M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年9月9日更新都道府県別M&A
滋賀県の事業承継・M&A案件!動向やM&A事例・相談先も紹介
滋賀県は中小企業の廃業・休業件数が日本でトップクラスです。自治体は、他の都道府県以上に力を入れてM&A・事業承継の支援を行っています。本記事では、滋賀県の事業承継・M&Aの動向・課題・M&A事例を解説します。
目次
滋賀県の経済状況
滋賀県の総人口は、2015年の約141万人をピークに人口減少が続いています。
全国有数の内陸工業県である滋賀県は、多くの製造業で域外収支がプラス、ほとんどの業種で労働生産性が全国平均以上と、製造業の重要度が非常に高いのが特徴です。特に、繊維工業品、化学工業製品、プラスチック製品、窯業・土石製品、その他のサービス用機械器具などで全国平均を上回っています。
参考:滋賀県庁「令和4年度(2022年度)統計書」
滋賀県の事業承継・M&Aの動向・課題
滋賀県における事業承継は、後継者が見つからずに困るケースが非常に多いです。最近は後継者不在の中小企業が多く、事業承継ができずに廃業・休業となるケースが増加しています。それは、滋賀県でも例外ではありません。
これには、事業承継を重大な問題と理解しているにもかかわらず、何の対策も練っていない経営者が多いことも原因の一端といえるでしょう。「自社を事業承継したいが後回しでもよいだろう」と考えている場合は、引き継ぎに失敗する可能性が高いです。
事業承継は後継者選定や後継者教育、事業の引き継ぎなど、さまざまなことを行わなければなりません。そのため、「事業承継しようと思ったのに時間が足りない」となりかねないでしょう。
中小企業庁の資料によると、2021年の滋賀県における中小企業の数は32,195社です。県内の企業数を占める中小企業の割合は9割超です。したがって、滋賀県は中小企業の事業承継が今後も大きな課題となるでしょう。
滋賀県の社長平均年齢
社長の平均年齢は年々、上昇しています。70歳以上で現役である社長も、少なくありません。帝国データバンクの「近畿「社長年齢」分析調査(2023年)」によると、滋賀県の社長平均年齢は60.1歳でした。滋賀県の社長平均年齢は、全国で2番目に低いです。
滋賀県のM&A成立件数
レコフによると、滋賀県の企業が関わった過去数年間のM&A件数は、以下のように推移しています。
- 2018年:22件
- 2019(平成31、令和元)年:23件
- 2020(令和2)年:11件
- 2021(令和3)年:11件
- 2022(令和4)年:14件
滋賀県の中小企業の後継者不在率
帝国データバンクが発表した「2023年近畿企業の後継者不在率調査」によると、近畿地域の企業における後継者不在率は48.2%で、前年より5.4ポイント減少し、調査開始以来最も低い数値を記録しました。
府県ごとにばらつきはあるものの、事業承継税制の見直しが進んだことや、M&Aによる非同族への事業引継ぎが広まってきたこと、企業の実態把握がより浸透したことが、この改善の要因とされています。
滋賀県近郊の事業承継・M&A譲渡案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っている滋賀県近郊の事業承継・M&A譲渡案件例をご紹介します。
【近畿エリア】グレーチング、マンホールの製造販売・卸売業
全国各地への販路を有しており、販売先数は300社を超えています。近畿エリアを中心に自社工場・倉庫を保有しており、全国へ対応可能です。
エリア | 近畿 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 10億円程度(純資産程度)※相談可 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【関西エリア/優秀なデザイナー在籍】自社ブランドを保有する総合アパレル企業
自社ブランドが幅広い層に高い人気を誇っています。自社ブランドの商品は100%自社企画で、消費者ニーズに沿ったベストなデザイン・企画・生産・販売までトータル管理が可能です。
エリア | 近畿 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | さらなる事業拡大 |
【高評価・好立地】関西フレンチ店舗運営
FLコスト40%台の高収益フレンチ店です。比較的若い年代が多いが、老若男女問わず支持されています。
エリア | 近畿 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 創業者利益の獲得 |
