M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年9月8日更新都道府県別M&A
岐阜県の事業承継・M&A事例!案件一覧・おすすめの相談先も紹介
本記事では、岐阜県の中小企業の事業承継・M&Aの事例や案件、公的事業承継支援などを解説します。後継者不在の中小企業が廃業危機にさらされており、それは岐阜県も例外ではありません。岐阜県の事業承継・M&Aを検討している方は必見です。
岐阜県における事業承継・M&Aの動向
岐阜県における事業承継・M&Aの動向を2つのトピックに分けて解説します。
岐阜県企業の後継者不在率
岐阜県における2023年の後継者不在率は60.7%と前年比で2.2%減少しました。ただし、後継者不在率の全国平均は53.9%であり、岐阜県の後継者不在の問題は深刻だといえます。
とはいえ、昨今、M&Aによる第三者への事業承継件数が増加している影響で、岐阜県の後継者不在率は改善傾向にあります。
岐阜県企業の休廃業件数
岐阜県における2023年の休廃業件数は958件で、前年比で13.4%増加しました。岐阜県の休廃業・解散発生率は、全国で5番目に多い結果となっており、休廃業を回避するための対策が喫緊の課題となっています。
岐阜県近郊の事業承継・M&A案件一覧
弊社M&A総合研究所が取り扱っている岐阜県近郊の事業承継・M&A案件一覧をご紹介します。
【中部地方都市圏】地盤改良工事・地盤調査
資格者が複数名在籍しています(住宅地盤主任技士、宅地建物取引士)。地盤調査を行うにあたり幅広い調査方法が可能です。
エリア | 中部・北陸 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
【施工管理まで一括請負】中部地方の注文住宅・リフォーム業
代表者は継続勤務を想定しており、一緒に成長していくことを希望しています。進行期より、地域の高齢者向けに終活プランニング事業を本格的に開始しておりさらなる増収が期待できます。
エリア | 中部・北陸 |
売上高 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡希望額 | 3,000万円以上(応相談) |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
【中部地方/県内唯一】木造住宅パネル製造
同県内にて対象事業を営む会社が不在のため、大手ハウスメーカーから継続して受注ができています。2021年に対象会社に隣接している5,398㎡の土地を購入し、土地の利活用が可能です。
エリア | 中部・北陸 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 2000万円(応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
岐阜県の事業承継・M&A事例
岐阜県の事業承継・M&A事例をピックアップしてご紹介します。
NITTANによる恵那金属製作所の事業承継・M&A
NITTANは、2024年8月30日にベーシック・キャピタル・マネジメントが投資助言を行うファンドから、恵那金属製作所(岐阜県中津川市)の発行済普通株式を全て取得することを決定しました。
恵那金属製作所のA種優先株式は、株式譲渡実行日までに自己株式取得が行われ、その後NITTANの100%子会社となる予定です。NITTANは、自動車部品の大量生産を主に展開し、恵那金属製作所は鋳物や金属加工を手掛けています。
今回のM&Aは、NITTANの中長期経営ビジョン「NITTAN Challenge 10」に基づき、事業成長と価値向上を目指すものです。
ウエル・ユーカンによる小見山家具製作所の事業承継・M&A
ウエル・ユーカン(広島県広島市)は、2024年7月5日に小見山家具製作所(岐阜県岐阜市)の全株式を取得し、グループ会社とすることを決定しました。ウエル・ユーカンは看板や店舗内装などの設計・施工を手掛け、小見山家具製作所は家具の製造・販売を行っています。
このM&Aの目的は、両社が持つ強みを結集し、相乗効果を生かしてさらなる成長と発展を図ることです。
日本コルマーHDによるトキワ・コスメティクス・グループの事業承継・M&A
2024年6月6日、日本コルマーホールディングス(日本コルマーHDグループ)は、The Carlyle Groupが運用するファンドからトキワ・コスメティクス・グループの全株式を取得することで合意しました。
日本コルマーHDグループは国内最大の化粧品受託製造メーカーで、トキワは化粧品開発・製造に強みを持つ企業です。このM&Aの目的は、グローバル市場での競争力強化を図り、世界の化粧品受託市場でリーディングカンパニーとなることを目指すものです。
事業承継・M&A時におすすめの相談先
岐阜県での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。
金融機関
近年、金融機関がM&A支援に特化した専門部署を設ける例が増加しています。特に、投資銀行やメガバンクがファイナンシャルアドバイザー(FA)として重要な役割を担う場面が多く見受けられます。
M&Aを進める上で、金融機関は欠かせないパートナーとなります。特に、買収側では資金調達のために金融機関との協議が必須であり、通常は既存の取引関係を持つ金融機関が最初の相談先として選ばれることが一般的です。
金融機関を頼るメリットは、資金調達に関する専門的な助言を得られる点です。例えば、親族や従業員が事業承継の際に後継者となる場合、株式取得のための資金が必要となるため、金融機関のサポートが大いに役立ちます。
さらに、M&Aに特化した部署を持つ金融機関もあり、他の専門家との連携を通じて、適切なアドバイザーを紹介してもらえることもあります。
