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タクシー業界M&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

タクシー業界は高齢化や少子化による人口減少の影響をダイレクトに受けており、また新たなニーズに設備や体制が追い付いていないなど、根本的な問題を抱えている課題があります。M&Aはこの問題を解決する有効的な手段ですが、失敗すればタクシー会社において最も重要なタクシードライバーを流出させる自体にもなりかねませんので慎重に進めましょう。

目次

    タクシー業界のM&A

    M&Aが経営戦略として一般化してから、業界を問わず様々な会社が多様な目的でM&Aを実践しています。

    しかし全てのM&Aが共通しているわけではなく、業界ごとの慣習や固有の業態を加味してM&Aのスキームを構築しているものです。

    今回はタクシー業界で行われているM&Aに注目してみました。

    近年その先行きの不透明さや競争の激化が顕著となっているタクシー業界ですが、M&Aの観点から見るとどうなっているのでしょうか。

    ぜひ参考にしてみてください。

    タクシー業界の現状

    まずはタクシー業界の現状についてお伝えしていきます。

    近年タクシー業界全体の売上はピーク時と比べて3分の1が減少するなど、低迷の一途を辿っています。

    この背景には少子化に始まる人口減少が大きく影響しています。

    人口が減少すると都市の規模も小さくなるため、結果として既存の会社同士が顧客を奪い合う形になってしまいます。

    その結果大手と中小の差が大きくなっており、とりわけ中小は苦しい状況に追いやられてしまっています。

    この差は設備投資でも現れており、財務基盤がしっかりしている大手に対し、中小は財務基盤が不安定なため、デジタル無線への切り替えも進んでいないというケースが少なくありません。

    仮にデジタル無線への切り替えなどの設備投資を行ったとしても中小は事業規模の都合から投資した分を改修することが難しく、設備投資をしなければますます稼働率が低下するなど結果として大手との差をさらに広げている原因になっています。

    またタクシー業界で最も致命的な問題がタクシードライバーの高齢化です。

    タクシードライバーの平均年齢は約59歳であり、高齢化が顕著になっています。

    ただでさえ少子化で新しい人材の確保が難しい中、働き手であるタクシードライバーの高齢化が進めばタクシー業界全体が先細りになってしまうことは目に見えているでしょう。

    若手の採用をしたくとも中小企業のような財務基盤が不安定な会社だと採用に大きな力を割くことができないため、若手の確保は困難になります。

    もちろん設備投資ができる大手でもこの問題は非常に大きく、事業の継続を図るうえでの不安要素が多いことが実情です。

    平成22年にタクシー適正化・活性化法の施行によってテコ入れこそ行われましたが、設備投資の難しさや高齢化などタクシー業界を脅かす根本的な問題は必ずしも解決されたとはいえません。

    依然先行きが不透明さが改善されていないことがタクシー業界の現状だといえます。

    タクシー業界のM&Aの現状と動向

    ここではタクシー業界の現状と動向についてお伝えします。

    様々な業界でM&Aが盛んに行われていますが、タクシー業界も例外ではありません。

    さきほどお伝えしたように、タクシー業界は設備投資の難しさや高齢化などといった大きな問題を抱えており、とりわけ中小だと財務基盤の不安定さから設備投資や人材確保に注力できないことが現状です。

    そのため、このような現状の脱却を目指してM&Aを行う会社は増えています。

    M&Aを行えば、中小であれば大手資本の傘下に入る機会を掴むことができます。

    財務基盤が安定すれば設備投資や人材確保をやれるようになるでしょう。

    後継者不在で廃業の危機に立たされている中小の会社であれば、M&Aを通じて会社の存続を実現することも可能になります。

    また、ピーク時と比べて縮小したとはいえ、タクシー業界へのニーズは決して失われたわけではありません。

    タクシードライバーの不足は問題視されており、2020年の東京オリンピック開催などを踏まえるとインバウンド需要を取り入れるために、タクシー業界の変革が期待されています。

    サービスの多様化もタクシー業界に求められており、介護タクシーやキッズタクシーなどといった特定の目的に特化したタクシーや、日本でいずれ導入される可能性が高いアメリカのUberのような新しい人員輸送業など、タクシー業界が対応できるサービスはまだまだあります。

