2021年6月9日更新会社・事業を売る

M&A手数料の相場は?金額を抑えるポイント、報酬体系をM&A仲介会社ごとに解説

M&Aの手数料の相場は、着手金・最低手数料・成功報酬など種類ごとに大きく異なります。特に成功報酬の算出方法には注意が必要です。そこで本記事では、M&Aで発生する手数料の相場や種類をはじめ、金額を抑えるポイントや仲介会社ごとの手数料体系などを解説します。

目次
  1. M&A手数料の相場と種類
  2. M&A手数料の相場における注意点
  3. M&A手数料の金額を抑えるポイント
  4. M&A手数料をM&A仲介会社ごとに比較
  5. M&A手数料の相場まとめ
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M&A手数料の相場と種類

M&A手数料の相場と種類

まずは、M&A手数料の相場を種類ごとに紹介します。各手数料の概要も紹介しているため、合わせて確認しておきましょう。

  1. 事前相談料
  2. 着手金 
  3. 最低手数料  
  4. 定額顧問料(月額報酬)
  5. 中間金(中間報酬)
  6. デューデリジェンス費用(企業調査手数料)
  7. 成功報酬
  8. 業務上発生する費用

これら8種類のM&A手数料の相場を把握しておくと、M&A仲介会社への依頼をスムーズに進行可能です。それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

①事前相談料

M&A仲介会社に相談する際に手数料が必要となるケースがあり、この費用を事前相談料と呼びます。事前相談料の相場は1万円程度です。最近では事前相談料を支払わなくても良い企業が増加していますが、M&A手数料をなるべく抑えるためにも仲介会社の報酬体系を確認して事前相談料の有無を調べておきましょう。

②着手金  

着手金とは、実際にM&A仲介会社へ依頼する際に支払う手数料のことです。たとえM&Aが最終的に成約に至らなかったとしても、支払った着手金は戻らないため注意しましょう。M&A時には相手先の選定や資料作成などの手続きが求められますが、M&A仲介会社の方針によってはここに手数料が発生します。

実際に依頼する際は、50万円~200万円程度の着手金を請求するM&A仲介会社が多いでしょう。なお、着手金は、売り手側では「企業評価料」として、買い手側では「情報提供料」として支払うケースが多く見られます。そのため、最適な相手を探すために必要な手数料ともいい換えられる費用です。

③最低手数料  

M&A取引規模に関係なく、仲介会社が実施する業務内容に大きな差異はありません。つまり、M&Aの取引規模によっては、M&A仲介会社が採算の取れる成功報酬を得られない問題が発生する可能性があります。

そのため、最低手数料は、企業が利益の採算を採るために導入されています。最低手数料の相場は、500万円~2,500万円程度です。とはいえ、最近では最低手数料を設定していないM&A仲介会社も少なくありません。

④定額顧問料(月額報酬)

定額顧問料(月額報酬・リテイナーフィー)とは、M&A仲介会社が請求する月額の手数料のことです。この手数料によって、仲介会社はM&A実務の遂行に必要な経費を賄います。定額顧問料の相場は、月額100万円程度が目安です。毎月支払いが生じるため、交渉が長引くほど手数料総額が増加します。

最近では定額顧問料を設定していないM&A仲介会社が増加している一方で、定額顧問料の支払いがある企業では成功報酬を割安に設定している傾向がある点も注目すべきです。つまり、定額顧問料が有料である企業に依頼すると、かえってM&A手数料の総額を抑えられる可能性があります。

【関連】リテイナーフィーとは?意味や相場、メリット・デメリットを解説します

定額顧問料についての補足

定額顧問料の仕組みは複雑であるため、ここで詳しく紹介します。定額顧問料は毎月発生する費用ですが、M&A仲介会社によっては、着手金と同じ意味で定額顧問料の文言を用いたり、着手金と同時に定額顧問料が発生するシステムを採用していたりと定義が曖昧です。

とはいえ、多くのM&A仲介会社は、定額顧問料を「顧問契約を結び、その期間中に毎月支払われる報酬」と捉えています。なお、定額顧問料は、毎月支払うことから、M&Aの実施を決めかねている企業からすると抵抗感を覚えやすいです。

また、会社の経費から定額顧問料を支払う場合、出費の目的を説明しにくいケースが多いです。上記の理由から、報酬体系の明朗化を目的として、定額顧問料を廃止しているM&A仲介会社も多く見られます。

【関連】M&Aの費用

⑤中間金(中間報酬)

