M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年9月13日更新都道府県別M&A
北海道・札幌の事業承継・M&A!案件一覧や公的機関の支援も解説
北海道・札幌市は中小企業の後継者不在率が高く、将来的に廃業企業数が増加すると考えられます。後継者不在で事業承継できない場合は、M&Aの活用が有効です。この記事では、北海道・札幌近郊の事業承継・M&Aを解説します。
目次
北海道・札幌の事業承継・M&A
日本の最北で広大な面積を有する北海道・札幌市において、中小企業の割合は99.8%を占め、北海道の経済を支えています。しかし、少子高齢化に伴う中小企業の後継者不足・事業承継問題は、北海道も例外ではありません。
その実情を確認するため、帝国データバンクの道内企業「後継者不在率」動向調査(2023)から、ポイントとなるデータを以下に抜粋して掲示します。
- 後継者不在率、過去最低の66.5%に低下:前年比1.6ポイント改善 後継者問題の解消が進む
- 60代の後継者不在率は60%を下回る:都道府県間で改善傾向に差が顕著
- 事業承継で「内部昇格」の割合が増加:「脱ファミリー」化が加速
- 後継者候補に「非同族」の割合が増加:「子ども」への事業承継は減少傾向
60歳以上の経営者のうち、60%以上が将来的に廃業を検討しており、その中で「後継者難」を理由に廃業を予定しているケースが約3割に上る状況です。
現在、後継者問題の改善が急速に進んでいるものの、事業承継のプロセス中に予期せぬ事態が発生し、円滑に進まない事例も多く見られます。後継者が決定した後のサポートも重要な課題となっているのです。
こうした状況を問題視した国と自治体は、数年前から公的な事業承継支援制度を開始しました。その結果、後継者不在企業において、M&Aによる事業承継を実施するケースが増えつつあります。
参考:帝国データバンク「北海道「後継者不在率」動向調査(2023年)」
北海道地方の経済状況
北海道本島と508の島で構成されている北海道は、面積83,424㎢(2018年10月1日現在)、人口5,187,709人(2021年11月末日現在)です。「北海道経済要覧2021」によると、2019(令和元)年の北海道の道内総生産額(名目)は、20兆4,646億円でした。
道内総生産額(名目)の産業別の構成比は以下のとおりです。
- 卸売・小売業:13.5%
- 不動産業:11.1%
- 製造業:9.4%
- 保健衛生・社会事業:11.2%
- 専門・科学技術、業務支援サービス業:7.3%
- 運輸・郵便業:7.4%
- 公務:7.0%
- 建設業:7.9%
- その他のサービス業:4.1%
- 農林水産業:3.9%
- 教育:4.0%
- 情報通信業:3.0%
- 電気・ガス・水道・廃棄物処理業:3.5%
- 金融・保険業:3.3%
- 宿泊・飲食サービス業:2.5%
- 鉱業:0.1%
- ※構成比の合計値が100%になりませんが資料の数値をそのまま掲載しています。
全国平均の構成比と比べた北海道の特徴は、農林水産業、建設業、運輸・郵便業、公務の比率が高いことです。逆に、製造業の比率が全国平均20.1%の約半分となっています。
参考:北海道経済部経済企画局経済企画課「北海道経済要覧2021」
北海道・札幌のM&A件数の推移
M&A Onlineの調べによると、北海道の企業が関係したM&A件数は、ここ3年間で以下のように推移しています。なお、この数値は、情報公開が義務付けられている上場企業の発表のうち、グループ内再編M&Aを除外した件数です。
- 2018年:15件
- 2019年:17件
- 2020年:25件
2020年の25件は、都道府県別に見ると全国で10位でした。北海道でも着実にM&Aが浸透してきていることがわかります。また、公表されていない非上場企業のM&Aを加味すると、実際にはもっと多くのM&Aが行われているはずです。
北海道・札幌の事業承継・M&A事例
ここでは、北海道・札幌市近郊の企業が実際に行った事業承継・M&Aの事例を紹介します
北海道ロジサービスによる物流会社4社と青果卸1社の事業承継・M&A
2024年5月、コープさっぽろグループの中核企業である北海道ロジサービスは、アイアイ・テーをはじめ、その関連企業であるウィルキャリー、ロジエンス北海道、デリバリー、およびオリエンタルフーズの全株式を取得しました。
