2024年9月19日更新都道府県別M&A

北陸地方のM&A・事業承継の最新情報!事例や案件・相談先も紹介

北陸地方におけるM&A・会社売却・事業承継の情報やM&A動向などを解説します。北陸地方は元々M&Aを積極的に活用してきた地域です。今後は、中小企業・個人事業主の事業承継M&Aが活発化すると考えられます。北陸地方のM&Aを検討している方は必見です。

目次
  1. 北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の最新情報
  2. 北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の動向
  3. 北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の今後
  4. 北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の案件
  5. 北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の事例
  6. 事業承継・M&A時におすすめの相談先
  7. 北陸地方のM&A・事業承継向けの公的機関
  8. 北陸地方のM&A・会社売却・事業承継のまとめ
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北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の最新情報

まずは、北陸地方のM&A・会社売却・事業承継情報を見ていきましょう。

北陸地方でのM&A・会社売却の最新情報

北陸地方は世界的なレベルの工業集積地帯で、日本海側の地域はトップクラスの生産力・経済力を誇ります。農業や医療など、さまざまな産業が発達していることも特徴です。

北陸地方の企業はM&Aや会社売却を行って、事業の拡大や多角化を実現してきました。しかし、昨今はM&Aや会社売却の件数が減少傾向にあります。かつては北陸地方における多くの企業が国内のみならず、海外の企業ともM&Aを行っていました。しかし、本業回帰の傾向が強まり、北陸地方における企業の多くが本業に集中する方針を取っています。

北陸地方での事業承継の最新情報

帝国データバンクが発表した2023年の調査によると、北陸3県(石川、富山、福井)の中小企業で「後継者がいない」または「未定」と答えた企業の割合はいずれも5割を超えています。石川県では前年より後継者不在率が増加した一方、富山県と福井県では低下しました。

現経営者や後継者候補が事業承継の重要性を認識し始めたことが、不在率の低下につながったと分析されています。

また、経営者の就任方法を見ると、各県とも「同族承継」が最も多いですが、M&A(合併・買収)による事業承継が増加傾向にあります。これにより、親族間での承継が減少し、ファミリー経営からの脱却が進んでいることが伺えます。

今後は、国や自治体が進める事業承継への支援策により、後継者不在率のさらなる改善が期待されています。

参考:日本経済新聞「北陸企業の後継者不在率、5割超え 石川は過去最高」

北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の動向

この章では、北陸地方におけるM&A・会社売却・事業承継の動向を見ていきましょう。

新潟県の動向

農業や林業、食品製造業などが盛んな新潟県ですが、北陸地方の中でM&Aが積極的に行われています。ピークを迎えた2008年以降はM&A件数が下がったものの、最近はM&A件数が持ち直しているのです。これは、人口減少に伴いM&Aのニーズが増えたためと考えられます。

富山県の動向

漁業が盛んなイメージのある富山県は、化学工業や金属製品製造業も活発で、非常に高い生産力を誇ります。M&Aにおいても、一時期活発化した時期があり、県内企業が海外企業を買収したケースもありました。しかし、現在はM&A件数が減少傾向です。

石川県の動向

繊維工業やエレクトロニクス産業、漁業などが活発な石川県ですが、M&Aは定期的な件数を記録しています。海外企業とのM&Aもあるなど、経営手法としてM&Aが一般化しています。人口減少に伴い事業承継M&Aへのニーズがより高まっているのです。

福井県の動向

人口の減少が顕著な福井県は、M&A件数が北陸の中で最も少ないです。しかし、近年はM&A件数が増加傾向にあり、事業承継M&Aへのニーズも高まっていくと考えられます。

石川のM&A・会社売却については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】石川県の事業承継・M&A動向!案件一覧や事例も解説

北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の今後

北陸地方におけるM&A・会社売却・事業承継の今後はどうなっていくのでしょうか。北陸地方は、今でこそ本業回帰のためにM&A件数が減っていますが、経営環境や景気の変化に合わせてM&A件数が増加する可能性は十分にあります。