滋賀県の事業承継・M&A事例
滋賀県の事業承継・M&A事例をピックアップしてご紹介します。
日新ダイヤモンドによるマイクロ・ダイヤモンドの事業承継・M&A
オーエスジーの子会社である日新ダイヤモンドは、2024年10月1日付でマイクロ・ダイヤモンドの事業を承継する予定です。日新ダイヤモンドはダイヤモンド工具の製造・販売を行っており、マイクロ・ダイヤモンドは微細で高精度な加工用ツールの研究開発を手がけています。
今回の事業承継により、日新ダイヤモンドは微細精密加工分野への進出を進め、オーエスジーグループとしてダイヤモンド工具市場の開拓を強化する狙いです。さらに、Precision Tools Holding B.V.との協業を通じて、電子や医療分野の精密金型市場への進出も目指します。
ニッケによる呉羽テックの事業承継・M&A
2024年8月26日、日本毛織(ニッケ)は、呉羽テック(滋賀県栗東市)の全株式を東洋紡エムシー株式会社から取得し、グループ会社とすることを発表しました。ニッケは衣料繊維、産業機材、人とみらい開発、生活流通など多岐にわたる事業を展開しており、今回のM&Aは産業機材事業の強化を目的としています。
呉羽テックは、不織布を中心とした製品を製造・販売しており、ニッケの戦略である自動車や環境関連製品の拡販に貢献することが期待されています。両社の技術を相互に活用し、より付加価値の高い製品やサービスを提供することで、ニッケグループ全体の企業価値向上を図る狙いです。
瀧上工業による菊池鉄工所の事業承継・M&A
2024年3月26日、瀧上工業は、菊池鉄工所の全株式を取得し、子会社化するために株式譲渡契約を締結することを決定しました。瀧上工業は、橋梁や鉄骨、鉄塔などの鋼構造物の設計・製作・施工を行う企業で、120年以上にわたり社会基盤の整備に貢献してきました。
菊池鉄工所は、鉄骨や溶接H形鋼の製作・設計施工を手掛けており、1960年の創業以来成長を続けています。瀧上工業は、「鉄骨事業の再生と創造」を掲げる中期経営計画の一環として、民間大型開発案件への対応力を強化するため、菊池鉄工所をグループに加え、鉄骨鉄構事業のさらなる成長を目指します。
日本電産による三菱重工工作機械の事業承継・M&A
2021年5月、京都府京都市の日本電産は、滋賀県栗東市の三菱重工工作機械の全株式を親会社の三菱重工業から取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。日本電産は、これまでも数多くのM&Aを実施してきた企業です。
事業は、精密小型モータ、車載および家電・商業・産業用モータ、機器装置、電子・光学部品、その他の開発・製造・販売を行っています。三菱重工工作機械は、工作機械、切削工具およびその関連製品に関する設計・製造・販売などを行っている企業です。
日本電産としては、工作機械事業を取り込むことで、グループ内の既存事業との相互補完強化を図っています。なお、三菱重工工作機械は、商号を日本電産マシンツールと改めました。
事業承継・M&A時におすすめの相談先
滋賀県での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。
金融機関
最近、金融機関がM&A支援に特化した専門部署を設ける事例が増加しています。特に、投資銀行やメガバンクがファイナンシャルアドバイザー(FA)としてM&Aにおいて重要な役割を果たすことが多く見られます。買収側では資金調達のために金融機関との協議が欠かせず、既存の取引関係がある金融機関が最初の相談先となることが一般的です。
金融機関に相談することで、資金調達に関する専門的なアドバイスが得られるため、事業承継においても非常に有益です。また、一部の金融機関ではM&Aに特化した部署や専門家の紹介も行っています。
しかし、大手金融機関は大規模案件を中心に扱い、中小案件には対応しない傾向があり、アドバイザリー形式を採用するため報酬が高額になることがデメリットです。
公的機関
最近、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談ができる環境が整ってきています。例えば、事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業が抱える後継者不足などの課題を解決するための窓口で、無料で情報提供やアドバイス、企業間のマッチングサービスを行っています。
このセンターは全国47都道府県で展開しており、地方の企業でも手軽に利用できるのがメリットです。
