M&Aとは?最新の動向やメリット・手法から成功のポイントまで専門家が徹底解説
2026年2月23日更新業種別M&A
福祉用具レンタル業界のM&Aと事業承継の最新動向|2026年の市場環境と成功の秘訣を解説
2026年現在、福祉用具レンタル業界では高齢者人口のピークを目前にM&Aが加速しています。本記事では福祉用具レンタルのM&Aにおける最新動向や売却相場、メリットを詳述。再編が進む業界で勝ち残るための戦略的事業承継のポイントを専門家が解説します。
目次
福祉用具レンタル業界を取り巻く2026年現在の市場環境
本章では、福祉用具レンタル会社を取り巻く現状を概観します。福祉用具レンタル会社の現状は、主に以下の5つの点にまとめることが可能です。
- 要介護高齢者の増加に伴う需要拡大
- 介護報酬のマイナス改定による不安
- 介護給付費に対する課題
- 事業者数の増加
- 福祉用具レンタル・福祉用具貸与事業へのM&A・事業譲渡は増加
要介護高齢者の増加に伴う需要拡大
日本は超高齢社会の深化に伴い、要介護認定者数が高止まりしており、福祉用具レンタルのM&A需要はかつてないほど高まっています。最新の市場データでは、福祉用具レンタル市場は4,000億円規模を超えており、2026年現在も在宅介護へのシフトが進む中で安定した成長を維持しています。特にDX化による業務効率化を進める企業のシェア拡大が顕著になっています。
一方で、2021年度の国内の介護福祉用具市場は、メーカー出荷額ベースで推定1,271億円となりました。市場全体としては横ばいの状態が続いています。しかし、最近の為替レートの変動や原材料費および輸送コストの増加が、介護福祉用具メーカーの経営に圧力をかけており、こうしたコストの上昇に対応することが急務となっています。
こうした事情を受けて、国は「社会福祉基礎構造改革」を推進しており、個人の自立・質の高いサービス・地域福祉の充実を掲げて、多様化していく需要に対応するための対策を打ち出しています。
参考:矢野経済研究所「福祉用具レンタル市場に関する調査(2018年)」
矢野経済研究所「介護福祉用具用品市場に関する調査を実施(2022年)」
制度改正に伴う収益構造の変化と経営への影響
直近の介護報酬改定の流れを振り返ると、2024年度の改定において一部の福祉用具について「貸与(レンタル)」と「販売」の選択制が導入されました。これにより、低価格帯の物品を中心にレンタル需要が一部販売へ移行するなどの構造的な変化が生じています。2026年の経営現場では、こうした度重なる制度変更への即応力が、企業の収益性を左右する重要な指標となっています。
このように、介護報酬は必ずしもマイナス改定されるわけでないものの、福祉用具レンタル会社をはじめとする介護業界の企業およびそこで働く従業員にとって、マイナス改定は不安を与える要素の1つです。
従業員の給与の低さが問題視される中で、今後とも介護報酬の大幅なプラス改定は期待しづらく、マイナス改定による企業の撤退や従業員の離職が懸念の材料となっています。
介護給付費に対する課題
医療費は、自己負担の段階的な引き上げとともに、適正化の取り組みが以前から行われていますが、介護給付費に関しても同様の適正化が行われるべきだと考える意見があります。
そこで、国は「介護給付適正化推進運動」を実施するなどして、介護サービスの質を維持しつつ、介護給付費の無駄を削減する取り組みを行っている状況です。
事業者数の増加
福祉用具レンタル事業者数は増加傾向にあります。ただし、事業者数は一様に増加しているわけではなく、増加と減少を繰り返しながら全体として数を伸ばしている状況です。
福祉用具レンタル・福祉用具貸与事業へのM&A・事業譲渡は増加
福祉用具レンタル事業は、他の介護サービスと比較して設備投資負担が抑えやすく、継続的な収益が見込めるため、依然として魅力的な投資対象です。しかし、現在は単なる「物品の貸出」だけでは差別化が困難であり、リハビリ専門職との連携や、AIを活用したモニタリング技術を持つ企業が福祉用具レンタルのM&A市場で高い評価を得る傾向にあります。
福祉用具レンタル事業に新規参入する企業も増えており、今後はM&A・事業譲渡による買収・売却が活発になっていくものと推測されています。
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の最新動向
本章では、福祉用具レンタル会社を対象とするM&A・事業承継の最新動向を、4つのトピックに分けて解説します。
選択制導入と価格上限規制による市場の透明化
2024年4月から施行された介護報酬改定により、固定型歩行器や杖などの一部種目において、利用者がレンタルか購入かを選べる「選択制」が本格運用されています。2026年現在、この制度は事業者のストック型収益モデルに大きな影響を与えており、福祉用具レンタルのM&Aにおける企業評価(バリュエーション)の際にも、選択制導入後の利益維持率や顧客への説明体制が厳しくチェックされるようになっています。
上限金額は厚生労働省によって設定されており、もしも上限金額を超えて介護保険の請求を行うと、超過分だけでなく全額返戻しなければなりません。
