M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年10月26日更新業種別M&A
倉庫業界のM&A・事業承継の動向は?事例や相場も解説【2024年最新】
本記事では、倉庫業界のM&A・事業承継の最新動向から売却・買収事例などを紹介します。倉庫業界は、物流5大機能の1つである保管業務を手掛けています。昨今の国内物流業界は活況で、競争が激しくM&Aの実施も活発です。M&A・事業承継を検討中の方は必見です。
目次
倉庫業界の動向
倉庫業とは、「寄託を受けた荷物を倉庫において保管する営業形態」をさします。いい換えると、荷物を預かり保管することで対価を得る事業形態のことであり、運送業と並び物流の中核に据えられている業態です。
ここでは、倉庫業界の市場規模や特徴、近年の動向について解説します。
倉庫業界の市場規模
国土交通省「令和4年度 倉庫事業経営指標(概況) 」
出典:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001736629.pdf
上の表の国土交通省の調査結果からもわかるように、ここ数年で普通倉庫業や貨物利用運送事業を中心に、倉庫業界の市場が拡大しています。
普通倉庫業とは、農業や鉱業、製造業の貨物を保管する事業形態であり、貨物利用運送事業とは、自らは輸送手段を持たず、荷主からの依頼を受けて実運送事業者を利用して行う形態です。
近年、EC市場が拡大していることにより、出荷や配送といった物流業務を担う倉庫業の需要も高まっているのです。倉庫業界の企業うち、90%以上は中小規模の事業者であり、さまざまな差別化戦略によって顧客の獲得を図っています。
参考:国土交通省「令和4年度 倉庫事業経営指標(概況)」
倉庫会社の最新市場動向と特徴
総務省の「日本標準産業分類」によると、大分類「運輸業、郵便業」のなかに中分類「倉庫業」があり、さらに倉庫業の小分類として「冷蔵倉庫業を除く倉庫業」と「冷蔵倉庫業」の2つに区分されています。
上記2つの倉庫業の相違点は「冷蔵かどうか」であり、いずれも寄託を受けて物品を倉庫に保管する事業であることに違いありません。
なお、保管する物品は原料・製品・冷凍・冷蔵品などとされており、倉庫会社では実にさまざまな物品を預かります。
倉庫会社・業界の転換点
前述のとおり、倉庫業を営む場合、倉庫業法にもとづく登録を受ける必要があります。従来は許可制でしたが、2002(平成14)年の倉庫業法改正により許可制から登録制に変更されました。倉庫業法の改正により、この他の点でも変更が加えられており、倉庫会社全体にとって大きな転換点となったのです。
登録制以外の主な改正点としては、料金事前届出制度の廃止・トランクルーム認定制度の法制化などが挙げられて、総じて規制緩和が進みました。改正の背景には、倉庫業界内の競争促進により物流の効率化・料金の値下げ・サービスの向上や多様化を図るといった狙いがあります。
倉庫業法の改正後は政府の思惑どおり倉庫業への新規参入業者が増えたため、競争は激化しました。特に隣接産業である「トラック運送業者」からの新規参入が多く見られています。
物流業への参入による3PLの採用
倉庫業界の最近の動きとして、トラック運送業など物流業からの新規参入に対抗するため、昨今の倉庫会社は物品の保管だけでなく物流業務を一括して引き受ける体制を目指す傾向が見られます。いわば、倉庫会社が他の物流業に逆進出している状況です。
もともと物流業には、保管・荷役・包装・流通加工・運送という5つの役割があります。このうち倉庫会社は保管機能を担ってきましたが、昨今の物流業者では物流の一機能ではなく物流業務全般を一括して受託する3PL体制を採用する企業が増加中です。
本章では、物流業への参入による3PLの採用の動向を解説します。
冷蔵・冷凍食品市場の拡大による冷蔵冷凍倉庫の需要が安定
人口減少が進む中でも、冷凍・冷蔵食品市場は比較的安定した規模を維持しています。これは、刺身や生野菜といった鮮度を重視する日本の食文化が根強く残っていることに加え、単身世帯や高齢者世帯の増加により、保存性の高い冷凍食品やチルド食品の需要が伸びているためです。さらに、生鮮食品の宅配サービスの利用が増えたことも、これらの食品需要を押し上げる要因となっています。
収益面でも冷蔵倉庫業界は安定しており、国土交通省の調査によれば、2022年度における主要な冷蔵倉庫事業者85社のうち、89%が黒字決算を達成しました。1社あたりの平均営業損益は約2億2,789万円の黒字で、営業収支率も9.2%を確保しています。このように、冷蔵倉庫業界は高い収益性を維持しており、業界全体としても好調な経営状況を続けていることがわかります。