公的機関が運営しているため、無料で公正なアドバイスが受けられ、M&A仲介会社や専門家の紹介も行われています。ただし、公的機関であるため対応のスピードに限界があり、民間仲介会社と比べるとサポート内容が劣る場合がある点がデメリットとなる可能性があります。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の買収や売却を専門にサポートし、売り手と買い手の双方と契約を結んで交渉を進めます。これらの会社は、初期相談から相手企業の選定、スケジュール管理、企業価値評価、書類作成まで、M&Aの全プロセスを包括的に支援します。
仲介会社の強みは、多数の候補企業から最適な相手を見つけられる点で、売り手と買い手双方が満足できるM&Aを実現する可能性を高めます。また、M&A初心者に対しても、仲介会社は一貫したサポートを提供し、交渉やコミュニケーションをスムーズに進めることで成功率を向上させます。
ただし、着手金や中間金が発生することがあり、コスト負担が懸念される場合もあるため、成功報酬制を採用する企業を選ぶことが推奨されます。
滋賀県の事業承継・M&Aで仲介会社を選ぶ基準
この章では、滋賀県の事業承継でM&A仲介会社を選ぶ際の5つの基準について解説します。
- 対象業界の専門知識・実績がある
- 自社と同じ案件規模・地域のM&A実績がある
- M&Aに関する幅広い知識・経験がある
- わかりやすい料金体系を採用している
- 担当アドバイザーとの相性が良い
①対象業界の専門知識・実績がある
M&Aを進める際、M&A仲介会社は対象業界の業種や企業に応じたサポートを行います。そのため、対象分野の専門的知識やM&A実績があることは重要です。
自社が実施するM&Aの対象企業の業界の専門的知識や実績があるM&A仲介会社であれば、的確なサポートが受けられます。その結果、M&Aの成功率も上がるでしょう。M&A仲介会社を選ぶときは、対象業界の専門的知識や実績があるかどうかを事前に確認することがポイントです。
②自社と同じ案件規模・地域のM&A実績がある
M&A仲介会社がM&Aを仲介するときは、案件規模や地域性も踏まえたサポートを行います。したがって、自社と同じ程度の案件規模や地元のM&A実績があるM&A仲介会社を選べば、スムーズなサポートを受けられる可能性が高いです。
事前に、M&A仲介会社の取り扱う案件規模・地域のM&A実績などをチェックしましょう。
③M&Aに関する幅広い知識・経験がある
M&Aを行う際、手法はもちろんのこと、法律・会計・税務などさまざまな知識や観点が欠かせません。そのため、M&A仲介会社が幅広いM&Aの知識や経験を持つかどうかも、選ぶ際の基準になります。
④わかりやすい料金体系を採用している
わかりやすい料金体系は、M&Aを進める際に大切な要素です。料金体系が明確でなければ、後にトラブルが生じることもあり得ます。したがって、M&A仲介会社の料金体系も事前に確認してください。
⑤担当アドバイザーとの相性が良い
担当のアドバイザーと相性が悪ければ、円滑にM&Aは進みません。悩み事を伝えたり相談したり問題点を指摘したりできないからです。M&A仲介会社を選ぶ際は、アドバイザーの対応や相性も選ぶ基準といえます。
ただ昨今は、M&A仲介会社も急増しており、依頼先選びに迷ってしまうかもしれません。そのような際には、一度、M&A総合研究所にご連絡ください。M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱い、全国の案件に対応しております。
豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが在籍し、相談時からクロージングまで専任となってフルサポートする体制です。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」となっています(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。
無料相談を随時お受けしておりますので、滋賀県でM&Aをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
滋賀県の事業承継・M&A・会社売却まとめ
滋賀県は、他の都道府県より力を入れて事業承継支援を行っています。滋賀県の自治体や金融機関の取り組みは、滋賀銀行のように高い評価を受けているのが特徴的です。
滋賀県の案件に対応するM&A仲介会社も多いので、滋賀県は事業承継を行ううえで最適な環境になりつつあります。自社にとって良いパートナーを見つけ、滋賀県での事業承継を成功させましょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。