2020年4月12日更新業種別M&A

居酒屋の事業承継とは?事業承継課題や事例を解説

居酒屋の事業承継は、飲食業界の人材不足などの問題に加えて、後継者不足や店主の高齢化により難しい状況といえます。本記事では、居酒屋の事業継承における課題や事例などを紹介しますが、M&Aも視野に入れて検討していくことが大切です。

目次
  1. 居酒屋業界の動向
  2. 居酒屋の事業承継とは
  3. 居酒屋の事業承継に対する課題
  4. 居酒屋の事業承継における注意点
  5. 居酒屋の事業継承(M&A)
  6. 居酒屋の事業承継事例
  7. まとめ
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居酒屋のM&A・事業承継

居酒屋業界の動向

居酒屋は、大手チェーン店が代表的ですが、個人経営している居酒屋も多く点在しています。居酒屋業界の動向として、業界規模の推移を見ると、2013年から2015年までは増加傾向にありましたが、2015年から2018年は再び横ばいに転じています。

2011年ごろは、東日本大震災の復興需要があり、急激な増加とはなっていませんが、徐々に上昇しています。しかし、欧州債務危機や新興国経済成長が鈍く、先の景気が読みづらい状態が続いていました。

2012年になって、円高の是正、株価上昇など、経済に明るい兆候が見え始めて、景気回復へと転じました。景気が回復傾向にあれば、居酒屋のような外食業界も売上高を伸ばすきっかけとなります。

経済的な背景を受けやすい居酒屋業界では、後継者不在によって廃業を選択しているところも多くあります。大手居酒屋チェーン店以外の個人経営している居酒屋は、景気のほかにもアルコール離れや家飲みなどの影響を受けやすい状況にあります。

この状況は、居酒屋業界にとって今後のお店の運営にも影響を与えており、居酒屋を経営している店主は自分の代で廃業しようという傾向が強く、後継者を見つけて後継ぎとすることを諦めている場合があります。

居酒屋業界では、居酒屋だけでは売り上げが伸びないことから、非居酒屋事業にシフトしている動きもあります。例えば、大手居酒屋チェーンのワタミは、2004年ごろから居酒屋だけでなく、介護事業と宅食事業への参入を果たしています。

居酒屋の事業承継とは

居酒屋を経営している場合の事業承継については、店主の世代交代のタイミングにも関わらず、後継者がいないという現実があります。後継者がいないという現状は、居酒屋業界だけでなく他の業種にも共通している事項です。

帝国データバンクの「2017年 後継者問題に関する企業の実態調査」でも、居酒屋を含むサービス業では、後継者不在率が71.3%となっており、国内全体の会社においては66.1%となっています。

居酒屋の場合は、夕方から深夜に仕事をすることから、後継者が見つけにくく店主に子供がいたとしても、居酒屋の後継者とするのが難しい現状があるでしょう。

老舗の居酒屋がなくなってしまうことは寂しいことですが、店主の高齢化や後継者不在を理由に閉店を余儀なくされているケースもあります。店主の考えや後継者の有無によって、どのように事業承継を進めていくかが変わります

居酒屋の事業承継に対する課題

ここでは、居酒屋の事業継承に対する課題について解説します。

①経営者の平均年齢および平均引退年齢

中小企業庁が公表している、中小企業の経営者の平均年齢と平均引退年齢は以下のとおりです。

  • 2015年における経営者の平均年齢は66歳
  • 経営者の平均引退年齢は67.7歳(小規模事業主は70.5歳)

経営者の平均年齢は、1995年では47歳であり、年々増加傾向にあります。また、平均引退年齢は30年以上前では61.3歳であり、経営規模が小規模である居酒屋経営者が該当する小規模事業主では62.6歳となっており、こちらも年々増加傾向にあります。

現在の日本は、平均寿命が80歳を超える長寿国であるため、居酒屋を経営する店主が60歳、70歳ではまだまだ現役とお店を経営し続けることも可能ではあります。

しかし、後継者の問題となると、跡取りはいないとしている場合が多く、自身の代で閉店、廃業を選択するケースが多いのが現状です。

②店主の人柄や独自サービス提供

居酒屋の場合は、店主が創業者となっていることが多く、店主の人柄や独自のメニューなどによって、お店の人気を高めている場合もあり、事業承継してお店を存続させていくことが難しい業界でもあります。