一方、どの県も人口減少が進み、後継者不在で存続の危機に陥る企業が増加している状況です。そのため、事業承継M&Aを行う企業は増え続けるでしょう。

北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の案件

弊社M&A総合研究所が取り扱っている北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の案件をご紹介します。

【北陸地方/官公庁と取引あり】オフセット印刷業・地域情報報誌出版業

地域情報誌を発行しており、県内の多くの企業とネットワークを構築しています。印刷媒体に伴う、企画・デザイン、発送まで一気通貫で対応可能です。

エリア 中部・北陸
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 1000万円〜5000万円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【北陸地方/官公庁と取引あり】オフセット印刷業・地域情報報誌出版業(その他サービス等) | M&A総合研究所

【安定した財務体質】北陸信越地方の鉄筋加工・工事業

鉄筋を使用するものに関しては基本的にすべて対応可能です。見積から加工、施工まで自社で一貫して対応できます。

エリア 関東・甲信越
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 1億4,000万円(応相談)
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【安定した財務体質】北陸信越地方の鉄筋加工・工事業(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

【北陸地方/複数店舗】アミューズメント施設運営

北陸地方にてアミューズメント施設を複数店舗運営している会社です。現在宣伝広告が最小限のため、今後さらなる拡大が想定可能です。

エリア 中部・北陸
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 4,000万円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【北陸地方/複数店舗】アミューズメント施設運営(その他サービス等) | M&A総合研究所

北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の事例

北陸地方のM&A・会社売却・事業承継の事例をピックアップしてご紹介します。

日本海ガス絆HDによる北陸電設のM&A・事業承継

2024年5月22日、日本海ガス絆ホールディングス(富山県富山市)は、北陸電設(富山県富山市)の全株式を2024年5月27日に取得することを発表しました。

日本海ガス絆ホールディングスは、都市ガス工事やLPガス供給設備の設計・施工、水道工事などを手がけています。北陸電設は、電気設備工事や光通信工事など、地域社会に不可欠なエネルギーと情報通信に関する工事を行っています。

今回の株式取得は、日本海ガス絆ホールディングスが掲げる「総合エネルギーグループへの進化」という2030年の目標を達成するためのものです。北陸電設の技術力と教育体制を活用することで、事業領域を広げ、グループ全体の相乗効果を高める狙いがあります。

株式会社北陸電設の株式取得に関するお知らせ

北陸電気工事による日建のM&A・事業承継

2023年11月30日、北陸電気工事は取締役会で、日建(神奈川県横浜市)の株式を取得し、子会社化することを決定しました。

北陸電気工事は1944年に設立され、北陸地域を拠点に電気工事や配電設備の請負施工を中心とした事業を展開しています。一方、1981年設立の日建は、神奈川県をはじめとする首都圏で空調・給排水管工事を中心に、電気工事なども手掛ける設備工事業者です。

今回の子会社化により、北陸電気工事は関東地域での商圏拡大を図り、中期経営計画「アクションプラン2024」の目標達成に向けた成長を見込んでいます。

株式取得(子会社化)に向けた株式譲渡契約締結のお知らせ(株式会社日建)

クスリのアオキHDによるナルックスのM&A・事業承継

2020年6月4日、クスリのアオキホールディングスは、ナルックス(石川県金沢市)の株式89.84%を取得し、子会社化することを決定しました。

クスリのアオキHDは、ドラッグストアと調剤薬局の運営を行っており、北陸、信越、関東など20府県に632店舗を展開しています。食品の取り扱いにも力を入れており、大型店では生鮮食品も扱っています。

一方、ナルックスは石川県金沢市で5店舗の食品スーパーを展開し、新鮮な近海魚のお刺身などの品揃えが強みです。

今回のM&Aにより、クスリのアオキHDは、ナルックスの新鮮な食材と自社のヘルス&ビューティー商品を組み合わせることで、顧客層の拡大を狙っています。また、北陸地域でのドミナント戦略を強化し、企業価値のさらなる向上を目指します。