EC市場の拡大による需要増加
物販系EC市場は年々成長しており、2020年には約12兆円に達しました。市場を構成する主要カテゴリーとしては、「家電」、「衣類・雑貨」、「食品・飲料」、「インテリア・生活雑貨」が大きな割合を占めています。
こうしたEC市場の拡大を受け、大手の倉庫業者は小型貨物に対応できる物流拠点の整備を進め、電子商取引に特化した体制づくりに注力しています。インターネット通販の需要は今後も増加が見込まれており、この動きは倉庫業界にとって追い風となっています。EC市場の成長に伴い、今後も物流業界ではさらなる対応力の強化が求められるでしょう。
倉庫会社の課題
倉庫会社の逃れられない特性として、「物品を預けてくれる顧客(荷主企業)がいなければ事業が成り立たない」点が挙げられます。つまり、顧客側が業績不振となり預ける物品が減れば、倉庫会社の業績も悪化するのです。
そのため、力関係を見ると、倉庫会社よりも荷主企業が優位だといえます。場合によっては、値下げ圧力が発生するケースもあり、倉庫会社では同業他社との競争に加えて顧客対応にも手が抜けません。
また、人材不足も深刻化しており、フォークマン・倉庫内の作業員不足などの課題の解決策として、外国人労働者など多様な人材活用の意向も含めて模索している状況にあります。
また、冷蔵冷凍倉庫業界では、施設の老朽化に伴うリニューアルも大きな課題となっています。水産物などの海上輸送品を多く取り扱うため、港湾地区の借地が必要となり、通常の倉庫よりもコストが高くなります。
加えて、大規模な冷蔵・冷凍設備の導入には多額の投資が必要で、大手事業者は対応できますが、中小事業者にとっては競争力の低下につながるリスクがあります。さらに、フロン冷媒から自然冷媒(アンモニア・炭酸ガス)への移行も進んでおらず、環境規制対応も課題です。
倉庫会社のM&A・事業承継の最新動向
倉庫会社・業界の現状から見える経営課題の中には、倉庫会社単独で解決できる課題もあれば、M&Aが適切な解決方法とされる課題もあります。そこで本章では、後者に焦点を当てて、倉庫会社の課題とM&Aとの関係性をまとめました。
市場の動向に合わせたM&A
物流業界の一端を担う倉庫会社における目下の課題は、物流業界全体で主流になりつつある3PL事業の構築、もしくはそのスキームへの参加にあります。これを実現するためには、業務提携レベルで大きな優位性を生み出せないことから、最近ではM&Aの利用が最も適切かつ有効的な手段とされているのです。
倉庫会社にとって、「自社が中心となって3PL体制を組むべきなのか」もしくは「その枠組みに入るべきなのか」といった判断は、企業規模と資本力により変動します。とはいえ、いずれにしても3PL事業における倉庫は、単純な保管業務を行うのではなく、物流拠点・物流センターとしての役割を担うことになるのです。
昨今では、インターネット通販の普及により即日配達などスピード性のあるサービスが求められています。これを実現するには、3PLにより物流過程を効率化し、スピードを重視する環境を整備しなければなりません。そこで倉庫は、起点となる立場で3PLのカギを握る存在です。
仮にM&Aの買い手となる場合、自社が優秀な倉庫会社であれば、他の物流業者がグループ入りを強く望みます。売り手の場合でも買い手候補が殺到するため、M&Aシーンにおいて倉庫会社はイニシアティブを握りやすいポジションにあるのです。
競争激化への対応
もちろん倉庫会社からすると、同業他者との競争に負けるわけにはいきません。競争力強化に最適な手段は、M&Aによる事業規模の拡大です。倉庫会社同士のM&Aであれば純粋にスケールメリットが得られる一方で、他の物流業者とのM&Aであれば3PL事業者としての差別化を実現できます。
「上記のいずれを優先させるべきか」の判断は、各倉庫会社の置かれた状況次第ですが、近年は倉庫会社同士のM&A事例により多くの注目が集まっています。倉庫会社の役割は3PLを見据えると多様化するため、これまで以上にさまざまな設備が必要です。
そこで、倉庫会社同士のM&Aにより両社が設備を合流させ、物流の効率化を実現しやすい環境を事前に構築したうえで、他の物流業者を加えていくM&A戦略が効果的だといえます。
倉庫会社のM&Aの現状
倉庫業界では保管を含めた物流業務全般に対するニーズが高まる中で、3PL事業構築・サービス向上・事業規模の拡大・人的資源の取得などを目的としたM&Aが多く見られます。最近では、海外進出のためにM&Aを活用する事例も目立っている状況です。
