タクシー業界M&Aの売却/買収とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

タクシー業界は少子高齢化による人口減少の影響をダイレクトに受けているうえ、新たなニーズに設備や体制が追い付いていないなど、根本的な問題を抱えています。そのため、問題を解決するためにM&Aを活用するケースが増加しています。今回は、タクシー業界のM&Aについて説明します。

業種別M&A

2020年2月27日更新

目次
  1. はじめに
  2. タクシー業界の現状
  3. タクシー業界のM&Aの動向
  4. タクシー業界におけるM&Aの相場と費用
  5. タクシー業界の買収とは?買う・買いたい場合
  6. タクシー業界の売却とは?売る・売りたい場合
  7. タクシー業界のM&Aが成功する理由と失敗する理由
  8. まとめ

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タクシーのM&A・事業承継

はじめに

近年、経営戦略の1つとしてM&Aが活用されることが一般的になり、業界を問わずさまざまな会社が多様な目的でM&Aを実践しています。しかし、M&A案件のすべてが同じ目的で実施されているわけではなく、業界ごとの慣習や固有の業態を加味してM&Aのスキームを構築しているものです。

そこで、今回はタクシー業界で実施されているM&Aに注目しました。近年、先行きの不透明さや競争の激化が顕著となっているタクシー業界ですが、M&Aの観点から見るとどのようになっているのでしょうか?ぜひ参考にしてみてください。

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タクシー業界の現状

はじめに、タクシー業界の現状についてお伝えしていきます。

①人口減少の影響をダイレクトに受けている

近年、タクシー業界全体の売上は、ピーク時と比べて3分の1まで減少しており、低迷の一途をたどっています。この背景には、少子化に始まる人口減少が大きく影響しています。

なぜなら、人口が減少することで都市の規模も小さくなるため、結果として既存の会社同士が顧客を奪い合う形になってしまうからです。その結果、大手企業と中小企業の差が大きくなっており、とりわけ中小企業は苦しい状況に追いやられています。

②設備投資が困難である

大手企業と中小企業の差は、設備投資でも現れており、財務基盤がしっかりしている大手企業に対し、中小企業は財務基盤が不安定なため、デジタル無線への切り替えなども進んでいないケースが少なくありません。

たとえデジタル無線への切り替えなどの設備投資を行ったとしても、中小企業には投資した分を改修する自体が困難です。一方、設備投資をしない場合であってもますます稼働率が低下し、結果として大手との差をさらに広げる原因になっています。

③タクシードライバーの高齢化が顕著である

タクシー業界で最も致命的な問題がタクシードライバーの高齢化です。タクシードライバーの平均年齢は約59歳であり、高齢化が顕著になっています。ただでさえ少子化で新しい人材の確保が難しい中、働き手であるタクシードライバーの高齢化が進めば、タクシー業界自体の存続が難しくなります

さらに、若手の採用をしたくとも、中小企業のような財務基盤が不安定な会社では、採用に大きな力を割くことができないため、若手の確保は困難です。もちろん設備投資ができる大手企業であってもこの問題は非常に大きく、事業の継続を図るうえでの不安要素が多いことが実情です。

2010(平成22)年にタクシー適正化・活性化法の施行によってテコ入れが行われましたが、設備投資の難しさや高齢化などタクシー業界を脅かす根本的な問題は必ずしも解決されたとはいえません。依然先行きが不透明さが改善されていないことがタクシー業界の現状であると言えます。

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タクシー業界のM&Aの動向

ここでは、タクシー業界の動向についてお伝えします。

①M&Aを実施する企業が増加している

近年、さまざまな業界でM&Aを実施するケースが増加していますが、タクシー業界も例外ではありません。先述したように、タクシー業界は設備投資の難しさや高齢化などといった大きな問題を抱えており、とりわけ中小企業では財務基盤の不安定さから設備投資や人材確保に注力できないという現状です。

そのため、このような現状の脱却を目指してM&Aを実施する企業が増えています。M&Aを実施することで、中小企業であれば大手企業の傘下に入る機会をつかめます。また、大手企業の傘下に入ることで財務基盤が安定すれば、設備投資や人材確保に注力できるでしょう。

さらに、後継者不在で廃業の危機に立たされている中小企業においては、M&Aを通じて会社の存続を実現することも可能です。

②タクシー業界へのニーズは失われていない

先述したように、ピーク時と比べるとタクシー業界の規模は縮小しましたが、タクシー業界へのニーズが失われたわけではありません。タクシードライバーの不足は問題視されており、2020(令和2)年の東京オリンピック開催などを踏まえると、インバウンド需要を取り入れるために、タクシー業界の変革が期待されています

③サービスの多様化とクオリティの向上化が求められている

サービスの多様化もタクシー業界に求められており、介護タクシーやキッズタクシーなどといった特定の目的に特化したタクシーや、日本でいずれ導入される可能性が高いアメリカのUberのような新しい人員輸送業など、タクシー業界が対応できるサービスはまだまだあります

デジタル化の推進や電子マネー対応など、今の時代に適応した設備を備えることができれば、サービスのクオリティ向上にもつながるでしょう。そのため、これらのニーズに対応する目的でM&Aによるタクシー業界全体の再編が進んでいます。

