M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年9月24日公開業種別M&A
造園工事業界の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例や流れも解説!
本記事では、造園工事業界の動向とM&Aメリットを解説します。近年造園工事業界において実際に行われたM&A・売却・買収事例に加えて、M&Aの基本的な流れについても解説するので是非参考にしてください。
造園工事業界の動向
造園工事業界とは、建設業法に基づき「整地、樹木の植栽、影石のすえ付け等により庭園、緑地等苑地を築造する工事」を請け負う事業者として定義されています。具体的には、公園の築造を中心に、街路樹の植栽工事や屋上緑化、壁面緑化などが含まれます。
造園工事業界は、都市化や環境問題の影響を受けて、多岐にわたる動向が見られます。2021年度の完成工事高は4,173億円となり、4年ぶりの減少を記録しました。
近年の市場動向としては、地球温暖化対策として「緑化」事業が国や自治体、民間事業者によって推進されています。集合住宅や都市部のオフィスビルでは、ヒートアイランド対策としての屋上緑化や壁面緑化の取り組みが進められており、屋上緑化は増加傾向にあります。
造園工事業界は個人営業の小規模事業者が多く存在する業界です。
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造園工事会社をM&Aで売却するメリット
造園工事会社をM&Aで売却することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では、主なメリットを3つのポイントを詳しく解説します。
後継者問題の解消
多くの中小企業、特に家族経営の造園工事会社は、後継者問題に直面しており、これは業界全体の大きな懸念事項となっています。
経営者の高齢化や、少子化、事業承継したがらない子どもの増加など企業の将来像を描くことが難しくなっています。このような状況下で、M&Aは有効な手段として注目されています。
M&Aを利用することで、後継者不在の問題をクリアし、新しい経営陣や戦略を取り入れることが可能となります。さらに、売却先の企業との連携やシナジー効果を活かすことで、事業の拡大や新しい市場への進出も視野に入れられるようになります。
M&Aは単なる後継者問題の解消だけでなく、企業の新たな飛躍のチャンスをもたらす重要な選択肢となっています。
売却利益の獲得
造園工事会社を売却する際に得られる売却利益は、企業の実績やブランド価値、顧客基盤などの要素を反映したものです。この売却利益は、多年にわたる経営の努力と戦略の成果を具体的な形で示すものであり、経営者や株主にとっては大きな収益となります。
この利益を再投資の資金として、新しい事業展開、設備投資などに活用したり、個人として生活資金や次のビジネスチャンスへの投資資金や老後の資金とすることができます。
従業員の雇用継続とモチベーションの向上
M&Aを適切に進めることで、従業員の雇用を継続させることができます。さらに、新しい経営体制や経営方針のもとで、従業員のモチベーションや職場の活性化が期待されます。
新たなチャレンジやキャリアアップの機会が増えることで、従業員のやる気や士気が向上し、会社全体の生産性や業績の向上が期待できるのです。
以上のように、造園工事会社をM&Aで売却することは多くのメリットをもたらします。
造園工事会社のM&A・買収・売却事例
ここでは、造園工事会社が近年行ったM&A・買収・売却事例を紹介していきます。
近年実際に行われたM&A・買収・売却事例を通じて、造園工事会社の動向を把握していきましょう。
積水ハウスが岐阜造園の株式を取得した事例
2020年6月、岐阜造園は積水ハウスに対する第三者割当増資を行いました。
もともと業務提携を結んでいたものの、積水ハウスとさらなる協力関係を構築するために今回の取引を行ったと説明しています。
これによって、高級物件や大規模が移行造園事業をこれまで以上に活かせるようになり、企業価値の向上に資すると考え、積水ハウスへの第三者割当増資に至りました。
参考: 積水ハウスによる岐阜造園の株式取得
前田工繊がサングリーンを子会社化した事例
2009年10月、前田工繊はサングリーンを子会社化することに成功しました。
サングリーンは、1986年2月に設立された企業で、北海道で植生製品や間伐材製品などの製造・販売を行っている企業です。全国の代理店を通じて、官公庁を主な販売先として多数の緑化工事、造園工事資材の販売を行ってきた実績があります。
今回、サングリーンの主力製品は、前田工繊が得意とする法面施行で材料として利用可能であることに加え、新たな取引先の開拓、販売力強化を目的に、今回の子会社化に至ったとしています。
参考: 前田工繊によるサングリーンの子会社化
造園工事会社のM&Aの流れ