現在の物流業界の国内市場は、インターネット通販の活況により順調です。とはいえ、少子化による人口減少が進む日本では、いつ市場縮小が起こっても不思議ではありません。こうした状況下において、大手の物流企業は海外企業とのM&A(クロスボーダーM&A)に着手しています。
現地企業とのM&Aでは、海外拠点を短期間で構築したうえでスムーズな海外進出を図れます。また、単純な海外進出にとどまらず、グローバルな物流ネットワークを構築できれば、国内物流ネットワークの側面でも他社との差別化を図ることが可能です。
倉庫会社のM&A・事業承継のメリットとデメリット
「倉庫会社の業界では、どのようなメリットを想定してM&Aが実施されているのだろう?」と気になる経営者の方は多いはずです。本章では、M&A・事業承継のメリット・デメリットを当事者ごとに把握しておきましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
買い手 | ・人材の確保 ・倉庫会社としての事業規模拡大 ・総合物流会社として3PL事業進出のための 物流系異業種の獲得 |
・従業員の離職(人材流出)により業績が悪化する可能性 ・包括承継により簿外債務や偶発債務などのリスクを引き継ぐ恐れ |
売り手 | ・事業承継の実現 ・従業員の雇用維持 ・経営基盤の安定化 ・個人保証や担保の解消 ・創業者利益の獲得 |
・スムーズに売却先が見つかるとは限らない ・希望どおりの条件(従業員の雇用や売却額などの面)で 売却できるとは限らない |
買い手側のメリット
はじめに、倉庫会社の業界のM&Aにおける買い手側で想定されるメリット・デメリットを取り上げます。相手企業のニーズをつかむためにも、M&Aによる売却を検討する経営者の方も確認しておくと良いでしょう。
倉庫会社がM&Aで買収を行う場合、主な目的は経営課題の達成することです。倉庫会社の一般的な経営課題としては、以下の3点が挙げられます。
人材の確保
慢性的な人材不足が続いている倉庫業界にとって、M&Aによって売り手側の人材を一度に確保できるのは非常に大きなメリットです。
また、優秀で経験もある人材を獲得すれば、人材教育にかかる時間やコストを削減できるので、業務効率化にもつながります。
事業規模拡大
事業規模を自社の力だけで拡大していくには時間とコストがかかりますが、M&Aで販路・事業所(拠点)・顧客を持つ企業を取得すればスピーディに事業規模の拡大を図ることが可能です。
また、売り手側の倉庫(拠点)も取得できれば業容が拡大するため、新たに大口の取引先を得られる可能性もあります。
シナジー効果
シナジー効果の発揮はM&Aを行う大きな目的のひとつであり、十分に効果が発揮されれば事業成長のスピードを大幅に加速させたり、事業領域拡大や売上向上を図ったりすることが可能です。
たとえば、買い手側と売り手側とのノウハウを相互活用することで新しいサービスを生み出したり、設備などを相互利用することでコスト削減を図ったりなど、シナジーが十分発揮されれば買い手側企業の競争力強化につながります。
買い手側のデメリット
倉庫会社を買収するM&Aで想定されるデメリットには、以下のようなものが挙げられます。
従業員の離職
M&Aは買い手側・売り手側の従業員や取引先などの関係先にも少なからず影響を与える行為です。なかでも従業員にとってはM&Aによって自身の待遇がどのように変化するのかという不安があったり、買い手側と売り手側の従業員同士がうまくいかず派閥ができてしまったりする可能性もあります。
M&A後のPMIがうまくいかなかったり、新しい環境・待遇に不満があったりすれば、従業員の離職につながる可能性もあるので、M&Aの事実や今後について従業員へ丁寧に説明するなど、リスクを最小限に抑えるための対策が必要です。
簿外債務・偶発債務などのリスク
株式譲渡や会社分割などのように、権利・義務を包括承継するスキームを使用した場合、買い手側は売り手側の負債も引き継がなければなりません。
包括承継スキームを活用する際に注意しなければならないのは、簿外債務や偶発債務を引き継ぐリスクがあるということです。簿外債務とは未払い残業代や賞与引当金など貸借対照表に記載されていない債務、偶発債務は現段階で発生していないものの将来的に特定条件を満たしたときに発生する債務を指します。
もし引き継いだ簿外債務や偶発債務の額が大きくなれば、買い手側企業の経営状態に影響を及ぼしかねないため、買収前にデューデリジェンスを徹底して行い、リスクの有無や程度を調査しておくことが重要です。
売り手側のメリット