中間金とは、主にM&Aで基本合意契約が締結した際に支払う手数料です。中間金の相場はM&A成功報酬額の10%~20%程度が目安であり、具体的には50万円~200万円程度とされています。

中間金は、交渉が破断になりM&Aが白紙となったとしても戻らないため、慎重に検討したうえで支払いましょう。なお、M&Aの最終契約が締結された場合、中間金は成功報酬に含まれます。

⑥デューデリジェンス費用(企業調査手数料) 

デューデリジェンスとは、M&Aの実施際に相手企業の価値やリスクを調査する行為です。財務・税務・法務・ビジネスなど、デューデリジェンスの調査範囲は非常に幅広いです。デューデリジェンスの相場は数十万円〜100万円程度とされています。

決して安くない金額であるため、デューデリジェンスの実施を控えたい経営者も多いでしょう。しかし、このプロセスを怠ると、将来的に深刻な問題が起こるおそれがあります。結果として、M&A失敗リスクが高まりかねません。

そのため、M&A実施時には、デューデリジェンスを怠らないようにしましょう。なお、調査範囲は指定できるため、手数料を多少安価に抑えることが可能です。

⑦成功報酬

成功報酬とは、実際にM&A契約が成立したタイミングで支払う手数料のことです。多くのM&A仲介会社では、レーマン方式を用いて成功報酬の具体的な金額を算出します。レーマン方式とは、取引金額に応じて報酬料率を掛け合わせたうえで手数料を決める方法のことです。

掛け合わせる報酬料率(成功報酬の相場)の一例を、以下にまとめました。

  • 5億円以下の部分→5% 
  • 5億円超~10億円以下の部分→4% 
  • 10億円超~50億円以下の部分→3% 
  • 50億円超~100億円以下の部分→2% 
  • 100億円超の部分→1% 

上記で注意すべきポイントは、「取引金額に用いる要素によって、最終的な手数料の支払額が変動する」点です。取引金額に用いる要素には、主に以下の3タイプが存在します。

  • 譲渡金額(M&Aで譲渡する株価総額) 
  • 移動総資産(株価総額+負債総額) 
  • 企業価値(株価総額+有利子負債総額)  

結論から述べると、上記のうち、譲渡金額を取引金額に用いる場合に手数料を最も安く済ませられます。なぜなら、移動総資産・企業価値が取引金額のベースとなる場合には、譲渡金額とは異なる要素が加わって算出されるためです。

そのため、成功報酬の手数料金額を抑えたいならば、譲渡金額を取引金額として設定しているM&A仲介会社を選ぶと良いでしょう。ここからは、実際に成功報酬がどのように算出されるのかを詳しく説明します。

成功報酬の算出方法とレーマン方式

まず紹介するケースは、取引金額(譲渡金額)が15億円であった場合です。レーマン方式で手数料を算出すると、以下の計算式のとおり求められます。

  • 5億円✕5%+(10億円ー5億円)✕4%+(15億円ー10億円)✕3%=6,000万円 

次に紹介するケースは、譲渡金額が15億円・負債総額が5億円であり、取引金額の算出に移動総資産が用いられる場合です。レーマン方式で算出すると、手数料は以下のように求められます。 

  • 5億円✕5%+(10億円ー5億円)✕4%+(20億円ー10億円)✕3%=7,500万円 

上記のように取引金額のベースが異なるだけで、成功報酬額が1,500万円も変動します。たとえM&Aを用いて資金を得たとしても、数千万円単位で支払額に差異が生じるため注意しましょう。

【関連】レーマン方式とは?成果報酬の設定や計算方法、契約書について解説

⑧業務上発生する費用

業務上発生する費用とは、M&A仲介会社がM&A業務を実施する際に必要となる費用のことであり、M&A仲介会社によっては着手金の名目で請求します。ここにはデューデリジェンスのために企業の事務所・工場などを視察する際に発生する交通費などが含まれますが、企業によっては発生しない手数料です。

サポート内容ごとに金額は大きく変動するため、具体的な相場は存在しません。以上、M&A手数料の相場を種類ごとに紹介しました。

なお、M&A総合研究所の手数料体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。M&Aに関して無料相談をお受けしておりますので、手数料の相場に不安がある場合などにはお気軽にお問い合わせください。

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M&A手数料の相場における注意点

M&A手数料の相場における注意点

M&A手数料の相場を把握するうえで気をつけなければならない注意点は、以下の2つです。

  1. 中間金に関する注意点
  2. M&A着手金の有無に関する注意点

これら2つの注意点を押さえておけば、M&A手数料に関するトラブルを事前に回避可能です。それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

