M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年2月21日更新業種別M&A
製造業(メーカー)の売却の流れや価格算定方法・売却相場を解説
製造業(メーカー)は、あらゆる技術を駆使してモノづくりを行うため、会社が保有する技術力を加味したうえで適切な企業価値を算出し売却価格を決定します。今回は、製造業(メーカー)の売却の流れと売却価格算定方法、実際の売却事例を解説します。
目次
製造業(メーカー)とは
製造業(メーカー)とは、原材料を加工して製品を生産する業種をいいます。
生産される製品は、家電などの電気製品や衣服の繊維製品など多岐に渡るため、なにかを生産して販売する事業全般を製造業(メーカー)と捉えても差し支えありません。
製造業(メーカー)の会社が売却される主な理由
昨今、製造業(メーカー)の会社売却が活発化しています。この章では、製造業(メーカー)が売却される理由について解説します。
【製造業(メーカー)が売却される理由】
- 後継者問題の解決
- 労働人口の減少・人手不足
- 競争相手の増加
- 受注単価の下落
後継者問題の解決
製造業(メーカー)が売却される理由1つ目は、後継者問題の解決です。後継者問題とは、経営者が高齢を迎えているにも関わらず適任となる後継者が不在のため、引き継ぎを行えない状態をいいます。
特に地方の製造業(メーカー)が悩まされている傾向が強くなっており、会社を存続させるための手段として会社売却が利用されることが多く見受けられるようになっています。
労働人口の減少・人手不足
製造業(メーカー)が売却される理由2つ目は、労働人口の減少・人手不足です。日本の少子高齢化によって、全国的に働き手が不足しているという問題が挙げられます。
特に、製造業(メーカー)においては特別な技術が求められることも多く、人材確保という面では他の業種に比べてハードルが高い傾向にあります。
人手不足によって事業を存続させることが難しくなり、会社売却を実施するケースも見受けられます。
競争相手の増加
製造業(メーカー)が売却される理由3つ目は、競争相手の増加です。近年は、同業種の競争相手が増加することによって、顧客の奪い合いが激しくなっています。
製造業(メーカー)は、たった1つの技術で製造ラインの大幅な効率化を図れるため、価格競争についていけなくなるケースも少なくありません。
競争相手の増加によって、新技術開発などの逆インセンティブ効果が生まれるケースもありますが、多くの場合はマイナス面に働くことがほとんどです。
日々激化する競争の中で、最終的に会社売却を選択する製造業(メーカー)も増えてきています。
受注単価の下落
製造業(メーカー)が売却される理由4つ目は、受注単価の下落です。受注単価の下落の主な原因としては競合との値下げ競争が挙げられます。また、業種によっては需要の落ち込みという問題もあります。
相次ぐ受注単価の下落によって経営状態が悪化してしまい、会社売却を検討する製造業(メーカー)が増加しつつあります。
製造業(メーカー)の売却の流れ
続いて、製造業(メーカー)の売却の流れについて解説します。クロージングまで多くの工程を必要とするため、順番にみていきましょう。
【製造業(メーカー)の売却の流れ】
- 仲介会社などへの相談
- 売却先の選定
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
1.仲介会社などへの相談
製造業(メーカー)の売却の流れ1工程目は、仲介会社などへの相談することです。
会社売却には、取引先の選定と交渉や各契約書の締結など、さまざまな工程を要します。当事者間で契約を締結しようとすると不完全状態のまま進めてしまい、後々トラブルになってしまうことも少なくありません。
仲介会社へ相談して、具体的な流れの確認と仲介サポートの依頼をすることが、会社売却の第一歩といえるでしょう。
秘密保持契約書の締結
秘密保持契約書とは、機密情報を第三者に公開しないことを義務づける契約書です。
会社売却の話し合いを進めるうえでは、会社内の機密情報を公開せざるを得ない場面が訪れます。その際に公開された情報を、会社売却の進行以外の目的で使用しないことを両者間で締結します。
秘密保持契約書を締結しないと、会社売却を検討している事実が第三者に漏れてしまったり、自社が保有する技術が流出してしまったり、などのリスクがあります。
