2021年9月21日更新業種別M&A

運送会社・トラック物流のM&A売却相場!事例や業界動向、メリット、仲介会社も紹介

運送会社・トラック物流業界は他業種に比べM&Aが盛んです。市場規模が拡大する中、業務が大手に集約される傾向があり、業界再編が進んでいるともいえます。この記事では、運送会社・トラック物流業界の現状を再確認しつつ、そのM&Aの実態を明らかにします。

目次
  1. 運送会社・トラック物流業界とは
  2. 運送会社・トラック物流業界のM&Aの相場と費用
  3. 運送会社・トラック物流業界のM&A・買収・売却事例
  4. 運送会社・トラック物流業界のM&A買収メリット
  5. 運送会社・トラック物流業界のM&A売却メリット
  6. 運送会社・トラック物流業界でM&Aを行うデメリット
  7. 運送会社・トラック物流業界のM&Aにおける注意点
  8. 運送会社・トラック物流業界のM&Aに強い仲介会社
  9. 運送会社・トラック物流業界のM&Aまとめ
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運送 物流のM&A・事業承継

運送会社・トラック物流業界とは

運送会社・トラック物流業界とは

運送と物流、この類似する2つの言葉について、業種の意味を明らかにしましょう。物流は広義の意味合いを持ち、業種は大分類の言葉です。具体的には、物流の仕事は「保管」「荷役」「包装」「流通加工」「運送」の業種が含まれます。

保管とは倉庫を持ち一時保管などを行うことです。荷役とは積み込み・積み下ろし、入庫・出庫作業を意味します。包装は工業包装を行うことです。

流通加工は、流通過程の中で行う箱詰め作業や個別パッケージングなどをさします。そして、運送とは単純に物品の輸送のみを行うことです。

ちなみに、デジタル大辞泉では、運送は「人や物を目的の所に運ぶこと」、物流は「生産者から消費者に至るまでの商品の流れ」と定義されています。

本記事では、運送会社・トラック物流業界という表現にて、トラックでの輸送または物流業務を行う会社のM&Aに関する実態を紹介します。

運送会社・トラック物流業界の現状

現在の日本で、運送会社・トラック物流業界がどのような状況にあるのか、その概要を確認しつつ、今後の展望を予測しましょう。

①運送会社・トラック物流業界の市場規模

国土交通省の「物流を取り巻く動向と物流施策の現状について」によると、2017年における物流業界の営業収入は約24兆円で、全産業売上高の約3%です。

物流業界を運用交通機関をベースに区分けすると、トラック、鉄道、船舶、飛行機、その他として倉庫業に分けられます。運送会社・トラック物流業界はトラックに該当し、トラック運送事業のみの営業収入は16兆3,571億円で、物流業界で大きく稼いでいます。

公益社団法人全日本トラック協会がまとめた、国土交通省「自動車輸送統計年報」などの別の資料も見てみましょう。

2017年における輸送交通機関ごとの取り扱い量を重さを基準に見ると、トラックが43億8,100万トンで実に全体の91.5%を占めています。重さに輸送距離も加味した基準でも、2,110億トンキロで50.8%の1位です。

トンキロとは、荷物のトン数に輸送距離を掛け合わせた数値のことで、例えば1トンの荷物を10キロメートル運べば10トンキロです。このように、物流業界で運送会社・トラック物流業は主役といえます。

近年は、Amazon、楽天などのインターネット通販が拡大状況であることを受け、トラック運送会社やトラック物流会社への需要が増加しています。その影響で貨物運送事業者法に基づく規制緩和が行われ、トラック物流業界へは新規で参入しやすいです。

現在、国内のトラック運送会社数は約6万2,000社で、この10年間は横ばい状態です。その約9割が中小企業ですが、大手企業も含め人手不足が指摘されるほどですから、運送会社・トラック業界は活況を呈しているといえます。

②運送会社・トラック物流業界が抱える課題と今後の展望

運送会社・トラック物流業界では、需要拡大による活況がある反面、人的経営資源が不足する中小企業も多い現実があります。サービスに対する要求レベルが上がる一方、ドライバーの高齢化に伴い人手不足に陥る企業が増加しています。

そのため、労働条件改善や新人育成強化などにより、人手不足の解消に取り組むことが最優先の課題です。今後は、インターネット通販だけでなく、3PL(3rd Party Logistics=サード・パーティ・ロジスティクス)の進展も見込まれます。

