2021年9月23日更新会社・事業を売る

M&Aとは?手法ごとの特徴、目的・メリット、手続きの流れも解説【図解】

M&Aの特徴は手法ごとに異なります。昨今の日本では、M&Aが経営戦略として人気を集めており、実施件数が増加中です。経営課題の解決を図るべく、M&Aの前向きな検討をおすすめします。特徴を把握したうえで、仲介会社に相談し、自社に適したM&Aの実施を目指しましょう。

目次
  1. M&Aとは近年よく使われる経営戦略の1つ!
  2. M&Aを行う目的と得られるメリットとは?
  3. M&Aにおける譲渡/譲受企業別のデメリット
  4. M&Aの手法と特徴(大枠9分類)
  5. M&Aの特徴を手法ごとに徹底解説
  6. M&Aを行うための手続きとは?大まかな流れ5ステップ
  7. M&A仲介会社のサービス・費用とM&Aに必要なお金
  8. M&Aで発生する税務
  9. M&A案件を探す方法・手段
  10. M&Aで売却を成功させるため知っておくべき5つのこと
  11. M&Aの歴史と急増している現状、今後のM&A市場の動向について
  12. M&Aの事例5選!経営者がM&Aを選ぶ理由とは
  13. M&Aでよくある質問
  14. M&Aについて詳しく知りたければM&A総合研究所にぜひご相談ください
  15. M&Aの特徴まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
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M&Aとは近年よく使われる経営戦略の1つ!

M&Aの特徴を紹介する前に、まずはM&Aの概要・意味を把握しましょう。M&Aとは、「Mergers&Acquisitions(合併買収)」を略した言葉です。

日本では、2000年代より経営戦略の1つとして考えられるようになってきました。現在では、多くの経営者が会社の存続・事業の拡大などを図るためにM&Aの実施を検討しています。

M&Aを実施すると、さまざまな経営課題を効率良く解決できるため、実施件数は年々増加中です。幅広い業種で経営課題を抱える企業が存在するため、今後もM&Aの実施件数は増加するものと推測されています。

中小企業や個人事業主がM&Aを必要とする理由

近年では、大企業だけでなく、中小企業や個人事業主もM&Aを採用するケースが多いです。少子高齢化で国内市場が縮小する中、後継者不在や将来の成長戦略が描けないといった不安・悩みを抱える経営者が増加しています。

そのため、業績が好調であっても、仕方なく廃業を選ぶ経営者が増加傾向にあるのです。そのような中、大きな注目を集めているのがM&Aです。

昨今の動向では、「大企業が中小企業を買収するケース」「中小企業同士が業務提携を行うケース」「個人事業主が売却によって事業承継するケース」など、さまざまなパターンが見られます。

レコフのデータによると、M&A件数は近年増加傾向にあります。中小企業におけるM&Aの成約件数は2017年から3,000件を超えており、過去5年間で3倍以上増加しました。2019年は、4,088件と過去最高となりました。

感染症流行の影響もあり2020年は減少しましたが、3,730件と高水準です。このことから、M&Aは一般的な経営戦略として定着しつつあると判断できます。

もしも、何らかの経営課題にお悩みでしたら、M&Aを前向きに検討すると良いでしょう。本記事では、「M&Aを実施するべきかわからない」と悩んでいる経営者の方に向けて、M&Aにおける売却側の目的や、売却によって得られるメリットなども紹介します。

参照:
MARROnline「1985年以降のマーケット別M&A件数の推移」
中小企業庁「2021年版 中小企業白書」

M&Aを行う目的と得られるメリットとは?

本章では、M&Aを行う目的および得られるメリットを、売却側・買収側の2つの立場に分けて取り上げます。

売却側の目的・メリット

M&Aで会社・事業を売却するメリットは、主に以下のとおりです。 

  1. 後継者 がいなくても事業承継を果たせる
  2. 現経営者が譲渡益を得られる
  3. 買収企業の経営資源により事業が発展する
  4. 従業員の雇用維持と活躍の促進

上記のようなメリットがあるために、M&Aによる売却を検討する経営者が増加中です。それぞれのメリットを順番に詳しく紹介します。

①後継者がいなくても事業承継を果たせる

M&Aを行えば、後継者不在の状態からでも事業承継を果たせます。また、買収側の企業に事業を引き継いでもらえば、親族・従業員に引き継ぐ場合と比べて、後継者の教育期間として多くの時間を確保する必要がありません。

最近は後継者不足に悩む中小企業が非常に多く、M&Aによる事業承継の件数が増加しています。M&Aによる事業承継は、「後継者が見つからない」「リタイアまでに時間がなく後継者を探していられない」と悩んでいる経営者の方に大きなメリットをもたらします。

その一方で、M&Aを行わずに廃業すれば、取引先や従業員に迷惑をかけてしまうおそれがあります。そのため、現時点で後継者がいない場合、M&Aによる事業承継の選択肢を検討すると良いでしょう。

②現経営者が譲渡益を得られる

現経営者からすると、M&Aにより譲渡益を得られる点も大きなメリットです。つまり、M&Aで売却すれば、その分の譲渡益を手に入れられます。およその目安として、得られる譲渡益は経常利益の3倍〜5倍程度です。

その一方で、廃業すると譲渡益は得られないうえに廃業費用が必要です。そのため、経営者を引退した後の生活費に不安がある場合は、M&Aを積極的に検討すると良いでしょう。

最近では、M&Aによる譲渡益を用いて新たな事業に挑戦する方や、一部事業の譲渡益を用いて残した事業に注力する方も多いです。このように、M&Aによる金銭的なメリットは、さまざまな目的の達成に役立ちます。

③買収企業の経営資源により事業が発展する

M&Aを行えば、買収企業の経営資源により事業が発展する可能性も高いです。会社経営では、人材不足・資金不足に悩むケースがあります。しかし、こうした場合にM&Aで企業を売却すると、買収側の協力を得ながら課題の解決を図ることが可能です。

たとえM&Aで売却しても、これまで自身が携わっていた事業の成長を見るのはうれしいものです。売上の低下・人材不足など何らかの経営課題を抱えている場合は、M&Aでの解決を積極的に検討すると良いでしょう。

以上、M&Aによる会社・事業の売却で得られるメリットを紹介しました。M&Aは、売却側だけでなく買収側にもメリットをもたらす取引です。ここからは、M&Aでの買収を検討する経営者の目的・メリットを取り上げます。

④従業員の雇用維持と活躍の促進

中小企業の経営者の多くは、長年支えてくれた従業員を家族のように考えており、M&Aを検討する際は従業員の雇用維持を望むでしょう。

そこで、信頼のおける買い手企業に事業や会社を引き継げば、従業員の雇用も安定させられるでしょう。また、経営者は保有する株式を売却して現金化すると、廃業コストをかけずに資金を得られます。

【関連】廃業(清算)を決める前にM&Aと比較検討!メリット・デメリット、決断タイミング

買収側の目的・メリット

M&Aで会社・事業を買収するメリットは、主に以下の3つです。

  1. 効率良く事業を強化できる
  2. 短期間かつ低リスクで新規事業を始められる
  3. 人材やノウハウを獲得できる

上記のようなメリットがあるため、M&Aでの買収を検討する経営者は珍しくありません。売却側からしても、買収側の目的を知っておくとM&A戦略を立てやすいです。それぞれのメリットを順番に詳しく紹介します。