次に、倉庫会社を対象とするM&Aにおける売り手側で想定されるメリット・デメリットを紹介します。こちらも同様に相手企業のニーズをつかむためにも、M&Aによる買収を検討する経営者の方も確認しておくと良いでしょう。
事業承継の実現
国内中小企業では後継者不在などの理由で事業承継が難しいケースも少なくありません。事業承継ができなければ黒字であっても廃業という選択しかありませんが、M&Aを可能すれば後継者候補が周囲にいなくても、他社へ事業を引き継ぐことができます。
M&Aによる事業承継では権利・義務を包括的に買い手側へ引き継ぐため、後継者不在の場合はM&Aという選択肢を視野に入れて検討するとよいでしょう。
従業員の雇用維持
事業承継が困難などなんらかの理由で廃業を選択した場合、経営者は自社の従業員を解雇しなければなりません。これは従業員にとって大きな影響を与えるだけでなく、経営者にとっての心理的負担も大きなものです。
M&Aの場合、株式譲渡などの包括承継スキームであれば原則として従業員の雇用はそのまま買い手側へ引き継がれます。ただし、事業譲渡の場合は、個々の従業員と買い手側とで雇用契約の結びなおしが必要なので、交渉時に相手先企業をよく話し合っておくことが重要です。
経営基盤の安定化
中小企業の場合、どうしても資金力に限界があり自社だけでは事業成長が難しくなることもあります。しかし、M&Aによって買い手側の傘下となれば経営基盤の安定化が図れ、親会社のリソースを活用することで事業拡大を見込むことも可能です。
個人保証や担保の解消
中小企業が金融機関などから融資を受ける場合、経営者が個人保証や担保差し入れを行うケースが多いです。個人保証の存在は精神的負担はもとより、親族への事業承継を考えている場合は足かせとなりスムーズに進まないケースもあります。
M&Aの場合、包括承継スキーム(株式譲渡など)であれば金融機関での手続きは必要ですが、個人保証や担保も買い手側が引き継ぎ解消されるケースが大半です。
創業者利益の獲得
株式譲渡の場合、会社を売却した利益は株主が得るので、オーナー経営者はまとまった現金(創業者利益)を獲得できるのもM&Aのメリットです。
創業者利益はリタイア後の生活資金や新たなビジネスの資金など、自由に使うことができます。
売り手側のデメリット
倉庫会社を売却するM&Aにおいて想定される主なデメリットには、次の2点があります。
スムーズに売却先が見つからない可能性
M&Aを成功させるためには実施タイミングも重要なポイントです。どれだけ魅力的な企業であっても市場動向などのタイミングが合わなければ、なかなか売却先がみつからない可能性もあります。
また、希望条件や価額などをはじめから厳密に決めすぎている場合などは、交渉先がなかなかみつからずに売却のタイミングを逃してしまう可能性も考えられるため、初期段階では希望条件にある程度幅を持たせておくこともポイントです。
M&Aを決断したらできるだけ早期にM&A仲介会社などの専門家に相談すると戦略的に進めていくことができます。
希望の条件で売却できない可能性
M&Aの売却価額や条件は買い手側との交渉によって最終的に決まるため、自社の希望条件どおりに売却できるとは限りません。
売却側はあらかじめそれを理解しておくとともに、好条件でのM&Aが実現できるよう自社の磨き上げを行っておくことも重要です。
物流業界のM&A・事業承継については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
倉庫会社のM&A・事業承継の流れ
倉庫会社のM&A・事業承継の大まかな流れを紹介します。
M&Aの目的や方向性を明確にする
M&Aの具体的な戦略を立てたり相手先を探したりする前に、M&Aを行う目的や方向性(ビジョン)を明確にしておく必要があります。M&Aは経営戦略のひとつですが、すべてのケースにおいてM&Aが有効かというとそうではない場合もあります。
まずは自社がM&Aで果たしたい目的はなにか、M&Aによってどうありたいかを明確にし、本当にM&Aを行うべきなのか(最適解なのか)を含めてしっかり検討することが重要です。
M&A仲介会社などの専門家へ相談する
M&Aを実行する意思が固まったら、相手先企業への希望条件(業種・譲渡価額・条件・売却時期など)を大まかに決めておき、支援業務を依頼する専門家を探します。
自社のみでM&Aを進めることもできますが、交渉先探しやM&Aの手続きなどは専門的な知識や経験が必要となるものが多いです。そのため、専門家に支援を依頼したほうが安全かつ効率的に進めることができます。
M&Aの相談先はM&A仲介会社などさまざまなところがありますが、自社の目的に合った専門家を選ぶことがポイントです。選ぶ際は、支援実績のほかに得意業種やサポート範囲、手数料体系などを確認し、総合的に判断するとよいでしょう。