競争が激化しており中小規模の業者には厳しい
福祉用具レンタル事業は一般的に収益性が高く、大手企業の新規参入が目立っており、競争は激化傾向にあります。大手企業が資本力を生かして利用者数を伸ばしているのに対して、中小企業が厳しい経営状況に立たされている状況です。
このような背景に加え、要介護高齢者の増加も相まって、今後とも業界全体の競争が激化していくと予測されます。
深刻化する後継者不在問題と第三者承継の広がり
大手企業によるロールアップ戦略(同業買収による規模拡大)が加速する一方で、依然として地域密着型の中小事業者が数多く存在するのがこの業界の特徴です。しかし、2026年を迎えて経営者の高齢化は一段と進行しており、親族内承継を断念し、大手傘下に入ることで従業員の雇用と利用者へのサービス継続を図る「戦略的M&A」を選択するケースが一般化しています。
近年は、中小規模の福祉用具レンタル会社の経営者の多くが引退を検討する年齢に達しており、M&Aによる第三者への事業承継事例も増加しています。
福祉用具レンタル業界のM&Aを成功させるための重要ポイント
福祉用具レンタル業界におけるM&Aを成功させ、より好条件で成約させるためには、現在の市場環境に即した準備が不可欠です。特に以下の3点は、買い手企業が最も重視する評価ポイントとなります。
1. ケアマネジャーとの強固なネットワークと営業力
福祉用具レンタルの集客において、居宅介護支援事業所のケアマネジャーとの信頼関係は最大の経営資産です。特定の事業所に依存しすぎず、幅広いチャネルから安定して新規案件を獲得できる仕組みがある企業は、M&A市場で高く評価されます。地域内でのシェアや、紹介から成約に至るまでのスピード感など、数値化された営業実績を整理しておくことが重要です。
2. ICT活用による業務効率化とDXの推進状況
2026年現在の労働力不足の中では、事務作業や在庫管理のデジタル化が必須条件となっています。電子サインの導入や、モバイル端末を用いた現場でのモニタリング報告体制が整っている企業は、買収後の統合プロセス(PMI)がスムーズに進むと判断され、プラスの査定要因となります。逆に、アナログな管理体制のままでは、買収後のコスト増を懸念されるリスクがあります。
3. 法令遵守(コンプライアンス)の徹底と専門性の維持
福祉用具専門相談員の配置基準や、適切な選定理由の記載、定期的なモニタリングの実施など、実地指導に耐えうる運営体制が問われます。特に2024年の制度改正以降、選択制に関する利用者への適切な説明と同意取得が徹底されているかは、デューデリジェンス(買収監査)における重点項目です。専門性の高い人材の定着率の高さも、企業価値を構成する大きな要素となります。
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の事例
続いて、福祉用具レンタル会社を対象とするM&A・事業承継の事例の中から、代表的なものをピックアップし解説します。
幸和製作所×パーソンケア
幸和製作所は、パーソンケア(大阪府堺市)の株式を取得する株式譲渡契約を締結しました。幸和製作所は介護用品や福祉用具の製造・販売を行っており、パーソンケアは福祉用具のレンタルおよび販売を手掛けています。
本M&Aの目的は、パーソンケアが介護現場から得るニーズを活用し、製品開発力を向上させることです。これにより、幸和グループは中長期的に企業価値の向上を図る方針です。
ヤマシタ×メディカルアシスト
ヤマシタ(静岡県島田市)は、2024年6月1日にメディカルアシスト(福岡県福岡市)の福祉用具レンタル事業の一部を譲り受け、「ヤマシタ福岡営業所」を開設する予定です。
ヤマシタは、福祉用具レンタルや介護支援事業などを展開しており、福岡県への進出は九州初となります。同社は2030年までに売上850億円と120営業所への拡大を目指しており、今回の営業所開設もその一環です。
譲り受けた顧客基盤を活かし、福岡県で高品質なサービスを提供していく方針です。
エヌリンクス×CoCoXia
エヌリンクスは、CoCoXia(東京都大田区)の全株式を取得し、子会社化することを発表しました。エヌリンクスは、インターネットメディア運営や不動産仲介、営業アウトソーシング、人材支援など多岐にわたる事業を展開しています。一方、CoCoXiaは福祉用具のレンタル・販売や住宅改修を行う会社です。
エヌリンクスは、シニアケア分野への進出を目指し、今後の事業拡大と新たな市場開拓を図る目的でこの買収を実施しました。
カスケード東京×フォービスライフ
2022年2月に、東京を拠点とするカスケード東京が、介護施設を運営するフォービスライフの株式を取得し、フォービスライフを自社のグループ会社に加えました。
カスケード東京は、東京近郊で、デイケア(日帰り介護)、在宅介護、整骨院や鍼灸マッサージ、リラクゼーションサービス、子どもの福祉支援など、さまざまな健康関連サービスを展開しています。
フォービスライフは、特に東京の江東区、江戸川区、杉並区で、在宅介護、訪問介護、デイサービス、グループホームの運営を行い、福祉用具の貸し出しや販売も手がけています。この買収によって、両社のサービスや資源を組み合わせることで、より幅広い介護サービスを提供できるようになると期待されています。