いずれも会社のあり方に大きな影響を与えてしまうものであるため、秘密保持契約書は締結しなければなりません。
なお、秘密保持契約書は、仲介会社と締結することもあれば取引先と直接締結することもあります。
2.売却先の選定
製造業(メーカー)の売却の流れ2工程目は、売却先の選定です。業種・対象エリア・希望売却額などの条件を考慮したうえで候補リストをピックアップし、売却先の選定に入ります。
ピックアップは仲介会社が保有するネットワークに強く依存するため、製造業(メーカー)に明るい仲介会社でなければ、理想の取引先が見つかる可能性は低くなってしまいます。
候補がみつかったら仲介会社を通して打診します。この際、直接打診をするケースもあるようですが、情報漏えいのリスクを高めるだけですので、仲介会社を通して行うようにしましょう。
意向表明書の提示
意向表明書とは、譲受企業が譲渡企業に対して譲り受けの意向を示す契約書です。
売却先の選定が終わるとトップ同士の面談に移ります。そのトップ面談を終え、本格的に会社売却の検討に入る場合は、譲受企業より意向表明書が提示されます。
主な記載内容には、希望買収額・スケジュール・費用負担などが挙げられます。また、譲受企業によっては意向表明書の提示を省略するところもありますが、必要な場合は仲介会社を通して要求してもらいましょう。
3.基本合意書の締結
製造業(メーカー)の売却の流れ3工程目は、基本合意書の締結です。基本合意書とは、現時点までの交渉内容に双方の合意が得られていることを示す契約書です。
全行程で提示された意向表明書の内容に概ね同意が得られた場合、基本合意書の締結に進みます。主な記載内容には、取引形態・譲渡対象範囲・譲渡価格・スケジュール・デューデリジェンスなどがあります。
基本合意書の締結タイミングでは、譲渡対象企業の適切な企業価値が算出されていないため、一部を除き法的拘束力を持たない特徴があります。
4.デューデリジェンスの実施
製造業(メーカー)の売却の流れ4工程目は、デューデリジェンスの実施です。デューデリジェンスとは、企業の価値・リスクを調査する活動です。
デューデリジェンスは、会社売却にあたって譲渡企業の適正な企業価値を算出するために、譲受側が派遣する専門家によって実施されます。
株式譲渡による会社売却の場合、負債を含めた全ての資産を譲受側が引き継ぐため、簿外債務などの調査を徹底しなければなりません。
デューデリジェンスは、譲渡対象企業が抱えている潜在的なリスクや、賃借対照表に記載されていない簿外債務をはっきりさせる働きも持ちます。
5.最終契約書の締結
製造業(メーカー)の売却の流れ5工程目は、最終契約書の締結です。デューデリジェンスを終えたら、いよいよ最終契約書の締結です。
最終契約書はデューデリジェンスの結果を反映し、最終的な譲渡価格に双方の同意が得られた場合に締結されます。
法的拘束力を持つため、締結後に正当な理由なしに一方的に破棄された場合、破棄された側は破棄した側に賠償請求する権利が与えられます。
6.クロージング
製造業(メーカー)の売却の流れ6工程目は、クロージングです。最終契約書の締結と同時に会社売却の手続きが終わるわけではありません。
実際には、従業員の同意・取引先の契約承継の同意・役員への借入金の返済など、さまざまな手続きが必要となります。
これらの処理が終わり、最終契約書に基づいた経営権の移転や取得対価の支払いが全て終わればクロージングとなります。
製造業(メーカー)の売却相場
中小規模の製造会社を売却する際のM&A価格の相場は、「時価純資産 + 営業利益の2~5年分」とされています。これは、企業が持つ無形資産(のれん代)も評価に含めるためです。
しかし、実際のM&A価格は、単なる財務状況だけでなく、技術力の高さや希少性、優秀な人材の有無、製品の付加価値などによって大きく変動します。さらに、買い手側がM&Aをどれだけ急いでいるか、また買収によって得られるシナジー効果の大きさも価格決定の重要な要素となります。
そのため、相場を大きく上回る価格でM&Aが成立するケースも珍しくありません。売り手側がより高値で売却する可能性を高めるには、優秀な人材の確保や育成、IT化の推進、そして大きなシナジー効果が期待できる買い手の選定などが重要になります。
製造業(メーカー)の売却価格の算定方法
