M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年5月29日更新都道府県別M&A
大阪の事業承継を徹底解説!M&A最新動向・事例・相談先と成功のポイント
大阪府で事業承継やM&Aをご検討中の経営者様へ。この記事では、大阪における事業承継の最新動向、具体的なM&A事例、活用できる公的支援、信頼できる相談先まで、専門家が分かりやすく解説します。
目次
大阪の事業承継・M&A:最新動向と経営者の意識変化
大阪府の事業承継・M&Aの動向を2つのトピックに分けて解説します。
60歳代経営者の半数弱が経営に関する新たな取り組みを開始
大阪府の企業経営者の間では、変化への対応意欲が見られます。ある調査では、経営において新たな取り組みを行った企業が約44%にのぼりました。特に代表者の年齢が60代の企業では約48%が新しい取り組みを実施しており、70代の企業(約40%)を上回る結果です。
また、業績別に見ると、黒字企業の約48%が新たな経営の取り組みに着手しており、赤字企業(約41%)と比較して積極的な姿勢がうかがえます。これは、将来を見据えた事業展開や事業承継への備えとも関連している可能性があります。
M&Aによる第三者への事業承継の件数が過去5年間で最高
大阪商工会議所の事業承継に関するアンケート(2019年~2023年比較)によると、事業承継の選択肢として変化が見られます。「親族に承継したい」との回答は、直近の調査で過去5年間で最低の42.2%でした。
その一方で、「取引先に譲渡したい」「M&Aで第三者に譲渡したい」「外部から経営者を招きたい」といった親族外承継を希望する回答の合計は、過去5年間で最高の5.9%に上昇しています。同時に「廃業予定」という回答も15.7%と最多となっており、事業承継問題の深刻さとM&Aを含む第三者承継への関心の高まりがうかがえます。
大阪府の事業承継・M&A案件一覧
弊社M&A総合研究所では、大阪府における多様な事業承継・M&A案件の仲介サポートを行っております。ここでは公開可能な案件情報の一例をご紹介しますが、実際にはウェブサイトに掲載していない非公開案件も多数取り扱っております。企業の特性や譲渡・買収のご希望に応じて、最適なマッチングをオーダーメイドでご支援することが可能です。
【大阪エリアの好立地物件所有】不動産仲介・売買・賃貸業
大阪府にて不動産業を展開する企業です。資産価値の高い収益不動産を4棟保有(所有不動産の土地評価額は8億8,000万円超)しています。
エリア | 大阪府 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 5億円〜7.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継)、事業存続に対する不安、資金調達 |
大阪の事業承継・M&A:最近の注目事例紹介
大阪府の事業承継・M&A事例をピックアップしてご紹介します。
バイセルによるレクストHDの事業承継・M&A
2024年8月14日、BuySell Technologies(7685)は、レクストホールディングス(大阪府大阪市、以下「レクストHD社」)の発行済株式の一部を取得し、さらにBuySell Technologiesを完全親会社、レクストHD社を完全子会社とする株式交換を実施することを決定しました。
レクストHD社は、複数の子会社を抱える持株会社で、主にリユース事業を展開していますが、今回の株式取得と株式交換に先立ち、会社分割を通じて不動産事業などを分離します。この結果、リユース関連の子会社のみがBuySell Technologiesの完全子会社となる予定です。
目的としては、両社が持つ経営資源を活用し、日本国内に存在するとされる約66兆円規模の「隠れ資産」市場をターゲットにし、訪問買取サービスの競争力を強化し、さらなる成長を目指すことが挙げられています。
参考:バイセル、出張買取のレクストHDを買収 92億円
南海電気鉄道による明光バスの事業承継・M&A
2024年8月9日、南海電気鉄道株式会社(9044)は、近鉄バスホールディングス株式会社(大阪府大阪市)および近鉄保険サービス株式会社(大阪府大阪市)が所有する明光バス株式会社(和歌山県西牟婁郡)の全発行済株式を取得し、同社を子会社化することを決定しました。
南海電気鉄道は、鉄道事業をはじめ、開発や流通、土地賃貸など幅広い事業を展開している企業です。一方、明光バスは和歌山県を拠点に、路線バスや貸切バスの運行を行っている会社です。
