M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年9月20日更新都道府県別M&A
福島県・郡山市のM&A・事業承継の現状!最新動向や案件・事例も紹介
福島県・郡山市におけるM&A・事業承継の現状や最新動向から案件の探し方などを紹介します。福島県・郡山市は東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた地域ですが、経済が回復しM&Aが活発化しています。福島県のM&A・事業承継を検討している方は必見です。
目次
福島県・郡山市のM&A・事業承継の現状
M&Aは、大企業・中小企業を問わずさまざまな企業が行っている経営戦略であり、事業承継・事業拡大・新規事業への進出など、M&Aを行う目的は多種多様です。最近は、M&A仲介会社が増え、M&Aのサポートを受けやすい環境も整備されています。
一方で、M&Aは地方によって異なる特色があり、成功させるにはこれを把握することが重要です。今回は、福島県におけるM&Aの状況などを取り上げます。
福島県企業の後継者不在率
2023年に福島県内の全業種3,579社を対象に調査した結果、後継者が「いない」または「未定」と回答した企業は1,650社にのぼりました。これにより、福島県の後継者不在率は46.1%となり、2022年から1.4ポイント増加しました。一方、コロナ禍の2019年と比較すると18.4ポイント低下しています。
年代別のデータを見ると、「30代未満」の後継者が大幅に増加している一方で、「50代」「60代」「70代」は微増にとどまっています。年齢が高くなるほど後継者不在率が低くなる傾向が見られます。また、福島県の後継者不在率は全国平均よりも7.8ポイント低く、都道府県別では40位となっています。
コロナ以前から官民一体で推進されてきた事業承継の重要性が中小企業にも浸透してきたこと、さらにM&Aの普及や事業承継税制の改良・拡大など、多様なニーズに対応できる支援策が整備されたことが、後継者問題の解消に大きく貢献しました。今後も国や自治体の取り組みによって、企業の後継者問題に対する意識がさらに高まり、後継者不在率の低下が続くことが期待されます。
福島県企業の休廃業件数
2023年における福島県の休廃業・解散件数は803件で、前年比で2.30%の増加でした。
県別の休廃業の発生状況を見ると、東北地方で最も件数が多かったのは「宮城県」で939件にのぼりました。これに続いて「福島県」の803件、「青森県」が524件と、東北6県のうち3県で500件を超えています。全体として、企業数の多い県ほど休廃業の件数も多い傾向が見られました。最も少なかったのは「秋田県」で356件でした。
東北6県すべてで、前年と比べて休廃業や解散の件数が増加しており、中でも「宮城県」が15.9%の増加率で最も高くなっています。次いで「岩手県」(12.9%増)、「山形県」(11.1%増)、「秋田県」(10.2%増)と続いています。
休廃業や解散の割合を示す「休廃業・解散率」では、「宮城県」が3.82%でトップとなり、次に「福島県」(3.53%)、「岩手県」(3.37%)、「秋田県」(3.0%)が続きました。最も発生率が低かったのは「山形県」で2.83%でした。
福島県・郡山市近郊のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っている福島県・郡山市近郊のM&A・事業承継の案件例をご紹介します。
アパレル品製造業(縫製工場)純資産程度での譲渡@福島県
創業40年を誇り、従業員様の技術力は高いです。裁断、縫製、後加工、検品、納品まで一気通貫で対応可能です。
エリア | 福島県 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 事業存続に対する不安 |
【県内TOPクラスの集荷量】東北地方の金属スクラップ卸売業
関東以北の各業者からの強固な仕入基盤により県下有数の集荷量を持っています。販売では各商社など大手筋との取引基盤も確立しており、海外輸出も実施しています。
エリア | 東北 |
売上高 | 25億円〜50億円 |
譲渡希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【東北地方/主要ターミナルからのアクセス抜群】土地自社保有のゴルフ場
高級クラブとしてのコースをリーズナブルな価格でプレイ可能です。主要ターミナルからのアクセスが抜群です。
エリア | 東北 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
福島県・郡山市のM&A・事業承継の事例
福島県・郡山市のM&A・事業承継の事例をピックアップしてご紹介します。
スタンディによるmanabyへのM&A・事業承継
2024年7月18日、manabyは、スタンディ(福島県郡山市)が運営する障害者総合支援法に基づく就労移行支援事業の一部事業所を譲り受けるため、事業譲渡契約を締結することを決定しました。
manabyは、東北・関東・関西エリアを中心に、約40カ所の障害者就労支援事業所を運営しており、フランチャイズ(CSP)も含めて展開しています。一方、スタンディは、就労支援や共同生活援助、WEB関連事業、カフェ運営、農業と福祉の連携事業など、幅広い事業を展開しています。
今回の事業譲受の目的は、manabyが関東エリアにおけるサービス提供の範囲を拡大するとともに、スタンディの就労移行支援に関する専門知識を持つ人材を引き継ぐことで、より充実した支援を提供できる体制を整えるためです。
リビングプラットフォームによるエコのM&A・事業承継
2023年1月30日、リビングプラットフォームは、子会社であるリビングプラットフォームケアを承継会社とし、エコを分割会社とする吸収分割を行うことを決定しました。この分割により、エコが運営する高齢者向けグループホーム7施設の運営事業がリビングプラットフォームケアに引き継がれます。
リビングプラットフォームは、介護、保育、障がい者支援の事業を幅広く手がける企業です。一方、エコは福島県郡山市を拠点に複数の介護施設を展開しています。
今回の事業承継により、リビングプラットフォームは東北地方での事業シェア拡大を目指しています。
事業承継・M&A時におすすめの相談先
