M&A・事業承継の理解を深める M&A総合研究所ポータル(旧M&A STORY)

Logo

この記事は、約 2分で読めます。
産業廃棄物・環境業界におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

産業廃棄物・環境業界におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

Medium
この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

産業廃棄物・環境業界とは

近年、様々な業界でM&Aの活発化が目立ちます。 産業廃棄物・環境業界も例外ではなく、事業の強化や新規事業への参入など、様々な目的のためにM&Aが行われています。 さて、このような産業廃棄物・環境業界のM&A動向を整理するにあたり、まずは業界の特徴や主な動向から整理しておきましょう。

産業廃棄物・環境業界の特徴

廃棄物処理業は、一般廃棄物処理業、産業廃棄物処理業、その他廃棄物処理業に分類されます。 このうち産業廃棄物処理業は、事業活動などで生じた廃棄物の処理を行います。 産業廃棄物処理業の中には、爆発性や感染性といった被害が生ずるおそれのある廃棄物の収集運搬・処分を行う、特別管理産業廃棄物収集運搬業・処分業も含まれています。 また、産業廃棄物処理業の事業を行うには許可が必要になるため、新規参入は比較的難しい業界でもあります。 さて、このような産業廃棄物処理業ですが、産業廃棄物の再生利用率は53.4%(平成25年度)となっており、近年は半数以上の割合で推移しています。 そのため、産業廃棄物・環境業界全体でも、再生事業を手がける会社も多く見られます。 このような業界の特徴もあり、産業廃棄物処理業をさらに広げ、産業廃棄物・環境業界として業界の動向をおさえることも重要です。 特に近年の環境意識の高まりも踏まえると、今後は環境業界の重要性がさらに増すことになるでしょう。

産業廃棄物・環境業界の動向

産業廃棄物の処理は、基本的に需要がなくなることはないため、今後も一定の水準で市場は推移すると思われます。 また、排出量が減少しても、再生事業などに注力して事業展開を行う会社もあります。 このように考えると、産業廃棄物・環境業界は、今後も一定の需要を取り込める形になるでしょう。 一方で、処分場などをめぐって住民が反対するなどのケースもしばしば問題になります。 処分場の需要がなくならないとしても、周辺の住民との対立が深刻化すれば事業継続は難しいでしょう。 特に処分場などの移転や建設においては、反対の声が多く上がる傾向が見られます。 このような動向に対応するためにも、環境面での配慮が求められます。 より環境に優しい技術が進歩すれば、住民とのトラブルをなくすことにもつながります。 そのため、産業廃棄物・環境業界では、新技術に対する取り組みも重要な課題となっています。

産業廃棄物・環境のM&A・買収・売却・譲渡動向

最近の産業廃棄物・環境業界では、新たな技術の獲得を目指したM&A、新分野へ参入するためのM&Aなどが見られます。 特に新技術への期待も高まっている中、特定の技術に強みのある会社とM&Aを行うことは、事業の強化・拡大につなげることができます。 また、再生事業への取り組みも増えており、再資源化の技術の取り込みや、再生事業への新規参入などを目的としたM&Aも見られます。 特に新規事業を開始する場合には、その事業に強みのある会社を買収するなどの方法が効果的です。 自社で一から事業を開始するよりも、比較的短期間で新規参入を実現できるからです。 今後の技術の多様化、再資源化のニーズの高まりなどを踏まえると、M&Aを活用して短期間で新規参入を図るケースは今後も増えると思われます。

産業廃棄物・環境のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント

売却を行うケース

売却をする際には、相手企業に自社の魅力をしっかりと伝えましょう。 自社の事業内容や技術、事業エリアなどに魅力があれば、それだけ多くの企業が買収に名乗り出る可能性があります。 買い手候補が多ければ、自社に合った企業も見つかりやすく、M&Aを成功に導くことができます。 また、近年は環境における技術などのニーズも高まっています。 売り手側が独自の技術や強みを持っていれば、買い手のニーズとマッチし、買い手が積極的にアプローチしてくる可能性も高まります。 そのためにも、自社が強みを持っている技術や分野、事業内容など、しっかりとアピールしておく必要があります。

買収を行うケース

同業者同士のM&Aで買収を行う場合、双方のノウハウや技術を活かすことにより、事業の強化・拡大やサービス体制の強化につなげることができます。 このような買収を成功させるには、自社が強化したい事業、新たに参入したい分野、新たに取り込みたい技術など、あらかじめ詳細に整理しておきましょう。 これらの点がはっきりしていれば、自社のニーズに沿った相手企業が見つかりやすくなります。 シナジー効果の高いM&Aの実現のためにも、業界動向なども踏まえて目的を整理しておくことが大切です。