3PLとは、物流業務の一部または全部を第三者(3rd Party)に委託することで最適化や効率化を実現する物流戦略です。3PLが多くの企業に浸透すると、運送会社・トラック物流業界に対する需要はさらに増加するでしょう。

需要の増加は、業界内の競争激化を生む可能性もあります。あるいは、大手企業が大胆な業界再編を仕掛けるかもしれません。いずれにおいても、他社との明確な差別化を体現する運送会社であることが、重要なテーマとなるでしょう。

運送会社・トラック物流業界のM&A動向

運送会社・トラック物流業界でM&Aが盛んともいえる第一の要因は、販売チャネルや人手不足の解消、運送サービス強化など経営課題解決のため、大手企業が積極的にM&A、あるいは業務提携や資本提携を実施していることです。

大手企業がM&Aや資本業務提携によって事業規模や生産性を向上させれば、運送会社・トラック物流業界の中小企業も、それをただ黙って見ているわけにはいきません。中小企業は中小企業同士でのM&Aにより、対抗措置を講じます。

例えば、人手不足により、仕事の一部を外部委託する中小運送会社は少なくありません。外部委託は便利な方法であるものの、自社でサービスをコントロールできないため、事業の運営に不安定さが残ります。また、その分、利益率も低下します。

人手不足や長時間労働などの課題を解決するために、運送業者が同業他社から事業や会社を買収するケースも多いのです。

M&Aにより外部委託先を自社内に取り込むことで、安定的な事業運営が可能です。大手企業各社がM&Aにより事業を強化する現状を踏まえると、中小企業もM&Aを活用せざるを得ないのです。

運送会社・トラック物流業界のM&Aのポイント

M&Aは相手がいる話です。M&Aを実施する方針を決めても、合意してくれる相手が現れなければ実現しません。

また、成約するまでに数ヶ月の時間を要し、各プロセスには専門的な知識も必要です。M&Aを成功させるためには、M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼しましょう。

運送会社・トラック物流業界のM&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所では、豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが案件をフルサポートいたします。また、M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります。)

無料相談をお受けしておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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運送会社・トラック物流業界のM&Aの相場と費用

運送会社・トラック物流業界のM&Aの相場と費用

M&Aの実施を検討する際、重大な関心事は相場や費用でしょう。運送会社・トラック物流業界のM&Aにおける会社の売買価格相場や、M&A仲介会社に支払う手数料などを確認しましょう。

運送会社・トラック物流業界M&Aの相場

業種に関係なく、M&Aでは、個々のケースごとに取引価格は異なります。したがって、一概に相場の指針になる数値は存在しないのが実態です。M&Aで売却候補の会社価額を算定するには、専用の計算方法があります。

しかし、その計算方法は1つではありません。まず、大きく分けて「コストアプローチ」、「マーケットアプローチ」、「インカムアプローチ」の3方式に大別されます。そして、その3方式に類別される複雑な計算方法が、数種類ずつ存在するのです。

最近は、インカムアプローチのDCF法という計算方法を用いるケースが増えていますが、複数の計算方法を用いて総合的に売却候補会社の価値を判断するのが通常のやり方です。

売却相場の算出方法(簡易的)

運送会社における売却相場の算出方法は、他業界と大差がありません。一般的な中小運送会社のM&Aでは、時価純資産に営業利益の2〜5年分をプラスした額が相場です。

純資産にプラスする利益は、無形資産の価値であるのれん代を表します。詳細に見れば、事業譲渡株式譲渡でも売却価格の相場は違います。事業譲渡で一部の運送事業のみ売却するケースでは、譲渡資産へ事業利益の2〜5年をプラスした額が相場です。

企業価値評価の方法

企業価値の算定手法は大きく分けて「コストアプローチ」「インカムアプローチ」「マーケットアプローチ」があります。

コストアプローチでは、貸借対照表に記載の純資産金額をベースとして企業価値を計算します。インカムアプローチでは、評価対象の企業収益性を基に企業価値を計算します。マーケットアプローチでは、株式市場や同業他社、似たM&A事例などを基に、企業価値を評価します。

それぞれに長所と短所があるので、状況に応じて使いわけましょう。

運送会社・トラック物流業界M&Aの費用

M&A仲介会社、またはM&Aアドバイザリーに業務を依頼する場合、業務に対する費用(手数料)が発生します。このM&A仲介会社などへの手数料が、どの会社も一律の規定ではないため注意が必要です。

