2022年10月15日更新会社・事業を売る

株式譲渡所得とは?税金や確定申告・節税対策・M&Aの手法を解説

M&Aの際、得た利益が株式譲渡所得になるとは一概にいえないので注意しましょう。この記事では、株式譲渡所得とは何か、株式譲渡所得にかかる税金や確定申告・節税対策・M&Aの手法などについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次
  1. 株式譲渡所得とは
  2. 株式譲渡所得にかかる税金
  3. 株式譲渡所得の確定申告
  4. 確定申告を利用した節税
  5. M&A手法としての株式譲渡
  6. 株式譲渡所得のまとめ

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株式譲渡所得とは

会社員が働いて得られる収入を給与所得と呼ぶのに対し、株式の譲渡で得られる収入を「株式譲渡所得」と呼びます。今回は、株式譲渡所得について見ていきましょう。

株式譲渡所得とは、株式を売却した際に得られる所得をさします。例えば1株を1,000円で購入し、1,200円で売却した場合、差額の200円が株式譲渡所得です。株式譲渡所得は、名前のとおり所得になるので課税対象となります。

株式に限らず、土地や不動産などを売却した際に得られる金額も譲渡所得です。そのため、税金を支払わなくてはいけません。譲渡所得のポイントは購入した際の金額です。買収した金額よりも売却した際の金額が大きければ、所得はプラスになります。よって、課税対象です。

一方、買収金額よりも売却金額の方が安ければ、譲渡所得はマイナスになります。譲渡所得がマイナスになった場合に税金は発生しません。株式の売買に関しても同様です。つまり、株式譲渡所得とは、買収した金額よりも売却した際の所得がプラスになった場合のみ課税対象となります。

しかし、課税を恐れて買収したときの金額よりも、低い金額で売却しては無意味です。課税の対象とはなりませんが、それ以前の所得がないからです。株式の売買で生計を立てる場合、株式譲渡所得のプラスを目指し、売買を実施しなくてはいけません。

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株式譲渡所得にかかる税金

株式譲渡所得には税金がかかります。課税対象となるのは下記です。

  • 株式を売却した金額から経費(取得に必要な費用、委託手数料)を差し引いた金額
  • 株式譲渡所得がプラスの際に支払う税金は、所得に対して発生する所得税と住民税

株式を売却した金額から差し引いた金額については、経費会社でいうと純利益のイメージです。課税の対象となる金額のうち、所得税15%と住民税5%の計20%を税金として納めなくてはいけません。

株式譲渡所得は申告分離課税です。そのため、株式譲渡所得は、事業や給与所得等の合計額とは別に課税されます。

会社でまとめて申告してもらっているケースでも、株式譲渡所得が一定額を超えた場合は、確定申告が必要です。故意でなくても違反となる可能性があるので、株式譲渡を実施する際は、十分に注意しましょう。M&Aにおいても、株式譲渡所得は重要なファクターになり得ます。

株式譲渡所得に注意したうえでのM&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが、案件をフルサポートいたします。

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株式譲渡所得の確定申告

前項のとおり、会社で年末調整を実施していても、株式譲渡所得に関する申告が必要となるケースがあります。会社に勤めている場合、会社が年末調整の形で国に収入を申告するので、会社員として働いている人は、基本的に個人で取引して得られた株式譲渡所得に関する申告は不要です。

しかし、下記に該当する場合は、申告が必要となります。

  • 会社員としての収入の他に、株式譲渡所得だけで20万円以上の所得がある
  • 株式譲渡所得のみで生計を立てている場合、配当金などを含めて20万円以上の所得がある

株式譲渡所得を受け取る口座によっては、一定額以上の株式譲渡所得が発生しても、確定申告が不要です。具体的には特定口座を利用すると、株式譲渡所得の確定申告が不要となります。はじめから確定申告に似た手続きを実行してくれるからです。

特定口座はあらかじめ株式譲渡所得から、必要な分の税金を差し引いてくれます。特定口座では、源泉徴収の有無が選べ、源泉徴収をありに選択した場合、確定申告が不要です。株式譲渡所得を主たる所得として生活する人の多くは、特定口座を利用して源泉徴収を実施しています。

「源泉徴収をあり」にしないと、確定申告が必要となるので注意しましょう。特定口座の場合、源泉徴収は任意での選択となります。このときに源泉徴収をなしにした場合、個人で収支を計算し確定申告しなくてはいけません。他にも、株式譲渡所得がプラスではない場合も申告は不要です。

株式譲渡所得で得られた金額から、取得にかかった金額や諸経費を引いた額を損益と呼びます。損益がマイナスであれば、確定申告は不要です。NISAの口座で取引する場合も、株式譲渡所得の確定申告は不要になります。NISAを使用して株式譲渡を実行する際は、自動的に課税分のお金が引かれるからです。

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確定申告をした方がお得な場合

確定申告をした方がお得な場合は、下記の3つになります。

  1. 上場株式などで譲渡損が出た
  2. 複数の特定口座(源泉徴収あり)で利益と損失がある
  3. 配当控除を受ける
①では、損益通算と繰越控除を行ってください。確定申告により「上場株式等の譲渡損失に係る損益通算及び繰越控除」といった特例の適用を受けられます。これにより、譲渡損失の金額を該当年分の上場株式にかかる配当などと相殺できるでしょう(損益通算)。