産業廃棄物・環境のM&A・買収・売却・譲渡で注意したいポイント

M&Aにあたっての注意点も整理しておきましょう。 特に注意すべきポイントは、「目的を明確にすること」「対象企業は丁寧に選ぶこと」という点です。 まず、M&Aを実行するにあたっては、最初に目的を明確にしておく必要があります。 目的がはっきりしていれば、具体的なM&A戦略の策定を進め、自社にとって最適なM&Aスキームも検討できます。 一方で、目的がはっきりしないままM&Aを進めると、たとえM&Aを実現できても、「思っていたような効果が現れなかった」などの事態になりかねません。 M&Aの費用だけがかかり、かえって損をしてしまったなどのおそれもあるのです。 このような事態を避けるためにも、M&Aの目的を明確にしたうえで、その目的に沿った方法でM&Aを進める必要があるのです。 次に、M&Aの対象企業は丁寧に選ぶ必要があります。 売却によって経営権を移転させる場合も、買収によって企業を傘下に入れる場合も、対象企業はきちんと信頼できる企業でなければなりません。 そのため、対象企業の事業内容や方針などを検討したうえで、自社に合うかどうかを慎重に判断することが大切です。 一方で、ふさわしい対象企業が見つかったら、アプローチを早めに行いましょう。 アプローチが早ければ、他の企業に先を越されるリスクも少なくなります。 さらに、M&Aの手続きにおいては、専門家のサポートを受けるようにしましょう。 この点は、手続き上の注意点として知っておく必要があります。 M&Aは法務、税務、財務といった専門知識のほか、対象企業との交渉力も必要になります。 自社だけでこれらの手続きを進めることは難しく、トラブルの発生の原因にもなり得ます。 M&Aの手続きをスムーズに進めるためにも、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートはしっかりと受けることが大切です。

産業廃棄物・環境のM&A・買収・売却・譲渡の相場

産業廃棄物・環境業界では、大手企業のM&Aから中小企業のM&Aまで、当事者の規模は比較的幅広いです。
また、今後は再生事業や再資源化技術を取り込むM&Aの加速なども考えられるので、M&Aの事例が多様化することも見込まれます。
こうした動向を踏まえると、産業廃棄物・環境業界のM&Aといっても、一概に相場・費用を把握することは難しいと言えます。
ただし、M&Aにあたって相場・費用を全く考慮しないというわけにはいきません。
事前にある程度の相場・費用の目安をつけておかなければ、「実際にM&Aを進めてみたら想定外の費用が発生した」などの事態が起こりうるからです。
このような事態を避けるためにも、様々なM&A事例を検討し、自社の状況に似たものは徹底的に分析し、相場・費用の目安をつけておく必要があります。
その際には、それぞれの事例のM&Aの目的、M&Aの当事者となる会社の規模、対象事業の規模、会社の業績、従業員の数、M&Aのスキームなどを細かくチェックし、自社と似ている事例には特に注目し、相場・費用について分析することが重要です。

産業廃棄物・環境のM&A・買収・売却・譲渡の事例5選

ツネイシカムテックスが東広商事を買収

2016年2月、造船・海運・環境事業などを行う常石グループの企業であるツネイシカムテックスが、産業廃棄物の収集・運搬・処理・処分業務などを手がける東広商事を買収したことが発表されました。
ツネイシカムテックスは広島県福山市に本社を構え、廃棄物収集運搬や中間処理、リサイクルなどの事業を展開しています。
アジアへの事業展開も積極的に進めており、グローバルな視点でのごみ処理問題解決に取り組んでいる企業です。
また、東広商事は広島県東広島市に本社を置き、産業廃棄物の収集・運搬・処理・処分業務のほか、公害関連施設などの届出・監理・コンサルタント業務、土木・建築工事の機械・資材の販売・リースなど、幅広い事業を展開しています。
産業廃棄物の事業においては、産業廃棄物を中間処理によってセメント原燃料、製鉄原料として再利用・再資源化を行うなど、再資源化技術に強みがあります。
この東広商事を買収したことで、ツネイシカムテックスは東広商事の再資源化技術を獲得し、リサイクル事業のさらなる推進を図っています。