具体的には、これら5社の持株会社であるNSSK-MおよびNSSK-MMの全株式を、日本産業推進機構グループが管理する投資事業有限責任組合を通じて取得しました。
北海道ロジサービスは、自動車運送事業および物流センターの管理・運営を行っており、アイアイ・テーは一般貨物自動車運送業と物流センターの運営を行っています。
ウィルキャリー、ロジエンス北海道、デリバリーの3社は一般貨物自動車運送業を営み、オリエンタルフーズは青果卸売業を行っています。
今回の株式取得の背景には、「物流2024年問題」に対応するための基幹物流の強化と、今後迫る「2030年問題」に備えた労働力確保が挙げられます。これにより、末端物流を支える重要な基盤の強化を目指します。
イオン北海道による西友の北海道9店舗の事業承継・M&A
2024年4月、イオン北海道は、西友が北海道地域で展開するGMS事業を吸収分割の方法で承継することを決定し、同日に西友との間で契約を締結しました。今回の吸収分割は、イオン北海道が掲げる2025年までの中期経営計画に基づき、競争力の維持・向上を図るために行われます。
西友から承継する9店舗を、イオン北海道のマルチフォーマットを活用して最適な店舗に改装し、店舗価値の最大化を目指します。また、プライベートブランド商品の提供や物流コストの低減を通じて、企業価値のさらなる向上を図ることを目的としています。
ヒノキヤグループによるイゼッチハウス北海道と大洋建設の事業承継・MA&
2023年10月、ヒノキヤグループはイゼッチハウス北海道および大洋建設の全株式を取得し、両社を完全子会社化することを決定しました。
ヒノキヤグループは住宅、断熱材開発、リフォーム、不動産投資などを手掛けるヤマダホールディングスのグループ企業であり、今回の子会社化により、北海道エリアでの事業展開を開始します。
2024年5月には、札幌市内に「桧家住宅」ブランドで全館空調システム「Z空調」搭載の住宅展示場をオープンし、さらに2か所の展示場も同年内に開設しています。これにより、北海道での認知拡大と営業活動の強化を図ります。
ホクリヨウによるトーチクの事業承継・M&A
2022(令和4)年1月、北海道札幌市のホクリヨウは、同じく北海道札幌市のトーチクから鶏卵生産販売事業の譲渡することを発表しました。事業譲渡予定日は同年4月、譲渡対価は概算で5億円です。
ホクリヨウは、鶏卵の生産・販売事業と加工卵(液卵、温泉卵)の製造・販売事業を行っています。トーチクは、イセファーム東北の完全子会社で養鶏業を行っている企業です。
本M&Aにより、ホクリヨウは、生産販売基盤の強化、製品ラインナップの多角化実現を図るとしています。
サツキャリによるブライトサッポロの事業承継・M&A
2021(令和3)年12月、北海道札幌市のサツキャリは、同じく北海道札幌市のブライトサッポロから量販店における推奨販売事業を譲受しました。なお、譲渡価額は公表されていません。
インパクトホールディングスの連結子会社であるサツキャリは、マネキン紹介・人材紹介・人材派遣・業務委託事業などを行っています。ブライトサッポロは、人材紹介・人材派遣を中心とした人材サービス事業を行っている企業です。
サツキャリは、北海道における推奨販売事業の維持・拡大を目的として、本M&Aに至りました。
ミナトホールディングスによるエクスプローラの事業承継・M&A
2021年12月、東京都のミナトホールディングスは、北海道函館市のエクスプローラの全株式を取得し完全子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。
ミナトホールディングスは、メモリーモジュール事業、テレワークソリューション事業、デバイスプログラミング事業、ディスプレイソリューション事業、システムソリューション事業などを行うグループの持株会社です。
エクスプローラは、PALTEXの完全子会社としてソフトウェア設計事業、ハードウェア設計・製造事業などを行ってきました。
本M&Aにより、ミナトホールディングスは、グループの画像関連事業などとのシナジー効果創出が期待できるとしています。
D&Dホールディングスによる室蘭ダイヤモータースの事業承継・M&A