ただし、大手金融機関は主に大規模なM&A案件に注力しがちであり、中小規模の案件には対応しないことがある点に留意が必要です。また、仲介ではなくアドバイザリー形式を採用しているため、報酬が高額になるケースもあり、その点がデメリットとなり得ます。
公的機関
近年、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談を受けられる体制が整ってきました。例えば、「事業承継・引継ぎ支援センター」は、中小企業が直面する後継者不足などの問題に対して、公的なサポートを提供する窓口です。
このセンターでは、事業承継やM&Aに関する情報提供やアドバイスを行うほか、企業間のマッチング支援も行っています。2021年4月に開設されて以来、全国の拠点で専門家が無料で相談に応じており、幅広い中小企業の事業承継課題に対応しています。
全国47都道府県に窓口が設置されており、地方企業でも気軽に利用できる点が大きな強みです。政府が運営しているため、無料で信頼性の高いアドバイスが受けられ、M&A仲介会社や専門家の紹介も行われています。さらに、個人事業主の事業承継にも対応しています。
ただし、公的機関のため、対応が迅速でない場合もあり、民間のM&A仲介会社と比べるとサポート内容に限界があることがデメリットになることもあります。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の買収や売却をサポートする専門企業です。売り手・買い手双方と契約を結び、交渉の調整を行いながら両者の利益を考慮して進行します。これらの会社は、最初の相談から始まり、買収相手の選定、スケジュール管理、企業価値評価(バリュエーション)、書類作成など、M&Aの全プロセスをトータルでサポートします。
仲介会社は、売り手と買い手の希望や条件を調整し、両者が納得できる最善の合意点を見つける役割を担います。そのため、多くの企業候補の中から最適な相手を見つけることができ、結果的に成功率が高いM&Aが実現しやすくなります。
特に、M&Aに初めて挑む企業でも安心して進められるように、仲介会社は手厚いサポートを提供し、円滑なコミュニケーションと具体的なアドバイスを通じて、交渉を円滑に進めます。
ただし、一部の仲介会社では、着手金や中間金が発生することがあり、コスト負担が懸念される場合があります。こうしたコストを抑えるためには、成功報酬制を採用しているM&A総合研究所のような企業を選ぶのも一つの手です。
岐阜県の公的事業承継支援
ここでは、岐阜県の事業承継・引継ぎ支援センターやそのほかの公的機関による事業承継支援の内容についてお伝えしていきます。
岐阜県事業承継・引継ぎ支援センター
岐阜県事業承継・引継ぎ支援センターは、公的相談窓口です。次の世代への事業引継ぎに関するいろいろな課題を解決するためのサポートを行っています。中小企業の事業承継の実務に詳しい専門家が、秘密厳守で相談に応じます。相談料はかかりません。
相談員が会社の状況や経営者の意向を確認し、具体的な課題を抽出します。親族内承継、従業員承継、第三者承継のどのケースでも、事業承継に関する適切なアドバイスを行います。
M&Aなどによる第三者への事業引継ぎは、マッチング支援やM&A支援会社などに橋渡しを行い、後継者へ引継ぐ場合は、各種専門家を紹介して事業承継計画の策定など円滑な事業承継の実現へのサポートを行います。
岐阜県事業承継ネットワーク
岐阜県では中小企業支援機関と弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士など専門家が「事業承継ネットワーク」を形成し、連携して事業承継をサポートしています。事務局は(公財)岐阜県産業経済振興センターに設置しています。
事業承継ネットワークでは参加機関の担当者が相談や巡回の際に、事業承継の必要性の有無を確認し、経営者の要望によってその後のサポートへとつなげます。法務・会計・税務・経営などの課題があれば、各専門家を紹介します。
金融機関
- 株式会社大垣共立銀行
- 株式会社十六銀行
- 岐阜信用金庫
- 大垣西濃信用金庫
- 高山信用金庫
- 東濃信用金庫
- 関信用金庫
- 八幡信用金庫
- 岐阜商工信用組合
- 飛騨信用組合
- 益田信用組合
支援機関
- 県内商工会議所
- 県内商工会
- 岐阜県中小企業団体中央会
- 岐阜県中小企業再生支援協議会
- 岐阜県事業承継・引継ぎ支援センター
- 岐阜県中小企業総合人材確保センター(岐阜県産業人材課)
- 中小企業基盤整備機構中部本部・岐阜県産業経済振興センター
政府系金融機関
- 株式会社日本政策金融公庫
- 商工組合中央金庫(岐阜支店)
信用保証協会
- 岐阜県信用保証協会
- 岐阜市信用保証協会
士業など専門家団体
- 岐阜県弁護士会
- 日本公認会計士協会東海会岐阜県会
- 名古屋税理士会
- 岐阜県中小企業診断士協会
岐阜県信用保証協会
岐阜県信用保証協会は、中小企業の経営者が金融機関から事業に必要とする資金の融資を受ける際、公的な保証人となって資金調達を円滑化し、借入条件をより良いものにして資金繰りをスムーズにする公的機関です。経営者の身になり、秘密厳守で金融や経営の相談に応じています。
岐阜県の事業承継・M&Aまとめ
岐阜県の主な産業は製造業ですが、大手企業の下請けなど中小企業の割合が非常に高く、ほかの都道府県と同様に99.0%以上が中小企業です。また、事業を継続させたいと考える経営者が多い中、後継者不足が問題となっている地域でもあります。
後継者がいない場合は、M&Aによって会社の継続を目指す方法もあることを知ってもらうために、M&Aの認知度を高める必要があります。
県政や県の中小企業を支援する団体などが事業承継についてセミナーを開いているので、それをきっかけとして親族内承継だけでなくM&Aによる事業承継を知り、中小企業の継続を可能にすることが大切といえます。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。