中間金に関する注意点

M&A仲介会社にサポートを依頼した場合、中間金が発生するケースがあります。中間金は基本合意に至った段階でM&A仲介会社に支払う報酬であり、M&A仲介会社へのインセンティブの意味合いが強い手数料です。

中間金は成功報酬の一部として支払うケースがほとんどであり、成功報酬の一部を前払いすると考えれば理解しやすいです。そのため、中間金は成功報酬に加算されるものではなく、事前に中間金を支払った後で残りの成功報酬を支払う形を取ります。

しかし、中間金は基本合意以降にM&Aが破談になると返還されません。もしも予算の限界に不安があるならば、中間金が発生しないM&A仲介会社を選びましょう。

M&A着手金の有無に関する注意点

従来のM&A仲介会社は、着手金を手数料として請求するケースが一般的でした。しかし、最近では、着手金を廃止して成功報酬のみを手数料として支払う仲介会社が増加中です。ここでは、着手金の有無に関する注意点を紹介します。

①着手金がある場合の手数料

M&A仲介会社に着手金を支払う理由は、M&A実務で必要経費が生じるためです。M&Aには事前準備に相応な費用と時間がかかるため、M&A仲介会社はその費用に応じた手数料を求めます。

しかし、場合によっては、着手金の存在によりM&A仲介会社がモラルハザードを引き起こすリスクもあるため注意しましょう。M&A仲介会社の中には、以下のような要素を持つ、着手金目的の企業も存在します。

  • 売上規模が小さい 
  • 赤字が続いている 
  • 借金過多 
  • 債務超過 
  • 不適当な売却希望金額を提示する 

着手金として支払う手数料は非常に大きいです。実現可能性の低いM&Aの実施や無駄な手数料を支払うトラブルなどは避けましょう。 

②着手金なしの場合の手数料

最近では、着手金の支払いを求めないM&A仲介会社が増加中です。しかし、成功報酬のみを手数料とする場合も、注意しなければならない点があります。

着手金の支払いがない場合、M&A仲介会社は成立まで無償でサポートを提供するため、できるだけ早くM&Aを成立させて成功報酬の獲得を狙うケースが想定されます。これにより、準備がおろそかになってM&A相手先の問題点を隠すリスクが発生するのです。

ケースによっては、M&A完了後に重大なトラブルが生じることもあります。着手金の有無に関係なくM&Aにはリスクが伴うため、信頼できるM&A仲介会社を選びましょう。 

【関連】M&Aのリスクとは?売り手・買い手のリスクやリスクマネジメント方法を解説

M&A手数料の金額を抑えるポイント

M&A手数料の金額を抑えるポイント

M&A手数料の相場を把握したところで、本章ではその金額を抑えるポイントとして以下の3項目を取り上げます。

  1. おすすめのM&A仲介会社から3社ほど絞り込む
  2. 手数料の相場・見積もりを出してもらう
  3. 吟味して依頼先を決める

それぞれのポイントを順番に詳しく紹介します。

①おすすめのM&A仲介会社から3社ほど絞り込む

まずは、手数料の相場を考慮せずに、「優秀」や「おすすめ」と冠されるM&A仲介会社から3社ほど絞り込みましょう。このときの基準としては、M&A仲介会社のWebサイト・評判・口コミなどを活用すると良いです。

前提として、M&A仲介会社は手数料が安ければ優秀であるとはいい切れず、自社に最適な相手先企業が見つからなければ手数料がどんなに安かったとしても結果的に損をしてしまいます。そのため、まずは評判の良いM&A仲介会社探しから始めると良いでしょう。

②手数料の相場・見積もりを出してもらう

3社程度に絞り込めた後は、各社に手数料の相場・見積もりを出してもらいましょう。このときは、電話・メール・直接対面のほか、各社の問い合わせフォームの利用などが一般的です。

③吟味して依頼先を決める

手数料の相場・見積もりをもとに、自社のM&Aに適するM&A仲介会社を吟味して決定します。他のM&A仲介会社と比較して手数料が格段に高額である場合には、依頼を控えるべきです。M&Aをサポートしてくれるパートナーは、手数料の相場のみで決めることのないよう意識しましょう。