ファーストエスコによる白河ウッドパワーの子会社化

2013年7月、省エネルギー支援サービス事業などを手がけるファーストエスコ(現エフオン)は、持分法適用関連会社である白河ウッドパワー(現エフオン白河)を連結子会社化しました。
取得価格は1億円とされています。
ファーストエスコ(現エフオン:東京都中央区)は、省エネルギー支援サービス事業や、バイオマス発電事業を展開する企業です。
2004年にはクリーンエナジー事業に関する子会社として白河ウッドパワーを設立しており、2006年には白河ウッドパワーにおいて木質バイオマス発電所の運転も開始しています。
2011年には電力小売事業などを手がける日本テクノに白河ウッドパワーの株式の50%を譲渡していましたが、2013年に日本テクノからその株式50%を取得し、白河ウッドパワーが完全子会社化したという流れになります。
これにより、ファーストエスコのグループが木質バイオマスによる発電事業を行い、日本テクノは従来型の高効率電源の運営などを担うという役割分担が実現されました。
白河ウッドパワーの完全子会社化により、ファーストエスコは木質バイオマス分野への注力を進めた形になっています。

タケエイによるイコールゼロの子会社化

以下の3つは、廃棄物処理大手のタケエイの事例となります。 まずは、タケエイがイコールゼロを子会社化した事例から見ていきましょう。 タケエイは2015年9月、産業廃棄物事業などを手がけるイコールゼロ(長野県長野市)を子会社化しました。 イコールゼロは、一般廃棄物の収集運搬業、産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の収集運搬業・中間処理・再資源化を行っています。 また、産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の収集運搬・中間処理業では、他社に先駆けて導入したノウハウも活用されており、重金属を含む廃液からの高純度のニッケル・銅の回収に強みがあります。 こうしたイコールゼロの子会社化により、タケエイは「廃液処理」「有害産業廃棄物処理」という新分野への参入を実現しています。

タケエイによる富士リバースの子会社化

タケエイは2014年10月、廃棄物処理・リサイクル事業を行う富士リバース(現タケエイグリーンリサイクル:山梨県富士吉田市)を子会社化しました。 富士リバース(現タケエイグリーンリサイクル)は生木の再生資源化などの事業を手がけ、関東・甲信地域に強みがあります。 地方自治体、造園業や建設業から排出された伐採木などを回収し、生木類の100%リサイクルを行うという特徴的な事業を行っています。 この富士リバースを子会社化したことにより、タケエイは、地方自治体・造園業・建設業から排出された伐採木などの再生資源化・再生エネルギー原燃料化という新分野に参入する形になりました。

タケエイによる富士車輌の子会社化

タケエイは2014年5月、廃棄物処理機械や環境装置・環境プラント事業などを行う富士車輌(滋賀県守山市)の子会社化を発表しました。 株式取得価額は11億880万円とされ、同年6月に子会社化が完了しています。 富士車輌は廃棄物・スクラップ関連機械設備事業や車輌事業を展開しており、長年培った技術開発力にも強みがあります。 また、タケエイは、成長分野でもあるリサイクル市場での新たな事業の創出、海外事業展開を図っており、そのための技術の取り込みを必要としていました。 こうした状況の中、技術力に強みのある富士車輌を子会社化したことで、タケエイはリサイクル市場における技術的な基盤を獲得しています。 そして、新しいリサイクル手法の技術開発や環境事業の海外展開などにつなげています。

まとめ

産業廃棄物の処理は、様々な企業が事業活動を行う上で非常に重要です。
その重要性に加え、環境問題に対する意識も高まっているという点が、産業廃棄物・環境業界の特徴でもあります。 こうした背景もあり、再生事業や再資源化技術などの重要性も高まっています。 そして、産業廃棄物処理業と環境事業が、M&Aによってより密接につながるケースもあるのです。 最近の産業廃棄物・環境業界では、環境に関する新しい技術などの取り込みを目的としてM&Aが行われるケースが見られます。 また、環境事業も含めた新分野への参入を目的として、M&Aを検討する企業も増えています。 このような動向も踏まえると、今後はM&A事例が多様化することも考えられます。 産業廃棄物・環境業界でのM&Aを考える際には、幅広い事例を分析しつつ、業界の動向も踏まえて検討を進めることが重要です。

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. M&Aに強い会計士がフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
まずはお気軽に無料相談してください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

電話で無料相談WEBから無料相談
  • 02
  • 03
  • 04
  • 05
ご相談はこちら