M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2023年11月28日公開都道府県別M&A
九州のM&Aの動向や産業の特徴は?成功事例や注意点も徹底解説!
九州は、福岡県や長崎県を中心に多くの産業が盛んになっていますが、近年では人口減少が深刻化しており多くの中小企業が後継者不在や廃業リスクを抱えている状況です。
今回はそんな九州の産業の特徴やM&Aの動向、成功事例について解説します。
目次
九州地方のM&A動向と今後の課題
九州地方は、中小企業を中心に事業承継のニーズが増加傾向にあり、今後も盛んにM&Aが行われていくことが予想されています。
ここでは、九州地方の産業の特徴やM&Aの動向、課題について解説します。
九州地方の産業の特徴
九州地方は、福岡県や長崎県を中心にさまざまな産業が盛んになっています。
主に、観光業やサービス業、小売・卸売業などの第三次産業や九州電力をはじめとしたインフラ産業が盛んであり、今後も成長し続けていくことが期待されています。
さらに、豊かな土地や自然を活用した半導体関連・自動車関連産業や農林水産業も盛んであり、経済規模やタイやオーストラリアに匹敵するほど巨大です。
そのため、九州だけで日本経済の多くの割合を占めていることがわかります。
九州地方のM&Aの現状と動向
九州地方のM&Aは、中小企業を中心に注目が集まっており、M&A件数も増加傾向にあります。
九州地方の中小企業の内、約半数は後継者不在という状態に陥っているため、国や地方自治体は後継者不在の中小企業に対して積極的に事業承継支援や後継者人材バンクの提供を進めています。
今後の動向として、九州地方は人口減少に伴う企業の倒産や後継者不在を解決するためにM&Aへの取り組みを強化し続けていくことでしょう。
九州地方のM&Aの今後の課題
九州地方は、人口減少が加速し続けており、それに伴う中小企業の減少も深刻化しています。
ただ、九州地方には高いノウハウや歴史、技術を持った優良企業が数多く存在しているため、全国的に事業承継のニーズは高いことが特徴的です。
そのため、M&Aによるマッチングや後継者選定への課題は解決させやすいでしょう。
今後の課題として、高齢の経営者に対する第三者承継の抵抗を無くすことやM&Aへの積極的な取り組みを加速させていくことが重要になります。
九州地方でM&Aを行う方法
九州地方は福岡県や長崎県などを中心に多くの産業が盛んになっているため、M&Aを成功させることができればさまざまなメリットが得られます。
ただ、M&Aを検討しているけどM&Aを行う方法について知らない経営者は少なくありません。
ここでは、九州地方でM&Aを行う方法について解説します。
M&Aマッチングサイトを利用する
M&Aマッチングサイトは、誰でも無料で利用することができ、自社に適した企業を見つけやすいです。
現在では、多くの企業がM&Aマッチングサイトを運営しており、希望や条件に合わせて自社に効果的な企業を見つけてくれるため、効率的にM&Aを進められます。
そのため、これからM&Aを検討している企業は、1度利用してみることをおすすめします。
ただ、弁護士や税理士、会計士などの専門家に依頼することはできないため、自社で依頼する必要があります。
公的支援機関を利用する
各地域にある公的支援機関では、M&Aや経営、事業承継に関する相談を無料で受け付けています。
初めてM&Aを検討している場合は、公的支援機関を利用することで自社に効果的なM&A戦略や方法などをアドバイスしてくれるため、効果的にM&Aを進められることでしょう。
また、九州地方には主に以下のような公的支援機関があります。
事業承継・引継ぎ支援センター
事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業庁から各都道府県に事業委託されて設置されている公的支援機関です。
主に、中小企業の事業承継や経営改善などの無料相談からM&Aのサポート・アドバイスや後継者人材バンク・M&A仲介会社の紹介を行っています。
九州にも各県に商工会議所が設置されているため、M&Aを検討している企業は利用してみることをおすすめします。
九州経済産業局
九州経済産業局は、九州地方の中小企業に向けた経営支援や事業承継支援を行っています。
そのため、九州経済産業局でも経営や事業承継に関する相談・支援を受け付けており、誰でも利用できる公的支援機関の1つです。
また、九州の各県に設置されており経営戦略や人材戦略に関するイベントも開催しているため、気になる方は1度イベントに参加してみることをおすすめします。
独立行政法人中小企業基盤整備機構九州本部
独立行政法人中小企業基盤整備機構機構九州本部は、福岡県と鹿児島県の2つに拠点を置き、九州地方の中小企業に対して事業承継や経営の支援を行っています。