会社を売却する際、適正な企業価値を算出する必要があります。特に、製造業(メーカー)では無形資産も企業価値に大きく影響するため、売却価格算定方法の選択はとても重要です。この章では、製造業(メーカー)の売却価格算定方法について解説します。
売却価格算定とは、譲渡企業の財務データを基に該当事業の市場環境などを加味して譲渡企業の企業価値を算出することをいいます。
会社売却を円滑に進めるためには、譲渡側・譲受側の双方が納得する形で企業価値を求める必要があります。
企業価値の算出に使われる計算方法は複数あります。どれが正解というものはなく、企業の状態や市場環境を考慮したうえで、双方が納得の行く計算方法を選択することになります。
【主な売却価格算定方法】
- インカチアプローチ
- コストアプローチ
- マーケットアプローチ
インカムアプローチ
インカムアプローチとは、収益価値を基に売却価格を算定する計算法であり、主に「DCF法」と「配当還元法」の2つがあります。
譲渡対象企業が今後生み出すであろう価値を加味して計算されるため、保有する技術やノウハウなどが反映されやすい特徴があります。
DCF法
DCF法は、企業が生み出す収益(キャッシュフロー)を現在の価値に変換し、売却価格を算定する計算法であり、インカチアプローチの中で最も利用されている計算方法です。
現在の企業価値にとどまらず、今後も継続して収益を生み出すという考え方による算出方法であり、会社売却後に見込まれるシナジー効果など、存続することを前提として計算します。
ベンチャー企業のように将来性のある企業の場合に使われることが多く、その際は事業計画の達成可能性が見込みがあるほど適正な評価がされるようになります。
また、製造業(メーカー)の場合は、技術力や特許などの知的財産権が事業内容に強く影響するため、将来性が高いとされ適正な評価を受けられるケースも多いです。
配当還元法
配当還元法とは、将来の株主への配当金に基づき売却価格を算定する計算法です。
会社の配当政策によって金額に差異が生じてしまうため、企業価値を意図的に操作することが可能であり、あまり利用されていません。ただし、株式非公開もしくは株主が少数の場合は有効になることもあります。
コストアプローチ
コストアプローチとは、譲渡企業の純資産を基準に売却価格を算定する計算法で、「簿価純資産法」と「時価純資産法」の2つがあります。
明確に数値化されている財務データを基に計算されるため客観性に優れており、将来的に生み出す収益を完全度外視するため、解散・精算する時に向いています。
簿価純資産法
簿価純資産法は、賃借対照表の純資産を基に売却価格を算定する計算法です。
総資産から負債を差し引くだけのシンプルな計算方法ですが、賃借対照表に記載されている純資産と企業の実態に差異があることがあるため、正しい企業価値が算出されるとは限りません。
その原因となるのは、滞納している売上債権や有価証券の含み損など、簿外債務と言われる賃借対照表に記載されていない負債の存在です。
したがって、この算出方法を使用するのは、正しい簿価が出ている時に限定したほうがよいでしょう。
時価純資産法
時価純資産法は、時価による純資産を基に売却価格を算定する計算法です。譲渡対象となる会社もしくは事業を時価評価し、純資産を求めます。利用される計算法は「再調達原価法」と「清算価値法」の2つがあります。
再調達原価法とは、譲渡対象企業をゼロから再度スタートした場合にかかるであろう想定コストを持って評価する手法です。譲受側にとっては、買収額に見合うかどうかの判断材料となるためよく使われる計算法です。
清算価値法とは、譲渡対象企業の資産を全て売却し、負債を弁済する手法です。会社を完全に清算する考え方なので、事業を続けていくつもりがない時の計算法として向いています。
しかし清算に伴うコストが加味されたり、設備の価値は著しく低く評価されたりするため、ほかの計算法より清算価値が高くなるケースはほとんどありません。
マーケットアプローチ
マーケットアプローチとは、市場価値を基準に売却価格を算定する計算法です。譲渡対象企業と類似する企業の財務状況やM&A・会社売却事例を基に企業価値を算出します。
明確な比較対象を用意して客観的な価格を算定できる一方で、類似企業とする基準の難しさというデメリットもあります。以下では、「類似会社比較法」と「類似業種比較法」について解説します。
類似会社比較法
類似会社比較法とは、譲渡対象企業と業種や規模が類似している上場企業と比較して売却価格を算定する計算法です。