①効率良く事業を強化できる

M&Aで会社や事業を買収すると、効率良く自社の事業を強化できます。例えば、同エリアで事業を行っている同業他社を買収すれば、当該エリアの事業強化が可能です。

ゼロの状態から事業を強化するには多くの時間や費用がかかりますが、M&Aなら費用を支払うのみでスピーディーに済ませられます。また、すでに収益性が判明している状態で買収できるため、事業強化に失敗する可能性が低い点もメリットです。

昨今は幅広い業種で同業者間の競争が激化しており、M&Aによる事業強化は今後ますます増えると推測されています。

②短期間かつ低リスクで新規事業を始められる

短期間かつ低リスクで新規事業を始められる点も、M&Aによる買収の大きなメリットです。新規事業の立ち上げは、コストがかかるうえに成功するとは限りません。しかし、M&Aで既存の事業を購入すれば、低リスクで新規事業をスタートできます。

業界によっては、既存企業のシェアが高く新規参入が難しいケースも多いです。また、せっかくコストをかけて事業を始めても、売上が出せないトラブルが発生する場合も珍しくありません。

その一方で、参入予定の業界である程度の売上があり、複数の取引先を持っている企業をM&Aにより買収すれば、失敗の確率を大きく下げられるのです。

③人材やノウハウを獲得できる

M&Aによる買収では、人材やノウハウを獲得できる点もメリットです。昨今は人材不足に悩まされている企業が多く存在します。また、従業員数は足りていてもノウハウがなく、円滑に経営を推進できていない企業も少なくありません。

とはいえ、自社で人材をそろえてノウハウを蓄積していくには、多くの時間や費用がかかります。しかし、M&Aで既存の会社・事業を買収すれば、優秀な人材・有効なノウハウを効率的に入手可能です。このように、自社に足りていない経営資源を短期間で補うためのM&Aも増えています。

以上、M&Aで会社や事業を買収することで得られるメリットを紹介しました。売却側だけではなく買収側にも利点が多いことから、M&Aは幅広い業種で盛んに実施されています。

【関連】M&Aのメリットとは?買い手・売り手のメリットやM&A戦略策定・手法別のメリットを紹介

M&Aにおける譲渡/譲受企業別のデメリット

M&Aを行うとさまざまなメリットの獲得が期待できますが、これとは反対にデメリットも少なからず存在します。デメリットを事前に把握しておかないと、期待どおりの効果が得られずM&A自体の失敗に直結してしまいかねません。

ここからは、M&Aの実施にあたって考えられるデメリットを、譲渡(売り手)・譲受(買い手)それぞれの立場に分けて紹介します。まず紹介するのは、譲渡企業(売り手)側が懸念しておきたいデメリットです。

譲渡企業(売り手)のデメリット

譲渡企業(売り手)側にとって懸念されるデメリットを以下にまとめました。

  • 希望どおりの条件で譲渡できるとは限らない
  • M&A相手が見つからないおそれもある
  • 自社従業員の雇用が更新されなかったり待遇が悪化したりする可能性もある
  • 仲介会社に依頼すると費用の支払いが求められる
  • 取引先から反発を受けて契約を打ち切られるおそれがある

上記のようなデメリットを回避するには、適切なM&A相手とのマッチングを図るほか、成功時のみ報酬の支払いが求められる完全成功報酬制を採用するM&A仲介会社を選ぶなどの施策がポイントです。

譲受企業(買い手)のデメリット

その一方で、譲受企業(買い手)側で懸念すべきデメリットは、主に以下のとおりです。

  • 経営統合に時間がかかるため、一定期間は組織運営に弊害が生じるおそれがある
  • M&Aに不満を持つ従業員が退社する可能性がある
  • 期待した効果が得られないおそれもある
  • 組織拡大により意思決定スピードが遅くなったり企業ガバナンスが弱体化したりする

上記のようなデメリットが考えられるため、M&Aによる買収を行う際は専門家の判断を仰ぎながら、なるべくデメリットを回避できるM&A戦略を構築する必要があります。

【関連】M&Aのデメリットとは?売り手・買い手、海外M&Aにおけるデメリットを解説

M&Aの手法と特徴(大枠9分類)

M&Aとは

図解:M&Aの種類

ここからは、M&Aの特徴を手法ごとに取り上げます。もともとM&Aは、大まかに以下の9種類の手法に分けることが可能です。

  1. 合併
  2. 買収
  3. 合弁会社設立
  4. 資本参加
  5. 生産提携
  6. 販売提携
  7. 技術提携
  8. 新設分割
  9. 吸収分割

上記に挙げたM&A手法ごとに特徴は大きく異なっています。そこで本章では、これら9種類のM&A手法が持つ特徴を順番に紹介します。

①合併

合併とは、2つ以上の企業を1つにまとめることです。2社以上がまとまって1社となるため、残された企業以外は消滅します。

合併は、2つ以上の会社が経営統合し1つの会社になる「吸収合併」と、設立した新会社に当事者である複数の会社を経営統合させる「新設合併」の2種類が存在する手法です。

合併の実施によってもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 競合他社を減らせる
  • グループ企業・提携先との結びつきを強化できる
  • スケールメリット・事業シナジーを獲得できる
  • 会社組織を単純化できる
  • 内部統制を強化できる
  • 人件費や設備費などのコストを削減できる
  • 第三者への事業承継を果たせる

これに対して、合併では以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 経営統合(PMI)が難しい
  • 人員増加によるコスト増加
  • 業務量増加によるストレス発生
  • 責任の所在が曖昧になる
  • 企業規模の変化による税負担の増加
  • 株価への悪影響
  • 簿外債務・偶発債務の発覚

メリットを最大化しつつデメリットを最大限回避するには、M&Aの専門家からサポートを得つつ、念入りな準備・適切なマッチングおよびデューデリジェンスを行う必要があります。なお、合併で発生する税金は、所得税(配当所得)が最大55.945%・法人税が約30%です。

②買収

買収とは、1つの企業が別の会社・事業を買収することで統合する行為をさします。さらに細かく、株式譲渡事業譲渡などの手法に分かれる点が特徴的です。

買収の実施によりもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 事業規模を拡大できる
  • 商品・サービスを拡充できる
  • 新しい事業分野に参入できる
  • 内部生産によりコストを削減できる
  • 顧客や取引先を吸収できる
  • シナジー効果を獲得できる
  • ブランド力・企業イメージ・価値を向上できる
  • 経営上の目標をスピーディーに達成できる
  • 経営が健全化する
  • 少数意見の株主が排除される
  • 買収後も独立した経営を維持できる
  • 第三者への事業承継が果たせる

これに対して、買収の実施によって以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 簿外債務や偶発債務を引き継ぐおそれがある
  • PMI時に大きな負担がかかる
  • 優秀な従業員が離職するリスクがある
  • のれんの減損リスクがある
  • 複雑な手続きを行う必要がある
  • 買収先企業が株主になり比率が大きく変わる
  • 取引先や関係者から反感を受けるおそれがある

デメリットを回避するには、合併と同様にM&Aの専門家からサポートを受けることが大切です。

③合弁会社設立

合弁会社設立とは、複数の企業が共同で出資をし、会社を設立する行為をさします。JV(ジョイントベンチャー)とも呼ばれている手法です。海外企業と日本企業の間で設立されるケースだけでなく、日本企業同士が共同出資を行って会社を設立するケースも存在します。

合弁会社設立によってもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 海外進出をスピーディーに進められる
  • 損失を限定的に抑えられる
  • 提携先企業にある強みを活用できる

