要があります。

ただし、相続放棄により相続税を支払う義務がないケースでは、相続税の申告は求められません。

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相続税の基礎知識

相続税の基礎知識

ここからは、相続で発生する相続税の計算方法・税率について簡単に解説します。

相続税の計算方法

相続では、正味相続財産から基礎控除額を差し引いた部分に相続税が課されます。正味相続財産、基礎控除額、相続税は以下の計算式で算出可能です。

  • 正味相続財産=相続財産−借入金・未払金などの債務
  • 基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 相続税=各相続人の課税財産額×相続税率

正味相続財産から基礎控除額を引いた残りが、課税対象となる相続財産の総額です。ここから各相続人の相続分に対して、税率に応じた相続税が課されます。相続財産の金額が基礎控除額以下の場合、相続税の支払いは不要です。

相続税の税率

相続税率の速算表を以下のとおりまとめました。

課税財産額 税率 控除額
1,000万円以下 10% なし
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円より上 55% 7,200万円

上記のとおり、課税財産額が大きいほどに税率は高くなります。例えば、6億円を超える課税資産を相続すると、半分に近い金額が相続税として徴収されてしまいます。相続財産が多い場合には、相続の専門家に相談したうえで節税対策を講じると良いです。

相続に強い税理士に相談すれば、相続税の負担を大幅に抑えられる可能性があります。

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相続の相談先5選

相続の相談先5選

相続に関する代表的な相談先は、以下のとおりです。

  1. 司法書士
  2. 弁護士
  3. 税理士
  4. 行政書士
  5. 銀行
相談先によって、対応業務は大きく異なります。ここからは、相談先ごとに対応可能な内容を解説します。

①司法書士

相続に関して司法書士に相談できる内容は、以下のとおりです。

  • 遺言書の確認・執行
  • 相続放棄の手続き
  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続登記の手続き
それぞれの相談内容を順番に見ていきます。

遺言書の確認・執行

家庭裁判所で遺言書を開封して内容を確認(検認)する場合、司法書士への相談が効果的です。なぜなら、他の相続人などに遺言書の内容を改変されてしまうおそれがあるためです。適切に相続を実施するには、発見当初の状態を保持しつつ、遺言書の改変を防ぐ必要があります。

司法書士は検認で必要な書類を作成する役割を担うほか、遺言執行者としての業務も請け負う専門家です。一般的には相続人自身が遺言書の記載内容を実行しますが、司法書士に遺言執行業務を依頼すれば煩雑なプロセスを代行してもらえます。

相続放棄の手続き

相続人が相続放棄を実行するには、家庭裁判所への申立が必要です。司法書士に依頼すれば、申立で必要な相続放棄の申述書を作成してもらえます。

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書とは、遺産分割協議における合意事項をまとめた書類です。遺産分割協議の合意事項を証明する役割を果たすため、遺産分割協議書を作成しないと将来的にトラブルが発生するおそれがあります。

具体的には、将来的に相続人が「実は合意していない」などと申し立てるケースがあり、相続問題が再び発生しかねません。遺産分割協議書は、こうしたトラブルを回避するうえで必要不可欠となる書類です。司法書士に相談すれば、遺産分割協議書を作成してもらえます。

相続登記の手続き

不動産の相続登記手続きを取る場合、基本的には司法書士に相談します。不動産の相続登記は経営者自身で手続きを済ませられますが、膨大な時間や手間がかかるため司法書士に相談・委託すると良いです。

②弁護士

相続に関して弁護士に相談できる内容は、以下のとおりです。

  • 遺言書の確認・執行
  • 限定承認の手続き
  • 遺留分減殺請求の手続き
  • 事業承継のサポート(法律面)
それぞれの相談内容を順番に見ていきます。

遺言書の確認・執行

遺言書の検認・執行は、弁護士への相談も可能です。弁護士は、トラブル時の対応能力に優れる専門家です。司法書士はあくまでも不動産登記の専門家であり、法的トラブルへの対処能力が不足するケースも多いです。