    デジタル化のさらなる推進や電子マネー対応など、今の時代に適応した設備を備えることができれば、サービスのクオリティ向上にもつながるでしょう。

    これらのニーズに対応するために現在はM&Aを通じてタクシー業界全体の再編が進んでいます。

    サービスの多様化、クオリティの向上化を実践するうえでタクシー業界はM&Aを有効な手段として活用しているといえます。

    ただ、M&A自体は成功する確率が3割~5割といわれており、必ずしも簡単なものとはいえません。
    そのためM&Aを行うにはM&A仲介会社のような専門家の協力が不可欠となります。
    その際におすすめのM&A仲介会社がM&A総合研究所です。
    M&A総合研究所はM&Aの専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーがサポートしてくれるため、M&Aが成功する確率が引き上がります。
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    タクシー業界のM&Aの相場と費用

    ここではタクシー業界のM&Aの相場と費用についてお伝えします。

    タクシー業界で買収を行う際の費用は中小であれば数億円、大手であれば十億円以上が大体の相場だといえます(もちろん個々のM&A案件の交渉の結果によって費用は変わるのであくまで目安です)。

    タクシー会社はタクシーを初めとして様々な設備を有しているため、買収の際にはどうしても数億円単位はかかると見た方がいいでしょう。

    ただインバウンド需要が高い地域に拠点を置いているか、最新の設備を持っているなど様々な事情で費用が推移する可能性はあります。

    一方、さきほどもお伝えしたように中小に関してはそもそも財務基盤が不安定化しており、大手との競争で先細りしている状態が多いため、目安に対して買収に要する費用が低めになることも多いでしょう。

    ただ、M&AのサポートをM&A仲介会社のような専門家に依頼している場合、その報酬も費用に加算されます。
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    タクシー業界の買収とは?買う・買いたい場合

    ここではタクシー業界のM&Aで買い手となる場合のポイントについてお伝えします。

    タクシー業界のM&Aで一番重要といっても過言ではないのがタクシードライバーです。

    そもそもタクシードライバーはより良い条件を求めて様々な会社を転々と渡るタイプが多く、定着率が低い傾向にあります。

    これに加えてさきほどお伝えしたようにタクシードライバーは高齢化が進んでおり、いかに若手のタクシードライバーを確保できるかも重要な課題です。

    そのため買い手となる場合はいかにタクシードライバーを定着させ、新規のタクシードライバーを確保できるか、長く働けるうえに新しい人材も入りやすい体制を作れるかどうかにかかっているといえます。

    いくらタクシー業界に進出したいとはいえ、人材の定着も確保もできないようであれば買収それ自体の意味がなくなってしまうので注意しておきましょう。

    また、これもさきほどお伝えしましたが、単純にタクシー事業ばかりを育ててもタクシー業界で長続きすることは難しいため、サービスの多様化に関しても何かしらの戦略を提示できた方が買収もはかどるようになるでしょう。

    介護タクシーやキッズタクシーといったものから、乗り合いタクシーなどといった様々なサービスを提供できれば、買収した会社をさらに成長させることができるでしょう。

    これら以外にも地元の情報に長けているタクシードライバーの特性を生かし、様々な事業につなげることもできるでしょう。

    これはタクシー事業だからこそ得られる付加価値を他事業につなげることだといえます。

    将来的な視点に立つならUberや自動運転化を見据えた事業を展開するのも一つの手段だといえるでしょう。

    ただ、買い手の側に立つ場合、条件が合う売り手を見つけることは簡単ではありません。
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    タクシー業界の売却とは?売る・売りたい場合

    ここではタクシー業界のM&Aにおける売却のポイントについてお伝えしていきます。

    タクシー業界のM&Aにおける売り手は買い手と同様、どれだけ従業員を安定的に買い手に引き継がせることができるかどうかだといえます。

    M&Aは従業員にとって職場の環境が大きく変わるきっかけになるものです。

    そもそもM&Aは異なる価値観や風土、理念を持つ会社同士が経営統合を行うため、これまでの環境との齟齬が発生する恐れがあります。

    このような齟齬が発生すれば従業員の士気に関わりますし、タクシードライバーは他の会社を転々と渡ることは珍しくないため、もしギャップを感じさせるようなことになれば定着率が一気に低下する恐れがあります。