支援メニューには、主に経営・海外展開・事業継続力強化・事業承継・新規事業立ち上げなどがあります。
さらに、オンライン面談や専門家による支援、セミナー開催なども行っているため、気軽に相談することが可能です。
M&Aの専門家に相談する
M&Aの専門家に相談することも、M&Aを行う方法の1つです。
M&A仲介会社やM&Aアドバイザリーなどの専門家は、M&Aの経験や知識が豊富にあり自社に対して適切なアドバイスをすることができます。
さらに、相談であれば無料で受け付けているケースも多いため、相談のみなら誰でも気軽に行えます。
相談後、信頼ができれば依頼してM&Aをサポートしてもらうこともできるため、気になる方は相談してみることをおすすめします。
九州地方のM&Aのメリット・デメリット
これから九州地方でM&Aを検討している企業は、M&Aのメリット・デメリットをそれぞれ理解しておくことが大切です。
M&Aによって自社が得られるメリットと懸念されるデメリットを理解しておくことで、M&Aを成功させやすくなります。
ここでは、九州地方のM&Aのメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
メリット
九州地方でM&Aを行うメリットには、買収側と売却側でそれぞれ主に以下のようなものがあります。
買収側
- 事業拡大に繋がる
- 低コストで新規事業を獲得できる
- 事業の多角化になる
- 経営資源を獲得できる
- 節税効果がある
- 節税対策になる
売却側
- 売却益を獲得できる
- 自社を存続させられる
- 従業員の雇用を確保できる
- 個人保証から解放される
- 事業拡大になる
- 廃業コストがかからない
デメリット
九州地方でM&Aを行うデメリットには、買収側と売却側でそれぞれ主に以下のようなものがあります。
買収側
- 買収に多額の費用がかかる
- 十分なシナジー効果を得られない
- 従業員の大量離職
- 潜在債務を負うリスクがある
- 経営統合に失敗する
- のれんの減損リスクがある
売却側
- M&A相手が見つからない
- 最適なM&A相手ではなくなる
- 希望の価格で売却できない
- 従業員や株主から反対される
- 取引先との関係悪化
- 買収先の不祥事により倒産もしくは企業価値低下
九州地方のM&A事例
九州地方では、これまでにさまざまな企業がM&Aを行っており、その中でも成功した事例も多くあります。
これから九州地方でM&Aを検討している企業は、M&Aを成功させるためにも九州地方のM&A事例を知っておくことをおすすめします。
ここでは、九州地方のM&A事例を主に4つ紹介します。
①丸和運輸機関×MKロジ
丸和運輸機関は、2022年7月にMKロジの全株式を取得し、完全子会社化させました。
お互いに物流に関わる事業を展開しているため、M&Aを行うことによって物流事業や機能の強化を図っています。
また、ECサイトを通じた商品の取引も注力していく方針です。
②ヨシムラ・フード・ホールディングス×林久右衛門商店
ヨシムラ・フード・ホールディングスは、2022年12月に林久右衛門商店の株式を取得し、子会社化させました。
このM&Aは、削り節などの製造・加工・販売を行なっている林久右衛門商店の高いノウハウやブランド力、商品開発力を取得し、両者共同での新商品開発や海外への販路拡大を目的に行われました。
今後は販路拡大に伴う業績の向上を図っていく方針です。
③おお蔵×ゲオホールディングス
ゲオホールディングスは、2019年4月におお蔵の全株式を取得し、完全子会社化させました。
ゲオは主にコミックレンタル・ゲーム・ハードウェアなどの買取販売や家電・衣類のリユースショップを運営だけでなく、おお蔵の持つ高級ブランドや高級時計などの卸売・オークション市場の運営事業へも参入を検討していまいた。
そしてゲオは、おお蔵の著しい成長やリユース業界の競争力、商材調達力を強化させることを理由にM&Aを実行しました。
④アシードホールディングス×河村農園
アシードホールディングスは、2022年8月に河村農園の全株式を取得し、完全子会社化させました。
自販機運営リテイル事業、飲料製造事業を行う企業を傘下に持ち経営戦略・管理統括を行なっているアシードホールディングスは、河村農園の商品開発力や販売力を借りることで事業拡大や商品開発を目指すことを目的にM&Aを行いました。
河村農園は、ごぼう茶・ルイボスティ・桑の葉など健康茶の生産・企画・加工・販売を行っており、高いシナジー効果が期待できると判断し、このM&Aが実施されました。
九州地方でM&Aを行う際の仲介会社の選び方
M&Aは、ほとんどの企業が自社のみで行わずにM&A仲介会社に依頼して、サポート・アドバイスを受けながら慎重に進めていきます。
ただ、初めてM&Aを検討している企業は、どのM&A仲介会社を選ぶべきかわからないというケースがあります。