③後継者不足

そもそも居酒屋業界全体が人材不足となっており、働く環境に良い印象を持っていない人が多いことも事業継承の課題といえます。

④酒税法の改正による影響

2017年6月に酒税法が改正され、酒類の安売りが規制されました。そのため、居酒屋でも価格を見直す動きがあり、経営が厳しい状態になっています。

⑤現経営者の先行き不安

居酒屋の事業承継は、現経営者が先行きの不安やお店の運営に不安を抱いていることから、後継者にお店を託そうとしない動きがあります

今後のお店の展開方針に関して、現店主が持つ希望も重要になりますが、お店を引き継ぐ後継者に対して、お店をどのように引き継ぐかということも課題となります。

居酒屋の事業承継における注意点

居酒屋のM&A・事業承継
居酒屋のM&A・事業承継

続いて、居酒屋の事業継承における注意点について紹介します。

①従業員への情報漏洩

小規模であっても従業員がいる場合は、事業承継の情報が従業員に漏れないようにすることが大切です。事業承継の情報によって、従業員が店主交代の情報を耳にすると、その後の雇用関係に影響があるのではないかと不安を感じる場合があります。

事業承継をしても、従業員の雇用は守られる場合が多いですが、従業員にとっては店主の交代は、お店の業績悪化やリストラなどの不安を与えるものになります。そのため、従業員がいる場合は事業承継の情報は、事業承継が確定するまで漏れないようにした方がよいでしょう。

②早めの準備

居酒屋の事業承継の準備は、早めに取り掛かった方がよいでしょう。現店主のお店への思いや考え方、あり方などを後継者に引き継いでもらいたいと思う場合があります。また、お店の切り盛りの仕方なども伝授したいことがたくさんあります。

お店の独自のメニューや味付けなど承継してもらいたいものが多くある場合は、早めに後継者を決めて、事業承継の準備を始めるべきです。

また、後継者と今後のお店のあり方などを話し合って検討する場合も、早めに後継者が決まっていれば、どのような方向性でお店を承継したいかなど、話し合う時間を取ることができます。

③譲れない条件の提示

現店主にとっても、これまで居酒屋を経営してきた中で、譲れない条件もあるでしょう。それらを、後継者と話し合い、事業承継がスムーズにできるように、事前にしっかりと話し合っておく必要があります。

現店主と後継者が話し合うことで、最も良い形で事業承継ができ、その後のお店の存続も可能になります。

④親族以外による後継者の申し出

現店主の子供が後継者となることも考えられますが、親族以外の人がお店を引き継ぎたいと申し出る場合もあるでしょう。このような場合は、現店主の子供に引き継ぐ意思がないことをしっかりと確認しておきます。

そのため、後継者を誰にするのかという点も事前に明確にしておく方が事業承継がスムーズに進みます。従業員が後継者となる場合は、お店の雰囲気やあり方、人気のメニューなどお店のことをよくわかっているため、事業承継の準備期間を短縮することも可能となるでしょう。

居酒屋の事業継承(M&A)

居酒屋の事業承継を視野に入れる際に、後継者がいない、店主の高齢化で事業承継が難しいという場合は、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。M&A仲介会社に相談することで、お店の現状や財務、税務、会計など専門家の力を借りて、お店の経営状況を改めて確認できます。

そのうえで、事業承継かM&A実施するかの判断も可能になります。現店主が事業承継について迷っている場合も、M&A仲介会社に相談することで、事業承継の方向性が見えてきます。

M&Aで事業継承の実現をお考えであれば、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所は、専門の公認会計士が在籍しているM&A仲介会社であり、経験豊富な専門家がサポートいたします

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しかしながら、M&A総合研究所は平均3ヶ月でクロージングを実現させています。相談は無料で承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください

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居酒屋の事業承継事例

最後に、居酒屋の事業継承事例をご紹介します。

①個人経営店の事業承継

個人経営の居酒屋の事業継承事例として、地元での人気も高く、業績もよいお店を経営していた店主が引退を検討していた際、地元のレストランオーナーからM&Aを活用した事業承継の提案を受けたことが挙げられます。

