2021年2月13日更新業種別M&A

動物病院におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

動物病院では、他院との差別化を図るため・経営上の問題を解決するため・事業の強化につなげるためなどさまざまな理由でM&Aを検討する病院が増加中です。本記事では、動物病院におけるM&Aを成功させるためのポイント・相場・実際の事例などを紹介します。

目次
  1. 動物病院とは
  2. 動物病院のM&A動向
  3. 動物病院の積極買収企業一覧【事例付き】
  4. 動物病院のM&Aメリット・デメリット
  5. 動物病院のM&Aを成功させるポイント
  6. 動物病院のM&Aで注意したいポイント
  7. 動物病院のM&Aの成功/失敗事例
  8. 動物病院M&Aの相場
  9. 動物病院のM&A情報まとめ
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動物病院のM&A・事業承継

動物病院とは

動物病院とは

動物病院とは、動物がケガや病気をした際に治療を行う機関です。個人経営では、「犬猫病院」と看板を掲げて営業している施設も見られます。動物病院では個人経営の割合が多く、最近では獣医師が経営者を兼ねつつ動物看護師とともに病院を運営しているケースが目立っている状況です。

もともと動物の中には個人が飼うペット・畜産のために飼育されている動物などが存在しますが、一般的に「動物病院」では前者のペットを対象としています。

動物病院の市場動向や特徴

〈犬猫の数および全国の動物病院件数の推移〉(出典:IRI M&Aコンサルティング-動物病院のM&A)

〈犬猫の数および全国の動物病院件数の推移〉(出典:IRI M&Aコンサルティング-動物病院のM&A)

昨今の犬猫の数および全国の動物病院件数の推移を見ると、犬・猫の数は減少している一方で、動物病院は増加傾向にあることから、今後とも動物病院の競争激化が進む見込みです。そのほか、最近の動物病院を取り巻く市場動向を見ると、以下のように推移しています。

  • ペットの高齢化が進行
  • ペットの多種化問題が深刻化
  • ペットにお金をかける飼い主が増加
  • ペットの医療技術の進歩
  • 高齢獣医師の廃業件数の増加
  • 若手獣医師の開業の困難化

動物病院業界では、ペットに対する医療ニーズの高まりに伴い市場拡大が進行中です。 しかし、市場が成長する一方で、医療技術の向上が喫緊の課題とされています。ペットの高齢化を受けてさらに高度な医療が求められるようになっており、各動物病院が医療技術の向上を常に意識している状況です。

これに伴い、優秀な人材・高度な医療設備の確保の必要性も叫ばれています。また、最近では爬虫類などをペットとして飼う人も増加しており、さまざまな種類のペットへの対応に迫られている点も、近年の動物病院業界に見られる大きな特徴です。

こうした状況において、多くの動物病院がM&Aにより優秀な獣医師の確保・技術力の強化などを図るケースが目立っており、高度な医療技術の普及によって医療費の高額化も進んでいます。そのため、今後は価格競争が深刻化すると推測されており、近い将来に競争力の強化を目的とするM&Aニーズも高まる見込みです。

動物病院業界の課題点

動物病院は個人が経営しているケースが多く、多様化するニーズ・高度化する医療技術に対応しにくい点が課題として挙げられます。また、これは動物病院に限りませんが、個人が経営する事業所は経営が不安定になりやすく、やむを得ず廃業を選択する経営者の方も少なくありません。

とはいえ、これまで築き上げてきた事業の廃業は、経営者からすると強い抵抗感を覚えやすいです。そのうえ、動物病院の廃業では利用する飼い主・ペットにも大きな影響を与えてしまうため、できる限り廃業を避けるべきだといえます。

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動物病院のM&A動向

動物病院のM&A動向

動物病院業界の市場動向・課題点を見てもわかるとおり、特に個人経営の動物病院では多様なニーズに対応できず経営が不安定になりやすいです。また、たとえ個人経営でなくても、人材や技術の確保に苦しんでいる経営者は多く見られます。