複数の上場企業の株価の平均値によって求められるため、客観的な売却価格を計算することが可能です。しかし、比較する企業によってその価値が大きく変動してしまうというデメリットも持ち合わせています。
比較企業では、類似業種の上場企業をピックアップし、そのなかから事業構造が酷似している企業を選択します。上場企業のなかに類似企業が見つからない場合は、他の計算方法を使うことになります。
非上場企業の価値を算出する時に利用されることが多く「マルチプル法」という呼ばれ方もします。
以下の動画で弊社M&Aアドバイザーが、マルチプル法を解説しておりますので、是非ご覧ください。
類似業種比較法
類似業種比較法とは、譲渡対象企業と事業内容が類似している上場企業と比較して、売却価格を算定する計算法です。
国税庁が財産評価のために使用している計算方法であり、租税法上の公平さを重視します。
誰が計算しても同じ評価額となるため、会社売却の際に行う売却価格計算方法としては不向きであるといえるでしょう。
製造業(メーカー)の売却価格を算定する際の注意点
この章では、製造業(メーカー)の売却価格を算定する際の注意点を解説します。適正な企業価値を算出するためにもしっかり確認していきましょう。
【製造業(メーカー)の売却価格を算定する際の注意点】
- 売却交渉の際は無形資産の価値も伝える
- 売却価格算定はプロに任せる
1.売却交渉の際は無形資産の価値も伝える
製造業(メーカー)の売却価格を算定する際の注意点1つ目は、売却交渉の際は無形資産の価値も伝えることです。
無形資産とは、特許などの知的財産権/技術・能力を持つ人材の人的財産など、目に見えない資産のことをいいます。
この無形資産が生み出す価値の比率は年々上がっているともいわれており、売却価格を算定する際にも重視すべきポイントです。
特に、製造業(メーカー)では独自に確立した生産方法の特許を取得していたり、特殊な技術を保有する人材を抱えていたり、無形資産を多く持つケースも少なくありません。
自社の価値を安く見積もられないためにも、取引先との交渉の際には、自社の強みとして無形資産を積極的にアピールしていきましょう。
2.正確な売却価格算定はプロに任せた方が良い
製造業(メーカー)の売却価格を算定する際の注意点2つ目は、売却価格算定はプロに任せることです。
製造業(メーカー)の企業価値算定においては、無形資産が大きなウェイトを占めますが、無形資産の適正な価値を算定するためには、適切な計算方法を選択して正しく計算しなければなりません。
非常に複雑な工程になるため、プロに相談して最も有効な計算方法を選択してもらうことをおすすめします。
製造業(メーカー)の売却を有利に行うポイント
製造業(メーカー)の売却を有利に行うためのポイントを2つ紹介します。
自社の持つ強みをチェックする
製造業(メーカー)の場合、独自の技術がしばしば強みとなります。この強みを理解し、買い手に効果的にアピールすることが重要です。交渉時には、客観的なデータを含む書面を準備しておくと、情報を正確に伝えることができます。
また、自社で当たり前だと思っていることが、他社から見れば大きな強みになることもあります。そのため、自社の強みを客観的に評価し、洗い出すことが大切です。このプロセスでは、M&A仲介会社と協力して、外部の視点から自社の魅力を再確認しましょう。
計画的に準備する
製造業(メーカー)の売却を検討する際は、準備が非常に重要です。十分な準備をせずに交渉を始めると、望むような成果を得ることは難しいです。成功に導くためには、計画的に事前準備を行い、交渉がスムーズに進むよう整える必要があります。
具体的には、債務の圧縮や取引先との関係維持など、事前に行うべきことが数多く存在します。もし準備の方法について不明な点がある場合は、M&Aの専門家に相談することをお勧めします。これは、M&Aを具体的に進める前の段階であっても、迷わず行うべきです。専門家のアドバイスは、効果的な準備を進める上で大きな助けとなるでしょう。
製造業の売却案件一覧
弊社M&A総合研究所が取り扱っている製造業の売却案件一覧をご紹介します。
【北陸三県/高収益】産業用機械製造業
ユーザーに合わせたカスタムメイドな製造を得意とする企業です。協力会社と一体で設計から製作まで一貫対応しています。
大手機械メーカーとの取引があるのも強みです。エンドユーザーの領域は、半導体・自動車・食品等多岐にわたります。設立から右肩上がりで成長しており、自己資本も一定の水準を確保しています。
