2024年9月16日更新都道府県別M&A

関東地方のM&A・会社売却・事業承継の現状!案件・事例も紹介

本記事では、関東地方におけるM&A・会社売却・事業承継の現状や今後の動向について解説します。関東地方はM&Aを扱う会社が多く、会社売却・事業承継の実施件数や案件数も多くあります。関東地方でM&A・事業承継を検討している方はぜひご覧ください。

目次
  1. 関東地方のM&A・会社売却・事業承継の現状
  2. 関東地方のM&A・会社売却・事業承継の動向
  3. 関東地方のM&A・会社売却・事業承継の今後
  4. 関東地方で募集されているM&A・会社売却・事業承継案件
  5. 関東地方のM&A・会社売却・事業承継事例
  6. 事業承継・M&A時におすすめの相談先
  7. 関東地方のM&A・事業承継向けの公的支援3選
  8. 関東地方のM&A・会社売却・事業承継のまとめ

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関東地方のM&A・会社売却・事業承継の現状

この章では、関東地方におけるM&A・会社売却・事業承継の事情を見ていきましょう。

M&Aや会社売却の案件が多い

関東地方には、東京都も含めて神奈川県や埼玉県、千葉県などで多くの中小企業を抱えるところが多く、小規模の会社も多いので、M&Aや会社売却の件数が多くなる傾向にあります。

また、中小企業の経営者に対するM&Aや会社売却の情報が得やすい状況にあり、盛んにM&Aや会社売却を実施する動きもあるのです。地方と比較するとM&Aや会社売却に対しても、経営方針の一つと捉える経営者が多いといえます。

東京都にはたくさんの企業が本社を構えているため、買い手となって中小企業とのM&Aを成立させているケースも多いです。一方で、関東地方以外の地域ではM&Aや会社売却に対してネガティブな反応が強く、現経営者がM&Aや会社売却に踏み切れないことも少なくありません。

関東地方の後継者不在率

M&A仲介会社だけでなく、各地域で事業承継・引継ぎ支援センターの設立や地域の商工会、商工会議所が事業承継を支援する仕組みが作られている状況です。関東の事業承継も、それぞれの地域で中小企業の経営者に向けた事業承継セミナーなどが開催されています。

帝国データバンクによる『全国「後継者不在率」動向調査(2023年)』を見ると、関東地方の後継者不在率は以下のとおりです。

  • 茨城県:42.1%
  • 栃木県:56.3%
  • 群馬県:53.9%
  • 埼玉県:58.4%
  • 千葉県:43.9%
  • 東京都:53.9%
  • 神奈川県:63.6%

全国平均は53.9%であり、茨城県と千葉県を除く5都県が平均を上回っている状況です。後継者がいないために廃業を選択する会社も多く、会社の廃業に伴って多くの人員が失業する可能性が高くなることも懸念されます。

参考:帝国データバンク「特別企画:全国「後継者不在率」動向調査(2023 年)」

関東地方の休廃業件数

帝国データバンクの調査によると、2023年における関東地方の休廃業件数は以下のとおりです。

  • 東京都:13,376(前年比+13.5%)
  • 神奈川県:3,628(前年比+13.6%)
  • 埼玉県:2,730(前年比+9.2%)
  • 千葉県:2,056(前年比+3.9%)
  • 茨城県:1,079(前年比+5.2%)
  • 群馬県:977(前年比+17.3%)
  • 栃木県:807(前年比+7.0%)

関東地方いずれのエリアでも休廃業件数が増加している状況です。 「あきらめ廃業」や前向き廃業」などが増えた1年であり、先を見据えた判断せまられている状況です。

参考:帝国データバンク「全国企業「休廃業・解散」動向調査(2023)」

事業承継問題の早期解決が課題

関東地方にはさまざまな業種の中小企業が多く、後継者が不在であれば廃業や休業を余儀なくされることが予測されます。事業承継には長期的な計画が策定されるので、後継者候補となる人材がいれば早期に取り掛かるのが良いでしょう。

現経営者が概ね60歳を迎えた頃には準備を始めるべきです。しかし、適任の後継者がいないために事業承継の問題を抱える中小企業が多く、会社の存続が危ぶまれる可能性が高まっています。

