M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年10月19日更新業種別M&A
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継の動向!事例や相談先も解説
本記事では、業務用・産業用機械製造業界のM&A・事業承継の動向、M&Aを行うメリットや成功させるコツなどを事例とともに解説します。業務用・産業用機械製造業界では、国内企業同士だけでなく海外企業とのM&A・事業承継も盛んです。M&Aを検討中の方は必見です。
目次
産業用・業務用機械製造業界の市場動向
産業機械の受注について、2023年度の経済見通しでは、内需は民間の非製造業部門と官公需の増加が要因となり、前年比11.0%増の3兆7,941億円と予測されています。
民需において、製造業では医薬品や高機能化学品の増産により化学工業が、また低・脱炭素化に向けた合成メタンや水素関連投資で石油製品や鉄鋼業が増加しました。一方、自動車製造ラインの更新が進む中、原子力関連や半導体関連が減少し、全体としては前年を下回ると予想されています。
非製造業は、物流関連設備の需要が伸び悩むものの、火力発電設備の大型契約があり、前年を上回る見通しです。官公需については、都市ごみ処理設備の発注が減少した一方で、防災対策や下水処理設備、港湾クレーンの更新需要が増え、前年を上回ると予測されています。
外需に関しては、中国、アジア、中東、ヨーロッパ、北米など多くの地域で減少し、前年比7.3%減の1兆7,137億円と見込まれています。製品別では、低炭素化を進める天然ガス対応のボイラや原動機の需要は増加しましたが、化学プラントの発注遅延や電子部品、EVバッテリー関連の機械が大きく減少しました。また、水インフラ関連のポンプや加工機械用の圧縮機も落ち込んでいます。
その結果、内外総計では、外需の減少を内需が補う形となり、前年比4.6%増の5兆5,079億円と予測されています。
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継の現状と動向
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継の現状と動向について確認します。産業用・業務用機械製造業界は、大手・中小を問わずM&A・事業承継に積極的な業界です。
M&Aの目的には、新たなノウハウ・技術の獲得や海外市場への進出などがあります。特に、縮小する国内市場に頼らずアジア市場などの海外市場に活路を見出す会社が増えているため、クロスボーダーM&Aも活発に行われているのが産業用・業務用機械製造業界です。
もちろん、国内でのM&Aも活発であり、毎年、多くの産業用・業務用機械製造会社がM&Aによる経営統合を行っています。元来、産業用・業務用機械製造業はすそ野が広く、業種を越えたM&Aを行いやすいため、今後もそのようなM&Aが積極的に行われるでしょう。
海外進出の課題については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継の事例
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継の事例をピックアップしてご紹介します。
ハーモニック・ドライブ・システムズ×ハタ研削
2024年10月8日、ハーモニック・ドライブ・システムズは、KODENホールディングス(KODEN HD)との提携により、長野県の株式会社ハタ研削との事業譲渡契約を締結しました。
ハタ研削は、2024年7月に民事再生手続きを申請しており、高精度研削加工に強みを持つ企業です。ハーモニック・ドライブ・システムズは、自社製品である精密減速装置に必要な部品を、長年にわたりハタ研削から供給を受けており、安定したサプライチェーンの維持において重要なパートナーと考えています。
また、KODEN HDも同社の再生支援を行い、光ファイバ技術を活用したシナジーの創出を模索しています。この背景から、事業再生を支援し、ハーモニック・ドライブ・システムズの企業価値向上を図ることを目的に、契約締結を決定しました。
トーヨーカネツ×坂田電機
2024年10月4日、トーヨーカネツは、坂田電機(東京都西東京市)を子会社化すると発表しました。トーヨーカネツは物流システムや機械・プラントの製造・施工を行い、坂田電機は計測器製造や建設コンサルティングを手がけています。
トーヨーカネツは、坂田電機をグループに加えることで、環境事業を担う他のグループ会社と技術や営業面での協力体制を強化し、新たな事業機会の創出を目指しています。これにより、増加する自然災害やインフラ老朽化といった社会問題への対応に貢献し、付加価値の高いソリューションの提供が可能となる見込みです。
ニレコ×京浜光膜
2024年9月、ニレコは、京浜光膜工業が2024年10月1日に設立予定の新会社「京浜光膜株式会社」(神奈川県秦野市)の全株式を取得し、子会社化することを決定しました。
京浜光膜は、京浜光膜工業の秦野工場での業務を引き継ぎ、光学薄膜の設計・開発および製造・販売を行います。
この再編により、京浜光膜は光学、計測、半導体関連技術を有する企業との連携を強化し、成長を目指します。ニレコは、京浜光膜の事業拡大を支援し、グループ全体の事業拡大を図る方針です。
ダイヘン×東北電機製造