今後、カスケード東京はグループ内の介護施設と協力しながら、利用者の方々にさらに細やかなケアを提供していく予定です。
ベスト・ケアー×ワイズ
2022年1月、首都圏で家庭向け介護サービスを手掛けるベスト・ケアーが、ワイズが運営していたデイケアセンター3箇所と、鍼灸整骨院3箇所の運営権を引き継ぐことになりました。
ワイズはリハビリテーションサービスなどを提供しており、医療情報サイト「m3.com」を運営するエムスリーグループの一部です。一方、ベスト・ケアーは新潟市に本社を構えるNSGグループに属し、自宅での介護や訪問介護、福祉用具の提供、障害者サポートなど多岐にわたるサービスを展開しています。
新型コロナウイルスの流行による影響で、事業を継続するうえでの課題が生じていたため、ワイズは事業の一部をベスト・ケアーに譲ることを決定しました。この取引によって、ベスト・ケアーはより多くの顧客に対応し、事業の拡大を図ることを目指しています。
ココカラファイン×キコーメディカル
2021年4月、ココカラファイン(現:ココカラファイングループ)は、キコーメディカルの株式すべてを取得し、完全子会社化すると発表しました。本件M&Aの取得価額は非公開です。
買収側は、神奈川県横浜市港北区に本社を置く、ドラッグストアなどの傘下企業の管理・管轄を行う企業です。現在は、マツキヨココカラ&カンパニーの子会社となっています。
対する売却側は、介護福祉用具の利用者・在宅介護の関係者に対して、福祉用具レンタル・福祉用具販売・介護住宅リフォームなどのサービスを提供している企業です。
本件M&Aにより、買収側では、ドラッグストア・調剤事業・介護事業のさらなる連携の強化や、「人々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する」という経営理念の実現などを図っています。
芙蓉総合リース×日本信用リース
2021年4月、芙蓉総合リースは、日本信用リースの株式を取得し、完全子会社化しました。もともと買収側は売却側の株式30%を保有していましたが、本件M&Aによりすべての株式を取得しています。本件M&Aの取得価額は非公開です。
買収側は、日本の大手総合リース会社で、みずほフィナンシャルグループ系(旧富士銀行系)の企業です。対する売却側は、福祉用具・医療用機器・事務用機器などのリースおよび割賦販売業務を手掛けています。
本件M&Aにより、買収側では、グループ内の医療事業と福祉事業の取り組みの強化が図られています。
ヤマシタ×ケアプラザ田園
2021年3月、ヤマシタは、ケアプラザ田園の株式すべてを取得し、完全子会社化しました。本件M&Aの取得価額は非公開です。
買収側は、福祉用具レンタル・販売、ホテルリネンサプライ、病院リネンサプライの3つの事業を展開している企業です。対する売却側は、神奈川県大和市を拠点に、福祉用具の貸与および販売、居宅サービス事業などを展開していました。
本件M&Aにより、買収側では、福祉用具レンタル・販売事業におけるスケールメリットやシナジー効果の創出などを図っています。
栗原医療器械店×セラピ
2021年1月、栗原医療器械店は、セラピの介護・福祉用具のレンタル事業を承継しました。本件M&Aの取得価額は非公開です。
買収側は、医療機器・理化学機器・ME機器・放射線機器・病医院設備施工・介護用品・各種医療材料・メンテナンスサービスケアなどを中心に営業展開を行っている医療機器ディーラーです。対する売却側は、新潟県を拠点に、介護・福祉用具や医療器具の卸売事業及びレンタル事業を展開しています。
本件M&Aにより、買収側では、営業エリアや事業領域の拡大、シナジー効果の獲得などを図っています。
ソラスト×日本エルダリーケアサービス
2020年8月、ソラストは、日本エルダリーケアサービスの株式すべてを取得し、完全子会社化すると発表しました。本件M&Aの取得価額は23億7,500万円です。
買収側は、東京都港区に本社を置く医療・教育・福祉関連企業です。これらの分野について、地域社会と1人1人の生活に密着したサービスを提供しています。
対する売却側は、介護保険法にもとづく居宅介護支援・通所介護・訪問介護・認知症対応型通所介護の事業のほか、ホームヘルプサービス・移動支援・地域生活支援などを展開している企業です。
本件M&Aにより、買収側では、事業展開エリアの拡大、エリア内の提供サービスの拡充を図っています。
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継のメリット
本章では、福祉用具レンタル会社を対象とするM&A・事業承継で期待されるメリットを、売却側・買収側それぞれの立場に分けて順番に取り上げます。
売却側のメリット
売却側で期待される主なメリットとしては、以下のものが挙げられます。
- 後継者不在問題の解消
- 人材の確保
- 介護報酬改定による将来の不安の解消
- 競争激化による心理的な負担からの解消
- 譲渡利益の獲得
- 個人保証・債務からの解放