サービスの多様化、クオリティの向上化を実践するうえで、タクシー業界はM&Aを有効な手段として活用していると言えます。ただし、M&A自体は成功する確率が3割~5割と言われており、必ずしも簡単なものとは言えません。そのため、M&Aを実施する際はM&A仲介会社のような専門家の協力が不可欠となります。

例えば、M&A総合研究所では、M&Aの専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーがM&Aをフルサポートいたします。1年以上かかることもあるM&Aを平均で3~6ヶ月で完了させた実績もあるため、スピーディーなM&Aの進行にも定評があります。一度M&A総合研究所にご相談ください。

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タクシー業界におけるM&Aの相場と費用

タクシーのM&A・事業承継
タクシーのM&A・事業承継

ここでは、タクシー業界のM&Aの相場と費用についてお伝えします。

①タクシー業界M&Aの相場

タクシー業界でM&Aを行う際の費用は、個々のM&A案件の交渉の結果によって変動しますが、中小企業であれば数億円、大手企業であれば10億円以上が相場であると言えます。タクシー会社はタクシーをはじめ、さまざまな設備を保有しているため、買収の際にはどうしても数億円単位はかかると想定されます。

ただし、インバウンド需要が高い地域に拠点を置いているか、最新の設備を持っているかなど、さまざまな事情で費用が変動する可能性があるため、注意が必要です。

②タクシー業界M&Aの費用

一方で、中小企業に関しては、そもそも財務基盤が不安定であり、大手企業との競争で先細りしている状態が多いため、目安よりも買収に要する費用が低くなる傾向にあります。

ただし、M&AのサポートをM&A仲介会社のような専門家に依頼している場合、その報酬も費用に加算されるため注意しましょう。もし、M&Aに関する費用を抑えたいのであれば、M&A総合研究所に一度ご相談ください。

M&A総合研究所は、M&Aプラットフォームや日本最大級のM&Aメディアからの情報によって短期間でマッチングを行い、人件費の削減を可能にしているため、他社よりも低価格でM&Aの成立を目指すことができます。

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タクシー業界の買収とは?買う・買いたい場合

ここでは、タクシー業界のM&Aで買い手となる場合のポイントについてお伝えします。

①人材を定着させる

タクシー業界のM&Aにおいて、一番重要な要素は「タクシードライバー」です。

そもそもタクシードライバーは、より良い条件を求めてさまざまな会社を転々と渡るタイプが多く、定着率が低い傾向にあります。加えて、タクシードライバーは高齢化が進んでおり、いかに若手のタクシードライバーを確保できるかも重要な課題です。

そのため、買い手となる場合においては、いかにタクシードライバーを定着させ、「新規のタクシードライバーを確保できるか」「長く働けるうえに新しい人材も入りやすい体制を作れるか」にかかっていると言えます。人材の定着も確保もできないようであれば、買収自体の意味がなくなってしまうため注意が必要です

②サービスの多様化に応える

タクシー事業ばかりを育ててもタクシー業界で長続きすることは困難であるため、サービスの多様化に関しても何かしらの戦略を提示することをおすすめします。介護タクシーやキッズタクシー、乗り合いタクシーなどさまざまなサービスを提供することで、買収した会社をさらに成長させることができるでしょう。

③付加価値を他事業につなげる

さらに、地元の情報に長けているタクシードライバーの特性を生かし、さまざまな事業につなげることも有効です。タクシー事業だからこそ、得られる付加価値を他事業につなげることも重要になってきます。

将来的な視点に立つのであれば、Uberや自動運転化を見据えた事業を展開するのも1つの手段と言えるでしょう。ただし、買い手の側に立つ場合、条件が合う売り手を見つけることは簡単ではありません。

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タクシー業界の売却とは?売る・売りたい場合

ここでは、タクシー業界のM&Aにおける売却のポイントについてお伝えしていきます。

①従業員を安定的に買い手に引き継ぐ

タクシー業界のM&Aにおいて、売り手は買い手と同様に、どれだけ従業員を安定的に買い手に引き継がせることができるか重要です。

M&Aは従業員にとって職場の環境が大きく変わるきっかけになるものです。そもそもM&Aは異なる価値観や風土、理念を持つ会社同士が経営統合を行うため、これまでの環境との違いに戸惑う従業員も少なくありません。

このような行き違いが発生すれば従業員の士気に関わるうえ、もしギャップを感じさせるようなことになれば定着率が一気に低下する恐れがあります

②タクシードライバーを定着させるための受け皿を用意する

一方で、タクシードライバーを定着させるための受け皿を用意することは決して簡単ではありません。

タクシー会社におけるコストの大半はタクシードライバーにかかる人件費であり、一定数以上のタクシードライバーを受け入れ、なおかつ待遇を良くするとなれば会社の負担は非常に大きくなります。売り手となる場合は、買い手がそれだけの受け皿を持っているかどうかを見極めることが重要です。

タクシー業界はタクシーや無線など設備的な部分も必要ですが、タクシードライバーという人材が何よりも大切です。優秀なタクシードライバーは拠点のある地域の情報に精通しており、長年の業務経験を通じて培ったスキルやノウハウは他には代えがたいものです。