これに対して、合弁会社設立を行う際、以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 自社のノウハウや技術が流出するリスク
  • 提携先企業との間でトラブルが生じるおそれ

以上のことから、安易に提携先企業を決めるのではなく、人柄・評判・実績などを総合的に判断したうえで実行すると良いでしょう。

【関連】合弁企業

④資本参加

資本参加とは、他社の株式を取得・保有することで関係性の強化を図る手法です。類似する言葉として「資本提携」が挙げられますが、これは「企業同士でお互いの株式を保有する行為」であり、資本参加とは特徴が異なります。

資本参加の実施によってもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 相手先企業との信頼関係を強化できる
  • 資金面の支援により新たな利益が得られる

これに対して、資本参加を実施する際、以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 必ずしもWin-Winの関係性が継続するとは限らない

資本参加を行う場合、相手先企業との関係性をこまめにチェックする必要があります。

【関連】資本参加

⑤生産提携

生産提携・販売提携・技術提携を、まとめて業務提携と呼びます。業務提携とは、複数の企業が経営資源を出し合って協力体制を築きつつ、1社のみでは達成が難しい課題を解決して競争力向上・事業成長などを図る手法です。

業務提携を行う分野によって、生産・販売・技術の3種類に分けられます。このうち生産提携とは、ある企業がパートナーとなる企業に対して、生産および製造工程の一部を委託する行為のことです。

生産提携の実施によってもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 販売機会の損失発生を防げる
  • 技術面の情報の流出が防ぎつつ生産量を向上させられる

これに対して、生産提携の実施では、以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 品質を維持できずにブランドが破損するリスク
  • 生産量に対する利益の分配で齟齬(そご)が生じるおそれ

そのため、製造仕様書を詳細に作成したうえで、生産委託先に順守するよう指示しつつ、守られているかどうかの確認管理を厳密に実施しなければなりません。

⑥販売提携

販売提携とは、自社製品やサービスの販売・営業を他社に委託する行為のことです。例えば、製品の開発力・供給力に優れたA社と販売力に優れたB社を想定すると、「A社がB社の販売資源(販売網・人材・販促ノウハウなど)を活用しながらA社製品の販売を図りたい」場合などに実施されます。

販売提携の実施によってもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 市場への参入スピードを速められる
  • 新規顧客の開拓機会を拡大できる
  • 当事会社が有している販売ルートを最大限に活用できる

これに対して、販売提携を実施する際、以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 収益の分配に関する検討が求められる
  • 自社のマーケティング方針にそぐわない販売が進められるリスク
  • 販売後のフォロー対応が不適切であると自社の企業イメージが低下する

以上のことから、販売方針を明確化した契約を相手先企業との間で締結する必要があります。また、クレーム処理対応の流れやメンテナンスサービスの体制を確立したうえで、販売提携を締結すると良いでしょう。

【関連】販売提携

⑦技術提携

技術提携とは、複数の企業が各事業の独立性を維持しつつ事業で重要な技術をお互いに教示し合う行為です。 例えば、一方の企業が他方の企業に対して、「有償または無償で工業技術や生産ノウハウなどを供与する」もしくは「共同して新規の技術開発に取り組む」ケースが挙げられます。

技術提携の実施によってもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 新技術の開発時間を短縮できる
  • これまでになかった良い商品を効率的に開発できる

これに対して、技術提携の実施では、以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 自社技術の情報が漏えいするリスク

最悪の場合、自社の経営が悪化するため、情報管理には十分に注意しましょう。

【関連】技術提携

⑧新設分割

新設分割・吸収分割は、まとめて会社分割と呼ばれます。会社分割とは、会社の権利義務の一部もしくは全部を別の会社に承継することです。このうち新設分割とは、新設した会社に移転する行為をさします。

新設分割の実施によってもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 資産や契約などの引継ぎを容易に行える
  • 資本準備金・資本剰余金を引継げる
  • 一定の要件を満たすと資産の含み益は課税されない
  • 現金ではなく株式も対価にできるため資金の準備が必要ない

これに対して、新設分割では、以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 債権も合わせて受け継いでしまうリスク
  • 手続きが複雑であり多くのコストや時間がかかる

【関連】新設分割とは?メリット・デメリット、手続きやM&Aでの活用について解説

⑨吸収分割

吸収分割とは、会社の権利義務の一部もしくは全部を別会社(既存会社)に移転する行為です。新設分割とは違い、新たな会社の設立を伴わない点に特徴が見られます。なお、メリットやデメリットは新設分割の場合と相違がありません。

【関連】吸収分割とは?メリット・デメリットや手続き、税務について解説
【関連】M&Aのスキームを解説!特徴やメリット・デメリット、事例も紹介します

M&Aの特徴を手法ごとに徹底解説

M&Aの手法を大まかに把握できたところで、本章では合併・買収の2つをピックアップし、それぞれの特徴を順番に詳しく取り上げます。

合併の手法と特徴

図解:合併

図解:合併

2つ以上の会社が経営統合によって1つの会社になる「吸収合併」と、設立した新会社に当事者である複数の会社を経営統合させる「新設合併」の2種類が存在します。

  1. 吸収合併
  2. 新設合併

ここからは、それぞれの特徴を順番に取り上げます。

①吸収合併

合併では、法人格が消滅する会社を「消滅会社」、法人格が残る会社を「存続会社」と呼びます。これを吸収合併に当てはめると、消滅会社をA社、存続会社をB社と捉えることが可能です。吸収合併を行うと、A社の株主とB社の株主はB社の共同株主となり、最終的にB社のみが残る点に大きな特徴があります。

吸収合併の実施によってもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 経営統合の効果を早期に獲得できる
  • 周囲に対等な立場によるM&Aのイメージを与えられる
  • 事業に必要な権利義務を存続会社に包括的に引継げる
  • 株式を対価にすれば買い手が資金調達する必要がなくなる
  • 消滅会社に繰越欠損金があり適格合併であれば引継げる

これに対して吸収合併では、以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 株式譲渡などの買収手法と比較すると必要な手続きが多い
  • 簿外負債や不要な資産を引き継ぐリスク

②新設合併

すべての法人格を消滅させたうえで、新たに設立する会社に権利義務を承継させる手法です。つまり、吸収合併とは違い、既存のA社・B社はともに消滅会社に該当します。

新設合併を行うと、A社・B社の株主はともに新たに設立される会社(C社と仮定)の共同株主となり、最終的にC社のみが残る点に大きな特徴があります。また、新設合併のメリットやデメリットは吸収合併と似ていますが、会社設立に伴い、吸収合併と比較してより大きなコストがかかる点も特徴的です。

そのほかにも、新設合併には特有のデメリットが多いことから、実際には吸収合併によるM&Aを選択する経営者の方がほとんどです。

買収の手法と特徴

買収時に用いられる主な手法には、以下の7つがあります。

  1. 株式譲渡
  2. 事業譲渡
  3. 会社分割
  4. 株式交換
  5. 第三者割当増資
  6. TOB
  7. MBO

いかなる手法でM&Aを行うのかによって、得られる効果・必要な手続きなどは大きく異なります。それぞれの手法に見られる特徴を理解したうえで、自社に最適な手法を検討しましょう。

①株式譲渡

図解:株式譲渡

図解:株式譲渡

株式譲渡とは、株式の売却により株主の地位を譲る行為です。株主が代わるのみであるため、基本的に会社の事業に変化は生じずに続きます。そのため、M&A後も経営に影響を与えにくい点がメリットです。

また、経営者個人が株式譲渡を行えば株式の売却益を得られるため、リタイア後の生活費に充てられる点も大きな特徴です。中小企業のM&Aの多くは株式譲渡が採用されており、ポピュラーな手法といえます。なお、かかる税金は、所得税(譲渡所得)が約20.315%です。

【関連】会社譲渡(株式譲渡)時にかかる税金とは?仕組みや計算方法について解説!