上記のうち、特に大きなメリットは、後継者不在の問題を解決できる点です。国内の中小企業の多くは後継者不在の問題を抱えており、後継者候補となる人物が周囲に存在しないために、事業承継を円滑に進められないケースが増えています。
こうした企業にとってM&Aによる第三者への事業承継は、有効策の1つです。第三者に事業を売却・譲渡することで、自社を存続させられます。
買収側のメリット
対して、買収側で期待される主なメリットとしては、以下の点があります。
- 人手不足の解消
- 新サービス導入に向けたノウハウ吸収
- 利用者数増加への対応強化
買収側にとっての大きなメリットは、人手不足を解消できる点です。福祉用具レンタル会社をはじめ、介護事業者では深刻な人材不足に悩まされているところが多く存在しますが、M&Aによる買収を活用すれば不足する人員を確保できます。
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の際の売却相場
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継による売却を検討している方は、やはり売却相場がどれほどなのか気になるのが自然です。しかし、福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継は公開されている事例がそれほど多くないため、売却相場を把握しにくいのが現状です。
しかし、トーカイによる福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却事例を見ると、取引価格が600万円・1,100万円・8,000万円程度の事例が公開されています。
企業評価価値の算出方法
前述のトーカイの例を見ると、福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡の売却価格には非常に大きな幅がありますが、ここでは売却価格を算定する方法を解説します。
一般的に、企業価値を評価する方法には、コストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチという3つの手法があります。コストアプローチは会社の純資産をもとに算出する方法、インカムアプローチは将来的な利益をもとに算出する方法、そしてマーケットアプローチは同業他社の株価などを参考にする方法です。
コストアプローチ
コストアプローチとは、純資産を基準として企業価値を評価する算出方法です。
帳簿に記帳されている内容をもとにして企業価値を算定します。客観的でより精密な企業価値を算出することができるため多くのM&Aでコストアプローチが活用されています。
インカムアプローチ
インカムアプローチとは、将来期待できる収益・キャッシュフローからリスクを考慮した率を割引き、企業価値を評価する算出方法です。
具体的な計算方法は以下の2つがあります。
- DSF(Discount Cash Flow)法
- 収益還元法
マーケットアプローチ
マーケットアプローチとは、株式市場で成立している価格をもとに企業価値を評価する算出方法です。
具体的な計算方法は以下の2つがあります。
- 類似業種比準方式
- 類似会社比準方式
個人では売却価格算出は難しい
福祉用具レンタル会社の売却価格の算出には、専門的な知識が必要です。M&A仲介会社などの専門家に依頼するケースが一般的で、経営者が個人で正確な額を算出するのは難しいです。
とはいえ、貸借対照表の純資産と負債を単純に引き算し、大まかな売却価格を概算しておくことは個人でも可能です。自身で大まかに計算しておき、そのうえで専門家に詳細な算定を依頼することをおすすめします。
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継を行う際の注意点
福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡を成功させるためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。ここでは、特に意識しておきたい5つのポイントをみていきましょう。
- 利用者・顧客の不安を考える
- M&A・事業承継を行う目的を明確にする
- 譲渡先をしっかりと選定する
- 契約成立まで情報の取り扱いに注意する
- M&Aの専門家に相談する
①利用者・顧客の不安を考える
M&Aが広く認知されるようになったとはいえ、一般の方にとっては会社が買収されるというイメージから不安を感じることも多いです。
そのため、自分が利用している福祉用具レンタル会社が買収されると聞くと、不安に感じた利用客・顧客が利用をやめてしまうおそれもあります。
福祉用具レンタル会社をM&A・事業譲渡・売却する際は、情報を利用者・顧客に漏らさないようにするなど、不安を与えないよう配慮しておきましょう。
②M&A・事業承継を行う目的を明確にする