M&A業務の委託から成約までの間で、最大限に手数料が発生するM&A仲介会社の場合、契約時点で発生する「着手金」、成約または委託契約終了まで毎月発生する「契約料」、M&A基本合意契約が成立したときの「中間報酬」、M&A最終成約時の「成功報酬」があります。

手数料の名称はM&A仲介会社によって変わるかもしれません。また、M&Aは必ずしも成約が約束されたものではありませんが、上記手数料のうち、成功報酬以外はM&Aの成約にかかわらず発生し、かつ戻ってこない費用です。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります。)

実績と経験の豊富なM&Aアドバイザーによる案件のフルサポートを行っておりますので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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運送会社・トラック物流業界のM&A・買収・売却事例

運送会社・トラック物流業界のM&A・買収・売却事例

運送会社・トラック物流業界関連で現実に実施されたM&A事例を掲示します。いずれも大手企業によるM&Aですが、戦略が明確化され個性的なM&Aであることが特徴です。

①センコーグループホールディングスのM&A

センコーグループホールディングスは2021年4月、オーストラリアの精密機器や自動車部品の輸送を手掛けるAirRoad Pty Ltdを、株式譲渡の手法によりグループ化しました。株式の6割を取得しています。

センコーグループは、保持する倉庫のノウハウやロボティクス技術の導入による3PL事業を拡げることを狙っています。そして、コールドチェーン事業の参入も見込んでいます。

②SBSホールディングスのM&A

SBSホールディングスは2021年4月、古河電気工業の子会社古河物流を、株式譲渡の手法により連結子会社にしました。普通株式66.6%を取得しています。

これにより、総合物流事業者としてより価値がある物流サービスの提供を狙っています。

➂トナミホールディングスのM&A

トナミホールディングスは2020年12月、御幸倉庫を買収しています。株式譲渡の手法で全ての株式を得ました。

物流システム事業を手掛けるトナミホールディングスは、グループインフラの活用と情報システムの共有などを進め、生産性を拡げて企業価値を上げることを狙います。

④キユーソー流通システムのM&A

キユーソー流通システムは2020年9月、インドネシアが拠点の物流会社KIAT ANANDAグループのPT Kiat Ananda Cold Storage、PT Ananda Solusindo、PT Manggala Kiat Ananda、PT Trans Kontainer Solusindoにおける計4社の第三者割当増資を行い子会社化しました。

キユーソー流通システムは、相乗効果により急速に発展しているインドネシアでさらなる物流ネットワークを築くことを狙っています。

⑤UACJのM&A

UACJは2020年8月、UACJ物流の構内運搬事業を会社分割により承継しています。UACJ物流は連結子会社でした。

これにより、今後の事業環境に適した柔軟でスピーディーな運営を強める見込みです。

⑥東洋運輸倉庫のM&A

東洋運輸倉庫は2020年1月に、SBSホールディングスへ株式譲渡の手法で全ての株式を売却しました。

東洋運輸倉庫は、シナジー効果の獲得や新顧客層へのアプローチが可能になります。

SBSホールディングスは、東京臨海エリアでの最先端倉庫に対する投資を前向きに進めており、東京臨海部の東大荻島と若洲に大型倉庫を持つ東洋運輸倉庫の買収を行いました。

⑦ハマキョウレックスのM&A

主に物流センター事業や貨物自動車運送業を手掛けるハマキョウレックスは2019年12月、物流サービス会社シティーラインを買収しています。

これにより、新しい顧客を得て九州地方で拠点を拡げることを狙っています。

⑧北区小型運送のM&A

北区小型運送は2019年9月、HINODE&SONSへ株式譲渡の手法により全ての株式を売却しました。

HINODE&SONSは、グループ会社間の協力体制をさらに強めることを狙っています。また、シナジー効果の創出を見込んでいます。

⑨SBSホールディングスのM&A

2019年6月、グループとして物流事業および物流支援事業を行うSBSホールディングスは、千葉県の京葉自動車教習所と姉崎自動車教習所の全株式を買収し取得しました。

1987年の創業以来、大手物流グループとして業績を拡張させてきたSBSホールディングスは、京葉自動車教習所と姉崎自動車教習所を傘下に加えることで、グループ内における運転免許取得の段階から、ドライバーの育成や教育を実施し、他社との差別化を図る考えです。