2023年5月、ダイヘンは東北電機製造の7割の株式を取得しました。
ダイヘンは、受変電設備、分散電源機器、産業用ロボット、プラズマ発生用電源などの製造・販売を行う企業です。対象会社の東北電機製造は、東北電力および日立製作所の合弁会社で、配電用変圧器・配電盤などの製造・修理、販売、工事を展開している企業です。
今回のM&Aにより、ダイヘンは東北地方での販売拡大を図るとともに生産体制の強化を目指します。
ダイフク×コンテック
2022(令和4)年2月、ダイフクは、連結子会社であるコンテックに対し、完全子会社化を目的にTOB(Take Over Bid=株式公開買付)の実施を発表しました。ダイフクは、現段階でコンテック株式60.73%を所有しています。
TOBは、同年2月7日から3月23日にかけて行われ、1株あたりの買付価格は2,700円です。ダイフクは、物流システムに関するコンサルティングとエンジニアリング・設計・製造・据付・サービスなどの事業を行っています。
コンテックは、電子機器の製造・販売などを行っている企業です。ダイフクとしては、完全子会社化することで連携が深まり、経営資源を集中させることで企業価値向上が図れるとしています。
安川トランスポート×ニッコンホールディングス
2022年2月、安川トランスポートの親会社である安川ロジステックは、安川トランスポートの全株式をニッコンホールディングスに譲渡することを発表しました。譲渡予定は同年3月、譲渡価額は公表されていません。安川ロジステックは、安川電機の完全子会社です。
安川トランスポートと安川ロジステックは、運輸・物流サービス事業を行っています。ニッコンホールディングスは、物流サービス事業を行っているグループの持株会社です。
また、安川電機は、モーションコントロール事業、ロボット事業、システムエンジニアリング事業などを行っています。今回の株式譲渡は、安川電機グループの資本効率化のために実施されました。
オムロン×JMDC
2022年2月、オムロンとJMDCは資本業務提携を締結しました。資本提携としては、オムロンが、JMDCの大株主であるノーリツ鋼機が所有する48.88%の株式のうち、33.0%該当分を1,118億6,400万円で取得しています。
オムロンは、制御機器事業、ヘルスケア事業、社会システム事業、電子部品事業などを行っており、一方のJMDCは、医療統計データサービス事業を行っている企業です。
業務提携の主な内容は、ヘルスデータプラットフォームの強化、予防ソリューションの開発、JMDCグループの海外事業展開の加速、デバイス・サービスのクロスセルなどが発表されています。
東京衡機×FPKナカタケ
2022年2月、東京衡機は、完全子会社である無錫三和塑料製品有限公司の全株式をFPKナカタケに譲渡しました。譲渡価額は1,500万円です。東京衡機は、試験機事業、エンジニアリング事業、商事事業、海外事業などを行うグループ会社の統括管理を行っています。
無錫三和塑料製品有限公司は、中国においてオフィス家具部品・自動車関連部品・家電関連部品。日用生活品・その他のプラスチック成型品などの製造・販売を行っている企業です。
FPKナカタケは、施設向け特注家具・住宅設備向けOEM製作、人工大理石加工、木製品加工などを行っています。譲渡の理由は、経営状態の厳しかった無錫三和塑料製品有限公司を、安定した経営に立て直せる相手に引き渡すことでした。
日立造船×Steinmüller Babcock Environment GmbH
2022年2月、日立造船は、スイスの連結子会社Hitachi Zosen Inova AGが、ドイツのSteinmüller Babcock Environment GmbHの全株式を取得し完全子会社化したと発表しました。取得価額は公表されていません。
日立造船は、ごみ焼却発電施設、海水淡水化プラント、上下水・汚泥再生処理プラント、舶用エンジン、プレス、プロセス機器、精密機械、橋梁、水門、防災関連機器などの設計・製作などを行っている企業です。
Hitachi Zosen Inova AGは、ごみ焼却発電施設・バイオガス施設の設計・建設・保守・運営などを行っています。Steinmüller Babcock Environment GmbHは、日本の日鉄エンジニアリングの完全子会社でした。
グループで北欧地域において、廃棄物発電施設の設計・調達・建設・メンテナンス、 火力発電所など向け排ガス処理設備の設計・調達・建設などを行っています。日立造船としては、グループの欧州における事業エリア拡大と事業領域拡張が狙いのM&Aです。
ブイ・テクノロジー×アイテック
2022年1月、ブイ・テクノロジーは、アイテックの全株式を取得し完全子会社化することを発表しました。取得予定日は同年2月28日、取得価額は公表されていません。
ブイ・テクノロジーは、フラットパネルディスプレイ製品・半導体製品の製造に用いられる各種装置の開発・設計・製作・販売・サービスなどの事業を行っています。
アイテックは、エンベデッドシステムソリューション、オープンシステムソリューション、インフラソリューション、カスタマーサポートソリューションなどの事業を行っている企業です。
ブイ・テクノロジーとしては、装置用ソフトウェア開発力の強化を図り、グループとして事業の拡充を目指すとしています。
ホシザキ×Brema Group S.p.A.