今回の株式取得の背景として、南海電気鉄道グループは観光事業の強化を目指しており、観光資源が豊富な和歌山県で新たな事業展開を模索している状況があります。明光バスが運行するエリアには、熊野古道や南紀白浜温泉などの有名な観光スポットが多数存在し、地域内でも有数の観光地として知られています。
加えて、明光バスは大阪や東京と白浜を結ぶ高速バスも運行しており、都市部と観光地をつなぐ重要な交通手段を提供しています。
このM&Aにより、南海電気鉄道はグループ全体の事業をさらに拡大し、特に和歌山エリアでの観光関連事業を強化することが期待されています。また、今回の提携を通じて、南海電気鉄道グループは近鉄グループとも連携を深め、紀伊半島における観光事業のさらなる発展を目指します。
参考:明光バス株式会社の株式取得に関するお知らせ
昭光ハイポリマーによる高分子商事の事業承継・M&A
2024年8月1日、昭光通商グループに属する昭光ハイポリマー株式会社(東京都千代田区)は、大阪市に本社を置く高分子商事株式会社の全株式を取得することを決定しました。
昭光ハイポリマーは、昭光通商グループの中核企業として、化学製品の販売を主に行っています。取り扱っている商品には、有機化学品や無機薬品、石油化学製品、そして合成樹脂などがあります。一方、高分子商事は、接着剤や合成樹脂を使った製品、さらに成型や加工に必要な材料を取り扱う会社です。
今回の買収の背景には、両社が長い歴史を持ち、取引先や扱う商品に多くの共通点があるということがあります。高分子商事は、新しい顧客を開拓する力に加え、卸売業にとどまらず、OEM(他社ブランドの製品製造)や自社ブランド商品の開発・販売にも力を入れています。これらの強みを昭光ハイポリマーとの連携で活かすことで、より高い価値を提供できると判断し、今回のM&Aが決定されました。
この統合により、顧客へのサービス向上と、事業規模のさらなる拡大が期待されています。
参考:高分子商事株式会社の株式取得に関するお知らせ
大阪で事業承継を成功に導くためのステップと注意点
大阪で事業承継を成功させるためには、計画的な準備と専門知識が不可欠です。ここでは、その主要なステップと注意点を解説します。
事業承継計画の早期策定と準備の重要性
事業承継は一朝一夕に成し遂げられるものではありません。後継者の育成、株式や資産の移転、関係者との調整など、多くの時間を要します。そのため、経営者が元気なうちから早期に事業承継計画を策定し、準備を開始することが極めて重要です。計画には、事業の現状分析、将来のビジョン、承継方法の選択、具体的なスケジュールなどを盛り込みましょう。
適正な企業価値評価と算定方法
M&Aによる事業承継の場合、適正な企業価値評価が成功の鍵を握ります。企業価値評価には、純資産価額方式、類似会社比較方式(マルチプル法)、DCF(ディスカウンテッド・キャッシュフロー)方式など、様々な算定方法があります。どの方法を用いるか、または複数の方法を組み合わせるかは、企業の業種、規模、収益性などによって異なります。専門家のアドバイスを受けながら、客観的かつ公正な評価を行うことが求められます。
M&A専門家の選定ポイントと活用法
事業承継やM&Aは法務、税務、財務など高度な専門知識を要するため、信頼できる専門家のサポートが不可欠です。M&A仲介会社やファイナンシャルアドバイザー(FA)、弁護士、税理士など、各分野の専門家がいます。選定にあたっては、実績や専門分野、報酬体系はもちろんのこと、自社の状況を深く理解し、親身に相談に乗ってくれるかどうかも重要なポイントです。複数の専門家と面談し、相性を見極めることも大切です。
デューデリジェンス(DD)の徹底と契約締結時の留意点
M&Aプロセスにおいて、デューデリジェンス(買収監査)は非常に重要なステップです。買い手は、売り手企業の財務状況、法務リスク、事業内容などを詳細に調査し、買収の妥当性や潜在的リスクを把握します。売り手側も、DDに必要な情報を正確かつ迅速に開示する準備が必要です。最終的な契約締結に際しては、譲渡価格、表明保証、補償条項など、細部にわたり慎重な確認と交渉が求められます。専門家を交え、双方にとって納得のいく条件での合意を目指しましょう。
大阪で事業承継・M&Aを相談できる専門機関と選び方
大阪府での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。
金融機関
近年、多くの金融機関がM&A支援に力を入れており、専門部署を設置するケースも増えています。メガバンクや大手証券会社系の投資銀行部門は、大規模なM&A案件でファイナンシャルアドバイザー(FA)として中心的な役割を担います。また、地方銀行や信用金庫といった地域金融機関も、地元の中小企業の事業承継ニーズに応えるため、M&A支援体制を強化しています。