2021年12月、東京都のD&Dホールディングスは、北海道室蘭市の室蘭ダイヤモータースの全株式を取得し完全子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。
D&Dホールディングスは、北海道で三菱ディーラーとして自動車販売事業およびその関連事業を行っているグループの持株会社です。室蘭ダイヤモータースは、自動車の販売(新車・中古車)・整備、自動車のリース、自動車保険・各種損害保険代理業を行っています。
D&Dホールディングスとしては、北海道におけるグループの事業展開をさらに強化する考えです。
北海道・札幌の事業承継・M&A案件一覧
ここでは、M&A総合研究所が取り扱っている事業承継・M&A案件情報の中から、公開可能な北海道の企業の案件を紹介します。詳細をお知りになりたい経営者様は、お気軽にM&A総合研究所へお問い合わせください。
【医療法人・NetCash5000万円】北海道の総合クリニック
近隣に競合他社がほぼおらず、小規模ながら幅広い診療科を備える地域総合クリニックです。無借金で財務良好、行政からの手厚い支援により高収益モデルを実現しています。
エリア | 北海道 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡理由 | 他事業への集中 |
【北海道×製麺・中華惣菜製造業】自社オリジナル商品多数
北海道エリアにて、製麺・中華惣菜製造業を営む企業です。自社に蓄積されたノウハウやレシピから、多数のオリジナル商品の開発実績があり、取引先からの信頼が高いです。
エリア | 北海道 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 事業成長のため、主に営業力の強化目的 |
【事業譲渡 / 結婚式場】 北海道の好立地
北海道で抜群の好立地でアクセス条件に優れています。自然を基調とした本格チャペルで顧客満足度が高いです。
エリア | 北海道 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 事業ポートフォリオの入れ替えのため |
【北海道/財務良好】廃棄物処理プラントの製造販売および産業廃棄物処分業
一般および産業廃棄物収集運搬・処理の許認可を保有しており取扱品目が多いです。独自技術を生かした廃棄物処理プラントを開発しており、引き合いは強く、今後大きな成長が見込まれます。
エリア | 北海道 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 希望なし |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【大手メーカーから直接仕入れ】化粧品小売店の2店舗運営
ショッピングモール内で化粧品の小売店を2店舗運営しています。30代~50代の年齢層に対して、化粧品販売を行っています。
エリア | 北海道 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
事業承継・M&A時におすすめの相談先
本章では、北海道・札幌市近郊での事業承継・M&A時におすすめの主な相談先をご紹介します。
公認会計士・税理士・弁護士などの士業
公認会計士や税理士、弁護士は、M&Aのプロセスにおいて財務および税務、法務のデューデリジェンスを担当します。買収企業にとって、買収対象の企業や事業にリスクがないか、また買収金額が適正かどうかを判断する際に、このデューデリジェンスの結果が重要な判断材料となります。
また、売却企業の価値評価(バリュエーション)を行うこともあり、税務デューデリジェンスでは、適用可能な税制優遇制度がないかの確認も行います。通常、同じ会計事務所グループが財務と税務のデューデリジェンスを一括で行うことが多く、業務の効率化が図られます。
多くの企業は顧問の会計士や税理士、弁護士を雇用しており、すでに信頼関係が築かれていることが一般的です。これらの専門家は自社の会計や税務の状況をよく把握しているため、迅速で相談しやすい点が大きなメリットです。
一方、公認会計士や税理士、弁護士は財務や税務、法務のデューデリジェンスには精通していますが、M&A全般の業務を扱っていない、あるいはその経験が少ない場合もあります。また、相手企業の探索は彼らの専門外であるため、サポートできる範囲が限られている点がデメリットと言えます。