株式会社ナルックスの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

事業承継・M&A時におすすめの相談先

北陸地方での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。

金融機関

近年、金融機関がM&A支援に特化した専門部署を設置するケースが増加しています。特に、投資銀行やメガバンクがファイナンシャルアドバイザー(FA)として、重要な役割を果たす場面が多く見られます。M&Aを進める際には、資金調達において金融機関との協議が不可欠であり、既存の取引がある金融機関が最初の相談先となることが一般的です。

金融機関のメリットは、資金調達に関する専門的な助言が得られる点です。たとえば、親族や従業員が事業承継を行う際には、株式取得のための資金を調達するため、金融機関のサポートが非常に役立ちます。また、他の専門家との連携により、適切なアドバイザーを紹介してもらうことも可能です。

ただし、大手金融機関は主に大規模なM&A案件に注力するため、中小規模の案件には対応しないことがあり、報酬が高額になるケースもデメリットとなります。

公的機関

近年、公的機関でも事業承継やM&Aに関する相談体制が整備されています。たとえば、「事業承継・引継ぎ支援センター」は、中小企業が直面する後継者不足などの課題に対し、公的支援を提供する窓口です。このセンターでは、事業承継やM&Aに関する情報提供やアドバイス、企業間のマッチング支援を行っています。

2021年4月に設立され、全国47都道府県に窓口が設置されており、地方企業でも簡単に利用できるのが強みです。政府運営のため、無料で信頼性の高いアドバイスが受けられ、M&A仲介会社や専門家の紹介も行っています。さらに、個人事業主の事業承継にも対応しています。

ただし、公的機関のため、対応が遅くなる場合や、民間のM&A仲介会社と比べてサポートの範囲に限界がある点がデメリットとなることもあります。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、企業の買収や売却を専門的にサポートする企業で、売り手と買い手の双方と契約を結び、交渉を調整しながら取引を進めます。これらの会社は、初回の相談から買収相手の選定、スケジュール管理、企業価値の評価(バリュエーション)、書類作成まで、M&A全体のプロセスを支援します。

仲介会社の役割は、売り手と買い手の希望を調整し、最適な合意点を見つけることです。これにより、最適な取引相手を見つけやすく、成功率の高いM&Aが実現しやすくなります。

特に、M&Aが初めての企業でも安心して進められるように、仲介会社は手厚いサポートを提供し、交渉をスムーズに進めるためのアドバイスを行います。

ただし、一部の仲介会社では、着手金や中間金がかかる場合があり、コスト面での負担が懸念されることもあります。コストを抑えるために、成功報酬制を採用している企業を選ぶのも一つの方法です。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

北陸地方のM&A・事業承継向けの公的機関

この章では、北陸地方におけるM&A・事業承継向けの公的機関を見ていきましょう。

中小企業基盤整備機構 北陸本部

中小企業基盤整備機構は、中小企業における経営課題の解決を支援する機関です。事業承継に関しては、セミナーや専門家紹介といった形でサポートを実施しています。

関東経済産業局(新潟)、中部経済産業局(富山・石川)、近畿経済産業局(福井)

経済産業局では、事業承継税制や補助金の申請が可能です。ただし、北陸地方は各県によって管轄の経済産業局が違うため、自分の地域に対応している機関を選ぶ必要があります。

事業承継・引継ぎ支援センター (北陸各所)

事業承継・引継ぎ支援センター (北陸各所)は、中小企業庁の管轄にある組織です。事業承継を考えている中小企業・個人事業主のために、M&Aの専門家や外部における後継者候補の紹介などを行っています。

北陸地方のM&A・会社売却・事業承継のまとめ

北陸地方はM&A件数こそ減少しましたが、元々M&Aを積極的に経営手法として活用してきた地域です。そのため、M&Aを経営戦略に組み込む企業が多く、海外企業との大規模なM&Aを行ったケースも珍しくありません。

今後は人口減少の影響により、中小企業・個人事業主の事業承継M&Aが活発化すると考えられます。M&A・事業承継を成功させるためには早めの準備が大切です。検討段階から専門家に相談しておくとスムーズに進めていくことができるでしょう。

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