2022年1月、ホシザキは、オランダの連結子会社Hoshizaki Europe Holdings B.V. が、イタリアのBrema Group S.p.A.の全株式を取得し完全子会社化することを発表しました。取得予定日は同年5月、取得価額は公表されていません。
ホシザキは、製氷機、冷蔵庫、食器洗浄機などの各種フードサービス機器の研究開発・製造・販売を行っています。Brema Group S.p.A.は、業務用製氷機の製造・販売事業を行っている企業です。
ホシザキは、グループにBrema Group S.p.A.を加えることで、欧州において業務用製氷機シェア1位を獲得すると発表しました。
日本精工×Alliance Bearing Repair and reclaim, LLC
2021(令和3)年12月、日本精工は、グループのアメリカ法人NSKコーポレーションが、同じくアメリカのAlliance Bearing Repair and reclaim, LLCからリコンディショニング事業を譲受したと発表しました。
日本精工は、産業用機械製造事業と自動車部品製造事業を行っています。リコンディショニング事業とは、機械の一部である軸受(じくうけ)を、損傷度合いに応じて手直しし、再使用できるようにするサービスです。
ブラザー工業×ニッセイ
2021年12月、ブラザー工業は、60.17%の株式を所有していたニッセイに対してTOBを実施し、完全子会社化しました。取得価額は152億118万3,000円です。ニッセイは、減速機、歯車の製造・販売、不動産賃貸事業などを行っています。
ブラザー工業は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業、パーソナル・アンド・ホーム事業、マシナリー事業、ネットワーク・アンド・コンテンツ事業、ドミノ事業などを行っている企業です。
ブラザー工業としては、完全子会社化でニッセイとの結び付きを堅固なものとし、より大きなシナジー効果を得て企業価値向上を果たすことを目的としています。
ミナトホールディングス×エクスプローラ
2021年12月、ミナトホールディングスは、エクスプローラの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。エクスプローラは、ソフトウェア設計、ハードウェア設計・製造、ODM/EMS・自社製品の設計・製造などを行っています。
ミナトホールディングスは、メモリーモジュール事業、テレワークソリューション事業、デジタルデバイス周辺機器事業、デバイスプログラミング事業、ディスプレイソリューション事業、システムソリューション事業などを行うグループの持株会社です。
ミナトホールディングスとしては、グループ各社とのシナジー効果が期待でき、グループ全体として企業価値向上が果たせると目論んでいます。
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継による買収側のメリット
産業用・業務用機械製造業界におけるM&A・事業承継で、買収の際に得られる主なメリットは以下の4点です。
事業の多角化
事業の多角化が実現できることは、産業用・業務用機械製造業界におけるM&Aの買い手側の大きなメリットになります。事業を多角化し事業領域を広げられれば、収益源を増やせるのです。
また、最近はIoT技術の導入もあって、単純に機械を製造するだけでなく、ソフトウェアや周辺機器、メンテナンスなどといった総合的なサービスが求められる傾向があります。
そこで、異業種を買収することによって製造に留まらない包括的なサービスを提供できるようになるために、異業種を買収する会社も増えているのです。
新技術の導入
新技術の導入をスムーズに行えるのも、M&Aにおける買い手のメリットです。近年は、ロボット、AI、IoTなど先進的な新技術が続々と登場していますが、これらのような新技術を自社で研究・開発することは時間やコストがかかります。
そのうえ、時間やコストをかけても成功は確実とはならず、決して簡単ではありません。ところが、すでに新技術を研究・開発している会社を買収すれば、新技術をそのまま取り入れられます。
また、新技術に関する知識やノウハウを持った人材も一緒に獲得できるのも大きなメリットだといえるでしょう。
海外進出の実現
海外進出を実現しやすくなるのも、産業用・業務用機械製造業界のM&Aでの買い手側のメリットです。海外市場へ進出したくとも、現地に拠点を構築することは決して簡単ではありません。
現地の市場動向や商慣習などさまざまな知識・情報を学ばなければならないうえに、施設や人材、取引先、顧客、販路などを確保する必要もあります。いずれも手間がかかるうえに、時間やコストを要する作業です。
しかし、クロスボーダーM&Aで現地の会社を買収すれば、そのまま現地の拠点にできます。当然、現地の会社の施設や従業員、顧客、取引先、販路などを引き継げるため、海外進出をよりスムーズに行えるようになるでしょう。