相続時に問題が生じた場合には、弁護士への相談がおすすめです。弁護士は法律の専門家であるため、法的トラブルが生じた場合でも迅速に対応可能です。場合によっては、はじめから弁護士に相談しておく方が相続にかかる総費用を抑えられるケースもあります。

限定承認の手続き

限定承認とは、相続するプラス資産の範囲内でマイナス資産を相続する行為のことです。例えば、相続可能な現金が200万円・負債が400万円という状況を想定します。単純承認の場合、資産・負債をすべて引き継ぎます。

その一方で限定承認では、負債の相続を200万円に抑えられます。このように限定承認は便利な制度である一方で、手続きが非常に面倒である点に注意が必要です。

具体的には、相続財産管理人の選任・相続財産や相続人の調査・債権者への支払い手続きなどが求められます。弁護士に相談すれば、限定承認に関する負担を大幅に軽減可能です。

遺留分減殺請求の手続き

遺留分減殺請求の実施時には、法的な手続きを取る必要があります。そのため、弁護士に手続きを依頼するのが一般的です。

事業承継のサポート(法律面)

もともと相続では、事業承継に無関係の相続人が含まれるケースもあります。弁護士に相談すれば、法的サポートを受けながら、他の相続人との間で発生した問題の解決を目指せます。

事業承継は、手続きが多く複雑な行為です。弁護士に相談すると、事業承継の進行方法に悩んだ場合も解決につながるケースが多いです。

③税理士

相続に関して税理士に相談できる内容は、以下のとおりです。

  • 相続財産の評価
  • 相続税の申告
  • 事業承継のサポート(税務面)
それぞれの相談内容を順番に見ていきます。

相続財産の評価

相続税を計算するには、相続財産の価値を評価する必要があります。現金・預貯金などは簡単に相続税を算出できる一方で、不動産・未上場株式に関しては簡単に価値を算出できないため、税理士に相続財産の評価を相談すると良いです。

税理士は会計・税務のスペシャリストであるため、財産評価を正確に実施可能です。

相続税の申告

相続税の申告は相続人自身でも実施可能ですが、多大な手間と時間が必要となります。相続税の申告では相続税総額の計算書をはじめ、膨大な書類作成手続きが求められます。税理士であっても、相続税申告の準備に1ヶ月以上かかるケースがあるほどです。

相続人が自ら相続税の申告を行うとなれば、ミスの可能性も高まります。税理士に相談・依頼をすると、手続きの負担を軽減しつつ正確な申告を実現可能です。

事業承継のサポート(税務面)

税理士に相談すれば、相続税の節税対策をアドバイスしてもらえるケースも珍しくありません。特に事業承継する場合には、相続税を含めて多額の費用が発生します。多額の相続税が課されると、事業承継後の経営が困難になるおそれがあります。

事業承継で発生する相続税を減らすには、税理士への相談するのがおすすめです。税理士に相談すると、財産評価を含めて事業承継全般のサポートが受けられます。税理士に相談して、なるべく節税対策を実施すると良いです。

④行政書士

相続に関して行政書士に相談できる内容は、以下のとおりです。

  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続人の調査
  • 相続財産の名義変更
それぞれの相談内容を順番に見ていきます。

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書の作成は、司法書士・弁護士のほか、行政書士への相談・依頼も可能です。ただし行政書士はあくまでも書類の代理作成が主な業務であり、トラブル発生時の対処法に関して詳しい専門家が少ないです。

もしも、将来的にトラブルが発生した場合には、改めて司法書士・弁護士などへの書類作成依頼が必要なケースもあります。相談回数が増えれば、相続に関する相談費用も増加するため注意が必要です。

相続人の調査

相続では、不動産の相続登記をはじめ、さまざまな場面で相続人の調査が必要です。書類集めなどの手続きが煩雑で多くの手間が発生します。行政書士に相談すれば、相続人の調査を代行してもらえます。

相続財産の名義変更

相続時には、相続財産の名義変更が必要となります。行政書士に相談すれば名義変更の手続きを代行してもらえますが、手続き自体は困難ではないため相続人自身での実施も可能です。予算に余裕がある場合には、行政書士に依頼すると手間を削減できます。