造園工事会社のM&Aは、業界の成長や競争の激化に伴い、近年注目されています。
以下では、造園工事会社のM&Aの主な流れを詳しく解説します。
専門家への相談
M&Aのプロセスは複雑であり、多くの要因やリスクが関わってきます。そのため、M&Aを検討する際の最初のステップとして、専門家への相談が不可欠です。
造園工事業界に特有の市場の特性や動向、競合状況などを熟知している専門家やコンサルタントは、企業の現状や将来のビジョンを踏まえた上で、最適な戦略や方針を示唆してくれます。さらに、過去のM&Aの成功事例や失敗例をもとに、ポイントや注意点を明確に指摘してくれるでしょう。
このような専門的な知見や経験を活用することで、M&Aの方向性を明確にし、後のプロセスをスムーズに進めるための土台を築くことができます。専門家との連携は、M&Aの成功を大きく左右する要因となるため、適切なパートナーを選ぶことが重要です。
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専門家との契約と売却先の選定
専門家との初回相談後、正式に契約を結ぶこととなります。
契約内容には、買収や合併の目的、期間、報酬などが明記されます。
契約後は、専門家と共に売却先や合併先の選定を行います。適切なパートナーを見つけることは、M&Aの成功を左右する重要な要素です。
トップ面談と基本合意書の締結
売却先や合併先が決定した後は、双方のトップが面談を行うのが通例です。
この面談で、双方のビジョンや目的が合致しているかを確認します。面談が順調に進めば、基本合意書を締結します。
この合意書は、M&Aの大まかな条件や方針を示すもので、正式な契約に先立つものです。
最終条件交渉と最終契約
基本合意書の締結後、双方で最終的な条件の交渉を行います。価格や取引の詳細、将来の経営方針など、細かな点を詰めていきます。
条件がすべて合意されたら、最終契約を結びます。この契約には、M&Aの全ての条件が詳細に記載されます。
クロージング
最終契約の締結後、実際の取引が行われるのがクロージングです。
この段階で、資金の移動や株式の譲渡など、M&Aの実際の手続きが行われます。クロージングをもって、M&Aは完了となります。
以上が、造園工事会社のM&Aの主な流れです。
M&Aは複雑なプロセスを伴うため、専門家のアドバイスやサポートを受けることが重要です。
造園工事会社でM&Aを行う際の注意点
造園工事会社のM&Aは、企業の成長戦略や後継者不在の解消など、さまざまな理由から行われます。しかし、M&Aを成功させるためには、多くの要因を考慮し、様々な問題を事前に予測して対策を講じなければなりません。
以下に、造園工事会社でM&Aを行う際の主な注意点を詳しく解説します。
建設業の許可の引き継ぎ
造園工事業は建設業に分類されるため、建設業の許可が必要です。M&Aを行う際には、この建設業の許可の引き継ぎが大きな課題となります。
売却の際は許可が有効であるか、また新たに許可を取得する必要があるかを確認されます。許可の引き継ぎには必要な手続きを行い進めることが重要です。
顧客や案件の引き継ぎ
造園工事会社の価値は、その顧客基盤や進行中の案件に大きく依存しています。M&Aを行う際には、これらの顧客や案件の引き継ぎをスムーズに行うことが求められます。
引き継ぎの際には、顧客との信頼関係の維持や、案件の品質を確保するための対策が必要です。また、顧客への情報提供や説明のタイミングも適切に管理することが重要です。
情報漏洩
M&Aの過程で、企業の機密情報や顧客情報など、多くの重要な情報が取引の双方で共有されます。この情報が外部に漏洩すると、企業の評価や信頼性に大きなダメージを与える可能性があります。
情報管理の体制を強化し、情報漏洩のリスクを最小限に抑えるための対策を講じることが必要です。特に、契約書の取り決めや情報管理のルールを明確にし、関係者全員がこれを遵守するよう徹底することが求められます。
以上が、造園工事会社でM&Aを行う際の主な注意点です。
M&Aは大きなリスクを伴う一方で、適切な対策と準備を行うことで、企業の成長や新たな価値の創出につながります。
注意点をしっかりと把握し、成功への道を築いていくことが重要です。
造園工事業界のM&A・事業譲渡まとめ
造園工事業界は、都市化や環境問題の影響を受けて、多岐にわたる変化が見られるなかで、M&Aが注目されています。
工事高の減少や後継者問題の深刻化を背景として、造園工事業界において、M&Aは企業の成長戦略や後継者不在の解消手段として活用されています。
本記事では、M&Aを進める際の流れや注意点、成功事例を通じて、造園工事会社の新たな成長の道筋を示しました。
この記事を通じて、造園工事業界の現状とM&Aの重要性、そしてその成功へのポイントを理解してください。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。