こうした状況を受けて、動物病院業界ではM&Aが増加傾向にあり、さまざまな目的のもとで多くの動物病院がM&Aを検討している状況です。そこで本章では、動物病院がM&Aを行う目的について紹介します。

他院との差別化を図るためのM&A

市場の成長とともに競争の激化も見られる状況下において、動物病院では他院との差別化が重要視されています。これを成し遂げるにはサービス体制の強化・事業エリアの拡大・優秀な獣医師の確保・技術の向上などが求められますが、これらをM&Aによって実現しようと考える動物病院が増加中です。

例えば、差別化を図るために診療時間を拡大したい場合、獣医師の確保が必要になります。しかし、自院のみで人材を確保しようとすると、多くの時間・手間がかかります。そのため、他院とM&Aを行って双方の人材を活用する形で人材確保につなげるといったケースが多く見られるのです。

その他にも、特定エリアに強い動物病院の買収により事業エリアの拡大を目指す事例や、高度な技術・医療設備を持つ動物病院とのM&Aにより事業強化を図る事例なども多く見られます。

経営上の問題を解決するためのM&A

最近では、動物病院が抱える経営上の問題をM&Aにより解決するケースも増加中です。M&Aにより資金力のある企業(動物病院)の傘下に入れば、単純に廃業の危機を免れるだけでなく、安定した財務基盤のもとで事業を継続できます。

事業の継続は、動物病院の経営者・従業員だけでなく、病院を利用している飼い主・ペットにも大きなメリットがあります。特に個人経営ケースの多い動物病院業界では、廃業などの経営危機を救うM&Aは大きな意義を持つ経営戦略として認識されているのです。

ニーズの高まりや技術の多様化などに伴い、個人経営の動物病院は今後厳しい状況にさらされる可能性があります。こうした動向の中で、経営上の問題解決のためのM&Aは今後も増加する見込みです。

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動物病院の積極買収企業一覧【事例付き】

動物病院の積極買収企業一覧【事例付き】

本章では、動物病院をM&Aで積極的に買収している企業を一覧にして紹介します。

企業名 設立年月日・事業概要 主なM&A事例
ペッツファースト 2008年4月
・「ペットを最優先に考える」という経営理念のもと、犬・猫専門ペットショップ「P's-first(ペッツファースト)」を全国展開。
・動物病院、ペット保険、トリミングサロンなどペット関連事業を拡大。
MAMORIOと資本業務提携(2020年)
ライク 1993年9月22日
・保育、人材、介護の各分野で事業展開する企業グループ(5社)の持ち株会社。
・保育施設を370カ所以上運営、世代・国籍・経歴を問わず7,500名以上の雇用を創出、有料老人ホームを24カ所運営。
エーススタッフの買収(2013年)
ハクバ写真産業 1955年9月21日
・カメラバッグ、三脚などの写真・映像用品で国内最大手。
・機能とデザインにこだわった製品で根強いファンを有する。
・グループ企業を通じて遺伝子検査・ポータルサイト運営など新規事業にも取り組む。
ベルボンよりカメラ用三脚関連事業の買収(2020年)
JVCC 2017年3月1日
・動物病院およびペット関連事業の運営管理。
FORPETS、ブイアイエス、フジフィールドの買収(2017年)
YCP Lifemate 2014年9月1日
動物医療事業。
YCPグループ傘下でライフメイト動物病院グループの運営などを行う。
山口獣医科病院の事業譲受(2018年)、川村動物病院の事業譲受(2014年)

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動物病院のM&Aメリット・デメリット

動物病院のM&A・事業承継
動物病院のM&A・事業承継
動物病院のM&Aメリット・デメリット

ここまで基礎知識を中心に紹介しましたが、「動物病院のM&Aでは実際にどのようなメリットが得られるのか知りたい」と考える経営者の方が多く見られます。そこで本章では、動物病院のM&Aで生じるメリット・デメリットをまとめました。