②事業譲渡

図解:事業譲渡

図解:事業譲渡

事業譲渡とは、会社の事業を譲る行為です。株式譲渡と異なり譲渡する範囲を決められる一方で、複雑な手続きが求められます。買収側企業からすると希望する事業のみを手に入れられるうえに、売却側企業にとっても手放したい事業のみを売れる点がメリットです。

中小企業のM&Aでは、株式譲渡に次いでメジャーな手法です。かかる税金は、法人税が約30%とされています。

③会社分割

図解:会社分割

図解:会社分割

会社分割とは、対象の会社を既存の会社あるいは新設する会社に分割する行為です。権利義務は分割した会社に引き継がれます。

会社分割は吸収分割と新設分割の2種類に分かれます。吸収分割とは分けた事業を既存の会社に引き継ぐ手法である一方で、新設分割とは分けた事業を新設した会社に引き継ぐ手法です。

会社分割は組織再編のために採用されるケースが多く、経営資源を再分配できます。かかる税金は、所得税(配当所得)が最大55.945%、法人税が約30%です。

【関連】会社分割とは?手続きやメリット・デメリット、事業譲渡との違いを解説

④株式交換

図解:株式交換

図解:株式交換

株式交換とは、完全子会社になる会社の発行済株式すべてを完全親会社になる会社に渡す行為です。これにより、完全親会社になった会社と完全子会社になった会社との間に100%の支配関係が生じます。つまり、株式交換は、100%の株式を保有する完全親子会社を誕生させるために採用されるM&A手法です。

株式を譲る際は、買収側企業が自社株式を発行するため、たとえ資金がなくても支配関係を構築できます。ただし、売却側企業のオーナーからすると売却益を獲得できない点に注意しましょう。なおかかる税金は、所得税(譲渡所得)が約20.315%です。

⑤第三者割当増資

図解:第三者割当増資

図解:第三者割当増資

第三者割当増資とは、資金調達のために第三者に新株を引き受ける権利を与える行為です。取引先や普段から取引のある金融機関などに権利を与えるケースが多いため、縁故募集とも呼ばれます。

第三者割当増資は、業務提携をしている相手企業との関係を良好にする目的や、経営状況が悪く株価が低いことで通常の増資が難しいときに対策を講じる目的などで採用されます。

なお、第三者割当増資はあくまでも増資であり、売買ではなく譲渡の損益が出ないために課税はありません。

【関連】第三者割当増資の手続きとは?契約書や取締役会について解説

⑥TOB

TOBとは「Take Over Bid」の略称であり、日本語表記では「株式公開買い付け」です。事前に「買付期間」「買付株数」「買付価格」などを公開したうえで、対象の株式を保有する株主に売却を促しつつ、取引所外株式を買い付ける方法をさします。

TOBの実施によってもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 大量の株式を効率よく買収できる
  • 買収価格を宣言して行うために予算が立てやすい
  • 予定数の株式を買収できなければ取引を柔軟にキャンセルできる

これに対して、TOBでは、以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 市場価格よりも高額で買い取る必要がある
  • 買収防衛策や競合他社の介入により買収に失敗する可能性

⑦MBO

MBOとは「Management Buyout」の略称であり、日本語表記では「経営陣買収」です。企業の経営陣が投資ファンドや金融機関などから資金調達を行ったうえで、既存の株主から株式を買い取って自社の事業部門を取得しつつ、経営権を取得する行為を意味します。

MBOの実施によってもたらされるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 経営の効率化・迅速な意思決定を実現できる
  • 従業員の一体感を強められる
  • 後継者問題を解決したうえで事業承継を果たせる
  • 敵対的TOBから自社を守れる

これに対して、MBOの実施では、以下のようなデメリットの発生が問題となるケースも存在します。

  • 既存株主から反発を受けて対立するリスク
  • 経営体質が変化せず市場への対応力が衰えるおそれ
  • 融資を受けることで債務を抱える

M&Aを行うための手続きとは?大まかな流れ5ステップ

図解:M&Aの大まかな流れ5ステップ

図解:M&Aの大まかな流れ5ステップ

M&Aを行うための手続きは、大まかに以下の流れで進みます。

  1. M&A仲介会社を選定する
  2. 買い手を探す
  3. 条件交渉を行い、基本合意契約を結ぶ
  4. 買い手のデューデリジェンスを受ける
  5. 条件を再度話し合って最終契約を結ぶ

M&Aの手法や目的によって細かな手続きは異なりますが、まずは大まかな流れを知っておくと良いでしょう。具体的な手続きは、M&A仲介会社に相談しながら進めていくのがおすすめです。それでは、それぞれのステップを順番に詳しく紹介します。

①M&A仲介会社を選定する

最初のステップは、M&A仲介会社を選定することです。M&A仲介会社には、M&Aを理論的にも実務的にもサポートしてもらえます。M&Aを自力で成約させるのは非常に難しいため、まずは頼りになるM&A仲介会社を選びましょう。

M&A仲介会社には、自身の希望するM&Aや、現時点で抱えている経営課題などを伝えます。このとき、気兼ねなく話せて相談しやすい雰囲気を持つM&A仲介会社を選ぶと良いです。

実際に無料相談などを利用してみて、好印象の仲介会社に依頼するようにしましょう。相談時には、報酬の具体的な見積もりも出してもらうと安心です。なお、M&A仲介会社は企業価値算定にも対応しているため、積極的な利用をおすすめします。

②買い手を探す

次に、M&A相手となる買い手を探します。買い手を探す際は、M&Aの目的を意識しながら相手選びの条件を決めることが大切です。例えば、現状の事業エリアで売上を伸ばしたいなら、同エリアで別の取引先を多く抱えている同業他社を選ぶと良いでしょう。

このように、自分がM&Aを検討した目的を考えたうえで、これを実現できる買い手を探します。買い手を探す場合は、M&A仲介会社のネットワークを活用すれば早めに済ませられるケースが多いです。M&A仲介会社に希望する条件を伝えながら、最適な買い手を見つけましょう。

③条件交渉を行い、基本合意契約を結ぶ

買い手を見つけたら、M&Aの条件交渉を始めます。このときに、お互いが情報漏えいをしないことを約束する契約(秘密保持契約)を怠らずに締結しましょう。交渉では、自社が希望する条件だけでなく、相手の希望する条件も意識しながら、お互いが納得できる条件を探ると良いです。

売買の範囲・譲渡価格・従業員の処遇・今後のスケジュールなどさまざまな事項を決めますが、気になる点があれば積極的に伝えましょう。後悔しないM&Aを行うには、相手やM&A仲介会社と積極的にコミュニケーションを取ってください。

そして、条件がまとまったら、基本合意契約を結びます。基本合意契約とは、この段階で合意した条件を書面で確認しておくための契約です。以降のステップの手続きで条件が変わることがあるため、基本合意契約には法的拘束力を持たせないケースが一般的とされています。