M&Aの候補先を選定する
M&A仲介会社に支援業務を依頼した場合、希望条件に合う企業をリストアップした「ロングリスト」を担当M&Aアドバイザーが作成してくれます。
そこから業種・規模・事業内容・エリア・期待できるシナジーなどから数社に絞り込んだ「ショートリスト」を作成し、さらに絞り込んで交渉を行いたい企業を決めるという流れが一般的です。そして、交渉したい相手先が決まったらM&A仲介会社を通して交渉を打診します。
秘密保持契約の締結
相手先企業にM&A交渉を打診するときは、「ノンネームシート」という資料を使用します。ノンネームシートとは社名や詳細な所在地など自社が特定されるような情報は記載せず、大まかな地域や簡単な事業内容をまとめた資料です。
そして、ノンネームシートをみた相手先企業がM&A交渉に進む意向であれば、秘密保持契約を両社間で結び、詳細情報を記載した企業概要書を提出します。
ノンネームシートとは違い、企業概要書には社名・詳細な所在地・財務情報・技術やノウハウなどの秘密情報が記載されているため、情報漏洩を防止する必ず秘密保持契約を締結することが重要です。
トップ面談を行う
トップ面談は、売り手側・買い手側の経営者同士が直接顔を合わせ、経営理念や互いの人柄など書面ではわかりにくい部分を確認し、相互理解を深めるための場です。
通常、トップ面談では資料では価額などの具体的な交渉はせず、M&A後の方向性や想定されるシナジー、企業概要書で分かりにくかった点についての確認などを行います。
トップ面談後は譲受側から「意向表明書」が出されるケースが多く、これはM&A(譲受)について前向きである意向を示す書面です。なお、意向表明書の提出は義務付けられているわけではないため、省略されるケースもあります。
基本合意書を締結する
トップ面談後、双方の企業がM&A成立を目指す意向であれば譲渡価額・条件・M&A手法・完了までのスケジュールなどさらに細かな部分を交渉し、M&A内容に大筋合意が得られた段階で基本合意契約を締結します。
注意点は基本合意書そのものには法的な拘束力がないということです。独占交渉権などの一部内容には例外的に法的拘束力は持たせるケースがほとんどですが、基本合意書を締結したからといってM&A成立が保証されるわけではありません。
買い手側企業によるデューデリジェンス
基本合意締結後、買い手側はM&A実行可否や価額・条件の妥当性を判断するため、売り手側企業に対するデューデリジェンスを行います。
M&Aのデーディリジェンスとは、対象企業(売り手)の財務・人事・法務・ITなどさまざまな分野から買収に際してリスクや問題点があるか、売り手側企業が開示した情報は実態に則しているかを調査することです。
買い手側企業が主体となって行うものであり、各分野の調査は士業などを専門家が行います。売り手側企業はデューデリジェンスの協力を求められたら誠実に対応することが大切です。
最終交渉と最終契約書の締結
デューデリジェンス完了後、買い手側がM&A(買収)を実行すると判断したら最終合意へ向けた交渉へと進み、取り決めた事項すべてに売り手側と買い手側が最終合意した時点で最終契約を締結します。
最終契約書には、M&A対象の範囲・譲渡価額・条件・競業避止義務・表明保証・クロージング条項・対価の支払い方法などが記載され、記載事項のすべてが法的拘束力をもつため、締結以降の一方的な破棄および変更は原則認められません。
そのため、最終契約締結前は記載内容すべてにしっかり目を通し、よく理解しておくことが重要です。また、売り手側はクロージング条件をしっかりと確認しておく必要があります。
クロージング条件とはクロージングを実行するための前提条件であり、もし予定日までに条件を満たせない場合は実行日の延期や、その理由によってはM&A取引が白紙撤回されることもあるので注意しておきましょう。
クロージングを実行する
売却対象の経営権を売り手側から買い手側へ移転させ、対価の支払い手続きを行う工程をクロージングといいます。
前述したとおりクロージング条件を売り手側が満たしていることがクロージング実行の前提となるので、準備期間として最終契約締結から一定期間をあけることが多いです。そして、このクロージングをもってM&A取引は完了となり、M&A有効性が法的に認められます。
倉庫会社のM&A・事業承継の3つの注意点
倉庫会社のM&A・事業承継で意識しておきたい注意点をご紹介します。
①慎重に売却先を選定する
M&Aを進めていると、思いもよらず複数社からの買収打診を受けることがあります。これ自体は良いことなのですが、相手先によって売却価額や諸条件が変わってきます。