そのうえ、従業員であるタクシードライバーの流出は事業のポテンシャルを大きく下げてしまうだけでなく、想定されていたシナジー効果が発揮できず、M&A自体が無意味になってしまうリスクも高まります。そういった点も踏まえ、従業員の引継ぎはスムーズにできるように考慮しておく必要があります。

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タクシー業界のM&Aが成功する理由と失敗する理由

ここでは、タクシー業界のM&Aが成功する理由と失敗する理由についてお伝えします。

①タクシー業界のM&Aが成功する理由

タクシー業界のM&Aが成功する理由は、主に2つの理由が挙げられます。

資金力が強い買い手との交渉を成功させる

タクシー業界のM&Aが成功する理由としては、資金力を豊富に備えている買い手とのマッチングに成功している点が挙げられます。

従業員であるタクシードライバーの雇用を維持できる分はもちろん、中小企業の不安定な財務基盤を安定化させ、デジタル無線など新たな設備に投資できるだけの資金力があれば、M&Aを行った際に発揮されるシナジー効果も高まるでしょう。

さらに、売却した際の利益が大きければ創業者利益も大きくなるうえ、それを元手に会社を立て直す好機にもなります。大手企業の傘下に入ることは、中小企業のタクシー会社を立て直すうえで有効な手段であるため、いかに資金力が強い買い手との交渉を成功させるかが最大の鍵であるとも言えます

有効的な善後策をスピーディーに意思決定できる

また、迅速な意思決定をする体制が買い手に備わっているかどうかも重要なポイントです。先述したように、タクシー業界は高齢化や設備の問題など、喫緊の課題が山積みであり、ニーズはあっても体制が追い付いていないという現状です。

この現状を打開するためには、有効的な善後策をスピーディーに意思決定できるかどうかにかかっています。意思決定に無駄な時間や手間を要しては経営の改善も進行しないため、スピード感が非常に重要です

②タクシー業界のM&Aが失敗する理由

タクシー業界のM&Aが失敗する理由は、主に2つの理由が挙げられます。

環境の違いを把握してない

1つ目は、売り手と買い手、それぞれの環境の違いを明確に把握していない点が挙げられます。先述したように、労働環境の変化は従業員にダイレクトに影響してくるものです

労働環境の違いを現場レベルから検証し、売り手と買い手が互いに共有することに加え、早い段階でギャップを埋めなければM&Aが成約しても従業員が流出してしまう恐れがあります。タクシー会社はタクシードライバーが定着してこそ継続できる事業でもあるため、環境の違いに留意する必要があります。

M&Aに協力する専門家の質が低い

もう1つの理由はM&Aに協力する専門家の質です。M&Aを実施する際は、経営コンサルティング会社やM&A仲介会社などといった専門的な知識に長けた会社の協力を得るケースがほとんどです。

しかし、経営コンサルティング会社やM&A仲介会社の中には、シナジー効果が低い、あるいは実現可能性が低いM&A案件を無理にすすめたり、経験やノウハウが足りないため満足なサポートができない会社も少なからず存在します。

「きちんとしたアドバイスももらえずに報酬だけが高かった」などといった事態に陥らないように、協力してもらう会社を選ぶ際には実績や評判などをしっかり調べたうえで依頼するようにしましょう

まずは一度M&A総合研究所にご相談ください。M&A仲介会社であるM&A総合研究所は、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを活かしM&Aをサポートいたします。

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まとめ

タクシー業界は高齢化や少子化による人口減少の影響をダイレクトに受けるうえ、新たなニーズに設備や体制が追い付いていないなど、根本的な問題を抱えています。

このような状況を回避するためにM&Aを実行することは非常に有効的な手段の1つですが、失敗すればタクシー会社において最も重要なタクシードライバーを流出させる自体にもなりかねません。そのため、M&Aを実施する際は、十分に検討に慎重に交渉することを忘れないようにしましょう。

要点をまとめると、下記の通りです。

・タクシー業界の現状
→人口減少の影響、設備投資が困難、タクシードライバーの高齢化

・タクシー業界のM&Aの動向
→M&Aを実施する企業が増加、タクシー業界へのニーズは失われていない、サービスの多様化とクオリティの向上化が求められている

・タクシー業界M&Aの相場
→中小企業であれば数億円、大手企業であれば10億円以上が相場

・タクシー業界M&Aの費用
→M&Aのサポートを依頼している場合、報酬も費用に加算されるため注意が必要

・タクシー業界を買う・買いたい場合のポイント
→人材の定着、サービス多様化への対応、付加価値を他事業につなげる

・タクシー業界を売る・売りたい場合のポイント
→従業員を安定的に買い手に引き継ぐ、タクシードライバーを定着させるための受け皿を用意する

・タクシー業界のM&Aが成功する理由
→いかに資金力が強い買い手との交渉を成功させる、有効的な善後策をスピーディーに意思決定できる

・タクシー業界のM&Aが失敗する理由
→環境の違いを把握してない、M&Aに協力する専門家の質が低い

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