関東での事業承継も全国の中小企業と同様の問題を抱えており、事業承継問題の早期解決が今後の課題です。

関東地方では個人による少額M&Aが人気

M&Aはこれまで大手企業による事業再編や事業拡大などによく用いられ、規模の小さい会社には無縁と捉えられていました。しかし、最近は事業承継や経営者の高齢化などを問題とするM&Aも多く、規模の小さいM&A取引も行われています。

M&Aは必ずしも会社同士の取引ではなく、個人がM&Aの相手となるケースもあります。スモールM&AやマイクロM&AといわれるM&A取引は、売買金額が少額で済むため個人が買い手となって取引が行われるのです。

関東地方で個人による少額M&Aが人気の理由

関東地方には個人事業主のM&A案件も少なくありません。個人事業主や小規模な会社におけるM&Aの売買金額は300万円や500万円など少額であることも珍しくなく、個人でも買収できる金額です。

そのため、規模の小さい会社でも買収に成功すればオーナーとなれるので、退職を目前に控えた個人に人気があります。小さなお店でも売り上げが望める事業所であれば、オーナーとなって収益を得ることが可能です。

M&Aで売却希望金額が1億円を超えると個人での買収は難しいですが、数百万円であれば買収も可能なので、起業を考える人もいます。

少額M&Aで起業する場合は、すでに設備や人材がそろっているため、ゼロからスタートしなくてもよく事業が始めやすいメリットがあります。このように、少額M&Aは個人でも資金さえ準備できれば実施可能なので人気です。

スモールM&Aについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】スモールM&A
【関連】栃木県のM&A・会社売却の動向は?案件一覧や探し方から事例まで紹介!

関東地方のM&A・会社売却・事業承継の動向

関東地方は東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県を表し、古くから日本の経済や政治、文化が中心的な地域です。現在でも多くの企業が本社を構えるなど、経済や政治の中心となっています。

特に1955年ごろから1970代の工業化、高度経済成長期には4大工業地帯と周辺の地域が発展し、産業や人口が集中しました。現在の東京経済圏は、南関東ではサービス業と製造業が中心産業で、北関東では第一次産業と第二次産業が中心です。

この章では、関東地方の各地域で見られるM&A動向を見ていきましょう。

東京都の動向

東京都の人口は2015年をピークに、少しずつ減少しています。しかし、総人口は依然としてほかの地方よりも高く、情報通信業や金融・保険業、不動産・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業は競争力が高いです。

レコフの調査によると、2022年の東京都のM&A件数はトータル3,157件で、国内のM&A件数の73%に上ります。事業所数が多いこともありほかの地域よりも件数が多い傾向にあります。

【関連】東京都の事業承継とは?M&A案件例や事業承継・引継ぎ支援センターの取り組みも解説

神奈川県の動向

神奈川県は2015年に総人口のピークを迎え、その後は徐々に減少しています。主な産業は製造業で、神奈川県内における重要な経済の強みです。また、サービス業や学術研究・専門技術分野などが中心の産業となっています。

レコフの調査によると、2022年の神奈川県のM&A件数は199件でした。

神奈川県のM&A情勢・事例|M&A・事業承継なら株式会社レコフ

群馬県の動向

群馬県は北関東に位置しています。今後も総人口の減少は進むと見られ、中小企業の後継者問題や経営者の高齢化などが経営上の課題です。主な産業は、農業・林業で、全国平均よりも高く、第二次産業である輸送用機械器具製造業の重要度も高いです。

レコフの調査によると、2022年の群馬県のM&A件数は32件と過去最高でした。

【関連】群馬のM&A・会社売却の動向をご紹介!M&A案件の探し方も解説

埼玉県の動向

主要な産業は第二次産業である製造業や化学工業ですが、第三次産業に含まれる不動産業やサービス業、卸売・小売業も盛んです。レコフの調査によると、2022年の埼玉県のM&A件数は84件と過去最高でした。

【関連】埼玉のM&Aの動向を徹底解説!産業構造や事例・成功するためのポイントは?