買い手側

はじめに紹介するのは、買い手側に見られるメリット・デメリットです。M&A相手となる企業のニーズをつかむきっかけになるため、自院の売却を検討している方もチェックしておきましょう。

メリット

動物病院M&Aにおける買い手側のメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 規模のメリット(原価低減・間接コスト低減など)を享受できる
  • 新規顧客・新たなノウハウ・優秀な獣医師などを獲得できる
  • 成長スピードを向上させられる
  • 新たな医療設備・施設を確保できる
  • 事業エリアの発展・グループ規模の拡大などが狙える
  • 専門分野・新サービスを吸収できる

このように、M&Aによる買収では多種多様なメリットが期待できます。上記のメリットに魅力を感じる経営者の方は、M&Aによる動物病院の買収を検討しましょう。

デメリット

その一方で、動物病院M&Aにおける買収側には、以下のようなデメリットが生じるおそれがあります。

  • 簿外債務・偶発債務などを引き継いでしまうリスク
  • 買収に不満を持った獣医師に離職されてしまう可能性
  • 想定していたメリットが確実に得られるわけではない
  • 経営者のみで行うとM&A取引に多くの時間がかかる
  • 仲介会社によっては依頼契約料や中間手数料などを請求される

これらのデメリットは、主に動物病院の経営統合(PMI)プロセスの失敗が理由となり生じます。経営統合をスムーズに進めて動物病院のM&Aを成功させるためにも、完全成功報酬制を採用するM&A仲介会社からサポートを得ながらプロセスを進めると良いでしょう。

売り手側

続いて紹介するのは、売り手側に見られるメリット・デメリットです。こちらもM&A相手となる企業のニーズをつかむきっかけになるため、動物病院の買収を検討している方も欠かさずチェックすると良いでしょう。

メリット

動物病院M&Aにおける売り手側のメリットは、以下のとおりです。

  • 後継者不在の問題を解決したうえで事業承継を実現できる
  • 従業員の雇用維持が図れる
  • 経営者の個人保証や担保を解消できる
  • 廃院コストの支払いを回避できる
  • 労務問題・資金繰りなど経営責任から解放される
  • 創業者利益が獲得できる

このように、M&Aでは買収側だけでなく売却側にも多くのメリットがあります。上記のメリットに魅力を感じる経営者の方は、M&Aによる自院の売却を検討しましょう。

デメリット

上記に対して、動物病院M&Aにおける売り手側では、以下のようなデメリットが問題となるケースもあります。

  • M&A後に多くの引継ぎ期間を要するケースがある
  • 顧客・取引先・従業員に反対されるおそれがある
  • 希望どおりの条件で売却できるとは限らない
  • 仲介会社によっては依頼契約料や中間手数料などを請求される

これらのデメリットは、マッチングや関係者への説明プロセスにおける失敗により発生します。マッチングや関係者への説明をスムーズに成功させるためにも、買い手と同様にM&Aの専門家からサポートを受けながらプロセスを進めると良いでしょう。

【関連】M&Aのメリットとは?買い手・売り手のメリットやM&A戦略策定・手法別のメリットを紹介

動物病院のM&Aを成功させるポイント

動物病院のM&Aを成功させるポイント

昨今の動物病院業界ではM&Aが増加していますが、中には実際にM&Aを実施しても失敗してしまうケースも見られます。そこで本章では、動物病院のM&Aを成功させるためのポイントについてまとめました。

動物病院を売却するケース

動物病院を売却する際には、買い手に自院の魅力を十分に伝える必要があります。例えば、買い手がM&Aによって事業の強化を考えている場合、買い手のニーズも踏まえたうえで自院の魅力をアピールしなければなりません。

具体的には、「買い手がどのような分野で事業を強化したいのか」「どのような技術を強化したいのか」「拡大したい事業エリアはどこか」などの観点から買い手のニーズを整理しましょう。ここで買い手のニーズが自院の強みと合致すれば、自院の強み・魅力をアピールすることで最良な形で引継ぎが行えます。