エリア | 中部・北陸 |
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡理由 | 会社の更なる成長のため |
【オーダーメイド餡子の製造可能】関東地方の製餡業
業歴に裏打ちされた美味しく高品質な餡子の製造が可能です。30種超のフレーバー餡子の製造実績があり、顧客の要望によってオーダーメイド餡子の製造を可能としています。国内行事の有無により、需要が左右されるため、閑散期の生産余力を活用することで更なる収益拡大が可能です。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 財務的理由、後継者不在(事業承継) |
【ニッチトップ/ダイカスト製品製造業_愛知県】充実した設備で社内一貫生産が可能
製品の設計段階から金型製作、ダイカスト製造まで、全ての工程を自社内で完結できる一貫生産システムを確立しています。3CD/2CDプロセスを用いることで、複雑な商品の製作にも、低コスト化、短納期化を実現しています。
高度な生産設備を保有し、取引先の多様な要望に対応でき、新規受注および新製品の開発が可能です。譲受企業からの人的リソースを投入することで、売上拡大が大いに見込めます。
エリア | 愛知県 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継)、事業存続に対する不安 |
【生麩製造業/東海地方/底堅い需要有/新商品も開発可能】
「生麩」は東海地方の一般家庭や学校給食でも親しまれており、今後も底堅い需要が見込まれる食材です。創業から30年以上製造を行っており、製品の品質について取引先からの信頼も厚いです。
要望に応じ、様々なフレーバーや混ぜ物を組み合わせた麩の製造も行えます。工場から最寄りICまで10分程度であり、スムーズな配送が可能です。繁忙期でも工場の稼働率は60%程度であり、更なるスケールアップも可能です。
エリア | 中部・北陸 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 2,500万円(応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
M&A総合研究所の製造業の売却事例
ここでは、M&A総合研究所がサポートさせていただいた製造業の売却事例をご紹介します。
中村製袋によるミヤゲンへの会社売却
本M&Aの当事会社は以下のとおりです。
- 譲渡企業:中村製袋株式会社(群馬県)
- 事業内容:ポリエチレン袋の製造・加工
- 譲受企業:株式会社ミヤゲン(福井県)
- 事業内容:包装資材の製造・販売
譲渡側企業では短納期対応や業務の効率化、新たな機械の導入など、さまざまな工夫を重ねてきましたが、経営者の年齢的な問題もあり、無理がきかなくなってきました。地方の人材不足は深刻で、Uターン人材を確保しながら何とか運営してきましたが、最近ではそれも難しくなっている状況です。
従業員の高齢化も進み、今後3~5年先を見据えたときに、取引先や従業員に負担をかけるわけにはいかないとの思いから、事業譲渡を決意しました。
そこでM&A総合研究所によるマッチング支援を受けたところ、ミヤゲンの宮元社長と出会いました。話し方や態度、実際にお会いしたときの雰囲気がとても良く、譲渡側企業の工場見学に訪れた際には、将来の計画を立てた上で詳細な資料を準備し、真剣にM&Aを考えている姿勢が伝わってきたと言います。
現在M&Aが成立したばかりですが、宮元社長は相談しやすいため、これからも率直に意見を交わせる関係を築いていきたいと考えています。1年後、5年後に「良い取引ができた」とお互いに思えるよう、引き続き努力していきたいと語っています。
本件M&A事例の詳細は、以下のリンクからご覧ください。
ジャストプロダクツによるエイシンインターナショナルへの会社売却
譲渡企業は株式会社ジャストプロダクツです。本社を愛知県に置き、配電盤・制御盤で使用される銅部品の製造業を手掛けています。
譲受企業は、株式会社エイシンインターナショナルです。本社を大阪府に置き、国内・海外メーカーの配電制御機器、特殊用途配電制御機器及び機器用パーツ、資材の輸出入、販売を行っている会社です。
本件M&Aにより、譲渡側では、従業員もやりがいを感じられるよう、譲受側と共に統合した新しい価値の創出を図っています。