千葉県の動向

主要産業は、運輸・郵便業でサービス業の重要性が高いですが、それは、成田空港があるからといえます。東京ディズニーリゾートがあるので、第三次産業でもある生活関連のサービス業や娯楽業の割合も高いです。

レコフの調査によると、2022年の千葉県のM&A件数は70件でした。

茨城県の動向

今後も人口が減少する見込みです。主要産業は第一次産業である農業、水産業の割合が全国の平均と比べて高く、製造業、建設業などの割合も高くなっています。第三次産業では学術研究・専門・技術サービス業が盛んです。

レコフの調査によると、2022年の茨城県のM&A件数は55件と過去最高でした。

栃木県の動向

今後も総人口は減少傾向です。農林水産業は全国の平均よりも高い水準で、第二次産業に含まれる電機機械器具製造業、飲料・たばこ・飼料製造業が主要産業になっています。

中でも製造業が県内の経済をけん引する「ものづくり県」として、自動車・航空・産業用などの輸送用機械、医薬・医療関連の産業も盛んです。

レコフの調査によると、2022年の栃木県のM&A件数は26件でした。

【関連】栃木県のM&A・会社売却の動向は?案件一覧や探し方から事例まで紹介!

関東地方のM&A・会社売却・事業承継の今後

関東地方のM&A・会社売却は、今後も増えることが予測されます。関東地方にはさまざまな業種の会社があり、中小企業も多いです。そのため、会社の再編や事業拡大、事業の集中などを理由にM&Aや会社売却を望む経営者も増えると考えられます。

また、会社を売却しようと考える経営者がいる一方で、会社の事業拡大や人員確保のために会社の買収を検討している経営者も多いです。特に、飲食業や運送業では慢性的な人材不足が業界全体の課題であり、そのためにM&Aや会社売却を行って会社の存続を望む会社もみられます。

M&Aによる事業承継が増加傾向にある

近年は、事業承継を検討していても後継者が不在という企業も少なくありません。これまでの事業承継は親族に事業を承継する親族内承継が主流でしたが、最近は自社の役員や従業員、第三者(他社)へ事業承継するケースも増えています。

第三者に承継する場合はM&Aを用いますが、M&Aが広く認知されるようになったこともあって、関東地方だけでなく全国的にM&Aによる事業承継は増加傾向です。

M&Aの動向については、下記の記事でも紹介しています。あわせてご確認ください。

【関連】M&Aの動向と現状!2024年最新トレンドや代表的なM&A事例・今後の予測も徹底解説

関東地方で募集されているM&A・会社売却・事業承継案件

弊社M&A総合研究所で取り扱っている関東地方のM&A・会社売却・事業承継案件をご紹介します。

【関東地方】非金属向けプレス金型の設計・製造業

40年以上の研究開発で培った金型加工技術やノウハウが強みです。ミクロン単位で金型を加工しており、幅広い製品向けの金型設計から製作まで対応可能です。

エリア 関東・甲信越
売上高 1000万円〜5000万円
譲渡希望額 株価4,000万円+売主所有の土地・建物(時価2,000万円)の買取(応相談)
譲渡理由 人材不足の課題解決、技術承継

【関東地方】非金属向けプレス金型の設計・製造業(商社・小売・流通) | M&A総合研究所

【年商10億円以上/保育園14施設運営】北関東の社会福祉法人

社会福祉法人として、保育施設を14施設運営しています。サービス全般のクオリティ(施設の新しさ、施設の清潔さ、従業員の人柄)にも定評があり、入園希望者が多いです。

エリア 関東・甲信越
売上高 10億円〜25億円
譲渡希望額 応相談。社会福祉法人のため退職金での支払を想定。(引当済み)
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【年商10億円以上/保育園14施設運営】北関東の社会福祉法人(医療・介護) | M&A総合研究所

関東地方×鍛圧機械メンテナンス

鍛圧機械(プレス機)部品の溶接補修に特化している企業です。高い技術力により、リピーター確保と新規顧客獲得を実現しています。

エリア 関東・甲信越
売上高 5000万円〜1億円
譲渡希望額 5000万円〜1億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

関東地方×鍛圧機械メンテナンス(商社・小売・流通) | M&A総合研究所

【関東地方】オーダーメイドの情報収集代行・広告効果分析レポート作成業

早朝に作業を行い、各企業の始業前にデータ提供が可能です。当サービスは主には自社の広報PRの効果・反響の測定に利用されています。

エリア 関東・甲信越
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 2.5億円〜5億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)、事業存続に対する不安