経営の合理化
グループ化している大規模な会社であれば、経営の合理化を図るために組織再編をM&Aで行うケースも多いです。海外進出も行い巨大化した企業グループは、極力無駄なコストを省き、より効率的な経営が求められるようになります。
他にも、すでに提携関係にある会社同士が、M&Aによって経営統合を行うケースも少なくありません。これはお互いの意思疎通や意思決定をより迅速化し、グループシナジーを高めるために行われます。
M&Aの買い手のメリットについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継による売却側のメリット
産業用・業務用機械製造業界におけるM&A・事業承継で、売却の際に得られる主なメリットは以下の2点です。
事業の存続
M&Aを行って会社を売却することで、事業・会社の存続を実現できるのは大きなメリットです。産業用・業務用機械製造業界に限らず中小企業の場合は、経営基盤が不安な会社もあり、また、負債で資金繰りが悪化しているケースは少なくありません。
仮にM&Aで会社を売却できれば、その状態を改善できる可能性が出てきます。大手企業の傘下に入れれば、財務基盤を強化でき、資金繰りを良化させることが可能です。また、買い手企業のノウハウなども共有できるため、そのような面から売上が向上する可能性もあります。
事業承継問題の解決
M&Aで売却をすれば、事業承継問題も解決できます。産業用・業務用機械製造業界の中小企業では、後継者不在による事業承継問題を抱えている会社が数多くあります。高齢になった経営者が引退する際に後継者がいなければ、会社は廃業するしかありません。
しかし、M&Aで会社を売却すれば、買い手が後継者(新たな経営者)となり事業承継が実現します。廃業すれば解雇となってしまう従業員の雇用も守られるのです。また、売り手は売却益を獲得できますから、老後資金にもゆとりが持てるでしょう。
売却益の獲得も廃業では実現しないものであり、これもM&Aのメリットといえます。
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継の費用と相場
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継の費用と相場について見ていきます。日本ではM&Aの取引価額が非公表であることが多いため、海外のM&Aのように費用の全貌を確かめられるケースが少ないのが現状です。
ただし、費用が公表されている産業用・業務用機械製造会社のM&Aを見て、ある程度の相場は計れます。産業用・業務用機械製造業は、会社としての純利益はもちろん、製造の際に用いる設備などもあるため、中小規模でも取引価額が億単位を越えるケースが多いです。
そのため、取引価額を含めた費用は数億円~数十億円になることは珍しくありません。もちろん大企業同士のM&Aとなれば、取引価額が数百億~数千億を超えることもあり得るでしょう。
その一方で、数百万円から数千万円規模の取引価額もないわけではありません。産業用・業務用機械製造業界のM&Aに強いM&A仲介会社に相談すれば、自社でもM&Aが可能な相手とマッチングできることはよくあります。
会社売却の手数料の相場やかかる費用については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
業務用・産業用機械製造業界のM&A・事業承継の成功のコツ
業務用・産業用機械製造業界のM&A・事業承継を成功させるには、いくつかおさえておくべきポイントがあります。買収側・売却側に分けて、業務用・産業用機械製造業界のM&Aを成功させるコツを確認しましょう。
買収側のコツ
業務用・産業用機械製造業界のM&Aを買収側が成功させるには、以下の3点に留意しましょう。
- デューデリジェンス
- PMI
- M&Aの専門家の起用
デューデリジェンス
デューデリジェンスの目的は以下の3点です。
- M&A後に経営上の問題となるようなリスク(簿外債務や訴訟リスクなど)の有無の確認
- 買収価額決定のための経営データの収集・確認
- PMI(経営統合プロセス)の計画策定のための情報収集(売却側の業務システムや人事制度などの把握)
PMI
M&Aの買収側にとって、M&Aは成約して終わりではありません。むしろ、成約後のPMI(経営統合プロセス)こそが、M&Aの成否を分けることになります。つまり、PMIがうまくいかなった場合、M&Aの結果は失敗となってしまうのです。
PMIでは、組織の再編や人材の再配置、業務システムの統合、管理システム・部門の統合、ITシステムの統合、人事制度の統合、企業風土の統合など、どれも簡単なものではありません。デューデリジェンスと並行して準備に入り、入念な統合計画策定が求められます。
M&Aの専門家の起用
上述したデューデリジェンスとPMIをうまく行うために欠かせない存在が、M&A仲介会社などの専門家です。専門家のサポートやアドバイスを受けながらM&Aの各プロセスを進めることが、M&Aの成功確度に直結します。
