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2019年11月28日更新
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生命保険を活用した相続税対策

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

生命保険を用いた相続税対策は実行しやすく、節税効果も期待できるものです。しかし、生命保険で相続税対策を行う場合はそれなりの知識と手順を知っておく必要があります。生命保険を活用した相続税対策の仕組みと注意点、生命保険を活用した相続税対策のメリット・デメリット、生命保険を活用した相続税対策における受取人について解説します。

目次
  1. 生命保険を活用した相続税対策
  2. 生命保険を活用した相続税対策とは
  3. 生命保険を活用した相続税対策の仕組みと注意点
  4. 生命保険を活用した相続税対策のメリット・デメリット
  5. 生命保険を活用した相続税対策における受取人
  6. まとめ

生命保険を活用した相続税対策

相続税対策で生命保険を使う方法はポピュラーなものであり、身の回りでも実際に試したことがあるという人も多いかと思います。

実際に生命保険を用いた相続税対策は実行しやすく、節税効果も期待できるものです。

ただ、生命保険で相続税対策を行う場合はそれなりの知識と手順を知っておく必要があります。

今回は生命保険を使った相続税対策に関する様々な情報をお伝えします。

生命保険を活用した相続税対策とは

そもそも生命保険を使った相続税対策とはどういうものなのでしょうか。

相続の際に分配される相続財産は基本的に被相続人が死亡した段階で被相続人が所有している財産が該当します。

しかし生命保険は被相続人が契約したものでも受取人が被相続人以外の人物であれば、その保険から発生する保険金は受取人の財産として扱われます。

ただ、生命保険は「みなし相続財産」として扱われるものであり、相続税の課税対象となります。

生命保険に対する相続税の課税に関しては非課税枠が設けられており、その範囲内の金額であれば納付する相続税を減らすことができます。

この非課税枠だけでなく、生命保険の保険料を支払い続けるという形で財産の圧縮も可能です。

生命保険による相続税対策はやり方を間違えると相続税だけでなく贈与税が発生してしまうことがあります。

例えば契約者が夫、被保険者(生命保険をかけられる人)が妻、受取人が子供になっているようなケースだと被保険者の死亡によって発生した保険金を息子が受け取ると贈与税の課税対象になります。