とはいえ、以降の手続きが円滑になるうえに、相手側企業にM&A成約に前向きな姿勢を取ってもらえる可能性が高まるため、基本合意契約は忘れずに締結しましょう。

④買い手のデューデリジェンスを受ける

条件交渉が落ち着いたら、買い手側のデューデリジェンスを受けるステップに移ります。デューデリジェンスとは、売却側企業に関する調査のことです。ここでは、財務面・事業面・人事面・法律面・税務面・情報システム面など幅広い内容が調査されます。

M&Aにより売却側企業の持っているリスクは買収側企業が引き継ぐため、デューデリジェンスであるリスクを徹底的に洗い出すプロセスが必要です。例えば、M&A成約後に法律違反が発覚して大きな損害が出ないように調査します。

ただし、デューデリジェンスには多くの費用や時間がかかるため、すべてを完璧に調査するケースはほとんどありません。つまり、M&Aの目的・売却側企業の特徴に応じて、必要な調査を行うのが一般的です。

ここでは、デューデリジェンスがスムーズに進むように、買収側企業に協力を惜しまない姿勢を見せると良いでしょう。

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⑤条件を再度話し合って最終契約を結ぶ

デューデリジェンスの結果が出た後は、条件を再び話し合います。特に中小企業の場合はデューデリジェンスで何らかのリスクが発覚するケースが多く、基本合意契約の条件に変更が加わりやすいです。条件を引き下げたくなければ、リスクを解消できないか検討しましょう。

条件の話し合いを終え、双方の納得ができたら、最終契約の締結です。最終契約書は、「Definitive Agreement(正式な契約)」の略称であるDAと呼ばれる場合もあります。

基本合意契約とは違い最終契約は法的拘束力を持つため、契約締結後は基本的に破棄できません。もしも破棄する場合には、損害賠償の支払いが必要となるため、慎重に契約しましょう。最終契約を結ぶと、M&Aは成約です。以上、M&Aを行うための手続きを紹介しました。

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M&A仲介会社のサービス・費用とM&Aに必要なお金

M&A仲介会社のサービス・費用とM&Aに必要なお金

M&A仲介会社だけでなく銀行・弁護士事務所・税理士事務所・会計事務所・ファイナンシャルプランナーなどの専門家も、M&Aの相談対応を行っています。しかし、M&A戦略の立案から成約・事業の引継ぎまで一貫してプロセスをサポートしてもらうなら、M&A仲介会社への依頼が最適です。

経営者の中には「普段お世話になっている銀行でもM&Aの相談を受け付けている」と考える方もいますが、銀行では大口案件のみしかサポートしていないケースも珍しくありません。また、銀行側に利益が出るようにM&Aを進められてしまうおそれもあります。

そのため、自身の希望どおりのM&Aを行いたい場合、まずはM&A仲介会社に相談しましょう。ただし、M&A仲介会社に依頼する場合は、費用を支払わなければならないため事前の確認が大切です。そこで本章では、M&A仲介会社のサービス・費用およびM&Aに必要なお金を取り上げます。

M&A仲介会社のサービス

M&A仲介会社の提供するサービスは、M&Aの仲介です。M&A相手候補を見つけるマッチングサービスをはじめ、譲渡企業と譲受企業の間を中立的かつ客観的に取り持って、M&Aを成約させるための業務を手掛けます。

このときに、仲介会社はM&A当事会社の片方の利益を追求せず、あくまでも双方の条件をすり合わせながら利益のバランスを考えたM&Aの成約を目指します。双方経営陣の同意のもとで進行する友好的なM&Aを行うためにも、M&A仲介会社を利用した取引を行うと良いでしょう。

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M&A仲介会社に依頼する際の費用とは

M&A仲介会社に依頼する際は、費用が必要です。詳しい報酬システムはM&A仲介会社によって異なりますが、代表的には以下のような内容の費用が挙げられます。

手数料名 相場 備考
相談料 3,000円~1万円 正式な依頼の前にM&Aの相談を行うための手数料
着手金 20万円~200万円 M&A仲介会社に依頼をする際に支払う手数料
中間金 30万円~200万円 M&Aの基本合意契約を締結した際に支払う手数料
成功報酬 売却額の5% M&Aが成約して最終契約を結んだ際に支払う手数料
リテイナーフィー 20万円~100万円/月 M&A仲介会社に毎月支払う手数料
デューデリジェンス費用 10万円~200万円 デューデリジェンスの際にかかる調査費用
出張などの費用 実費 現地への出張費など業務実行にかかる費用

上記の中から、M&A仲介会社が規定している費用を支払う仕組みです。支払金額に不安があるなら、M&A成約時のみ費用が発生する完全成功報酬制を採用する仲介会社への依頼をおすすめします。

なお、成功報酬以外の費用は、M&Aが成約しない場合でも返ってこないケースがほとんどであるため注意しましょう。安心してM&Aを進めるためにも、事前にどれほどの報酬額になるのか詳しい見積もりを出してもらうと良いです。

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M&Aに必要なお金・会計処理

M&Aでは、仲介会社への依頼報酬・税務のほか、会計面でも費用が発生します。M&Aを行う際の会計処理方法は、個別会計・連結会計・税務会計の3種類が代表的です。

個別会計とはM&A当事会社の双方が仕訳を行うもので、多くの会計基準が設けられています。また、連結会計とは、親会社・子会社を同一グループとして捉える会計処理です。税務会計とは、税法にのっとって企業の課税所得を決めるために用いる会計をさします。

【関連】M&Aにおける会計処理(仕訳)とは?会計に強いM&A仲介会社やM&A会計に関するおすすめの本をご紹介

M&Aで発生する税務

M&Aで発生する税務

M&Aにはさまざまな手法があり、それぞれ発生する税金が違ってきます。ここではM&Aで発生する税務を解説します。

株式譲渡で発生する税金

株式譲渡の手法を用いる場合は、原則として株式を取得する側に税金はかかりません。一方で、売却する側では個人・法人ごとにそれぞれ税金が発生します。個人の株式譲渡、法人の株式譲渡の税金を紹介します。

個人の株式譲渡

株式譲渡にあたって、オーナーである経営者、つまり株主である個人が株式譲渡した際に利益が発生した場合、その利益に課税されます。個人の場合は、所得税や復興特別所得税、個人住民税がかかります。

所得税(15%)、復興特別所得税(0.315%)及び住民税(5%)を合わせると、株式譲渡の譲渡益がプラスであった場合、20.315%の税金が課せられます。譲渡所得は、収入額から取得費と委託手数料などを差し引いて計算します。

  • 課税所得=収入額-(取得価額+委託手数料など)

この課税所得に税率(20.315%)を乗じたものが納税額になります。収入額から引くものは、株式などの取得価額株式などを取得するために借りた負債にかかる利子株式譲渡に支払った委託手数料その他の経費管理費手数料など各種経費にかかる消費税などが挙げられます。

株式の譲渡所得は分離課税になるので、他の所得とは分離して納税額を計算します。

また譲渡する会社の役員などであった場合、株式の譲渡代金の一部を、退職金として支払うケースもあるでしょう。退職金とすると、譲渡代金が実質的に下がるため、譲渡所得が減少し、譲渡企業は退職金を費用として計上できるため、法人税の課税所得を下げられます。

 

  • 収入金額(源泉徴収前の金額)- 退職所得控除額)×1/2=退職所得

退職所得の計算では、このように実際の収入金額の1/2のみが、所得金額とされるため、株式の譲渡金額の一部を退職金として支払うと、節税が可能になるといったメリットがあります。

