M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年9月18日更新都道府県別M&A
大阪府の事業承継・M&A案件!動向や事例・相談先も紹介
本記事では、大阪府のM&Aによる事業承継の説明とともに、事例や案件、公的事業承継支援などを解説します。全国と同様に大阪府も後継者不在の中小企業が多く、廃業が多発する可能性が否定できません。大阪府で事業承継・M&Aを検討している方は必見です。
目次
大阪府の事業承継・M&Aの動向
大阪府の事業承継・M&Aの動向を2つのトピックに分けて解説します。
60歳代経営者の半数弱が経営に関する新たな取り組みを開始
大阪府では、「新型コロナウイルスの感染拡大(2020年2月以降)の中で、経営において新たな取り組みを行った」と回答した企業は約44%にのぼりました。代表者の年齢別では、60代の企業は約48%が新しい取り組みを実施したと答えており、70代の企業(約40%)と比べて、約8%高い結果となりました。
業績別に見ると、黒字企業の約48%が新しい経営の取り組みを行ったと回答しており、赤字企業(約41%)と比べて取り組みを進めた企業の割合が高いことが分かりました。
参考:大阪商工会議所「「中小企業の事業承継に関するアンケート調査結果」コロナ禍において、60歳代経営者の5割弱が経営についての新しい取り組みを実施!70歳代は約4割にとどまる」
M&Aによる第三者への事業承継の件数が過去5年間で最高
2019年から2023年にかけて実施された大阪商工会議所の事業承継アンケートの結果を比較すると、「親族に承継したい」という回答は、この5年間で今回が最も低い数値となり、42.2%にとどまりました。
一方、「取引先に譲渡したい」「M&Aで第三者に譲渡したい」「外部から経営者を招きたい」という回答の合計は、5年間で最も高い5.9%を記録しました。また、「廃業予定」という回答も今回が最多で15.7%に達しています。
大阪府の事業承継・M&A案件一覧
弊社M&A総合研究所が取り扱っている大阪府の事業承継・M&A案件一覧をご紹介します。
【無借金経営・駅前好立地】大阪の学習塾
長年の実績から地域に根差し、安定した経営体制が完備しています。教室のキャパシティは余裕があるため生徒数増加による拡大余地もあります。
エリア | 大阪府 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 3,000万円(応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【大阪府】専任媒介契約多数保有/不動産仲介・買取再販業
現在、人員不足なため、反響数をセーブしている状態です。営業人員の増員により更なるアポイント・専任物件数の増加が大幅に見込めます。
エリア | 大阪府 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 事業存続に対する不安 |
【大阪エリアの好立地物件所有】不動産仲介・売買・賃貸業
大阪府にて不動産業を展開する企業です。資産価値の高い収益不動産を4棟保有(所有不動産の土地評価額は8億8,000万円超)しています。
エリア | 大阪府 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 5億円〜7.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継)、事業存続に対する不安、資金調達 |
大阪府の事業承継・M&A事例
大阪府の事業承継・M&A事例をピックアップしてご紹介します。
バイセルによるレクストHDの事業承継・M&A
2024年8月14日、BuySell Technologies(7685)は、レクストホールディングス(大阪府大阪市、以下「レクストHD社」)の発行済株式の一部を取得し、さらにBuySell Technologiesを完全親会社、レクストHD社を完全子会社とする株式交換を実施することを決定しました。
レクストHD社は、複数の子会社を抱える持株会社で、主にリユース事業を展開していますが、今回の株式取得と株式交換に先立ち、会社分割を通じて不動産事業などを分離します。この結果、リユース関連の子会社のみがBuySell Technologiesの完全子会社となる予定です。
目的としては、両社が持つ経営資源を活用し、日本国内に存在するとされる約66兆円規模の「隠れ資産」市場をターゲットにし、訪問買取サービスの競争力を強化し、さらなる成長を目指すことが挙げられています。
南海電気鉄道による明光バスの事業承継・M&A
2024年8月9日、南海電気鉄道株式会社(9044)は、近鉄バスホールディングス株式会社(大阪府大阪市)および近鉄保険サービス株式会社(大阪府大阪市)が所有する明光バス株式会社(和歌山県西牟婁郡)の全発行済株式を取得し、同社を子会社化することを決定しました。
南海電気鉄道は、鉄道事業をはじめ、開発や流通、土地賃貸など幅広い事業を展開している企業です。一方、明光バスは和歌山県を拠点に、路線バスや貸切バスの運行を行っている会社です。
今回の株式取得の背景として、南海電気鉄道グループは観光事業の強化を目指しており、観光資源が豊富な和歌山県で新たな事業展開を模索している状況があります。明光バスが運行するエリアには、熊野古道や南紀白浜温泉などの有名な観光スポットが多数存在し、地域内でも有数の観光地として知られています。
加えて、明光バスは大阪や東京と白浜を結ぶ高速バスも運行しており、都市部と観光地をつなぐ重要な交通手段を提供しています。
このM&Aにより、南海電気鉄道はグループ全体の事業をさらに拡大し、特に和歌山エリアでの観光関連事業を強化することが期待されています。また、今回の提携を通じて、南海電気鉄道グループは近鉄グループとも連携を深め、紀伊半島における観光事業のさらなる発展を目指します。
昭光ハイポリマーによる高分子商事の事業承継・M&A