本件M&A事例の詳細は、以下のリンクからご覧ください。
フレコードによるスター・レジンへの会社売却
譲渡企業はフレコード株式会社です。本社を埼玉県朝霞市に置き、アクリル樹脂・アクリルシートの加工を手掛けています。
譲受企業は株式会社スター・レジンです。本社を東京都目黒区に置き、合成樹脂にかかわる材料・加工品を総合的に手配・販売を行っています。
本件M&Aにより、譲渡側では従業員の待遇向上や、既存の顧客の維持などを期待しており、安定的な事業の維持を図っています。
本件M&Aの詳細は、以下のリンクからご覧ください。
化学工業薬品製造業F社による卸売業W社への会社売却
譲渡企業は、化学工業薬品製造業のF社です。本社を愛知県に置き、化学工業薬品の製品開発・販売や不動産管理などを行っています。
譲受企業は卸売業のW社です。本社を東京都に置き、繊維素材・内装資材・インテリア商品の企画設計、輸出入・販売を行っている企業です。
本件M&Aにより、譲渡側では、新商品の開発を進めていくとしています。譲受側には、難燃剤を活用した新規開発を中心に事業の拡大を期待しています。
本件M&Aの詳細は、以下のリンクからご覧ください。
製造業D社による建設業K社への会社売却
譲渡企業のD社は、本社を関東甲信越に置き、シャッターの製造・卸販売を手がけています。譲受企業のK社は、本社を東京都に置き、電気設備工事・防災設備工事・設計施工を手掛けている会社です。
本件M&Aの背景には、譲渡側において社会情勢の変化により企業活動も柔軟な変化に対応していく必要性の高まりがありました。こうした状況を受けて、M&Aを通じて、3年の間にしっかりと土台を築いてさらなる飛躍のために貢献していくとしています。
本件M&Aの詳細は、以下のリンクからご覧ください。
製造業(メーカー)の会社売却時におすすめの相談先
製造業(メーカー)の会社売却時におすすめの相談先をご紹介します。
金融機関
M&Aを検討する際、普段取引のある銀行や証券会社といった金融機関に相談することも有効な選択肢です。M&Aでは資金繰りや資金調達の課題が発生するため、資金面の専門家である金融機関に相談することで適切なアドバイスを得られる可能性があります。
主なメリットは、以下のとおりです。
- 広範なネットワーク を持ち、M&Aの相手候補を紹介してもらえる可能性がある
- 定期的な訪問を行うため、信頼関係が築かれている 担当者に相談できる
- 大手金融機関にはM&A専門部署 があり、知識豊富なスタッフによる対応が可能
- 取引実績のある金融機関ならば、自社の状況を理解しているためスムーズな進行が期待できる
一方で、以下のようなデメリットもあるので注意しましょう。
- 中小企業向けのM&Aには対応しない ケースが多い
- M&Aの相手企業を見つけにくく、手数料が高額になりがち
- 組織が大規模であるため、対応スピードが遅くなる可能性がある
金融機関を活用する際は、自社の規模やM&Aの目的に合致しているかを慎重に見極めることが重要です。
公的機関
事業承継・引継ぎ支援センターは、各都道府県に設置された公的機関で、後継者不足による事業承継を専門的に支援しています。公的機関ならではの強みとして、法制度や支援制度に関する情報を豊富に保有 しています。
主なメリットは、以下のとおりです。
- 都道府県ごとの法制度や支援策の情報 を提供してもらえる
- 地元の専門家とのネットワーク を活用し、適切な相談先を紹介してもらえる可能性がある
- 相談料が無料のため、気軽に利用できる
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- M&Aを活用した大規模案件や複雑なスキームの事業承継には対応が難しい
- ネットワークが地域密着型 のため、全国規模でのM&Aには不向き
- 成長戦略を伴うM&Aを希望する場合は、民間のM&A事業者のほうが適している
地元密着の事業承継には適している一方で、規模の大きなM&Aには限界があるため、目的に応じて活用を検討することが重要です。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、M&Aの専門知識と豊富な実績を持ち、相談から実行、アフターフォローまで幅広く対応できる事業者です。特に、M&Aの業界動向や費用の相場を熟知 しており、スムーズな進行をサポートします。