しかし、適正水準を超えた役員退職金の過大部分があった場合は、税務調査で損金不算入となる可能性もあります。

また、退職所得の計算には退職所得控除額があり、勤務年数によっても変わるため考慮が必要です。退職慰労金として支給できる金額には、法務面・税務面から制限があるため、この点も留意が必要です。

このようにM&Aで発生する税務には注意しなければならない点があるため、懸念がある場合には専門家に確認を依頼するとよいでしょう。

法人の株式譲渡

法人が株式譲渡すると、株式譲渡益について法人税が課税されます。法人税は、個人の所得税とは異なり、総合課税方式で株式譲渡益以外の損益と通算されるルールです。

税率は一定となっていますが、企業の規模により税率が異なります。合計金額に対して、所得金額に応じ29~42%の課税率で法人税が課税されます。

事業譲渡で発生する税金

事業譲渡に関しては譲渡側と譲受側のそれぞれで税金がかかりますのでそれぞれの観点に分けて解説します。納税義務が生じるのは、消費税、法人税、それに付随して事業税、地方法人税、法人住民税が挙げられます。

譲渡側と譲受側のそれぞれ個別に解説します。

譲渡側に発生する税金

まず事業譲渡の際に発生する消費税は、譲渡対象の中に課税資産が含まれている場合に発生します。消費税の納付は譲受側が負担しますが、納付するのは譲渡側です。

そのため、事業譲渡でも、譲渡側が預かり納付するのです。消費税は、課税対象となる資産と課税されない資産があり、主なものは以下のとおりです。

  • 課税資産:土地以外の有形固定資産、在庫など
  • 非課税資産:土地、有価証券、債権など

消費税率は、国税である7.8%と地方税となる2.2%の合計10.0%です。

次に、事業譲渡で譲渡益が発生した場合、法人税が課税されます。また事業税、地方法人税、法人住民税も課されます。譲渡損益の計算は以下です。

  • 譲渡損益=譲渡金額 - 譲渡資産の簿価

上記の計算で売却金額の方が大きければ譲渡益となり、簿価の方が大きくなると譲渡損となります。ここで計算された譲渡損益が、当該事業年度における事業上の損益と通算され、法人税が計算されます。

譲受側に発生する税金

事業譲渡で譲受側にかかる税金は、消費税、不動産取得税、登録免許税が挙げられます。消費税は譲受側が負担します。

計算された消費税を譲渡側に支払いますが、請求される金額をしっかりと確認したうえで支払うようにしましょう。

事業譲渡の対象資産に事業所や工場、作業場などの不動産が含まれている場合は、不動産取得税がかかります。不動産取得税は、固定資産税評価額の4%です。

不動産所得をした場合、登記変更を行う必要があります。その際に、登録免許税もかかります。登録免許税は、土地、建物それぞれ固定資産税評価額の2%で計算されます。

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M&A案件を探す方法・手段

M&A案件を探す方法・手段

M&Aを成功させるうえで、自社にふさわしい相手先企業とのマッチングは必要不可欠です。しかし、自社のみで相手先探しを行うと、ネットワークが限定的であったり、情報漏えいのリスクが高かったりするため好ましくありません。

M&Aのマッチングを行う場合、一般的には以下のような専門家・サービスを利用するケースが多いです。

  1. 金融機関
  2. 弁護士・公認会計士
  3. マッチングサイト

規模の大きい金融機関ではM&Aのサポートを手掛けていますが、上場企業などの大企業を対象とするケースも多く、中小企業では十分サポートが受けられないおそれがあります。また、弁護士・公認会計士は法務・税務・会計の専門知識を有しているものの、全体的なM&Aサポートは受けられない可能性が高いです。

マッチングサイトでは、比較的安価で豊富なM&A案件から候補先を探せますが、プロセス自体のサポートを手掛けていないケースが多いです。

以上のことから、M&Aの相手探し・具体的な手続き・成約に至るまで、すべてのプロセスをサポートしているM&A仲介会社の利用が適しています。

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M&Aで売却を成功させるため知っておくべき5つのこと

M&Aで売却を成功させるため知っておくべき5つのこと

M&Aで売却を成功させるためには、以下のポイントを把握しておくべきです。

  1. M&A仲介会社選びには時間をかける
  2. 従業員や取引先には適切な時期に丁寧に説明する
  3. 自分だけでなく関係者全員のメリットを考える
  4. 自社にふさわしい相手先企業を見つける
  5. PMIを念入りに遂行する

上記のポイントを押さえれば、M&Aによる売却の成功確率を大幅に高められます。それぞれのポイントを順番に詳しく紹介します。

①M&A仲介会社選びには時間をかける

M&Aを成功させたければ、M&A仲介会社選びに時間をかけると良いです。M&Aの手続きをサポートしてくれるM&A仲介会社の依頼先には、どのようなことでも相談できるような相手を選ばなければなりません。つまり、担当者には話しやすさ・知識量・経験などが必要です。

上記の判断は実際に話してみなければわからないため、まずは相談しましょう。セカンドオピニオンとして利用できるM&A仲介会社もあるため、少しでも相談先に不安があれば納得できる専門家を探し直すと良いです。

②従業員や取引先には適切な時期に丁寧に説明する

従業員や取引先には、適切な時期にM&Aを丁寧に説明することが大切です。M&Aが成約していない段階で情報を広めすぎると、社内や取引先が混乱します。これにより、従業員が退職したり取引先に取引を断られてしまったりなど、会社経営に悪影響が及ぶケースも珍しくありません。

場合によっては、M&Aに相手側が難色を示し、途中まで順調に進んでいても交渉が急に破談になるケースも存在します。したがって、従業員や取引先にはM&Aの実施が確定した後で説明を行うと良いでしょう。

なお、M&Aと聞いただけで不安に思う方もいるため、目的・得られるメリットなどを理解してもらえるまで丁寧に伝えてください。

③自分だけでなく関係者全員のメリットを考える

M&Aを行うなら、自分だけではなく関係者全員のメリットを考えることが成功の近道といえます。M&Aは自社を大きく変える行為であるため、さまざまな条件を自分の希望どおりにしたいと考えがちです。しかし、自分だけの利益を追求してしまうと、M&Aが成約する可能性が低下します。

せっかく良い相手が見つかっても交渉がまとまらなければ破談となってしまうため、相手側のM&Aを行う目的を理解したうえで、自分の譲れない条件も意識しながら交渉を進めると良いでしょう。

このときに、従業員や取引先のメリットまで考えると、M&A後に自社が発展する可能性が高まります。自社の現状を把握したうえで、できるだけ多くの人が喜ぶようなM&Aを進めることがポイントです。

④自社にふさわしい相手先企業を見つける

M&Aの候補先として、自社にふさわしい相手先企業を見つけるのが大切です。候補先の基準は以下のとおりです。

  • シナジー効果が生まれやすい
  • 相互補完できるM&A、戦略上重要な役割を果たせる
  • 相手先の企業文化が似ている

M&Aの条件次第では本来の目的を果たせなくなってしまう場合があります。そのため、できるだけ早い段階で相手企業の実態を把握し、企業実態や将来の統合効果を検討するなど、専門家に依頼して自社にふさわしい相手先を見つけるようにしましょう。

⑤PMIを念入りに遂行する

M&Aで売却を成功させるためには、PMIを念入りに遂行しましょう。PMIとは、Post Merger Integrationであり、M&A後の統合プロセスをさす経営用語です。

経営の視点、業務の視点、意識の視点から企業文化の違いを乗り越え、高い水準でのプロジェクトマネジメントやシナジーの発揮を推進しなければ、M&Aの成功とはいえないでしょう。