贈与税の非課税枠は年間110万円以下であるため、生命保険の保険金、とりわけ死亡保険金のような大きな額になると非課税枠を簡単に超えてしまう可能性が高くなります。

そのため、生命保険で相続税対策を行う場合は契約者と被保険者を同じ人物にしておくようにしましょう。

この際、保険料の支払いが難しいなら口座だけは別の人の口座にするという方法もあります。

生命保険を活用した相続税対策の仕組みと注意点

ここでは相続税のルールに触れながら、具体的に生命保険を使った相続税対策の仕組みをお伝えしていきます。

生命保険を使った相続税対策を行う際には2つのポイントがあります。

さきほども触れた「非課税枠や基礎控除」と「契約者・被保険者・受取人の関係」です。

生命保険を利用して相続税対策を行う際にはこの2つのポイントを知っておく必要があります。

それぞれのポイントの詳細は以下の通りです。

①非課税枠や基礎控除

生命保険による相続税対策は保険金の非課税枠、そして相続税の基礎控除を利用して行うものです。

保険金の非課税枠、相続税の基礎控除はそれぞれ以下の通りです。

  • 保険金の非課税枠

生命保険の保険金は本来遺族の生活費として使われるべきものであるため、非課税枠が設けられています。

保険金の非課税枠は以下の通りです。

500万円×法定相続人の人数

  • 相続税の基礎控除

相続税の基礎控除は2種類あり、一つは法定相続人の人数に比例するタイプの基礎控除、もう一つは配偶者が相続人である場合の基礎控除です。

それぞれの基礎控除は以下のようになっています。

【法定相続人の人数に比例するタイプの基礎控除】

3000万円+600万円×法定相続人の人数

【配偶者が相続人である場合の基礎控除】

1億6000万円

法定相続人の人数に比例するタイプの基礎控除は保険金を受け取る権利を持っていない相続人を人数に含めることが可能です。

他にも葬式の代金や被相続人の負債を控除に含める債務控除もありますが、基本的には上記の基礎控除を利用して相続税対策を行います。

保険金の非課税枠と相続税の基礎控除を利用すればかなり大きな非課税枠を確保できるため、数億円単位の遺産などがない限り、相続税を大幅に減らすことができます。

多額の現金を相続財産として残すよりも、保険金という形で残した方が節税効果を期待できるでしょう。

②契約者・被保険者・受取人の関係

契約者・被保険者・受取人の関係も重要なポイントです。

そもそも保険はこの三者の関係をどのように設定するかによって発生する税金が変わってきます。

父親、母親、子供が保険に加入する関係者だとしたら、三者それぞれの設定と税金の関係は以下の通りです。

契約者

被保険者

受取人

税金

父親

父親

母親・子供

相続税

父親

母親

子供

贈与税

父親

母親・子供

父親

所得税

「被相続人」などの表記はあくまで一例ですが、上記の表を見ると「契約者と被保険者が一緒であるか」「受取人と契約者が一緒であるか」が税金の種類を変えるファクターになっているとわかります。

もし相続税対策として生命保険に加入する場合は契約者と被保険者を被相続人に設定しなければなりません。

この点には留意しておきましょう。

生命保険を活用した相続税対策のメリット・デメリット

生命保険を使った相続税対策を行いたいなら、そのメリットとデメリットを正確に把握することが大切です。

生命保険を使った相続税対策のメリットとデメリットはそれぞれ以下の通りです。

①生命保険を使った相続税対策のメリット

生命保険を使った相続税対策の最大のメリットは以下の3点が挙げられます。

節税効果が期待できる

生命保険を使った相続税対策の最大のメリットはやはり節税効果が期待できる点でしょう。

非課税枠に加えて相続税の基礎控除があるため、相続財産の規模によっては保険金の分だけでなく相続税全体の節税につながります。

また基礎控除のように保険金を受け取る権利を持っていない相続人を加味して基礎控除を設定できるため、非課税枠も比較的大きいのも嬉しいポイントです。

銀行口座より受け取りが早い

生命保険は相続財産を銀行口座に残しておくよりも受け取りが早いという点もメリットです。

通常、銀行口座にある預金を相続財産にすると、被相続人が死亡した際に口座が凍結されてしまいます。

そうなると必要な書類を作成するなど、面倒な手続きを踏まなければ凍結を解除することができないですし、葬式の費用や生活費の確保ができないというケースだと遺族に負担がかかってしまいます。

対して生命保険は被相続人、つまりは契約者+被保険者が死亡した際に保険金が発生するため、銀行口座よりスムーズに受け取ることができます。

保険金は早ければ一週間で受け取れるため、遺族に速やかに金銭を渡すことができます。

相続トラブルを未然に防げる

生命保険はその性質上、受取人に指定した人物に保険金が入るようになっているものですが、この性質を利用することで相続トラブルを未然に防げる可能性があります。

相続は被相続人が死亡した後に発生するものであるため、被相続人が完全にコントロールするものは難しいものです。

たとえ遺言書を残していても遺留分の侵害が発生すれば遺留分減殺請求が発生して相続トラブルにする可能性はありますし、分配の過程で被相続人が想定していない相続人に相続財産が渡ってしまう可能性も否定できません。