そんな時には、M&Aを検討し始めた当初の目的をあらためて思い返し、目的のぶれない売却先の選定をしましょう。
②準備期間を十分確保し売却に臨む
M&Aのプロセスは多岐にわたるため、完了までに長い期間を必要とします。半年から1年程度は最低でもかかると考えて準備を始めることが重要です。
③情報漏洩をしない
最後に、M&Aは絶対に他言無用です。M&Aの噂が外部に漏れてしまうことで、「業績が悪いのではないか」、「新しい経営策があるのではないか」など、根拠がない話に飛躍し、ネガティブなイメージを拡散してしまう場合あります。
また、正当な理由もなく取引先から契約解約を求められる場合や、顧客や従業員が離れる可能性があります。これまで誰かに事業を引き継ぎたいと願って運営してきたとしても、少しの油断で事業運営ができなくなってしまうこともあるのです。
M&Aは「秘密保持に始まり秘密保持に終わる」と言われるほどですので、注意してください。
倉庫会社のM&A・事業承継の相場
倉庫会社のM&A・事業承継の相場について解説します。
大まかな相場
倉庫会社だけでなく他業界のM&Aでも、画一的な相場価額は存在しません。なぜなら、一概に提示できるほど、会社の経営状況は単純ではないためです。しかし、M&Aの予算を考えるうえで、相場と費用に関して事前にある程度の目安を付けておく必要はあります。
大まかな相場の計算方法は以下の通りです。
- 倉庫会社の相場価額 = 時価純資産 + 営業利益 × 2〜5年
M&Aの手数料
M&Aの相場・費用を知りたい場合、M&A仲介会社などの専門家に相談して予算を把握すると良いでしょう。M&Aを正式に進めていく場合、M&A仲介会社の存在は必要不可欠ですが、M&Aの費用にはM&A仲介会社に支払う手数料も含まれます。
M&A仲介手数料については、相談料・契約金・中間報酬・成功報酬と数回に分けて費用が発生する会社もあれば、M&A成約まで費用が一切発生しない完全成功報酬制を採用する会社もあります。ただし、両者のサービス内容の差は実質的にほとんどありません。
倉庫会社の積極買収企業一覧
ここでは、倉庫会社を含む物流事業を手掛ける会社を積極的に買収している企業を一覧にして紹介します。
企業名 | 事業の概要 | アピールポイント |
コントラクト | ・千葉県を中心に11の物流センターを持ち、物流センター・運送・物流支援事業を展開する総合物流サービス会社 ・高い技術力と提案力で多様な物流サービスを提供 |
・社名、理念、従業員の雇用などをしっかりと承継 ・業務効率化などのノウハウを取り入れて、より良い会社になるよう努めていく |
ロジザード | ・クラウド型の倉庫/在庫管理システム、店舗在庫管理システムのサブスクリプション提供がメイン事業 ・EC市場の黎明期から通販向け機能の強化を進め、昨今ではO2O向けのサービスにも注力 |
・設立以来20年近く「在庫管理クラウド」ひと筋に携わってきた在庫管理のプロフェッショナル ・サービスの導入社数は1,200社以上 ・EC市場の拡大に伴い顧客数は毎年10%超の勢いで増加 |
カクヤスグループ | ・東京23区を中心に「なんでも酒やカクヤス」を展開する酒類販売事業者 ・約180カ所の店舗・業務センター網を構築し、個人向け・業務用向けに無料配達サービスを展開 |
・東京23区内なら「1本から」「1時間枠」でお届けできる精度の高い物流プラットフォームが武器 ・プラットフォームをともに拡大していけるパートナーを求めている |
物流事業の売却額については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
倉庫会社のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っている倉庫会社のM&A・事業承継の案件例をご紹介します。
【関東地方】食品を中心とした流通加工・倉庫業を手掛ける企業
食品を中心とした流通加工全般を一気通貫で請け負う企業です。基本的に外注を使わず、すべて自社完結しています。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億5,000万円(応相談) |
譲渡理由 | 後継者が不在のため、事業の継続ため譲渡検討 |
【平均年齢35歳/ドライバー20名以上】九州管内一円を配送網とする運輸・倉庫業
荷主からの一次請けが8割超です。複数の拠点を保有しており、九州エリア全体と四国、広島までの配送網を持っています。