【関連】株式譲渡したときの税金とは?種類やおすすめの節税・計算方法のまとめ

M&A手数料をM&A仲介会社ごとに比較

M&A手数料をM&A仲介会社ごとに比較

M&A仲介会社の手数料(報酬)体系は、機関ごとに異なっています。最後に、代表例として以下のM&A仲介会社を6社ピックアップして、各手数料をまとめました。

  1. M&A総合研究所
  2. インテグループ
  3. 山田コンサルティンググループ
  4. TRANBI
  5. クラリスキャピタル
  6. 経営承継支援

これら6つのM&A仲介会社の特徴を押さえておけば、自社のM&Aに最適なパートナー探しに活用可能です。それぞれの会社を順番に詳しく紹介します。

①M&A総合研究所

M&A総合研究所

M&A総合研究所

出典:https://masouken.com/

M&A総合研究所では、専門知識を持ったアドバイザーによる専任フルサポートを行っております。機動力にも強みがあり、最短3カ月で成約した実績を有している点も強みです。

M&A総合研究所の手数料体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

②インテグループ

インテグループは、事業承継事業譲渡・会社売却・企業買収などを手掛ける、中小企業M&Aの専門家による完全成功報酬M&Aコンサルティング・アドバイザリー・仲介会社(未上場)です。M&A仲介サービスを展開していますが、完全成功報酬制であり相談料・着手金・リテイナーフィー・中間金は発生しません。

つまり、M&A成立時のみ手数料を支払います。成功報酬はレーマン方式により算出されますが、最低手数料額が設定されているため注意しましょう。

③山田コンサルティンググループ

山田コンサルティンググループは、事業承継・成長戦略などに悩む経営者を支援するM&Aサービスを提供している会社です。厳密にいうとM&A仲介サービスではなく、アドバイザリー業務をメインに提供しています。

手数料体系は顧客の要望やスケジュールにより変動するシステムを採用しており、実際に提供するサービス内容に応じて個別に見積もりを作成しています。手数料相場の詳細は、Webサイトの問い合わせページや電話で問い合わせると良いでしょう。

④TRANBI

TRANBIは、厳密にいうとM&A仲介会社やアドバイザリー会社でなく、M&Aプラットフォームサービスを提供している会社です。売り手の場合は無料で利用できる一方で、買い手の場合には有料のプレミアムプランに加入すると相手先とのM&A交渉を進められます。

つまり、買い手には、譲渡希望価格ごとに料金設定が分かれているプランへの加入が求められます。

⑤クラリスキャピタル

クラリスキャピタルは小規模案件に強いM&A仲介会社であり、着手金や中間金を支払う必要がありません。そのため、成約時にのみ手数料が発生します。M&A総合研究所と同様に、レーマン方式を用いた報酬体系を採用している仲介会社です。

⑥経営承継支援

経営承継支援は中堅・中小企業の事業承継問題の解決を得意とするM&A仲介会社であり、着手金や定額顧問料などは発生しません。しかし、基本合意まで進むと中間金や成功報酬が発生します。なお、相談料は無料です。

【関連】M&A仲介会社を比較!おすすめのM&A仲介会社、仲介手数料を解説します

M&A手数料の相場まとめ

M&A手数料の相場まとめ

M&Aの手数料にはさまざまな種類があり、支払う額もそれぞれ異なります。また、M&A仲介業者によって必要な手数料の種類も異なるため要注意です。M&Aの手数料を抑えたいなら、まずは手数料の種類を把握したうえでM&A仲介会社の報酬体系を調べると良いでしょう。

M&A手数料の中でも、成功報酬・着手金は特に重要です。M&A時に知識が不足していると、支払う手数料の金額が高くなるトラブルが発生するおそれがあります。

M&Aを成功させるには、手数料とM&A仲介会社の質を比較検討したうえでプロセスを進めましょう。つまりM&Aでは、抜かりのない下調べが何よりも重要といえます。本記事の要点は、以下のとおりです。

・M&A手数料の相場と種類
→事前相談料(1万円程度)、着手金 (50万円~200万円程度)、最低手数料(500万円~2,500万円程度)  、定額顧問料(月額100万円程度)、中間金(50万円~200万円程度)、デューデリジェンス費用(数十万円〜100万円程度)、成功報酬(レーマン方式の活用)、業務上発生する費用(具体的な相場なし)

・M&A手数料の相場における注意点(中間金)
→基本合意以降にM&Aが破談になると返還されない

・M&A手数料の相場における注意点(着手金)
→着手金の存在によりM&A仲介会社がモラルハザードを引き起こすリスク

・M&A手数料の金額を抑えるポイント
→おすすめのM&A仲介会社から3社ほど絞り込む、手数料の相場・見積もりを出してもらう、吟味して依頼先を決める

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