金融機関
最近では、金融機関がM&A支援に特化した部署を設置するケースが増えており、特に投資銀行やメガバンクがファイナンシャルアドバイザー(FA)としての役割を果たすことが多くなっています。
M&Aを進める際に、金融機関は不可欠なパートナーであり、特に買収側では資金調達に関する協議が必要になることが多いため、重要な存在です。取引のある金融機関がある場合、まず相談を検討する候補になるでしょう。
金融機関に相談する大きな利点は、資金調達に関する専門的なアドバイスを受けられることです。事業承継において、親族や従業員が後継者となる場合でも、株式を買い取るための資金が必要になることがあります。
こうした場合、金融機関のサポートは非常に有益です。また、金融機関の中には、M&A専門の部署や各種専門家との連携を持つところもあり、必要に応じて適切な専門家を紹介してもらえる場合もあります。
一方で、大手金融機関は主に大規模なM&A案件を扱うことが多く、中小規模の案件には対応しないことがあります。また、仲介ではなくアドバイザリー形式を採用している金融機関が多く、その場合、報酬が高額になる点もデメリットといえます。
公的機関
昨今では、公的機関でも事業承継・M&Aの相談に対応しています。
例えば、事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業が抱える後継者問題に対応するための公的相談窓口です。事業承継やM&Aによる引継ぎに関する情報提供、アドバイス、マッチングなどを行っています。2021年4月に、全国の中小企業の事業承継問題解決を目指して設立され、各地のセンターで専門家が無料で相談に応じています。
全国47都道府県に窓口が設置されており、地方の企業でも気軽に利用できるのが大きな利点です。国が運営しているため相談料が無料で、利害関係がないことから、公平なアドバイスが受けられます。必要に応じてM&A仲介会社や各種士業の専門家を紹介してもらうことも可能で、個人事業主の事業承継にも対応しています。
一方、国が運営しているため、支援のスピードに限界がある場合があります。また、民間のM&A仲介会社などと比較すると、サポートの実績やサービスの充実度に差がある点もデメリットとなり得ます。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、M&Aを専門にサポートする企業で、売り手と買い手の両者と契約を結び、中立的な立場で交渉をまとめます。これらの仲介会社は、初期相談から相手先の選定、スケジュール管理、企業価値の評価(バリュエーション)、必要書類の作成まで、M&Aの全過程を支援することが一般的です。
仲介会社は、売り手と買い手の希望条件や意見を考慮し、双方が納得できる妥協点を見つけ、M&Aの成立を目指します。
M&A仲介会社の最大の利点は、多くの候補企業の中から最適な相手を見つけられる点です。これにより、売り手と買い手が満足できるM&Aが実現しやすくなります。
また、M&A仲介会社の多くは、初めてのM&Aでもスムーズに進められるよう、一貫したサポートを提供します。さらに、具体的なアドバイスや相手企業とのコミュニケーションを円滑に進めることで、M&Aの成功率が高まります。
一方で、仲介会社によっては、着手金や中間金が発生する場合があり、コスト面での負担が懸念されることもあります。初期相談のコストを抑えるためには、M&A総合研究所のように成功報酬制を採用している企業を選ぶのがおすすめです。
北海道・札幌の事業承継・M&Aに関する公的支援
中小企業庁からの委託事業として、全国の都道府県では事業承継・引継ぎ支援センターが設置され、日々、中小企業向けに公的な事業承継支援が行われるようになりました。各地域によって事業承継問題の実状はさまざまですから、具体的な事業承継支援策は各自治体に任されています。
北海道では、北海道事業承継・引継ぎ支援センターが開設される以前から、北海道中小企業総合支援センターが中小企業の経営支援を行ってきており、事業承継についても事業承継サポートネットワークを組織して活動してきました。
北海道中小企業総合支援センターは、財団法人北海道中小企業振興公社と社団法人北海道商工指導センター、財団法人北海道中小企業振興基金協会の3つが統合されて、2001(平成13)年4月に財団法人として設立され、2011(平成23)年11月から公益財団法人になっています。