M&Aの検討段階からアフターM&Aに関してのプランニングを行い、自社の社員のモチベーションを高めることに注力するようにしましょう。

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M&Aの歴史と急増している現状、今後のM&A市場の動向について

M&Aの歴史と急増している現状、今後のM&A市場の動向について

M&Aの手法ごとの特徴を把握できたところで、本章ではM&Aの歴史・昨今急増している現状・今後のM&A市場の動向を幅広く紹介します。これらの情報はM&A戦略を策定する際や、自社がいかなるタイミングでM&Aに踏み出すべきなのかを判断する際の材料となるため、ぜひ把握しておいてください。

M&Aの歴史

ここでは、日本のM&Aの歴史を簡単に紹介します。戦前期より日本ではさまざまな企業が積極的にM&Aを実施しており、財閥の拡大・業界再編などに大きく寄与する経営戦略の1つと認識されていました。

これを示す典型例として、1800年代後半から1900年代にかけて旧財閥系の企業がM&Aにより事業拡大を図っていたケースが挙げられます。また、カネボウの前身である鐘淵紡績も、M&Aを用いていた企業の1つです。M&Aにより企業規模の拡大し、現在では日本最大級の企業にまで成長しています。

昭和初期には敵対的買収を含めてM&Aが積極的に実施されました。この理由には、第一次世界大戦による特需のほか、関東大震災に伴う火災が甚大な影響を及ぼしたことで安全性の高い電力に対する需要が向上したことなどが考えられています。

上記の動きを受けて、電力業界ではM&Aによる組織提携が広く実施されて、結果的には5つの電力会社に集約されました。

1930年代頃には国策として、経営破綻した企業(新興財閥)の再建が目指されたM&Aの実施も見られます。このような戦略的なM&Aは、当時の日本が昭和恐慌から素早く脱出できた要因の1つにもなりました。

しかし、第二次世界大戦後になると状況は大きく変わります。GHQ(連合軍総司令部)の方針により財閥解体が進められたため、持ち株会社および株式交換など株式の移転を容易にするM&A手法が全面的に規制されました。

とはいえ、1980年代半ば頃より、急激な円高・国内株式市場の長期的な好調維持・土地高騰などを受けて、日本企業が外資系企業を買収するM&Aが多く実施されています。その後のバブル崩壊以降は、事業再編・大型企業倒産を処理する手法として、政府によりM&Aの実施が援助されました。

現在のM&Aは後継者問題の解決・競争激化による業界再編などを目的に実施されています。以上をまとめると、M&Aは各時代の情勢に応じて異なる目的が掲げられたものの、戦前期より活用されている歴史の古い手法です。

M&Aが急増している現状

レコフデータの調査によると、2019年に国内企業が当事者となったM&A件数は4,088件と報告されています。これは2018年の3,850件を238件(6.2%)上回っており、過去最多の件数です。なお、2020年のM&A件数は3730件(8.8%減)であり、コロナ禍により9年ぶりに減少しました。

昨今の日本ではM&A件数が急増しており、「会社を乗っ取る行為・会社を売り払う行為」などの悪いイメージが払拭(ふっしょく)されて、効果的な経営戦略として企業に広く浸透しています。

最近では、後継者問題を解決するために事業承継型のM&Aが採用されるケースも増えているほか、新事業のための資金調達手段としてM&Aによる事業譲渡が行われる事例も目立っている状況です。

出典:レコフデータ「2020年のM&A回顧(2020年1-12月の日本企業のM&A動向)」

M&A市場の今後の動向について

M&Aといえば従来では「身売り」「敵対的買収」などの悪い印象が付きまとう行為でしたが、時代の流れとともに経営者の意識は変化しています。M&Aに対する経営者の意識が変わった契機とされているのが、後継者問題の深刻化です。

帝国データバンクによると、調査対象の中小企業のうち65.1%が「後継者不在に悩まされている」と回答しています。また、社長の平均年齢と社長の引退平均年齢にあたる60代経営者の約半分は後継者候補が決まっていない状態です。

こうした状況を受けて最近では、中小企業が当事会社となり後継者問題の解決を目指した事業承継型M&Aが数多く報告されています。具体的には以下のような傾向が背景となって、M&A件数は今後も増加傾向を維持する見込みです。

  • 生産年齢人口の減少
  • 業界寡占化の進行
  • ベンチャー企業によるEXIT手段としての積極的な活用

日本における生産年齢人口(15~64歳)は徐々に減少しており、近い将来にはいかなる業界・業種の企業であっても人材不足に悩まされるものと推測されています。特に中小企業では人材不足が経営不振につながりやすいことから、今後も引き続きM&Aによる事業承継件数は増加する見込みです。

また、調剤薬局のように寡占化が進行する業界では、大手企業が中心となってM&Aによる企業買収を積極的に実施しており、M&A件数の増加に大きな影響を及ぼしています。

そのほか昨今では、国内のベンチャー企業がEXITを目的にM&Aを用いるケースも目立っています。実際に一般的な相場を大きく上回る金額が提示された売却事例も報告されており、今後はアメリカと同様に日本でもEXITの手段としてM&Aが大いに採用される見とおしです。

出典:帝国データバンク「全国企業 後継者不在率 動向調査(2020 年)」

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M&Aの事例5選!経営者がM&Aを選ぶ理由とは

M&Aの事例5選!経営者がM&Aを選ぶ理由とは

M&Aの事例を見て、実際に経営者がどういう目的でM&Aをしているのかを検討することも大切です。そこで本章では、5件の事例を取り上げます。

  1. 日清食品ホールディングスと湖池屋のM&A(株式譲渡)
  2. IDホールディングスとウィズ・ホールディングスのM&A(株式交換)
  3. 丸井グループとCAMPFIREのM&A(資本業務提携)
  4. 三菱UFJリースと日立キャピタルのM&A(合併)
  5. KlabとさくらソフトのM&A(会社分割・株式譲渡)

事例ごとの背景や狙いを確認し、自社のM&Aにも活用しましょう。それぞれの事例を順番に詳しく紹介します。

①日清食品ホールディングスと湖池屋のM&A(株式譲渡)

日清食品ホールディングス

日清食品ホールディングス

出典:https://www.nissin.com/jp/about/nissinfoods-holdings/

2020年11月、日清食品ホールディングスは、湖池屋の株式を追加取得して連結子会社化すると発表しました。従来の持ち株比率である34.54%を45.12%にまで引き上げることで連結子会社化を行っています。株式取得価額は22億5,500万円と発表されました。

日清食品ホールディングスは、インスタントラーメンを中心とした食品加工会社です。2011年5月より湖池屋とは資本業務提携を行っており、商品開発・マーケティングや営業・物流などの分野で協業を進めて社長を派遣するほど密接な関係にありました。

一方の湖池屋は、スナック菓子を中心とする商品の製造・販売を手掛けている菓子メーカーです。日清食品ホールディングスの「持ち分法適用関連会社」の位置付けにあります。

本件M&Aの狙いは、菓子事業の強化です。協業の取り組みをより一層強化するために連結子会社化に至っています。

②IDホールディングスとウィズ・ホールディングスのM&A(株式交換)

IDホールディングス

IDホールディングス

出典:https://www.idnet-hd.co.jp/

2020年11月、IDホールディングスは、ウィズ・ホールディングスの株式78.4%を取得し子会社化した後に、株式交換によりウィズ・ホールディングスを完全子会社化すると発表しました。株式取得価額は10億9,800万円です。