レストランオーナーは、すでに3店舗を展開しており、業績を伸ばしていました。地元の常連に人気のある居酒屋と知って、もっと需要があるのではないかと考え、M&A後も同じ雰囲気で居酒屋を運営することを決めました。

居酒屋の店主とレストランオーナーの考えや気持ちも一致して、レストランオーナーが居酒屋をM&Aによって引き継ぐことになり、居酒屋の店主は安心して引退を決め、レストランオーナーに託すことになりました。

②チムニー株式会社とマルシェ株式会社の資本・業務提携

チムニー株式会社は「はなの舞」、「さかな道場」などの居酒屋を関東圏に多く出店している会社で、直営店舗338店、コントラクト店舗91店、フランチャイズ店舗285店、グループ会社32店を展開しています。

マルシェ株式会社は「酔虎伝」、「八剣伝」、「居心伝」などの居酒屋を関西圏に多く出店している会社で、直営店123店、フランチャイズ店舗354店を展開しています。

関東圏と関西圏に多く店舗を持つ両社が2017年6月27日に資本・業務提携を発表しています。この資本・業務提携によって地域的な補完関係を築くことができ、全国の店舗で商品供給力、メニュー制作力、地域の特性を生かした店舗営業力を強くして促進しています。

商材の相互供給や共同購買によって付加価値の向上やコスト削減、共同フェアの開催など店舗力の向上、教育交流・人材交流・採用・人材マネジメントで協力していく方針を示しています。

店舗運営のノウハウの共有によって、経営効率の高い店舗づくり、そのほかの企業価値の向上などを両社が協議した内容で協力する予定としています。

③ジー・テイストによる湯佐和の子会社化

株式会社ジー・テイストは、神奈川県を中心に居酒屋を展開している株式会社湯佐和の株式を取得して子会社化しました。

湯佐和は、地域密着型の寿司居酒屋や海鮮居酒屋を神奈川県に13店舗出店しており、三崎漁港と長井漁港の買参権(市場での競りに参加する権利)を持っており、新鮮な魚を店舗に提供するノウハウを持っています。

外食業界の人材不足の問題やコストの高騰、消費者の節約志向・低価格指向の高まりに対して、ブランド力の向上や地域に根差した店舗展開、価格競争力やサービス力の強化などのシナジー効果を期待してます。

④クリエイト・レストランツ・ホールディングスによるいっちょうの連結子会社化

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、2019年に株式会社いっちょうの全株式を取得し、連結子会社化しています。いっちょうは、和食レストラン「いっちょう」を中心に40店舗など、主に北関東をメインに展開しています。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、いっちょうと自社グループの様々な事業会社が連携し、互いに培ってきた経験やノウハウを共有することで、店舗運営力の更なる向上を狙っています。

まとめ

居酒屋の事業承継は、飲食業界の人材不足などの問題もありますが、後継者不足や店主の高齢化によって、難しい状況だといえます。そのような中で、事業承継方法が店主を悩ませることとなっているのは明らかです。

特に、個人で経営している居酒屋の場合は、地元の常連客が多く、惜しまれつつ閉店を余儀なくされているケースも多くみられます。現店主の代で閉店しまうには惜しいお店もあり、事業承継についてはM&Aも視野に入れて検討していくべきでしょう。

今回の記事をまとめると以下のとおりになります。

・居酒屋業界の動向
→経済的な背景を受けやすく、後継者不在によって廃業を選択している傾向がある

・居酒屋の事業承継とは
→店主の世代交代のタイミングにも関わらず、後継者がいないという現実がある

・居酒屋の事業承継に対する課題
→経営者の平均年齢および平均引退年齢、店主の人柄や独自サービス提供、後継者不足、酒税法の改正による影響、現経営者の先行き不安

・居酒屋の事業承継における注意点
→従業員への情報漏洩、早めの準備、譲れない条件の提示

・居酒屋の事業継承(M&A)
→後継者がいない、店主の高齢化で事業承継が難しい場合は、M&A仲介会社に相談することがおすすめ

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