普段から取引のある金融機関に相談すれば、資金調達の相談と併せてM&Aの相談もできる可能性があります。金融機関によっては、提携するM&A専門の仲介会社を紹介してくれることもあります。
ただし、金融機関によって得意とする案件規模や業種、手数料体系は異なります。特に大手金融機関は比較的大規模な案件を主に扱う傾向があるため、中小企業のM&Aでは、地域金融機関やM&A専門の仲介会社の方がより適したサポートを提供できる場合もあります。
公的機関
最近では、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談を気軽に行えるような体制が整ってきています。たとえば、「事業承継・引継ぎ支援センター」は、中小企業が抱える後継者不足などの問題解決を支援する窓口で、無料で情報提供やアドバイス、さらに企業同士のマッチングサービスを提供しています。
このセンターは全国の47都道府県に設置されており、地方の企業でも簡単に利用できる点が大きな利点です。
公的な機関が運営しているため、無料で公正な助言が受けられ、必要に応じてM&A仲介会社や専門家の紹介も行っています。ただし、公的機関であるため、対応に時間がかかることがあり、民間の仲介会社と比べるとサポートの範囲が限られることがデメリットになる可能性があります。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の買収や売却をサポートする専門機関で、売り手と買い手の双方と契約しながら交渉を進めていきます。これらの会社は、初期の相談段階から、買収候補企業の選定、スケジュール管理、企業価値の算定、契約書類の作成まで、M&Aに関わる全ての手続きをサポートします。
仲介会社の強みは、豊富なネットワークを活用して多数の候補企業から最適な相手を見つけられる点にあります。これにより、売り手と買い手双方が納得できるM&Aを実現できる可能性が高まります。また、M&Aに不慣れな企業に対しても、一貫したサポートを提供し、スムーズな交渉やコミュニケーションの進行を助けることで、成功の確率を向上させる役割を果たします。
一方で、仲介会社の利用には着手金や中間金といった費用がかかることがあり、コスト面での負担が懸念される場合があります。そのため、報酬が成功報酬制となっている会社を選ぶことが、費用対効果を考慮する上でおすすめです。
大阪府の事業承継支援策:公的機関のサポート内容
大阪府の事業承継に関する主な公的支援をご紹介します。
大阪府事業承継・引継ぎ支援センター
中小企業が持つ貴重な経営資源を次世代に引き継ぐために、事業承継やM&Aの専門家が、無料で丁寧にアドバイスを提供しています。大阪府内にある中小企業や小規模企業の皆様から、以下のようなご相談に対して、専門家が無料でサポートいたします。
- 後継者がいないが、今後どのような選択肢があるのか知りたい。
- 事業を後継者に引き継ぐために、具体的にどのようなステップを踏めばよいか知りたい。
- 自社を他の企業に譲渡する際の手順や進め方を知りたい。
- M&Aに取り組む場合、どのような課題が出てくるのか把握しておきたい。
- 他社の経営資源を活用して、自社の事業を拡大するための方法が知りたい。
こうした相談に対し、専門家が親身になって対応し、最適なアドバイスを提供しています。
公益財団法人 大阪産業局
大阪産業局でも、大阪府内にある中小企業(法人・個人問わず)の以下のような相談に対応しています。
- 事業承継の進め方がわからず、どう始めたらいいか迷っている方
- 後継者へのスムーズな事業引き継ぎを目指している方
- M&Aを活用して事業承継を進めるためのアドバイスが欲しい方
- 後継者不在で、今後の事業承継に不安を抱えている方
- 廃業時に、会社の経営資源を誰かに引き継ぎたいと考えている方
大阪府における事業承継・M&Aのまとめ
大阪府は古くから商人の町として知られており、現在でも多くの中小企業が拠点を構える地域です。しかし、アンケート調査の結果を見ると、自分の代で廃業すると考える中小企業の経営者も多く、今後の大阪府における経済に大きな影響が及ぶと推測されています。
このまま廃業する中小企業が多い状態が続けば、大阪府内の経済は衰退していく見込みです。大阪府における事業承継の相談先およびM&A仲介会社を利用しながら、適切な方法で事業承継をスムーズに進めていきましょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。