【関東地方】オーダーメイドの情報収集代行・広告効果分析レポート作成業(その他サービス等) | M&A総合研究所

【北関東×不動産管理業】1,200戸以上の管理物件保有

 管理戸数が約1,250戸(アパート、テナント、駐車場、土地など)で、テナント管理戸数は地域トップクラスです。地域密着の企業として長年の業歴があり、土地仕入・建築・管理まで行っています。

エリア 関東・甲信越
売上高 5億円〜10億円
譲渡希望額 2.5億円〜5億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【北関東×不動産管理業】1,200戸以上の管理物件保有(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

【財務・収益力良好】北関東エリア/総合建設コンサル業

官公庁を中心に測量業務から補償業務まで幅広く受注をしており、県内ではトップクラスの実績を誇っています。有資格者が多く在籍しており、幅広い業務に対応可能です。

エリア 関東・甲信越
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 5億円〜7.5億円
譲渡理由 非公開

【財務・収益力良好】北関東エリア/総合建設コンサル業(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

【関東地方/輸入自動二輪車販売業】有名海外製バイク代理店運営

固定客、新規客ともに安定的に獲得できており、業績は安定推移しています。対象会社敷地に集客ができる秘訣が満載です。

エリア 関東・甲信越
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 5000万円〜1億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関東地方/輸入自動二輪車販売業】有名海外製バイク代理店運営(商社・小売・流通) | M&A総合研究所

関東地方のM&A・会社売却・事業承継事例

関東地方のM&A・会社売却・事業承継事例をピックアップしてご紹介します。

GENDA GiGO Entertainmentによるアミューズメント施設1店舗のM&A・事業承継

2024年8月30日、GENDA(9166)は、子会社であるGENDA GiGO Entertainment(東京都港区)が、マタハリーエンターテイメント(神奈川県川崎市)から、茨城県つくば市にあるアミューズメント施設1店舗を吸収分割方式で事業承継することを発表しました。承継後、この店舗は「GiGOトナリエクレオつくば(仮称)」として2024年10月にオープン予定です。

GENDA GiGO Entertainmentはアミューズメント施設の運営を手がけており、今回の譲受により、既存店舗との人的資源やデジタル技術(DX)の知見を共有し、運営効率を高めることを目指しています。

また、GENDAが展開する「GiGO PRIZE」の限定景品導入や、アミューズメントマシンの購買力向上を通じて、譲受店舗の利益増加を狙っています。

GENDA GiGO Entertainmentがアミューズメント施設を事業承継~アミューズメント事業のロールアップにより、店舗網拡大~

あさくまによる竹若のM&A・事業承継

2020年2月25日、あさくまは、竹若(東京都中央区)の株式を取得し、子会社化することを決定しました。

あさくまグループは、中部地方と関東地方を中心に「ステーキのあさくま」など87店舗を展開し、ステーキとハンバーグに特化したメニューを提供しています。一方、竹若は、東京駅や築地、池袋など東京都内で和食を中心とした飲食店や持ち帰り店を運営し、寿司と和食に特化しています。

今回のM&Aにより、あさくまは「心と心のふれあい」という「コト体験」をさらに具現化できると期待しており、収益基盤の拡大と強化、企業価値の向上を目指しています。

株式会社竹若の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

コンドーテックによる東海ステップのM&A・事業承継

2020年2月6日、コンドーテックは、土木建築用足場の架払工事事業を行う東海ステップ(静岡県藤枝市)の全株式を取得し、子会社化することを決定しました。今後、コンドーテックの役員が東海ステップの役員を兼任します。

コンドーテックは、建築金物や土木資材などのインフラ関連製品を提供する商社であり、グループの成長戦略として、既存事業の収益力強化に加え、社会インフラの老朽化や人手不足対策に対応する分野への投資を進めています。

東海ステップは、静岡県や関東地方で仮設足場工事を展開し、強固な顧客基盤を持っています。今回のM&Aにより、コンドーテックは子会社との協業を強化し、インフラ維持修繕分野での事業拡大と、企業価値の向上を目指しています。

東海ステップ株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

事業承継・M&A時におすすめの相談先

関東地方での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。

金融機関

近年では、金融機関がM&A支援に特化した専門部署を設置する例が増えています。特に、投資銀行やメガバンクがファイナンシャルアドバイザー(FA)として、M&Aにおいて重要な役割を果たす場面が多く見られます。

M&Aを進める際、金融機関は資金調達において欠かせないパートナーです。特に買収側では、資金調達のために金融機関との協議が不可欠であり、既存の取引関係がある金融機関が最初の相談先となることが一般的です。