特定口座(源泉徴収あり)を複数持って入れば、申告するかどうかは口座ごとに選択可能です。一方の口座で譲渡益が出て、もう一方で譲渡損がある場合は、通算されません。1つの口座であれば通算されますが、2以上であれば確定申告をし、利益と損失を相殺して還付を受けます。

上場株式の配当では、大口の株主など以外は基本的に源泉徴収されるので、確定申告は必要ありませんが、配当所得に関しては「申告分離課税」と「総合課税」のどちらかで申告することが選択可能です。総合課税が対象とした配当所得は、配当控除が受けられます。

確定申告の必要書類・作成方法

確定申告の必要書類は、下記です。

  • 源泉徴収票(給与所得、公的年金など)
  • 特定口座年間取引報告書(一般口座であれば、自分で1年間の取引金額を集計)
  • 還付先の金融機関における口座番号(本人名義のみ)
  • 認め印

次に、作成方法を紹介します。国税庁の「確定申告作成コーナー」で、画面案内に従い必要事項などを入力すると、確定申告書ができます。e-Taxを用いる必要はありません。作成した確定申告書をプリントアウトし、印鑑を押して必要書類を添付し、税務署へ郵送すれば完了です。

初めて確定申告を作成する場合でも、手軽に行えるでしょう。

確定申告を利用した節税

手間がかかるため、確定申告を行いたくないと考えがちですが、確定申告が不要なケースでも、自ら確定申告を実施した方がお得なケースもあります。この章では、その主なケースを2つ見ていきましょう。

複数の株式譲渡所得がある

株式譲渡所得を得るための口座を、複数持っているケースです。1つの特定口座ではプラスの株式譲渡所得が出ており、もう片方の特定口座ではマイナスになっている場合、収支はマイナスになるので、確定申告は不要です。

しかし、確定申告を実施した方が、株式譲渡を継続しやすくなります。確定申告の際は損益通算が可能だからです。

つまり、黒字の所得から株式譲渡所得のマイナス分を引けるため節税できます。少しでもマイナスの株式譲渡所得がある場合は、確定申告するとよいでしょう。

配当控除

株式譲渡所得の課税は、2種類から選択可能です。株式譲渡所得以外の所得と株式譲渡所得を全て足した合計金額から課税額を計算する総合課税方式と、個々の所得に対して税金が発生する申告分離課税があります。

総合課税を選択した場合には、その他の所得も含まれます。したがって、配当控除が受けられるのです。総合課税では、課税割合が7%程度です。給与所得がそれほど多くなく、株式譲渡所得がメインの収入となっている場合は、総合課税を選択して確定申告した方が節税できます。

以上のとおり、確定申告の実施により、支払う税金が少なくなるケースもあります。しかし、課税額を計算する処理を行うのは時間と労力が生じるでしょう。

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M&A手法としての株式譲渡

株式譲渡は個人が生計を立てる場合のみならず、M&Aの手法としても使用されます。会社は株式を発行して、株主から資金調達しています。株主に対しては、売り上げが好調だったときに配当が配られるでしょう。他にも株主には、株式の保有数によって株主総会で行使できる議決権が与えられています。

株式の保有数によって、与えられる議決権の効力は強くなります。この仕組みを利用してM&Aを実施するのです。買収したい会社の株式を大量に買うと、その会社の経営権を掌握できます。つまり、会社を動かす権利を得られるのです。ただし、株式譲渡は売り手と買い手の条件が合致していることも重要です。

また、個人か法人かによって所得の種類が変わります。

  • 株主が個人のケース

株式譲渡を実施する株主が個人である場合、その利益は「株式譲渡所得」です。前述のとおり株式譲渡所得に、15%の所得税と5%の住民税が課税されます。株主が個人である場合は、株式譲渡で得られるお金は個人の所得です。

  • 株主が法人のケース

株主が法人であるケースが、基本的なM&Aの形です。会社がもう片方の会社を大量に買い取って、会社の経営権を掌握する方法になります。株主が法人であるかそうでないかに限らず、株式を売却した際には対価が得られます。株主が個人のケースでは、この対価を所得として考えました。

一方、株主が法人である場合は、株式を売却した際の対価を譲渡益と考えます。そのため、支払う税金は所得税+住民税ではなく、法人税です。

以上のとおり、同じ株式譲渡でも、株主が法人である場合にはかかる税金が異なります。株式譲渡所得と譲渡損益の違いは、十分に注意しましょう。

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株式譲渡所得のまとめ

株取引は、現在主流になりつつある所得の獲得方法です。時代の電子化により、手元の電子媒体1つで株式を購入できます。それに伴って、株式譲渡所得を得る人も増えてきます。株式譲渡所得はあくまでも個人の所得であるため、多くのケースで課税対象です。

面倒だからといって申告しなければ、追徴課税になるので注意しましょう。M&Aでも、株式譲渡は会社の売買手段として用いられています。個人の株主が株式を売却した際の利益は、株式譲渡所得です。法人の場合は、譲渡益となります。

M&Aの際は、得た利益が株式譲渡所得になるとは一概にいえないので注意しましょう。

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