主なメリットは、以下のとおりです。
- M&Aの専門家が在籍 し、業界動向や費用相場を把握しているため、適切なアドバイスを提供できる
- 幅広いネットワークを活用 してM&Aの相手先企業を探せるため、希望に沿った選択肢を見つけやすい
- 金融機関よりも成功報酬が低い ケースが多く、費用面でのメリットがある
これに対して、以下のようなデメリットには要注意です。
- 相談料や着手金がかかる場合がある ため、費用面の確認が必要。
- 成功報酬を優先するあまり、M&A成約を急かす仲介会社も存在 する。
- 売却金額の5〜10%の成功報酬が発生 し、最低でも300万円程度かかることが一般的。
M&Aの専門知識と広範なネットワークを生かせる一方で、費用面や仲介会社の対応には慎重に検討することが重要です。
製造業(メーカー)の売却相場まとめ
製造業(メーカー)の売却の流れや売却価格算定方法について見てきました。専門的な用語も多く、いくつかは複雑な印象を持たれたかもしれません。
製造業(メーカー)業界では、大手・中小問わずM&A・会社売却が活発化してきています。いつ会社売却の必要に迫られるかもわかりません。ここで各ポイントについて振り返ってみましょう。
【製造業(メーカー)の売却の流れ】
- 仲介会社などへの相談
- 売却先の選定
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
【製造業(メーカー)が売却される理由】
- 後継者問題の解決
- 労働人口の減少・人手不足
- 競争相手の増加
- 受注単価の下落
【主な売却価格算定方法】
- インカチアプローチ
- コストアプローチ
- マーケットアプローチ
【製造業(メーカー)の売却価格を算定する際の注意点】
- 売却交渉の際は無形資産の価値も伝える
- 売却価格算定はプロに任せる
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自動車解体処理会社のM&A動向と成功のポイントを解説!【2025年最新】
自動車解体処理業界におけるM&Aは、後継者問題の解消、規模拡大や技術獲得を可能にします。しかし、自動車解体処理業界でM&Aを成功させるためには、明確な目的設定、適正な企業価値評価...
合同会社のM&Aを徹底リサーチ!難しいといわれる理由や手法・注意点は?
近年は合同会社の数が増加していますがM&Aの件数は停滞気味で、この背景には合同会社のM&Aは一般的なM&A手続きも困難な点が挙げられます。そこで本記事では合同会社のM&a...
社会福祉法人のM&Aの手続き手順や手法は?成功事例・メリットも解説!
近年急速的に進行している高齢化に伴い、社会福祉法人のニーズも高まっているのが現状です。 その動向に伴って社会福祉法人の業界における競争も高まり、活発なM&Aが展開されています。 本記...
D2C業界の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例や流れと注意点も解説!
D2Cは、メーカーやブランドが一般消費者に直接販売するビジネスモデルで、最大のメリットはコストの削減です。今回は、D2C業界の動向やM&Aのメリット・注意点、M&Aの実際の事例、...

SIer業界の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例や流れと注意点も解説!
本記事ではSler業界の動向とSler業界でM&Aを行うメリットを解説します。Sler業界は人手不足と新技術への対応に迫られ業界の再編が激しい業界です。実際に行われたM&A・売却...

鉱業業界のM&A動向!売却・買収事例3選と成功のポイントを解説!【2023年最新】
鉱業業界ではM&Aが活発化しています。資源需要増大や規制緩和が背景にあり、大手鉱業企業は新興市場や環境配慮型鉱業への投資を進めているのが鉱業業界の現状です。鉱業のリスク管理はM&...

木材業界のM&A動向!売却・買収事例5選と成功のポイントを解説!【2023年最新】
この記事では、木材業界のM&A動向について説明します。木材業界では、専門技術の獲得、コスト効率の向上のためにM&Aが活用されています。木材業界におけるM&A・売却・買収事...
株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。