IDホールディングスは、「Waku-Wakuする未来創りに参加する」を理念に掲げる情報サービス企業です。コンサルティングからソフトウエア開発・システム運営管理・クラウド/セキュリティ・BPOに至るまで、トータルにカバーするITアウトソーシングサービスを提供しています。

一方のウィズ・ホールディングスは、グループ全体の経営戦略の策定・推進およびコーポレート機能事業を手掛けています。本件M&Aの狙いは、顧客基盤の強化・技術力の獲得・ソフトウエア開発分野の業務ノウハウ共有および、これに伴う大型案件の生産体制の構築などです。

③丸井グループとCAMPFIREのM&A(資本業務提携)

丸井グループ

丸井グループ

出典:https://www.0101maruigroup.co.jp/

2020年11月、丸井グループは、CAMPFIREと資本業務提携契約を締結しました。丸井グループは、ファッションビルの丸井などを傘下に持つ持ち株会社です。小売事業・フィンテック事業を中核とするグループ会社の経営計画・管理などを手掛けています。

一方のCAMPFIREは、国内最大のクラウドファンディングCAMPFIRE(キャンプファイヤー)を運営する会社です。購入型クラウドファンディング・寄付型クラウドファンディング・融資型クラウドファンディング・株式投資型クラウドファンディングや、これらに付帯する事業の企画・開発・運営を手掛けています。

本件M&Aの狙いは、ステークホルダーとの共創に伴う、企業価値向上および社会課題解決の実現です。丸井グループがすでに出資・協業している企業とも連携しつつ、共創のエコシステムの形成を目指していくと発表しています。

④三菱UFJリースと日立キャピタルのM&A(合併)

三菱HCキャピタル

三菱HCキャピタル

出典:https://www.mitsubishi-hc-capital.com/

2020年9月、三菱UFJリースと日立キャピタルは、2021年4月1日付で合併を行うと発表しました(これに伴い、商号を三菱HCキャピタルに変更)。

三菱UFJリースが存続会社となり、日立キャピタルを吸収する形式での合併です。三菱UFJリース1:日立キャピタル5.1の合併比率で、日立キャピタルの1株に三菱UFJリースの5.1株が割り当てられます。

三菱UFJリースは、業界第3位に位置する大手総合リース会社です。1971年に設立されて、三菱商事が筆頭株主を担っています。一方の日立キャピタルは1957年設立の会社で、筆頭株主は日立製作所です。

本件M&Aの狙いは、経営基盤の強化にあります。もともと当事会社は資本業務提携を結ぶ関係にあり、環境・エネルギーなど海外インフラ投資をメインに協業していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりリース事業は厳しさを増したことから、業界首位のオリックスに迫る目的で合併に至りました。

⑤Klabと「さくらソフト」のM&A(会社分割・株式譲渡)

Klab

Klab

出典:https://www.klab.com/jp/

2020年6月、Klabは、ゲームタイトルの開発・運用を手掛ける岡山事業所について簡易新設分割を行い、新設会社の「まかねソフト」に承継すると発表しました。これに伴い、「まかねソフト」の株式すべてとゲームの企画制作・運営事業を「さくらソフト」に譲渡することも発表しています。

Klabは携帯電話向けのゲーム事業を主力とする情報通信事業会社であり、ソーシャルゲームの開発・運営や受託開発などを手掛けています。一方の「さくらソフト」は、1998年に千葉の学生エンジニアが創業した会社です。SI事業・通信販売サイトのシステム開発を手掛けた後にソーシャルゲーム事業に参入しています。

本件M&Aの狙いは、中長期的な企業価値の向上および、岡山事業所の新たな価値創出の実現です。そのために、モバイルオンラインゲームの運用力に強みがある「さくらソフト」に対して、事業所とゲームタイトル開発・運用を譲渡しています。

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M&Aでよくある質問

M&Aでよくある質問

本章では、M&Aを検討する経営者の方から挙げられる質問とその回答を取り上げます。

  1. M&Aによる譲渡にあたり準備すべきことは?
  2. 赤字経営や債務超過がある企業は譲渡できない?
  3. M&A・事業承継の手法はどのようにして決めれば良い?

上記は、いずれもM&Aを進めるうえで知っておくべき大切な項目です。そのため、疑問に感じていた経営者の方は、本章でしっかりと把握しましょう。それでは、順番に解説します。

①M&Aによる譲渡にあたり準備すべきことは?

はじめに準備すべきなのは、M&Aの実施理由・動機・優先的に実現したい条件を定めることです。これらを準備することで、M&A仲介会社などの専門家への相談・依頼や譲受先候補とのマッチングなどが円滑に進みます。

また、できる限り事前に自社の株式を集約しておくと、M&A実施期間の短縮につながるためおすすめです。株券を発行している企業であれば、株券の発行が適切になされているかも確認しましょう。

加えて、譲渡を検討する場合、相手側の買い手も同業・周辺企業となるケースが多いです。そのため、業界のM&A動向などの情報を収集し、買収ニーズが高いタイミングで譲渡を行うよう意識しましょう。

例えば、新聞・経済誌などの特集を読み、同業他社の買収・売却ニュースや新規上場・株価などの情報を把握しておくと、自身の業界の期待値が把握できます。

さらに、M&Aのデューデリジェンスでは、定款・決算書・商業登記簿謄本・株主名簿・取締役会(株主総会)議事録・関係当局からの行政指導の関連資料など、膨大な資料を準備・提出する必要があります。そのため、事前に月次決算・予実管理・原価計算を念入りに行っておくと円滑に譲渡しやすくなるのです。

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②赤字経営や債務超過がある企業は譲渡できない?

たとえ赤字経営や債務超過がある企業であっても、将来性が見込めたりブランドを持っていたりするならば、M&Aにより譲渡できる可能性は十分にあります。そもそもM&Aで譲受側企業が重視するポイントは、赤字や債務超過が起こった理由や背景などです。

そのため、赤字経営(債務超過)の理由・背景をまとめておくと、改善・立て直しの可能性を感じる譲受先候補が現れやすくなるのです。M&Aによる譲渡では廃業費用の削減・譲渡利益の獲得などのメリットが期待できるため、赤字経営を理由に諦めず、M&A仲介会社に相談し自社の譲渡可能性を探りましょう。

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③M&A・事業承継の手法はどのようにして決めれば良い?

M&Aにはさまざまな手法が存在します。各手法によって期待できるメリット・想定されるデメリットなどの特徴は大きく異なるため、自社にとって最適な手法を選ばなければなりません。

また、事業承継の手法には大きく分けて親族承継・従業員承継・M&Aによる第三者への承継がありますが、これらもそれぞれ特徴が異なるため、M&A手法の決定と同様の注意が求められます。

とはいえ最適な手法を選択するには、業界の知識だけでなくM&A・事業承継に関する専門知識も必要となるため、M&A仲介会社などの専門家に相談して適切な判断を仰ぐと良いでしょう。

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M&Aの特徴まとめ

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M&Aとは、「Mergers(合併)」and 「Acquisitions(買収)」の略称です。つまり、「合併と買収」の意味を持ち、経営戦略の1つに位置付けられています。

M&Aを行えばさまざまな経営課題を効率良く解決できるため、年々行われる件数が増加しています。会社経営に何らかのお悩みがある場合は、M&Aで解決できないかを検討すると良いでしょう。

M&Aを成功させるには、専門家であるM&A仲介会社に話を聞くことがおすすめです。

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