福島県・郡山市での事業承継・M&A時におすすめの相談先を3つご紹介します。
金融機関
近年、金融機関がM&A支援に特化した専門部署を設置するケースが増えています。特に、投資銀行やメガバンクはファイナンシャルアドバイザー(FA)として、M&Aにおける資金調達や戦略的なアドバイスを提供し、買収を進める上で重要な役割を果たしています。そのため、M&Aを成功させるためには金融機関との連携が不可欠です。
金融機関を活用するメリットとして、資金調達に関する専門的な知識を基にアドバイスを受けられることや、事業承継や後継者への株式移転時にサポートを受けられる点が挙げられます。
また、M&A専門の部署を通じて適切なアドバイザーを紹介してもらえることも大きな利点です。ただし、大手金融機関は主に大規模な案件を優先する傾向があり、中小規模の案件には対応しないことがあるほか、アドバイザリー報酬が高額になる可能性があるため、利用する際には注意が必要です。
公的機関
近年、事業承継やM&Aに関する相談窓口が公的機関によって大幅に整備されてきました。
「事業承継・引継ぎ支援センター」は、後継者不足といった中小企業が直面する課題に対応するための窓口で、情報提供やアドバイス、企業間のマッチング支援などを行っています。2021年4月に設立され、全国47都道府県に設置されているため、地方の企業でも簡単に利用でき、信頼性の高い無料のサポートを受けられます。
また、このセンターは個人事業主も対象としており、M&A仲介会社や専門家の紹介も行っています。しかし、民間のM&A仲介会社と比べると、対応のスピードやサービスの質に限界がある場合があるため、その点を考慮することが必要です。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の売買に関わるすべてのプロセスを包括的にサポートする専門機関です。売り手と買い手の両方と契約を結び、交渉の調整や適切な相手企業の選定、スケジュール管理、企業価値の評価(バリュエーション)、書類作成など、M&A全体に関わる業務をサポートします。
仲介会社は、双方の条件をすり合わせ、最適な合意に導く重要な役割を担っています。また、幅広い選択肢の中から最適なパートナーを見つけることで、M&Aの成功率を高められます。初めてM&Aに取り組む企業にも、具体的なアドバイスや手厚いサポートを提供し、安心して手続きを進めることができます。
ただし、着手金や中間金が必要になるケースもあり、費用が負担となることもあります。そのため、成功報酬制を導入している仲介会社を選ぶことが賢明です。
福島県・郡山市のM&A・事業承継に役立つ公的機関5選
本章では、福島県・郡山市のM&A・会社売却・事業承継に役立つ公的機関として、以下の5つを取り上げます。
- 福島県事業承継・引継ぎ支援センター
- 福島県よろず支援拠点
- 福島商工会議所
- いわき商工会議所
- 福島県信用保証協会
それぞれの項目を見ていきましょう。
①福島県事業承継・引継ぎ支援センター
福島県事業承継・引継ぎ支援センターは、後継者不在などの理由で事業の引き継ぎに悩む福島県内の中小企業・個人事業主へ向けた相談窓口です。相談料は無料で、事業承継問題を抱える中小企業者向けにさまざまなサポートを行っています。
主に地元の企業などが活用する公的機関で、福島県内のM&A案件を管理している場合があります。福島県事業承継・引継ぎ支援センターに相談すれば、M&Aに役立つでしょう。
事業承継・引継ぎ支援センターの活用を政府も後押し
事業承継・引継ぎ支援センターを活用するよう、政府も後押ししています。近年は、後継者不在などで経営に悩みを抱える企業者が増加中です。こうした状況を踏まえ、事業承継・引継ぎ支援センターのネットワークが拡充されています。
政府の後押しにより、福島県を含めた各都道府県に事業承継・引継ぎ支援センターが設置され、M&Aを行いたい方をサポートしています。事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関を活用すれば、M&Aの案件を見つけることが可能です。
しかし、公的機関は、M&Aの仲介まで行うとは限りません。M&Aの仲介自体は、仲介会社へ紹介するケースが多いです。
②福島県よろず支援拠点
福島県よろず支援拠点は、中小企業・小規模事業者向けの経営相談所です。郡山市と福島市にオフィスがあり、コーディネーターが在籍しています。予約制で相談を行え、相談料は無料です。
悩みをどこに相談したら良いのかわからない中小企業・小規模事業者の方に向けて幅広く相談を受付けており、相談内容に応じて適切な支援を受けられる機関へつなぎます。福島県よろず支援拠点を活用して、M&Aに生かしましょう。
③福島商工会議所
福島商工会議所とは、商工会議所法に基づいて設立された地域総合経済団体です。事業経営者を中心に運営され、中小企業者への経営支援や地域経済復興支援を実施しています。福島県でM&Aを行う際は、活用しましょう。
④いわき商工会議所
いわき商工会議所では、地域における中小企業の経営改善を図るため、経営に関する支援を行っています。会員でなくても相談できますが、会員の方がより手厚いサポートを受けられるでしょう。
⑤福島県信用保証協会
福島県信用保証協会は、中小企業者の方が金融機関から融資を受ける際に公的な保証人となることで、金融の円滑化を進める機関です。
主に中小企業者向けの金融に関するサポートを行っていますが、福島県内の中小企業者をサポートしているので、M&Aを行う際に役立つでしょう。
事業承継・引継ぎ支援センターについては、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
福島県・郡山市のM&A・事業承継まとめ
かつては東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた福島県ですが、現在は復興が進み、経済が回復傾向にあります。これに比例して、福島県ではM&Aが活発化し、県内企業がM&Aを行った事例が増加中です。
昨今の日本では中小企業を中心に地域内でM&Aを普及させる動きが目立っており、今後も福島県ではM&Aが活発に行われる傾向が続くと見られます。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。