北海道事業承継・引継ぎ支援センター
北海道事業承継・引継ぎ支援センターは、北海道の中小企業の事業承継について、親族内承継・社内承継・M&Aによる事業承継のいずれの場合でも支援対応しています。
北海道事業承継・引継ぎ支援センターの独自事業として行っているのが、北海道後継者人材バンクです。
北海道後継者人材バンクとは、既存の中小企業の事業承継を希望する起業家と、後継者不在の中小企業をマッチングするサービスになります。公的機関のマッチングですから、無料サービスです。
事業承継サポートネットワーク
北海道内を6地域に分けサポートネットワークを構築しています。主な参画機関は以下のとおりです。
【行政機関】
- 北海道および各市町村
- 経済産業省北海道経済産業局
- 財務省北海道財務局
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構北海道本部
【関係支援機関】
- 公益財団法人北海道中小企業総合支援センター
- 公益財団法人函館地域産業振興財団
- 一般財団法人旭川産業創造プラザ
- 公益財団法人とかち財団
- 一般社団法人北見工業技術センター運営協会
- 公益財団法人オホーツク財団
- 公益財団法人釧路根室圏産業技術振興センター
- 一般財団法人さっぽろ産業振興財団
【公的機関】
- 北海道事業承継・引継ぎ支援センター
- 中小企業庁北海道よろず支援拠点
【商工団体】
- 北海道商工会連合会および各地の商工会
- 北海道商工会議所連合会および各地の商工会議所
- 北海道中小企業団体中央会
- 一般社団法人北海道中小企業家同友会
【公的金融機関】
- 日本政策金融公庫(北海道内全9支店)
- 北海道信用保証協会(北海道内全9支店)
【金融機関】
- 北洋銀行
- 北海道銀行
- 北海道信用金庫
- 北央信用組合
- 札幌中央信用組合
- 空知信用金庫
- 北門信用金庫
- 北空知信用金庫
- 空知商工信用組合
- 室蘭信用金庫
- 苫小牧信用金庫
- 伊達信用金庫
- 日高信用金庫
- 道南うみ街信用金庫
- 渡島信用金庫
- 函館商工信用組合
- 旭川信用金庫
- 北星信用金庫
- 留萌信用金庫
- 稚内信用金庫
- 帯広信用金庫
- 十勝信用組合
- 釧路信用金庫
- 釧路信用組合
- 北見信用金庫
- 網走信用金庫
- 遠軽信用金庫
【士業団体】
- 北海道弁護士会連合会
- 日本公認会計士協会北海道会
- 北海道税理士会
- 北海道行政書士会
- 札幌司法書士会
- 一般社団法人中小企業診断協会北海道
北のふるさと事業承継支援ファンド
北のふるさと事業承継支援ファンドとは、北海道中小企業総合支援センターが運営者および無限責任組合員となって組成された投資事業有限責任組合です。親族外の後継者が事業承継をするにあたり、先代経営者に支払う株式取得資金不足に対する援助を目的としています。
親族外後継者とは、社内承継とM&A承継のケースです。投資が実行されるには、定められた要件を満たしたうえで審査を通らなければなりません。投資の内容としては、後継者に代わってファンドが株式取得代金を先代経営者に支払い、ファンドが株式を所持します。
投資実行時に定めた期限が到来したら、後継者はファンドに対し株式代金を支払い、その段階で正当な株式所有者となる仕組みです。ファンドの規模は5億円で、投資上限額は1件あたり3,000万円までとなっています。
有限責任組合員として北海道が2億5,000万円出資し、北洋銀行、北海道銀行、北海道信用金庫、旭川信用金庫、北見信用金庫、北央信用組合が合計で2億4,900万円出資した官民ファンドです。残りの100万円は、北海道中小企業総合支援センターが出資しています。
なお、申込期間の締め切りは2023(令和5)年3月31日までで、運用期間は令和15年3月31日までとなっています。
札幌市事業承継マッチングポータルサイト
札幌市は、札幌市とその周辺に位置する合計12市町村の中小企業の事業承継が円滑に進むように、事業承継を希望している中小企業の情報をウェブサイト上に公開し、その事業引継ぎを希望する相手を探すマッチングポータルサイトの運営を行っています。
さっぽろ連携中枢都市圏と呼ばれる対象市町村は、以下のとおりです。
- 札幌市
- 小樽市
- 岩見沢市