⑩鴻池運輸のM&A

鴻池運輸は2018年10月、香港に位置し航空貨物事業を主に手掛けるBEL INTERNATIONAL LOGISTICS LTD.(BEL社)を買収しました。

これにより鴻池運輸は、国際物流サービスによる取引を拡げることを狙っています。

⑪ビックカメラのM&A

ビックカメラは2018年7月、一般貨物運送業を手掛けるエスケーサービスを買収しました。

これによりビックカメラは、エスケーサービスが主とする大型家電の配送や設置を強めることを見込んでいます。

⑫鴻池運輸のM&A

鴻池運輸は2018年5月、電気工事業社であるエヌビーエスの全株式を、株式譲渡の手法により買収して完全子会社にしました。

これにより、鴻池グループのエンジニアリングサービスを強めることを狙っています。

⑬日本通運のM&A

大手物流会社の日本通運は、国内だけでなく海外にも視野を向け事業規模拡大を図っています。日本通運は、2013年3月にNECロジスティックスと、2014年1月にパナソニックロジスティクスと、株式取得を行いました。

NECロジスティックスはNECとの合弁会社として、パナソニックロジスティクスはパナソニックとの合弁会社とするための株式取得です。合弁化後は、日通NECロジスティクス、日通・パナソニックロジスティクス(現:日通・NPロジスティクス)と社名を変えています。

日本通運はこのM&Aで、従来以上のサービス拡充が可能な体制となりました。

⑭センコーのM&A

物流大手のセンコー(現:センコーグループホールディングス)は、水平型M&A(運送会社とのM&A)ではなく、垂直型M&A(他業種とのM&A)を実施しています。2013年9月、家庭向け紙製品の卸売会社である大阪のアストを子会社化しました。

このM&Aによりセンコーは、製造から販売までの工程をワンストップで提供するビジネスを確立させています。

⑮楽天のM&A

インターネット通販サイト運営を本業とする楽天は、運送会社・トラック物流業界に参入しています。アマゾンに対抗するためには、自社のモールサイト楽天市場に参入する各販売店に対し、何らかの物流システム提供を行う必要に迫られたからです。

2012年から楽天スーパーロジスティクスを開始し、総合的な物流サービスを展開し、東京や名古屋、大阪で40超の配送拠点を所有するエコ配と2013年3月に、資本業務提携を結びました。

同年7月には、アメリカの物流会社Webgistix(ウェブジスティックス)の全株式を約30億円で買収するM&Aを実施し、海外進出も果たしています。

運送会社・トラック物流業界のM&A買収メリット

運送 物流のM&A・事業承継
運送 物流のM&A・事業承継
運送会社・トラック物流業界のM&A買収メリット

運送会社・トラック物流業界で、M&Aによって相手の会社を買収する場合にあり得るメリットを考えてみましょう。ここでは、4つのメリットを掲示します。

①経営資源の確保

他のトラック運送会社やトラック物流会社を買収すれば、ドライバーという人的経営資源を確保できます。

合わせて、販路や車両などの経営資源も取り込めるため、業績の拡大・向上につながるでしょう。経営資源が不足する中小規模の運送会社にとって、経営資源の確保は魅力的なメリットです。

②物流システムの差別化

他社との物流システム差別化を実施できる可能性が高まることも、M&Aで運送会社を買収するメリットの1つです。自社にない経営資源を取り込み融合させることで、他の運送会社が行なっていないサービス、つまり工夫のノウハウが生まれるでしょう。

他業種の会社を買収すれば、ワン・ストップサービスの提供などにより、持続的な競争優位性を確立できます。

③実働率・積載効率の向上

車両や設備などの運送会社に欠かせない資産を取得すれば、実働率や積載効率の改善につながります。事業の効率性が高まれば、これまで実現できなかったコスト削減が可能となり、結果的に収益拡大に結びつくでしょう。

④迅速かつリスクを抑えた新規参入

買収側が運送会社でなければ、買収により運送業界に新規参入できます。しかし、新事業を軌道に乗せるまでには、多くの費用・時間がかかります。また、ノウハウがゼロの状態で始めるので、事業が成功する可能性は低いともいえるでしょう。

M&Aを活用すれば、すでに運送事業が軌道に乗った会社や事業を獲得できます。つまり、スピーディーにリスクを抑えた新規参入ができるのです。

【関連】会社買収とは

運送会社・トラック物流業界のM&A売却メリット

運送会社・トラック物流業界のM&A売却メリット

運送会社・トラック物流業界でのM&Aで、自社を売却する場合のメリットについて、具体的に考えてみましょう。主として、以下5つのメリットが期待できます。

①事業承継問題の解決

他の業種と同様に、後継者不足の問題を抱える運送会社は増加の一途をたどっています。後継者不在を理由に、やむなく廃業を選択する運送会社は少なくありません。M&Aにより、運送会社を第三者に売却すれば、事業承継問題を解決できます。