動物病院を買収するケース

同業者同士のM&Aで動物病院を買収する場合、事業エリアの拡大・技術の強化などのメリットを享受できます。例えば、特定エリアで新しく事業を始める場合、そのエリアに強みを持つ動物病院を買収すれば短期間で事業を開始可能です。つまり、自院のみで新規エリアに進出するよりも時間・手間を削減できます。

そのほかM&Aによる買収では、双方のノウハウ・技術・人材を生かして、サービス体制の強化などにもつなげられるのです。ただし、買収を成功させるには、「自院が強化したい分野は何か」「強化すべき事業エリアはどこか」を洗い出す必要があります。

そして、上記をもとに買収すべき病院を決めることが大切ですが、すべてを経営者のみで行うのは困難です。したがって、M&Aを行う際はM&A仲介会社などの専門家への相談をおすすめします。もしも、専門家選びでお悩みでしたら、M&A総合研究所にお任せください。

M&A総合研究所には知識と経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、ニーズに合ったM&Aの相手探しから成約までをフルサポートしております。また、国内最安値水準の手数料体系に強みがあるほか、完全成功報酬制を採用しておりますので、成約に至らない限り費用は一切発生いたしません。

相談料は無料となっておりますので、動物病院のM&A実施を検討している場合にはお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

動物病院のM&Aで注意したいポイント

動物病院のM&Aで注意したいポイント

M&Aを行う際は、以下の点に注意が必要です。

  1. M&Aの目的を明確にする
  2. M&Aの対象となる相手は丁寧に選ぶ

上記は有効性の低いM&A・成約後のトラブルを防ぐためにも、十分に把握しておくべき注意点です。これら2つのポイントについて、詳しく紹介します。

①M&Aの目的を明確にする

M&Aの目的が明確であれば、より具体的なM&A戦略を策定できるためM&Aの方向性が定まります。これに伴い、自院にとって最適なM&Aスキームも検討しやすくなるのです。その結果として、自院に合った適切なM&Aの実現につなげられます。

これに対して、目的が不明瞭だと、M&Aを行っても想定していた効果が得られなかったなどのトラブルが発生しかねません。これでは、M&Aに多くの費用をかけても事業戦略としてメリットがなくなってしまいます。こうしたトラブルを回避するためにも、M&Aの目的は明確にしておきましょう。

②M&Aの対象となる相手は丁寧に選ぶ

M&Aによって売却・買収を行う以上、対象となる病院は丁寧に選ぶ必要があります。ここでは、事業内容・方針などを十分に検討し、自院に合うかどうかを慎重に判断しなければなりません。そして、ふさわしい動物病院が見つかったら、アプローチを早めに行いましょう。

アプローチを早く行うと、他の企業・病院に先を越されてしまったといったトラブルを防げます。なお、M&Aの手続きを進めるには、法務・税務・財務などの専門知識や対象となる病院との交渉力が必要です。

このような手続きを自院のみで進めることは非常に難しいため、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家からサポートを十分に受けるようにしましょう。

【関連】M&Aの目的とは?売り手(売却)、買い手側(買収)におけるM&Aの目的を解説

動物病院のM&Aの成功/失敗事例

動物病院のM&Aの成功/失敗事例

「実際にM&Aを実施する前に過去に実施された成功・失敗事例を把握しておきたい」と思う経営者の方は多いです。そこで最後に、動物病院M&Aの成功/失敗事例を取り上げます。はじめに取り上げるのは、動物病院M&Aの成功事例についてです。

成功事例5選

ここでは、動物病院で実際に行われたM&Aの成功事例を取り上げます。

  1. 七十七銀行が設立したファンドによるウイル動物病院グループへの投資
  2. JVCCによるFORPETSの株式取得
  3. JVCCによるブイアイエスの株式取得
  4. エルムスユナイテッド動物病院グループによるタイグリスの子会社化
  5. JVCCによるフジフィールドの株式取得