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の目的は、個々の事例によってさまざまです。経営者の高齢化による事業承継・大手の傘下に入って経営を安定させたい・売却益を得て新たな事業の資金にしたいなど、目的を明確にしておくことで、買い手候補との交渉がスムーズに進みます。
③譲渡先をしっかりと選定する
福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却では、譲渡先を十分に選定することが重要です。こちらの会社の強みを理解して、高いシナジー効果を獲得できる買い手を見つけると、売却価格が高くなる傾向があり、譲渡後の経営もスムーズに進みます。
一方で、こちらの経営理念や会社への思いを理解しない相手に譲渡してしまうと、将来的に問題が起きたり経営状態が悪化したりするケースがあるため注意が必要です。
④契約成立まで情報の取り扱いに注意する
福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却では、情報が外部に漏れてしまわないよう注意しておくことが重要です。契約成立前に情報が顧客や取引先に漏れてしまうと、不安に感じて利用や取引を中止してしまうおそれがあります。
交渉中は経営者や役員など一部の人間のみにM&Aを知らせておき、従業員・顧客・取引先には契約成立後に知らせるようにしましょう。
⑤M&Aの専門家に相談する
福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却は、マッチングサイトを利用して自分で行うこともできますが、ほとんどの福祉用具レンタル会社の経営者はM&A・事業譲渡・売却の経験がないため、スムーズに進まないことが多いです。
したがって、福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却をスムーズに進める際は、M&A仲介会社などの専門家に相談したほうが無難です。
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の際におすすめの相談先
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の相談先には、以下のような選択肢があります。
- M&A仲介会社
- 地元の金融機関
- 地元の公的機関
- 地元の会計士・税理士・弁護士など
- マッチングサイト
①M&A仲介会社
福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却の相談先として最もオーソドックスなのは、M&Aを専門に扱っているM&A仲介会社です。M&A仲介会社は小規模な会社でも利用できる機関が多く、気軽な相談から本格的な交渉まで、幅広くサポートを提供しています。
②地元の金融機関
銀行や信用金庫などの金融機関でも、福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却の相談を受け付けています。メガバンクや外資系投資銀行は大企業のM&Aを中心に扱っているため、中小の福祉用具レンタル会社の場合は、地方銀行や信用金庫を利用すると良いでしょう。
ただし、金融機関では相談は受け付けているものの、具体的な交渉・手続きは提携のM&A仲介会社に依頼するケースが多いため注意が必要です。
③地元の公的機関
近年は中小企業の事業承継問題が深刻化しており、国は事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関を全国に設置し、M&Aによる事業承継の普及を推進しています。事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関は各都道府県に設置されているため、まずは最寄りの機関に相談を持ちかけてみるのもおすすめです。
ただし、金融機関と同様に、最終的には提携のM&A仲介会社に依頼するため、二度手間になる可能性がある点には注意しましょう。
④地元の会計士・税理士・弁護士など
会計士・税理士・弁護士といった士業事務所の中には、M&Aを得意にしていたり、介護や福祉業界に詳しかったりする機関もあります。
もしも地元の士業事務所を知っているなら、福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却の相談を持ちかけるのもよいでしょう。ただし、士業事務所でも、最終的には提携のM&A仲介会社に依頼することになる点は要注意です。
⑤マッチングサイト
マッチングサイトとは、M&A・事業譲渡・売却を検討している買い手と売り手が情報を交換し、自分で交渉を持ちかけてM&Aを実行できるサイトのことです。
多くのマッチングサイトでは、売り手が手数料無料、買い手も3%程度と安価であるため、コストを抑えて福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却を行いたい方におすすめです。
なお、自身のみでM&A・事業譲渡・売却を行うのが不安な場合は、M&A仲介会社のサポートを受けながら利用できるマッチングサイトもあります。