⑤銀行

専門家ではありませんが、銀行でも相続に関するサポートを実施しています。最近では相続に対応可能な専門スタッフを常駐させる銀行も多く、相続に関するコンサルティングサービスに注目が集まっています。

具体的には、被相続人の口座の名義変更、法定相続人の確定、相続財産の調査・確定・登記の必要があれば司法書士を紹介するなど、相続に関するさまざまなサービスを提供しています。

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相続の相談は誰に?弁護士、税理士、司法書士、行政書士、銀行を紹介
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相続の相談・業務の依頼にかかる費用

相続の相談・業務の依頼にかかる費用

ここでは専門家ごとに、相続に関する相談・業務の依頼にかかる費用を紹介します。

司法書士の相談費用

債務整理に関する相談については、費用を請求しない司法書士が多いです。その一方で、債務整理以外の内容(不動産登記・商業登記などの相談)には、費用が発生するケースが大半です。

有料の場合、1時間あたり5,000円程度が費用の相場です。司法書士の中には、すべての相談に無料で対応する方もいるため、費用を抑えたい場合には利用を検討すると良いです。

業務依頼にかかる費用

ここでは具体例として、相続登記手続きの依頼にかかる費用を紹介します。相続登記の依頼では、5万円〜9万円程度の費用が発生します。遺産分割協議書の作成業務も依頼する場合、この費用に3万円程度が加算されます。

さらには登録免許税も別途発生しますが、戸籍取り寄せなどの手続きを自身で実施する場合には多少費用が抑えられます。

弁護士の相談費用

多くのケースで、30分あたり5,000円程度の費用が発生します。ただし、初回相談は無料となる場合があるほか、法テラスなどの公的機関では相談費用無料にて利用できます。他の士業と比較すると費用は高額ですが、法律面から専門的アドバイスを受けられる点は心強いです。

業務依頼にかかる費用

主として、着手金・成功報酬という2種類の費用が発生します。着手金とは、業務に取りかかる段階で支払う費用です。最低でも20万円程度の支払いが必要ですが、将来的に費用額が加算されることはありません。

成功報酬とは、業務の完了段階で支払う費用です。成功報酬は固定ではなく、例えば「相続財産の◯%」という形で費用が変動します。それに加えて遺産分割などで法的トラブルが発生すると、解決費用だけで数10万円〜数100万円を請求されるケースもあります。

費用を抑えるには、なるべく相続時にトラブルを発生させないよう心がけることも大切です。

税理士の相談費用

相続に関する全般的な相談のみであれば費用を請求しない税理士事務所も多いですが、具体的な節税方法のアドバイスを受けたい場合には費用が発生します。費用が発生する場合、30分あたり5,000円程度が相場です。

相続税の簡単な相談であれば無料もしくは5,000円程度の費用で済ませられますが、事業承継を含めた相続の場合には30分間の相談では解決できない可能性が高いです。

業務依頼にかかる費用

ここでは具体例として、相続税の申告業務を依頼する場合の費用を紹介します。相続税の申告費用については、「相続財産の◯%」と変動するケースのほか、一定の相続財産ごとに金額が固定で定められているケースもあります。

大まかな費用の相場は、相続財産総額のうち0.5%~1.5%程度です。例えば、相続財産が1億円とすると、50万円〜150万円程度の費用が発生します。税理士に相続税の申告を依頼すると多額の費用が求められますが、効果的な節税対策の実施を期待可能です。

費用の総額から見ると、税理士に相談した方がかえって費用総額を抑えられるケースも多いです。

行政書士の相談費用

費用の相場としては1時間あたり約5,000円と、税理士よりも安価で司法書士と同程度です。無料で相談に応じる行政書士もいるため、予算に応じた行政書士を選ぶと良いです。

業務依頼にかかる費用

ここでは具体例として、相続人の調査で発生する費用を紹介します。行政書士に依頼すると、2〜5万円程度の費用が相場となります。別途で郵送料などの諸費用を請求されるケースもあります。