エリア | 九州・沖縄 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 応相談 |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
倉庫会社が買収するM&A・事業承継の事例
「倉庫会社のM&Aを行う前に、どのような事例があるのかを確認しておきたい」という経営者の方も多いはずなので、ここでは倉庫会社のM&A事例を詳しく紹介します。
安田倉庫によるHIROMIカンパニーの買収
2023年12月、安田倉庫は愛知県のHIROMIカンパニーの子会社化を発表しました。本M&AはHIROMIカンパニーの子会社であるオリエント・サービスのグループ化が目的です。
オリエント・サービスは一般貨物自動車運送業を手掛けており、本M&Aによって安田倉庫グループは中京エリアにグループ初の倉庫拠点を持つこととなります。
安田倉庫は中京エリアのネットワークを取り込み、現在保有している関東と関西をつなぐ拠点として活用することで、さらなる事業の拡大・発展に期待できるとし本M&Aに至りました。
ヤマタネによるショクカイの買収
2023年8月、倉庫業や運送業などを手掛けるヤマタネは、東京都台東区のショクカイを子会社化すると発表しました。
子会社となるショクカイは、弁当・給食用食品の卸売事業を手掛けており、業界ではトップのシェアを保有しています。
ヤマタネはショクカイを子会社化することで、自社の取引先である量販店などでの事業強化およびサービス拡大に期待できるとし、本M&Aに至りました。
三菱倉庫による米国および英国物流会社の買収
2023年4月28日、三菱倉庫は米国及び英国で物流を提供する4社を傘下にもつCavalier Logisticsグループの90%相当を取得し、子会社すると発表しました。本件M&Aの取得価額は非公開です。
買収側の三菱倉庫は物流を中心として賃貸事業や不動産開発を手掛ける大手企業です。陸上・海上・航空運輸による国際輸送業を加え、包括的でグローバルな物流サービスを提供しています。
また、Cavalier Logisticsグループは、米国及び英国内で主にバイオ医薬品、ヘルスケア等一般企業向け並びに米国政府機関向けのロジスティックスソリューションに特化した高度なサプライチェーンを構築し、近年業績を伸ばしている物流企業です。
三菱倉庫は米国・欧州における医療・ヘルスケア物流の事業拡大を長期ビジョンに据えており、そのための営業体制を築くことを狙ってCavalier Logisticsグループを買収しました。
安田倉庫によるエーザイ物流の買収
2022年12月28日、安田倉庫はエーザイの子会社であるエーザイ物流の株式すべてを取得し完全子会社化すると発表しました。本件M&Aの取得価額は非公開です。
エーザイ物流は、1991年4月にエーザイの100%子会社として設立され、主にエーザイグループ製品の物流関連業務を担い、安定供給に貢献するとともに、サードパーティ製品の取り扱い実績も多く、医薬品物流に特化した豊富な経験とノウハウを有する企業です。
安田倉庫は、エーザイ物流の持つ医療用医薬品配送ネットワークと安田倉庫グループの持つ倉庫運営経験を融合させることで、安田倉庫グループの成長戦略の重要な柱であるメディカル物流事業におけるサービスの向上、拠点の拡充など、これまで以上に高品質なメディカル物流サービスの実現につながると判断しました。
国分ロジスティクスによる中島運送の買収
2021年9月、国分ロジスティクスは、中島運送の株式すべてを取得し完全子会社化すると発表しました。本件M&Aの取得価額は非公開です。
買収側は、国分グループ唯一の総合物流会社として、一般貨物自動車運送業、軽貨物運送事業等の物流事業、倉庫事業などを手掛けている企業です。対する売却側は、東京都世田谷区を拠点に、一般区域貨物自動車運送を手掛ける企業です。自社車両36台および協力会社6社の体制で事業展開しています。
トラック運送業界はドライバーの慢性的な人材不足に悩まされており、2024年より適用されるドライバーの時間外労働時間の上限規制等によってさらなる加速化が想定されています。
そこで、国分ロジスティクスは、本件M&Aを通じて、首都圏エリアでの配送機能の強化および今後のさらなる業容の拡大を推進し、国分グループの物流事業拡大の加速化を図っています。
廣済堂によるエヌティとNeoの買収
2021年4月、廣済堂は、エヌティとNeoの株式すべてを取得し完全子会社化すると発表しました。本件M&Aの取得価額は合計4億1,900万円と発表され、内訳はエヌティが3億6,900万円、Neoが5,000万円です。