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の際に相談先を選ぶポイント
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の相談先を選ぶ時は、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
- 過去に自社と同規模の案件実績がある
- 同業種のM&A経験・知識がある
- M&Aに精通した知識がある
- 買収先の紹介・選定・仲介を行ってくれる
- 相性がよく信頼できる
①過去に自社と同規模の案件実績がある
もともとM&Aは、大企業による数百億円規模の案件もあれば、零細企業や個人事業主による数百万円程度の案件もあります。同じM&Aでも案件によって性質がまったく異なるので、M&A仲介会社を選ぶ際は、過去に自社と同規模の案件実績があるかどうかの確認が必要です。
②同業種のM&A経験・知識がある
M&A・事業譲渡では、売買する会社の事業に関して動向を把握しておかなくてはなりません。福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却の相談先を選ぶ時は、同業種のM&A実績があるか確認しておきましょう。
なお、福祉用具レンタル会社のM&A実績がある仲介会社が見つからない場合は、医療や介護・薬局など近い業種のM&A実績がある機関を探すのもよい方法です。
③M&Aに精通した知識がある
M&A・事業譲渡・売却には、会計や税務の知識から各業界の動向まで、幅広い知識と経験が必要とされます。もちろんM&A仲介会社はM&Aを専門にしているため、M&Aに詳しいスタッフが業務を手掛けるのが基本です。
しかし、M&A仲介業務は不動産事業のように資格があるわけではないため、M&Aの経験が乏しいスタッフが業務を手掛ける可能性もゼロではありません。そのため、福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却の相談先を選ぶ時は、M&Aに精通した知識を持っているか確認しておきましょう。
④買収先の紹介・選定・仲介を行ってくれる
地方銀行や信用金庫といった金融機関、または事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関は、福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却の相談先として有力ではありますが、買収先の紹介・選定・仲介は提携のM&A仲介会社に依頼するのが一般的です。
そのため、福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却の相談先としては、買収先の紹介・選定・仲介まで行ってくれる、M&A仲介会社やM&Aアドバイザリーなどを選ぶのが無難だといえるでしょう。
⑤相性がよく信頼できる
福祉用具レンタル会社のM&A・事業譲渡・売却の相談先を選ぶ時は、担当スタッフの人柄や仕事ぶりを見て、相性がよく信頼できるかどうか見極めることも大切です。
たとえ評判が良く知識や経験に長けたスタッフでも、顧客の会社に対する思いを汲まず、やみくもに成約を目指すような対応を取られるならば、別のスタッフや仲介会社に変更することも検討すべきでしょう。
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継まとめ
福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継は、現時点ではそれほど活発ではありませんが、今後の需要増加によってM&A・事業承継が増えてくる可能性は高いでしょう。
福祉用具レンタル会社の経営者としては、今のうちからM&A・事業承継に関する知識を蓄えておき、経営の選択肢の1つとして活用できるよう準備しておくことが重要です。
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幼稚園経営は学校法人が行う事業でありM&Aの対象になります。本コラムの主な内容は、幼稚園業界の概要や市場動向・M&A動向、M&Aを進める際の流れ、M&Aで得られる...

BPO業界の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例5選や流れと注意点も解説!
BPO業界でもM&Aは盛んに行われています。本コラムの内容は、BPO業界の概要や市場規模の動向、BPO業界のM&A動向とM&Aの流れ、M&Aによる売却・譲渡・買収...

百貨店業界の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例5選や流れと注意点も解説!
本コラムでは百貨店関連のM&Aについてまとめました。主な内容として、百貨店業界の動向、百貨店のM&Aによる売却・譲渡で得られるメリットやM&Aの流れ、百貨店をM&...











株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。