ぞれぞれの事例からポイントをつかんで、自社の戦略策定に活用しましょう。

①七十七銀行が設立したファンドによるウイル動物病院グループへの投資

七十七銀行

七十七銀行

出典:https://www.77bank.co.jp/

2018年7月、七十七銀行は、傘下のファンド運営会社と設立した「77ニュービジネスファンド」がウイル動物病院グループに5,000万円を投資したことを発表しました。77ニュービジネスファンドは、七十七銀行がグループ会社の七十七キャピタルとともに組成したファンドです。

このファンドではさまざまな企業への成長資金の供給や経営支援を行っており、ウイル動物病院グループは仙台動物医療センターと県内5つのグループ病院を運営しています。仙台動物医療センターはCTなどの画像診断を中心として、予防診療・一般診療から高度な二次診療まで受け入れを行う施設です。

この5つのグループ病院では、一次診療を中心に診察を行い、健康診断などの予防医療に力を入れています。ウイル動物病院グループは、77ニュービジネスファンドから資金を得たことでそれぞれの設備の拡充などを進めながら、医療体制のさらなる充実化を目指している状況です。

②JVCCによるFORPETSの株式取得

JVCC

JVCC

出典:http://jvcc.co.jp/

動物病院やトリミングサロンの運営を手掛けるJVCCは、「日本の獣医師にとって最も働きやすく、かつ、飼い主に最も信頼される動物病院グループの確立」という事業構想のもとで設立されました。2017年にはいくつかの会社をグループに加え、動物病院のグループ化の推進を進めています。

2017年10月、JVCCは東京都で動物病院とペットサロンの運営を行うFORPETSの発行済全株式を取得しました。FORPETSは東京都で2つの動物病院と1つのペットサロンを運営しており、東京都23区を中心に予防医療から高度な専門医療まで幅広く診察を行っています。

FORPETSの参画によって、JVCCは12の動物病院(3カ所はペットサロン併設型動物病院)と7つのペットサロンを運営する形となりましたが、これにより動物病院グループ化を進めています。

③JVCCによるブイアイエスの株式取得

JVCC

JVCC

出典:http://jvcc.co.jp/

こちらもJVCCのM&A事例です。2017年7月、JVCCは動物病院の運営を行うブイアイエスの発行済全株式を取得しました。ブイアイエスは大阪府・兵庫県・東京都・埼玉県で7つの動物病院を運営しており、各地のショッピングセンター内に動物病院を展開していることでも知られています。

ブイアイエスの参画により、JVCCは10の動物病院と7つのペットサロンを運営することになり、動物病院のグループ化の推進を加速させています。

④エルムスユナイテッド動物病院グループによるタイグリスの子会社化

エルムスユナイテッド動物病院グループ

エルムスユナイテッド動物病院グループ

出典:http://eug.jp/

2017年8月、全国に動物病院を展開しているエルムスユナイテッド動物病院グループは、動物病院業界向けIoT事業などを手掛けるタイグリスの完全子会社化を発表しました。エルムスユナイテッド動物病院グループは、高度獣医療センター・一次動物病院となる10の病院を運営しています。

さらに、再生医療や先端獣医療、動物iPS細胞の研究、AIを活用した獣医療・遠隔診療を行っており、動物病院関連事業・ペット関連事業まで幅広い事業を展開しています。一方でタイグリスは、動物病院業界向けIoT事業を運営する会社です。

動物病院売上管理システム・動物病院顧客管理システム・電子カルテ・AI・VR/AR(仮想現実/拡張現実)・遠隔診療などの開発・販売を行っています。エルムスユナイテッド動物病院グループでは、すでにタイグリスの22.43%の株式を保有していました。

本件M&Aでタイグリスを完全子会社化したことで、エルムスユナイテッド動物病院グループではAI・VR/ARといったIoTの活用による獣医療技術の向上を進めてより最適な医療の提供につなげています。