2024年8月1日、昭光通商グループに属する昭光ハイポリマー株式会社(東京都千代田区)は、大阪市に本社を置く高分子商事株式会社の全株式を取得することを決定しました。
昭光ハイポリマーは、昭光通商グループの中核企業として、化学製品の販売を主に行っています。取り扱っている商品には、有機化学品や無機薬品、石油化学製品、そして合成樹脂などがあります。一方、高分子商事は、接着剤や合成樹脂を使った製品、さらに成型や加工に必要な材料を取り扱う会社です。
今回の買収の背景には、両社が長い歴史を持ち、取引先や扱う商品に多くの共通点があるということがあります。高分子商事は、新しい顧客を開拓する力に加え、卸売業にとどまらず、OEM(他社ブランドの製品製造)や自社ブランド商品の開発・販売にも力を入れています。これらの強みを昭光ハイポリマーとの連携で活かすことで、より高い価値を提供できると判断し、今回のM&Aが決定されました。
この統合により、顧客へのサービス向上と、事業規模のさらなる拡大が期待されています。
事業承継・M&A時におすすめの相談先
大阪府での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。
金融機関
近年、金融機関がM&Aをサポートするための専門部署を設置するケースが増えています。特に、投資銀行や大手銀行がファイナンシャルアドバイザー(FA)として、M&Aのプロセスで重要な役割を担うことが多く見受けられます。買収を検討している企業にとって、資金を調達するためには金融機関との協力が必要不可欠であり、すでに取引がある金融機関に最初に相談するのが一般的です。
金融機関に相談することで、資金調達に関する専門的な助言を受けることができ、特に事業の引き継ぎに関しては大変有用です。また、一部の金融機関では、M&Aに特化した部署や専門家を紹介してくれる場合もあります。
ただし、大手の金融機関は規模の大きい案件を優先的に取り扱う傾向があり、中小規模の案件には対応しにくいことが多いです。また、アドバイザー形式で支援を提供するため、手数料や報酬が高額になることがデメリットとして挙げられます。
公的機関
最近では、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談を気軽に行えるような体制が整ってきています。たとえば、「事業承継・引継ぎ支援センター」は、中小企業が抱える後継者不足などの問題解決を支援する窓口で、無料で情報提供やアドバイス、さらに企業同士のマッチングサービスを提供しています。
このセンターは全国の47都道府県に設置されており、地方の企業でも簡単に利用できる点が大きな利点です。
公的な機関が運営しているため、無料で公正な助言が受けられ、必要に応じてM&A仲介会社や専門家の紹介も行っています。ただし、公的機関であるため、対応に時間がかかることがあり、民間の仲介会社と比べるとサポートの範囲が限られることがデメリットになる可能性があります。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の買収や売却をサポートする専門機関で、売り手と買い手の双方と契約しながら交渉を進めていきます。これらの会社は、初期の相談段階から、買収候補企業の選定、スケジュール管理、企業価値の算定、契約書類の作成まで、M&Aに関わる全ての手続きをサポートします。
仲介会社の強みは、豊富なネットワークを活用して多数の候補企業から最適な相手を見つけられる点にあります。これにより、売り手と買い手双方が納得できるM&Aを実現できる可能性が高まります。また、M&Aに不慣れな企業に対しても、一貫したサポートを提供し、スムーズな交渉やコミュニケーションの進行を助けることで、成功の確率を向上させる役割を果たします。
一方で、仲介会社の利用には着手金や中間金といった費用がかかることがあり、コスト面での負担が懸念される場合があります。そのため、報酬が成功報酬制となっている会社を選ぶことが、費用対効果を考慮する上でおすすめです。
大阪府の事業承継に関する公的支援
大阪府の事業承継に関する主な公的支援をご紹介します。
大阪府事業承継・引継ぎ支援センター
中小企業が持つ貴重な経営資源を次世代に引き継ぐために、事業承継やM&Aの専門家が、無料で丁寧にアドバイスを提供しています。大阪府内にある中小企業や小規模企業の皆様から、以下のようなご相談に対して、専門家が無料でサポートいたします。
- 後継者がいないが、今後どのような選択肢があるのか知りたい。
- 事業を後継者に引き継ぐために、具体的にどのようなステップを踏めばよいか知りたい。
- 自社を他の企業に譲渡する際の手順や進め方を知りたい。
- M&Aに取り組む場合、どのような課題が出てくるのか把握しておきたい。
- 他社の経営資源を活用して、自社の事業を拡大するための方法が知りたい。
こうした相談に対し、専門家が親身になって対応し、最適なアドバイスを提供しています。
公益財団法人 大阪産業局
大阪産業局でも、大阪府内にある中小企業(法人・個人問わず)の以下のような相談に対応しています。
- 事業承継の進め方がわからず、どう始めたらいいか迷っている方
- 後継者へのスムーズな事業引き継ぎを目指している方
- M&Aを活用して事業承継を進めるためのアドバイスが欲しい方
- 後継者不在で、今後の事業承継に不安を抱えている方
- 廃業時に、会社の経営資源を誰かに引き継ぎたいと考えている方
大阪府における事業承継・M&Aのまとめ
大阪府は古くから商人の町として知られており、現在でも多くの中小企業が拠点を構える地域です。しかし、アンケート調査の結果を見ると、自分の代で廃業すると考える中小企業の経営者も多く、今後の大阪府における経済に大きな影響が及ぶと推測されています。
このまま廃業する中小企業が多い状態が続けば、大阪府内の経済は衰退していく見込みです。大阪府における事業承継の相談先およびM&A仲介会社を利用しながら、適切な方法で事業承継をスムーズに進めていきましょう。
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