- 江別市
- 千歳市
- 恵庭市
- 北広島市
- 石狩市
- 当別町
- 新篠津村
- 南幌町
- 長沼町
北海道信用保証協会の事業承継用資金サポート
事業承継向けの補助金や優遇融資制度は、国や各自治体(都道府県、各市町村)でも行われています。ここでは、北海道信用保証協会が実施している事業承継用資金サポートについて紹介しておきます。
事業承継実施にあたっては、それぞれの立場・状況によって資金用途はさまざまなものがあります。それらにこと細かく対応できるように考えられた資金調達保証サポート制度が、北海道信用保証協会には用意されています。具体的には、以下の7種類の事業承継関連保証制度です。
- 事業承継特別保証
- 経営承継借換関連保証
- 事業承継サポート保証
- 経営承継関連保証
- 特定経営承継関連保証
- 経営承継準備関連保証
- 特定経営承継準備関連保証
問い合わせは、北海道信用保証協会内の事業承継サポートデスクで受け付けています。
北海道・札幌の事業承継・M&Aに関する公的支援の流れ
北海道事業承継・引継ぎ支援センターおよび事業承継サポートネットワークでは、実際に中小企業の経営者から事業承継の相談を受けたとき、どのように対応してくれるのか、誰しも気になるところです。そこで、一般的な事業承継支援の流れの概要を説明します。
第一段階が相談プロセス、第二段階が支援プロセスというのは、大枠としての流れです。また、各相談・支援は基本的に無料で行われていますが、特別な手続きなどのために士業などの専門家に業務を依頼するようなケースでは、費用が発生します。
事業承継相談プロセスの流れ
北海道事業承継・引継ぎ支援センターが全体的な相談窓口とされていますが、まずは中小企業経営者自身が話をしやすい、最寄りの事業承継サポートネットワーク参画機関に相談に行ってみましょう。
ただし、最終的には北海道事業承継・引継ぎ支援センターとの直接相談で次の段階である支援プロセスへと移行することになります。電話相談、出張相談も行われているので、相談方法自体も相談可能です。
事業承継支援プロセスの流れ
相談プロセスでの最終結果として、親族内承継・社内承継か、M&Aによる事業承継かによって、支援プロセスは変わります。それぞれ個別に内容を掲示します。
親族内承継・社内承継の場合
事業承継実施に向けた具体的な準備の支援を受けられます。会社として準備すること、経営者と後継者の当事者間で行う手続きのこと、また後継者の資金調達など、それぞれの事情によって異なるさまざまな準備に対しての適切な専門家の紹介などを受けることも可能です。
また、公的な支援施策の活用アドバイスも受けられます。
M&Aによる事業承継の場合
親族内承継・社内承継が不可能で廃業は行わないという場合、残る方法はM&Aでの事業承継です。この場合、2通りに分岐します。まずは、北海道事業承継・引継ぎ支援センターが保持する情報(後継者人材バンクネット)でマッチングが可能な場合、候補者との対面・面談です。
面談で合意となれば、具体的な手続きに必要な専門家の紹介などのフォローアップ支援が行われます。北海道事業承継・引継ぎ支援センターでのマッチングが不可能なケースでは、M&A仲介会社が紹介されるので話を聞いてみましょう。
正式に依頼することが決まったら、M&A仲介会社と契約し、一般的なM&Aのプロセスに則ってM&A成約に向けた取り組みがスタートします。
北海道・札幌の事業承継・M&Aまとめ
北海道の中小企業の後継者不在率は、減少傾向にあるとはいえ、他の地域と比べればまだまだ高水準です。この傾向に歯止めをかけ、もっと数値を低下させるために、北海道は全国の中でも用いられていないような積極的な事業承継支援策を行っています。
それらの策が実を結べば、数年後には違った北海道が見られることでしょう。本記事の概要は以下のとおりです。
・北海道における事業承継の実態
→社長年齢70歳代以上の会社の後継者不在率46.15%
・事業承継の方法
→親族内承継、社内承継、M&Aによる事業承継
・北海道における公的事業承継支援
→北海道事業承継・引継ぎ支援センター、事業承継サポートネットワークなど
・北海道の公的事業承継支援の流れ
→相談プロセスと支援プロセスに分かれ、サポートされている
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