買収側は、印刷事業を中核事業とする日本の企業・グループです。本社は東京都港区にあり、印刷・フリーペーパーを展開しています。なお、2021年10月1日に持株会社体制に移行し、「広済堂ホールディングス」に商号変更しました。対する売却側は、主に物流倉庫業への人材派遣を手掛ける企業です。
廣済堂は、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要および宅配需要の高まりを受けて、引き続き堅調な業績が見込めると判断して、M&Aによる買収を決めました。
倉庫会社が売却するM&A・事業承継の事例
続いて、倉庫会社が売却するM&A・事業承継の事例をご紹介します。
イムラによるロジテックの買収
2023年4月3日、イムラはロジテックの株式すべてを取得し完全子会社化すると発表しました。本件M&Aの取得価額は非公開です。
買収されたロジテックは、イムラと西川運輸倉庫の共同出資により、物流コスト全般の削減を目的に設立されました。設立時に西川運輸が90%の株式を取得しています。
買収側のイムラは「製品を生産して販売する会社」から、製品にサービスを付加し、更に高いお客さま満足を獲得する「製造業からサービス業」、更にお客さまの課題に適切なソリューションを提供する「ソリューションプロバイダーへの深化」を標榜しており、ロジスティクス分野の強化は喫緊の課題だと考えていました。
イムラは今回の買収目的を「物流サービス業」への足掛かりを確保し、「荷主企業視点の物流子会社」を保有することとしています。
アウトソーシングによるサンキョウ・ロジ・アソシエートの買収
2022年4月1日、アウトソーシングは株式会社サンキョウ・ロジ・アソシエート及びその完全子会社で人材ビジネスを展開する6社からなるサンキョウ・ロジ・アソシエートグループ(以下、SLAグループ)の株式すべてを取得し完全子会社化すると発表しました。本件M&Aの取得価額6,234百万円です。(アドバイザリー費用含む概算値)
買収されたSLAグループは、関東、東北、関西、中国の各エリアにて倉庫内作業向けに人材派遣や業務請負事業を展開しています。長年にわたり倉庫内業務に携わってきた豊富な経験とノウハウを活かした、業務の効率化や作業品質の改善などの提案力を強みとすることで、優良顧客基盤を有しています。
製造業をメインに人材派遣を行うアウトソーシングは、SLAグループがコロナ禍においても影響を受けにくい物流事業をはじめとする事業を保有していることや、アウトソーシングの持つ営業力・採用力を活かしたシナジー発揮などを目的としています。
センコーによるUACJ物流の買収
2021年1月、センコーは、UACJより、そのグループ会社「UACJ物流」の株式66.7%を取得しました。本件M&Aの取得価額は31億100万円です。
買収側は、大阪府大阪市を拠点に、運送・保管・流通加工などのサービスを提供する企業です。コンサルティング・システムの設計運営・オペレーションなど、包括的なサービスを支える強みを持っています。
対する売却側は、長年にわたりUACJ製品の重量貨物運送や倉庫運営などを担っており、非鉄金属製品の輸送に関わる多くのノウハウを有している企業です。
本件M&Aにより、買収側では、重量物輸送を得意とするセンコーエーラインアマノとの連携を通じたさらなる事業拡大・生産性の向上・センコーグループの輸送力の確保および増強、UACJグループとの取引拡大などを図っています。
また、売却側では、買収側の持つ多くのリソースとノウハウを活用し、さらなる事業の発展を図っていくとしています。
センコーによるナガセ物流の買収
2020年12月、センコーは、化学系専門商社として売上高国内トップを誇る「長瀬産業」のグループ会社で、化学品の保管・配送管理などを手掛けている「ナガセ物流」の株式のうち過半数を取得して子会社化しました。株式取得金額は公表されていません。
買収を行ったセンコーは総合物流企業です。M&Aの目的は、事業規模の拡大にありました。
倉庫会社のM&A・事業承継まとめ
インターネット通販の拡大に伴い、倉庫業界では市場拡大の傾向にあります。競争激化により競争力強化や事業拡大を図る必要性が高まっており、今後はますますM&A・事業承継が活発化する見込みです。
そのため、今後は倉庫会社だけでなく物流業界全体において、M&Aの目的や対象事業などが多様化していくものと推測されています。
効果の高いM&A・事業承継を実現するためには、他社のM&A動向を分析しながら物流業界の未来図を想定して検討する必要があるでしょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。