廃業と比較すれば、経営者は会社の売却金を取得できるので、引退後の生活資金を増やせるでしょう。

②従業員の雇用維持

M&Aによって、会社を存続させることに成功したことが意味するのは、従業員の雇用を守ったことです。むやみに失業者を増やさなかった点は、広い意味で社会貢献の1つともいえます。

③事業規模の拡大・サービスの質向上

M&Aによる会社売却で、大手運送会社の傘下に加われば、今までは実現不可能だった業務内容改善の取り組みが可能です。安定した経営状況と豊富な経営資源を用いて、事業規模拡大やサービスの質向上が実現できるでしょう。M&Aが成長戦略を生むのです。

④譲渡利益の獲得

原則、株式譲渡の場合は経営者が株式の譲渡利益を得て、事業譲の場合は会社が事業の譲渡利益を獲得します。

営業利益の数年分に値する利益が獲得できるので、老後に悠々自適な生活を送れたり主力事業や新規事業に投資したりできるでしょう。また、廃業と比べると、廃業手続きの費用がかかることなく譲渡利益が獲得できます。

⑤個人保証・債務の解消

株式譲渡で運送会社を売却すると、銀行などへの債務も包括的に引き継がれます。経営者保証ガイドラインで定めた条件を満たすと、経営者が負う個人保証も高確率で解消します。

そうなると、倒産した場合に個人が債務返済を負うリスクの心配や業績悪化のリスクがなくなり、安心して暮らすことが可能です。

【関連】M&Aのメリットとは?買い手・売り手のメリットやM&A戦略策定・手法別のメリットを紹介

運送会社・トラック物流業界でM&Aを行うデメリット

運送会社・トラック物流業界でM&Aを行うデメリット

運送会社・トラック物流業界でM&Aを行うデメリットについて、具体的に確認していきましょう。

買収側のデメリット

まずは、買収側のデメリットから見ていきます。

①簿外債務・偶発債務を引継ぐおそれ

簿外債務とは、貸借対照表に記載がない債務保証や未払い賃金などで、偶発債務は将来的に債務となるものです。

株式譲渡では会社を丸ごと得るため、簿外債務や偶発債務も一緒に引き継ぎます。そのため、買収側は大きな損失をこうむる恐れがあるのです。

簿外債務・偶発債務を引き継ぐリスクがあれば、事業譲渡の手法で買収すると良いでしょう。デューデリジェンスにより、買収金額をリスクに応じて変える方法もあります。

②ドライバー・社員が離職するおそれ

優秀なドライバーや社員は、M&Aを行う際に非常に重要です。しかし、M&A後に買収側の企業理念や労働条件などが合わなかったり社員とうまくいかなかったりして、従業員が離職する可能性があります。

買収側は、前もって引き継ぐ人材が働きやすい環境を整えましょう。また、人材が離職するリスクも考えて、買収金額や事業戦略を検討してください。

③のれんの減損リスク

のれんとは、売り手における無形資産の価値をいいます。基本的にM&Aでは、無形資産の価値やシナジー効果、将来性を含めて、のれん代として買収価格を計算します。

M&A後の事業運営がスムーズにいくと、のれん代を上回る利益を得られるでしょう。しかし、事業がうまくいかないケースもあります。

回収が難しくなったのれん代は、減損損失や株式評価損として計上します。のれんの減損を行うと、かなりの損失を計上するため、業績悪化となるリスクもあるのです。

売却側のデメリット

では次に、売却側のデメリットを見ていきましょう。

①希望どおりの条件でM&Aできないおそれ

売却側は、希望どおりの条件でM&Aができなかったり、相手先が見つからず売却を断念したり、事業承継を行えなかったりすることも考えられます。

また、買収先と希望した条件で必ず売却できるわけではありません。買収先が、売却側が納得できない条件を提示することもあるため、売却側は準備期間に余裕を持ち、企業価値の向上や相手探しを入念に行いましょう

②競業避止義務を負うおそれ

競業避止義務とは、一定期間にわたって隣接する市町村の区域内で売却した事業と同じ事業を行ってはならない義務のことです。運送・物流事業を売却すると、その地域や隣接する地域では、同じ事業を原則20年間行えません。