    だからといってタクシードライバーを定着させるための受け皿を用意することは決して簡単ではありません。

    タクシー会社におけるコストの大半はタクシードライバーにかかる人件費であり、一定数以上のタクシードライバーを受け入れ、なおかつ待遇を良くするとなれば会社の負担はかなりのものになります。

    売り手となる場合はちゃんと買い手がそれだけの受け皿を持っているかどうかを見極めるようにしておきましょう。

    タクシー業界はタクシーや無線など設備的な部分も重要ですが、タクシードライバーという人財が何よりも重要です。

    タクシードライバーは拠点のある地域の情報に精通していますし、長年の業務経験を通じて培ったスキルやノウハウは代えがたいものです。

    何よりM&Aを行うとはいえ、彼らの雇用を守ることは経営者としての使命といっても過言ではありません。

    それに従業員であるタクシードライバーの流出は事業のポテンシャルを大きく下げてしまうだけでなく、想定されていたシナジー効果が発揮できず、M&Aそれ自体が無意味になってしまうリスクもあります。

    そういった点も踏まえ、従業員の引継ぎはスムーズにできるように考慮しておきましょう。

    タクシー業界のM&Aが成功する理由と失敗する理由

    ここではタクシー業界のM&Aが成功する理由と失敗する理由についてお伝えします。

    ①タクシー業界のM&Aが成功する理由

    タクシー業界のM&Aが成功する理由は資金力を豊富に備えている買い手とのマッチングに成功している点が挙げられます。

    従業員であるタクシードライバーの雇用を維持できる分にはもちろん、中小のタクシー会社の不安定な財務基盤を安定化させ、デジタル無線など新たな設備に投資できるだけの資金力があればM&Aを行った際に発揮されるシナジー効果も高まるでしょう。

    もちろん売却した際の利益が大きければ創業者利益も大きくなりますし、それを元手に会社を立て直す好機にもなります。

    大手資本の参加に入ることは中小のタクシー会社を立て直すうえで必要不可欠といっても過言ではないため、いかに資金力が強い買い手との交渉を成功させるかが最大の鍵ともいえます。

    また、迅速な意思決定をする体制が買い手に備わっているかどうかも重要なポイントです。

    お伝えしたように、タクシー業界は高齢化や設備の問題など、喫緊の課題が山積みであり、ニーズはあっても体制が追い付いていないという現状になっています。

    この現状を打開するためには有効的な善後策をスピーディーな意思決定を以て実行できるかどうかにかかっています。

    意思決定に無駄な時間や手間を要しては経営の改善もままならないため、このポイントもおろそかにしない方がいいでしょう。

    ②タクシー業界のM&Aが失敗する理由

    タクシー業界のM&Aが失敗する理由は主に2つの理由が挙げられます。

    1つは売り手と買い手それぞれの環境の違いを明確に把握してないから。

    さきほどもお伝えしたように労働環境の変化は従業員にダイレクトに影響してくるものです。

    労働環境の違いを現場レベルから検証し、売り手と買い手が互いに共有、できることなら早い段階でそのギャップを埋めなければせっかくM&Aが成約しても従業員が流出してしまう恐れがあります。

    タクシー会社はタクシードライバーが定着してこそ継続できる事業でもあるため、この点は注意しておいた方がいいでしょう。

    もう1つの理由はM&Aに協力する専門家の質です。

    M&Aを行う際は経営コンサルティング会社やM&A仲介会社などといった専門的な知識に長けた会社の協力を得るケースがほとんどだと思いますが、これらのような会社の実力は正直にいうとピンキリです。

    中にはシナジー効果が低い、あるいは実現可能性が低いM&A案件を無理にすすめてきたり、経験やノウハウが足りないため満足なサポートができないという会社も少なからず存在します。

    ロクなアドバイスをもらえずに高い報酬だか払った…という事態にならないように、協力してもらう会社を選ぶ際には実績や評判などをしっかり調べたうえで依頼するようにしておきましょう。

    まとめ

    タクシー業界は高齢化や少子化による人口減少の影響をダイレクトに受けており、また新たなニーズに設備や体制が追い付いていないなど、根本的な問題を抱えていることが現状だといえます。

    この状況を回避するうえでM&Aは有効的な手段ですが、失敗すればタクシー会社において最も重要なタクシードライバーを流出させる自体にもなりかねません。

    M&Aを行う際は丹念な検討と交渉を忘れないようにしておきましょう。

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