ここでは、九州地方でM&Aを行う際の仲介会社の選び方について解説します。
仲介手数料・費用は適切か
仲介会社を選ぶ際、仲介手数料・費用が適切かどうか確認しましょう。
九州地域だけでも数多くの仲介会社が存在しており、会社ごとに仲介手数料・費用が異なるため、出るかけ負担の少ない会社を選ぶことがおすすめです。
リーズナブルな会社では、相談料や月額費用、着手金を無料で受け付けているケースもあるため、自社のリソースに合わせて徹底して探しましょう。
自社の規模に見合っているか
豊富な経験を持つ仲介会社の中には、小規模なM&A案件が中心の会社から大規模なM&A案件が中心の会社まで幅広く存在します。
そのため、自社と同程度の規模の会社のM&Aを豊富に扱っている仲介会社を選ぶことが望ましく、しっかりと選ぶ時はこれまで扱ってきた規模を確認しておくことが大切です。
自社の規模に見合っている仲介会社であれば、M&Aをよりスムーズに進めてくれる確率が高くなります。
経験・実績は豊富か
経験・実績が豊富な仲介会社を選ぶことは欠かせない条件の1つとも言えます。
多くの仲介会社が豊富な経験・実績を持っていますが、その中でもより経験・実績が豊富な仲介会社を選ぶ方が自社のM&Aを成功させるためには望ましいです。
仲介会社の経験・実績は、公式サイトを確認すれば誰でも確認できるようになっているため、候補の会社の実績をじっくりと確認しておきましょう。
担当者との相性はいいか
M&Aでは、仲介会社の担当者との相性も大切になります。
M&Aは、基本的に半年から1年ほどの期間をかけて行われるため、その間担当者と相談や話し合いを続ける必要があります。
担当者との相性が悪い場合、自社の条件をうまく伝えられなかったり十分なサポート・アドバイスを受けられなくなってしまい、M&Aが失敗してしまうリスクが高くなります。
そのため、依頼する前に相談などを通して担当者との相性を見極めておくことをおすすめします。
九州地方でM&Aを成功させるためのポイント
M&Aを行うことでさまざまなメリットが得られますが、しっかりと成功させるためのポイントを理解しておかなければ失敗してしまう可能性もあります。
これからM&Aを行う企業は、成功させるためのポイントを理解して慎重に進めていくようにしましょう。
ここでは、九州地方でM&Aを成功させるためのポイントを主に4つ解説します。
M&Aのタイミングを逃さない
M&Aを成功させるためには、M&Aのタイミングを逃さないことが重要です。
M&Aが効果的な「自社の業績が良好な時」「市場の競争率が変化した時」などのタイミングを見計らって、M&Aを行うことで成功確率が高くなります。
そのため、M&Aを検討している場合、自社の経営状況や市場を常に分析・確認しておくことをおすすめします。
M&A実施後のシナジー効果を考える
M&Aを行ってもシナジー効果が期待できなければ、実施する意味がほとんどありません。
しっかりとM&Aを行うことで、事業拡大や新規事業や経営資源の獲得、顧客基盤の強化などの効果が期待できない場合は、M&Aを再検討しましょう。
M&Aを成功させたい場合は、十分にシナジー効果が期待できると判断できた状態でM&Aを実施しましょう。
自社の価値・評価を理解する
自社の価値・評価を理解しておくこともM&Aを成功させるためには大切になります。
M&Aを成立させるには相手企業と交渉を行い、自社とM&Aを行うメリットや魅力を伝えなければいけません。
売却価格も自社で設定したものを相手に提示するため、適正な自社の価値・評価ができていなければ、交渉がうまく進まなくなってしまいます
また、反対に適正価格・評価よりも低く見積もってしまうと、自社がM&Aで不利になってしまう場合もあるため、M&Aを進める前に十分に理解しておきましょう。
実績のある専門家に相談する
実績のある専門家に相談することで、自社に適したスケジューリングや戦略、方法でM&Aを進められるようになります。
さらに、M&Aで必要な多くの知識や業務も専門家がサポートしてくれるため、本業務に集中しながら進められます。
しっかりと実績のある専門家であれば自社の評価や取引タイミングもアドバイスしてくれるため、自社が不利になりにくくなり成功確率が高くなります。
九州地方のM&Aは専門家へご相談を!
九州地方は、深刻化する人口減少や企業の倒産件数を解決させるために口や地方自治体が一丸となってM&Aを支援しています。
そのため、今後はM&Aを積極的に行う中小企業が増加していくことでしょう。
ただ、M&Aには多くの専門知識や時間が必要になるため、これから九州地方でM&Aを検討している企業は、自社のみで行わずにM&Aの専門家に相談して慎重に進めるようにしましょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。