しかし生命保険を活用すれば被相続人が引き継がせたいと考えた相続人に確実に相続させることができます。

そのため相続財産が分散してしまうこともなくなります。

加えて生命保険の保険金は遺留分の対象にはならないため、遺留分減殺請求で減らされてしまう恐れもありません。

②生命保険を使った相続税対策のデメリット

保険料の負担が大きくなる可能性もある

一定以上の保険金を残そうと考えると、当然ながら加入する生命保険の保険料は大きくなるため、その負担には注意しておく必要があります。

最近はリーズナブルな保険料で保険金を得られる生命保険もありますが、貯蓄性のある生命保険のようなものだと、やはり保険料は高くなります。

保険料の支払いが家計を圧迫するような「保険貧乏」になっては元も子もないので、ちゃんと継続できる範囲で保険に加入するようにしておきましょう。

利息は過信できない

これは生命保険の内容そのものに触れる話ですが、生命保険における「利息」は過信できないものだと心得ておきましょう。

生命保険の中には貯蓄性があり、利息があると謳っているものもあります。

実際に生命保険に加入するならそういった保険がいいと考える人も多いでしょう。

しかし貯蓄性があり、利息が入るということを過信することはおすすめできません。

貯蓄性の保険は加入し、保険料を支払ったからといってすぐに一定以上のお金が貯まるわけではありません。

基本的には一定以上の長い期間をかけて保険料を支払い続けてはじめて元が取れるものであったり、満期にならなければ元が取れないというタイプもあります。

そのため相続が発生するタイミングによっては思った金額の保険金が入ってこないリスクがあります。

実際に貯蓄性のある生命保険に加入する際にはどういった形で保険金が発生するのか、金額はどのように変動するのかをきちんと確かめておくようにしましょう。

また生命保険が相続税対策になるということはありふれた話でもあるため、保険会社のセールスマンはその方向性で営業をしかけてくることにも注意です。

もちろん良心的なセールスマンもいますが、中には商品の重要な説明を意図的に省いて売りつけてくるセールスマンや、あくまで売りたい商品を売ろうとするセールスマンも少なからず存在します。

相続税対策のために生命保険に加入する際には保険会社のセールスマンの説明を鵜呑みにせず、ファイナンシャルプランナーなど中立的な立場で保険を調べてくれる専門家の協力を得ておくことがおすすめです。

税制改正に注意

これは生命保険を使った相続税対策に限らず、全ての相続税対策にいえることですが、税制改正には注意しておきましょう。

例えばさきほどお伝えした相続税の基礎控除「3000万円+600万円×法定相続人の人数」ですが、これは平成27年1月1日の税制改正以前までは「5000万円+1000万円×法定相続人の人数」でした。

数字だけを見ればわかりますが、かなり基礎控除が削られていることがわかります。

このように税金に対する優遇措置は国の意向の変化によって削られる可能性はあります。

日本の税収が減少するようなことになれば、同様の基礎控除削減などは何度も起こると考えた方がいいでしょう。

生命保険を活用した相続税対策における受取人

生命保険を使った相続税対策には、被保険者が自身の死亡によって子供や配偶者に保険金を受け取らせるもの以外のものもあります。

例えば相続人が契約者となって被相続人を被保険者にし、受取人を自身に設定するという方法です。

この方法を使うと発生する税金が所得税に変わります。

「結局税金が発生するのでは意味がないのでは?」と感じるかもしれませんが、所得税において保険金は「(受け取った保険金-払い込み済み保険料-50万円)×1/2」と計算されます。

つまり所得税の方でも保険金に発生する税金はかなり減らせます。

この方法は生前贈与で贈与税が発生しそうな場合の代替として使うことも可能であり、贈与税が発生した時より税負担を減らせます。

まとめ

今回の記事をまとめると以下のようになります。

  • 生命保険を使った相続税対策は保険金の非課税枠や基礎控除を利用して相続税の負担を減らすというもの。
  • 生命保険は誰が契約者、被保険者、受取人になるかによって発生する税金が変わるので注意。
  • 生命保険を使った相続税対策は節税効果が期待できるだけでなく、スムーズな相続や相続トラブルの予防に役立つ。
  • 一方、生命保険を使った相続税対策には保険料の負担がかかるだけでなく、貯蓄性の保険でも利息は過信できないうえに、税制改正によって条件が変わるというデメリットがある。
  • 相続人が契約者・受取人となり、被相続者を被保険者に設定するという相続税対策もある。

生命保険を用いた相続税対策は、成功率も高くおすすめできるものです。

だからといって生命保険に加入しすぎたり、内容がイマイチな生命保険に加入すると、かえって負担が大きくなって保険の継続ができなくなるということもあります。

生命保険を選ぶ際にはしっかり内容を確認しましょう。

場合によっては専門家に相談することもオススメします。

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