M&A仲介会社の無料相談を活用して自社に適した専門家を選び、起用することがM&A成功の近道です。業務用・産業用機械製造業界のM&Aをご検討の際はぜひM&A総合研究所へご相談ください。
当社は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱う仲介会社です。 知識・支援実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。
M&A総合研究所の料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります) 無料相談を随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお電話・Webよりどうぞお気軽にお問い合わせください。
売却側のコツ
業務用・産業用機械製造業界のM&Aを買収側が成功させるには、以下の項目に留意しましょう。
- 技術力のアピール:特許や独自の製造ノウハウがあれば有利です。
- 施設。設備の整備:故障や不具合などは改善しておきましょう。
- 人材のアピール:どのようなスキル・経験を持った人材がいるかリストにしておきましょう。
- 取引先・顧客のアピール:どのような取引先・顧客がいるかも十分な武器になります。
- 財務・税務データの確認:誤った処理をしていると粉飾決算の疑いを持たれたりします。
- M&Aの専門家の起用:買収側同様に専門家の存在は重要です。
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継時におすすめの相談先をピックアップしてご紹介します。
金融機関
近年、金融機関がM&Aを専門的に支援する部署を設立する動きが増えています。特に、投資銀行や大手メガバンクでは、M&Aのファイナンシャルアドバイザー(FA)として、企業間取引をスムーズに進行させるため、資金の調達や戦略の立案を支援する事例が増加しています。
このような専門サポートを利用することで、企業は資金調達や事業承継といった複雑な課題に迅速に対応し、専門家の助言を受けることで取引の成功率を高めることが可能です。
一方で、大手金融機関は規模の大きなM&A案件を優先する傾向があるため、中小企業が十分な支援を受けられないこともあります。そのため、自社の規模やニーズに適した支援先を慎重に選ぶ必要があります。また、アドバイザリー費用が高額になるケースもあるため、事前に費用確認を行い、予算をしっかりと立てることが重要です。
公的機関
近年、事業承継やM&Aに関する公的支援の体制が大幅に拡充されています。全国各地に設置された「事業承継・引継ぎ支援センター」では、後継者が不足している中小企業を対象に、事業承継やM&Aに関する情報提供や専門的アドバイスを行い、企業間のマッチングを無料で支援しています。
この取り組みにより、地方の中小企業でも手軽に専門的サポートを受けられる仕組みが整っており、個人事業主も支援の対象となります。また、必要に応じてM&A仲介業者や専門家の紹介も受けることができます。
ただし、民間のM&A仲介業者に比べ、対応のスピードや柔軟性に限界がある場合があるため、注意が必要です。それでも、事業承継やM&Aを検討する企業にとって、公的機関は信頼性の高い支援先として位置づけられています。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の売買において全面的なサポートを提供する専門業者です。売り手と買い手双方に対し、最適な取引相手のマッチング、交渉のサポート、進行管理、企業価値の査定(バリュエーション)、契約書の作成など、幅広い業務を手掛けています。その役割は、双方の条件やニーズを調整し、取引がスムーズに進行するように導くことです。
特に、仲介会社は豊富なネットワークを活用して理想的な相手を探し出すことに長けており、M&Aの成功率を高める要となります。さらに、M&Aに不慣れな企業に対しても、具体的なアドバイスを行い、取引の進行をサポートします。
ただし、仲介会社の利用には、着手金や中間金などの費用がかかることもあるため、コスト管理が重要です。費用を抑えたい場合は、成功報酬型の仲介会社を検討するのが効果的です。
産業用・業務用機械製造業界のM&A・事業承継のまとめ
産業用・業務用機械製造業界では、新興国の産業用・業務用機械製造会社との競争や、顧客のニーズに応えるためにM&A・事業承継が積極的に行われています。
また、縮小を続ける国内市場にこだわらず、海外進出や新技術の導入のためのクロスボーダーM&Aも盛んに行われていることも特徴です。産業用・業務用機械製造業界でのM&Aは、今後も活発に行われると予測されます。
M&Aの成功確度を上げるためには、自社に適したM&A仲介会社の起用が肝要です。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。