相続人の調査では煩雑な手続きが求められるため、予算に余裕がある場合には行政書士に調査を依頼すると良いです。

銀行の相談費用

銀行の場合には、下請けや常駐する専門家の種類に応じて相談費用の有無・相談費用の金額が変動します。弁護士・税理士が対応スタッフとなる場合は費用が高額になる傾向がある一方で、司法書士・行政書士に対応してもらう場合は比較的手頃な費用となります。

業務依頼にかかる費用

銀行を介して相続に関する業務を依頼する場合、費用が割高になりやすいです。相談先となる銀行だけでなく、下請け・常駐する専門家にも別途に費用を支払う必要があるためです。

専門家に直接依頼するケースと比べると、銀行へ支払う費用が余分に発生する点に注意が必要です。

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相続の相談費用を抑えるポイント

相続の相談費用を抑えるポイント

相続の相談費用を抑えるポイントは、以下のとおりです。

  1. 事前に相談内容をまとめておく
  2. 費用体系を吟味して専門家を選ぶ
  3. 相続業務に強い専門家に相談する
それぞれのポイントを順番に見ていきます。

①事前に相談内容をまとめておく

たとえ優秀な専門家であっても、要点がわかりにくい相談を持ちかけられると、回答に多くの時間がかかってしまいます。相談時間が増えれば、それだけ相談費用もかさんでしまうのです。相談時間を短縮するには、事前に相談内容をまとめておく準備が必要不可欠です。

②費用体系を吟味して専門家を選ぶ

ひとことに相続に関する専門家といっても、採用している費用体系は多種多様です。同種類の専門家であっても、求められる費用には大きな差異が見られます。費用を抑えるには、慎重に吟味したうえで、手頃な費用体系の専門家に相談すると良いです。

依頼を検討する場合には、相談段階で依頼報酬の話をしておいて、最終的に費用面で折り合わない可能性を考慮しつつ、複数の専門家に同時進行で相談を持ちかけることもおすすめです。予算額を先に提示しておけば、予算内で対応可能な業務を提案してもらえる場合もあります。

③相続業務に強い専門家に相談する

相続業務に強い専門家を選ぶことも、相談費用を抑える点で非常に効果的です。どれほど安価な費用体系を採用する専門家であっても、実力が伴っていなければ悩みを根本的に解決できません。

悩みが解決できない場合には改めて別の専門家に相談しなければならず、必要以上に費用が発生してしまいます。相談先を選ぶときは、費用体系と実績から専門家を見極めると良いです。

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まとめ

まとめ

いずれ訪れる相続に備えて、事前に相続の手続き・発生する費用を把握しておく必要があります。専門家ごとに費用・対応可能な内容が異なるため、相続に関する相談先選びは非常に大切なプロセスです。相応しくない相談先を選べば、必要以上に費用・手間が発生してしまいます。

相続の相談先には、司法書士・弁護士・税理士・行政書士などの専門家が挙げられます。不動産登記ならば司法書士・法的トラブル発生時には弁護士といったように、適切な相談相手を選ぶ必要があります。

特に事業承継が相続に絡んでいる場合、相続税に関して十分に対処しなければなりません。税理士に相談して適切な節税対策を講じなければ、事業承継後の事業運営が困難となるおそれがあります。以上の点を念頭に、今後迎える相続に備えると良いです。

要点をまとめると、以下のとおりです。

・司法書士に相続を相談するときの費用
→1時間あたり5,000円程度(相続登記の手続きは5万円〜9万円程度)

・弁護士に相続を相談するときの費用
→30分あたり5,000円程度(依頼時は着手金・成功報酬という2種類の費用が発生)

・税理士に相続を相談するときの費用
→30分あたり5,000円程度(相続税の申告業務は相続財産総額のうち0.5%~1.5%程度)

・行政書士に相続を相談するときの費用
→1時間あたり5,000円程度(相続人の調査は2〜5万円程度)

・銀行に相続を相談するときの費用
→下請けや常駐する専門家の種類に応じて相談費用の有無や相談費用の金額が変動

・相続の相談費用を抑えるポイント
→事前に相談内容をまとめておく、費用体系を吟味して専門家を選ぶ、相続業務に強い専門家に相談する

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