M&A後に新規事業を行う場合は、会社法や契約内容をしっかりとチェックしましょう。競業避止義務を負うのかどうか確認してください。

③顧客や取引先から反対されるおそれ

支配権が買収側へ移ると、料金設定や契約条件などが変わることもあります。そして、顧客や取引先に反発されるおそれもあるのです。

反発を避けるには、「顧客や取引先の反発を生じる変更をしない」などの条件を、M&Aの際に決めることが大切です。顧客や取引先へ誠実に説明することも忘れないでください。

運送会社・トラック物流業界のM&Aにおける注意点

運送会社・トラック物流業界のM&Aにおける注意点

この章では、運送会社・トラック物流業界のM&Aにおける注意点にはどのようなものがあるのか、確認しましょう。

国土交通省の認可が必要なケース

貨物自動車運送事業法の第30条に、「国土交通大臣の認可を受けなければ、運送事業の譲渡および譲受の効力は生じない」との定めがあります。

事業譲渡の手法により運送事業あるいは許可だけを売却する場合は、法律の定めに基づいた許可取得の手続きが必要です。

貨物自動車運送事業法施行規則の第17条によると、事業譲渡の認可を申請する際は、以下を記した「事業の譲渡譲受認可申請書」が必要です。

  • 譲渡人や譲受人の氏名あるいは名称、住所
  • 事業譲渡価格
  • 事業譲渡予定日
  • 事業譲渡が必要な理由

また、「事業譲渡契約書の写し」「事業譲渡価格の明細書」「定款や貸借対照表、資産目録などの資料(譲受人が現時点で一般貨物自動車運送事業を経営していない場合)」の添付も要ります。

認可を受けるための要件

貨物自動車運送事業法の第30条3項に、「第5条および第6条の規定は、前2項の認可について準用する」と定められています。買収側が、運送事業の許可を引き継ぎ事業を行う際は、第5条や第6条に規定の新規許可を受ける条件をパスしなければなりません。

この要件は、第6条および公示されている処理方針の資料に規定があります。主な要件を簡単にまとめました。

  • 運送事業を運営するうえで必要な資源の確保
  • 運行管理者や整備管理者、運転者の確保
  • 運送事業に必要な資金の確保

運送会社・トラック物流業界のM&Aに強い仲介会社

運送会社・トラック物流業界のM&Aに強い仲介会社

最後に、運送会社・トラック物流業界のM&Aに強い仲介会社を紹介します。

①M&A総合研究所

M&A総合研究所

M&A総合研究所

出典:https://masouken.com/

M&A総合研究所は、主に中小・中堅規模のM&A案件を手掛ける仲介会社です。M&Aの知識・実績ともに豊富なM&Aアドバイザーが在籍しており、案件を親身になってフルサポートいたします。また、M&A総合研究所は、最短3ヶ月という圧倒的なスピード成約も強みとしております。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談を行っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

②インテグループ

インテグループは、中堅・中小企業におけるM&Aのサポートに豊富な実績があります。最大の特徴は、完全成功報酬制という点です。着手金や中間報酬などの費用は一切かかりません。M&Aの成立時に手数料を支払うので、予算に余裕がない運送会社や事業の売却でも安心です。

成功報酬は、売買金額ベースのレーマン方式により算出されます。売却金額が1億円以下であれば、成功報酬の最低額は500万円です。

③クラリスキャピタル

クラリスキャピタルは、中堅・中小企業のM&Aに特化しています。取引価格が1億円未満のスモールM&Aにも対応できる仲介会社です。

完全成功報酬制を採用し、成功報酬の最低金額は200万円です。他のM&A仲介やアドバイザリー会社も利用している場合は、最低成功報酬の金額が500万円です。

クロスボーダーM&Aの際は、通常よりもレーマン方式の料率が高くなり、アドバイザーと顧問契約する場合は月額費用がかかります。

運送会社・トラック物流業界のM&Aまとめ

運送会社・トラック物流業界のM&Aまとめ

運送会社・トラック物流業界における最大の課題は、国の働き方改革方針に基づく人的資源の配置と業務の振り分けを実現しながら、受注業務を完遂することかもしれません。そうなると、少数ドライバーでの運送会社経営は継続が難しくなるでしょう。

その意味においても、M&Aによって中小規模の運送会社・トラック物流会社が企業規模を拡充させることは、大きな選択肢となるはずです。

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