⑤JVCCによるフジフィールドの株式取得

JVCC

JVCC

出典:http://jvcc.co.jp/

2017年4月、JVCCはペットサロン併設型動物病院の事業などを行うフジフィールドの発行済全株式(自己株式を除く)を取得しました。フジフィールドは、東京都と神奈川県で3つのペットサロン併設型動物病院と7つのペットサロンを運営する企業です。

本件M&Aに伴い、JVCCの代表取締役には、フジフィールドの創業者である藤野洋獣医師が就任しています。また、大半が個人事業者となっている動物病院業界において、JVCCは企業組織による病院経営モデルを構築して事業構想に賛同する病院のグループへの参画を促進すると発表しました。

失敗事例

動物病院のM&A動向を見ると、現時点で目立った失敗事例は報告されていません。とはいえ、M&A後に獣医師をはじめとする優秀な人材の流出に悩まされた動物病院は存在します。所属病院の変更に伴う待遇・環境などの変化に不満を持った獣医師が離職するケースは、動物病院のM&Aにおいて珍しくありません。

こうしたトラブルは、経営者からすると、想定していたM&Aの効果が得られないうえに人材不足に陥ってしまい、病院運営が困難化する原因となります。人材不足が叫ばれる中、動物病院では獣医師の確保も深刻な課題となっている状況です。

優秀な獣医師の流出を防ぐには、M&Aという大きな転換点において、待遇をはじめとする条件面・就労環境面などに十分に配慮する必要があります。

【関連】病院・医療法人のM&Aの7つのポイント!買収積極企業は?【持分あり/なし】

動物病院M&Aの相場

動物病院M&Aの相場

動物病院のM&Aでは、個人経営の動物病院から大規模な動物病院までさまざまな規模の病院によるM&A事例が見られます。事例によって規模が大きく異なるため、相場や費用を一概に把握することは困難です。

ただし、相場の判断が難しいからといって、相場や費用をまったく考えないわけにはいきません。ある程度の相場・費用の目安を付けておかないと、想定外の費用が発生することになります。そのため、自院の状況と似たM&A事例を分析し、どのくらいの費用が発生するのかを把握しておきましょう。

具体的には、事例ごとにM&Aの目的・M&Aの当事者となる病院の規模・対象事業の規模・病院の業績・従業員の数・M&Aスキームなどをチェックして、自院と似た事例を徹底的に分析することが大切です。

動物病院のM&Aでは価格が割安となることが多い

動物病院のM&Aにおいては、取引価格が他の業種よりも割安になるケースが多いです。その理由にはさまざまありますが、売り手側が自院の存続を優先的に考えた相手探し・交渉を進めることで、取引価格が安くなる傾向にあるとされています。

また、経営者つまりは獣医師が高齢である点や通常業務でM&Aに時間をかけられない点を理由に、できるだけ早くM&Aを済ませられるよう希望価格を安くして募集・交渉を行い、短期間で決着を付けようとするケースも見られます。こうした事情から、動物病院業界のM&A相場は、比較的安価です。

なお、できるだけ高額かつスピーディーにM&Aによる売却を行いたい場合は、M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、経験豊富な専門家が、M&Aの成功に向けて金額の算出や条件交渉などを通じて会社を高く売れるようサポートいたします。

もともとM&A取引は交渉から成立まで半年から1年程度かかりますが、M&A総合研究所は早いクロージングを目指しており、最短3カ月でのクロージング実績を持っております。相談料は無料となっておりますので、少しでも早くM&Aを済ませたいと考える経営者の方はお気軽にご相談ください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所
【関連】M&Aの相場とは?決め方や注意点を紹介【事例付き】

動物病院のM&A情報まとめ

動物病院のM&A情報まとめ

近年ではペットが家族の一員として過ごすケースが増えており、高度な医療サービスの受診を考える飼い主も増えています。こうした状況下で動物病院の需要はますます高まっており、医療も高度化しています。そのため、市場としては成長が見られますが、一方で動物病院の競争が激化する可能性も見逃せません。