金融機関を利用する利点は、資金調達に関する専門的なアドバイスが得られる点です。例えば、親族や従業員が後継者となる事業承継時には、株式取得資金が必要となるため、金融機関のサポートが非常に有益です。

さらに、M&Aに特化した部署を持つ金融機関は、他の専門家とも連携し、適切なアドバイザーを紹介してくれる場合もあります。

ただし、大手金融機関は主に大規模案件に注力する傾向があり、中小規模の案件には対応しない場合があること、またアドバイザリー形式のため報酬が高額になる可能性がある点には注意が必要です。

公的機関

最近では、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談が可能な体制が整備されています。たとえば、「事業承継・引継ぎ支援センター」は、中小企業が抱える後継者不足などの問題に対して、公的支援を提供する窓口です。

このセンターでは、事業承継やM&Aに関する情報提供やアドバイスを行うだけでなく、企業間のマッチング支援も行っています。2021年4月の設立以来、全国にある拠点で専門家が無料で相談に応じ、多くの中小企業の事業承継課題に対応しています。

全国47都道府県に窓口が設置されているため、地方の企業も利用しやすいのが大きな利点です。政府運営のため、信頼性の高いアドバイスが無料で受けられ、M&A仲介会社や専門家の紹介も行われています。また、個人事業主の事業承継にも対応しています。

しかし、公的機関のため対応が迅速でないことや、民間のM&A仲介会社と比べて支援内容に限界がある場合もあります。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の売買をサポートする専門企業であり、売り手と買い手の双方と契約を結び、交渉を調整しながら取引を進めます。これらの企業は、最初の相談から買収相手の選定、スケジュール管理、企業価値の評価(バリュエーション)、必要書類の作成まで、M&Aの全プロセスを一貫してサポートします。

仲介会社は、売り手と買い手の双方の希望や条件を調整し、双方が納得できる最良の合意に導く役割を果たします。そのため、多くの企業候補の中から適切な相手を見つけやすく、成功率の高いM&Aが実現しやすくなります。

特に、M&Aが初めての企業でも安心して進められるよう、仲介会社は手厚いサポートを提供し、円滑なコミュニケーションや具体的なアドバイスを行います。

ただし、一部の仲介会社では、着手金や中間金が必要になるケースもあり、コストがかかることがあります。コストを抑えたい場合は、成功報酬制を採用しているM&A企業を選ぶのも有効な方法です。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

関東地方のM&A・事業承継向けの公的支援3選

事業承継におけるM&Aは、M&A仲介会社だけでなく公的機関も支援を実施しています。近年の後継者不足から国も政策を策定しており、支援の輪が広がっています。M&A仲介会社に相談する前に公的機関を利用しても良いでしょう。

関東経済産業局

関東経済産業局は「中小企業における経営の円滑化に関する法律」に基づいて事業承継税制・金融支援の認定や報告などの窓口となっていましたが、平成29年4月1日から各都道府県に変更になりました。

事業承継にかかわるセミナーを各地で開催し、事業承継に悩みや不安を抱く経営者の支援を行っています。

中小企業基盤整備機構 関東本部

中小企業基盤整備機構は、事業承継に悩む経営者の支援を実施し、講演会や研修、セミナーも頻繁に行っている機関です。相談も随時行い、事業承継を円滑に進められるようアドバイスを実施しています。

事業承継・引継ぎ支援センター(関東各所)

事業承継・引継ぎ支援センター(関東各所)は全国の各地に設置され、事業承継に悩みや不安を抱える経営者の相談先になっています。中小企業や小規模企業における事業引継ぎのバックアップが主な活動内容です。

相談は無料で受け付けており、民間のM&A仲介会社でM&Aを実行するときのセカンドオピニオンとして活用もできます。

関東地方のM&A・会社売却・事業承継のまとめ

関東地方のM&A・会社売却・事業承継は、ほかの地域に比べるとM&A案件数が多いです。今後もM&Aが増加すると見込まれ、中小企業だけでなく個人事業主などもM&Aによってそれぞれの目的を果たせる可能性があります。

会社の規模にかかわらずM&Aは有効となる方法です。M&A実施を検討している場合は、M&A仲介会社など専門家に相談しながら進めると、より良いM&Aを目指せます。

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