こうした将来性を踏まえて、他院との差別化を図る目的や経営上の問題を解決する目的によりM&Aを検討する動物病院が多いです。しかし、M&Aを成功させるためには、十分にポイントを押さえたうえで後に発生するおそれのあるリスクを排除しなければなりません。

動物病院のM&Aを考えるには、多様な事例をチェックしつつ自院の状況と似た事例を徹底的に分析して検討することが重要です。このときは、M&A仲介会社のような専門家に相談・サポートを依頼することをおすすめします。本記事の要点をまとめると、以下のとおりです。

・動物病院の市場動向や特徴
→ペットの高齢化が進行、ペットの多種化問題が深刻化、ペットにお金をかける飼い主が増加、ペットの医療技術の進歩、高齢獣医師の廃業件数の増加、若手獣医師の開業の困難化

・動物病院のM&A動向
→他院との差別化を図るためのM&A、経営上の問題を解決するためのM&Aが盛ん

・動物病院のM&A買い手側のメリット
→規模のメリット(原価低減・間接コスト低減など)を享受できる、新規顧客・新たなノウハウ・優秀な獣医師などを獲得できる、成長スピードを向上させられる、新たな医療設備・施設を確保できる、など

・動物病院のM&A買い手側のデメリット
→簿外債務・偶発債務などを引き継いでしまうリスク、買収に不満を持った獣医師に離職されてしまう可能性、想定していたメリットが確実に得られるわけではない、など

・動物病院のM&A売り手側のメリット
→後継者不在の問題を解決したうえで事業承継を実現できる、従業員の雇用維持が図れる、経営者の個人保証や担保を解消できる、廃院コストの支払いを回避できる、など

・動物病院のM&A売り手側のデメリット
→M&A後に多くの引継ぎ期間を要するケースがある、顧客・取引先・従業員に反対されるおそれがある、希望どおりの条件で売却できるとは限らない、仲介会社によっては依頼契約料や中間手数料などを請求される

・動物病院のM&Aを成功させるポイント
→買い手に自院の魅力を十分に伝える(売り手側)、「自院が強化したい分野は何か」「強化すべき事業エリアはどこか」を洗い出す(買い手側)

・動物病院のM&Aで注意したいポイント
→M&Aの目的を明確にする、M&Aの対象となる相手は丁寧に選ぶ

・動物病院M&Aの相場
→他の業種よりも割安になるケースが多い

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調剤薬局業界では中小の薬局が大手に身売りするケースが多く、徐々に寡占化が進んでいます。本記事では調剤薬局の身売りについて、大手が主な買い手となる理由や、最近の大手薬局のM&A動向、身売りを検討す...

食肉卸業界のM&A成功/失敗事例5選!注意点や成功のポイントを解説

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日本の食肉需要量は高く推移していますが、消費者のニーズが変化してきたにより多様な食肉生産が求められるようになってきています。本記事では、食肉卸業界でM&Aをする際の注意点や成功のポイント、M&A...

美容雑貨製造業界のM&A・事業承継!動向・注意点・相場を解説【事例有】

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近年、美容雑貨製造業界のM&Aが活発になっています。特に、インバウンド需要の拡大や海外製品の輸入増加が影響しており、対応力をつけるためにM&Aを実行するケースも増えています。今回は、美容雑貨製造...

空調機器製造業界のM&A情報!メリット・デメリットや注意点を解説

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空調機器製造業界とは、エアコン、空気清浄機、冷凍機、送風機器、換気扇などの空調設備を製造している業界であり、現在は変化の時期を迎えています。本記事では、空調機器製造業界でM&Aを行うメリット・デ...

コンクリート製造業界のM&A!動向や流れ・相場を事例付きで徹底解説

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コンクリート二次製品や原料であるセメントなどを製造・販売するコンクリート製造業界では、市場規模の縮小とともにM&Aによる統廃合が進んでいます。本記事では、コンクリート製造業界のM&Aについて、メ...

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