M&Aとは?手法ごとの特徴、目的・メリット、手続きの方法・流れも解説【図解】
2023年7月23日更新都道府県別M&A
静岡県のM&A・会社売却・事業承継の動向は?案件例や探し方も紹介!
本記事では、静岡県の事業承継の動向やM&A案件の探し方から役立つ公的機関や譲渡案件情報などを紹介します。日本の他地域と同様、静岡県でも中小企業の後継者不在による事業承継問題が課題です。静岡県でM&Aを検討している方は必見です。
目次
静岡県のM&A・会社売却・事業承継の動向
静岡県の経済環境
静岡県の発表によると、静岡県の人口は3,602,840人(2021⦅令和3⦆年12月1日現在推計)、2020(令和2)年度の名目県内総生産額は15兆7,134億円でした。東京・名古屋などの大都市に近い地域に位置しており、経済規模が比較的大きいです。
静岡県は「産業のデパート」とも称されるほどさまざまな産業が盛んであり、製造業では自動車・二輪車・ピアノなどで全国トップクラスのシェアを誇っています。また、就業者比率が大きい飲食料品・電気機械器具・輸送用機械器具などの製造業が地域の中核産業です。
静岡県の休廃業・解散件数
静岡県では、グローバル化・高齢化などの影響により、産業構造の変化・人手不足など、さまざまな問題が浮上しています。これに伴い、静岡県企業の休廃業・解散が懸念されている状況です。
帝国データバンクの「静岡県『休廃業・解散』動向調査(2021年)」によると、2021年の静岡県での休廃業・解散件数は1,502件(個人事業主含む)でした。そのうちの49.7%が黒字決算、63.7%が代表者年齢70歳以上となっています。
そこから推測されるのは、企業代表者や個人事業主が引退年齢を迎えても後継者が見つからず、黒字でありながら休廃業・解散を選択せざるを得なかったケースが多いであろうということです。
静岡県のM&A件数の推移
静岡県では県内企業がM&Aを用いるケースが増加しています。買収側は新たな販路や人材の確保、事業の拡大、新事業への進出として、売却側は事業承継やイグジット戦略としてなど、静岡県の企業はさまざまな目的でM&Aを実施しているのです。
M&A Onlineの調べによると、過去4年間に静岡県企業が関わったM&A件数の推移は以下のようになっています。
- 2018(平成30)年:19件
- 2019(平成31、令和元)年:15件
- 2020年:14件
- 2021年:20件
なお、この数値は情報公開している上場企業の発表を基にしており、情報開示していない非上場企業のM&Aが含まれていません。したがって、実際にはもっと多くのM&Aが実施されていると思われます。
中部地方のM&A・会社売却・事業承継については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
静岡県近郊のM&A・事業承継の譲渡希望の案件例
本章では、静岡県近郊のM&A譲渡希望案件例を5つ取り上げます。
- 包装資材会社
- 緑茶の卸業会社
- ガソリンスタンド
- 通信環境整備・オフィス環境整備
- 不動産売買仲介業
包装資材会社
包装資材の販売や運送を行っている会社の譲渡希望案件です。大手企業にない付加価値を強みとしており、顧客のニーズに合わせた資材を提供しています。代表取締役の保有する自社倉庫を利用していますが、買収後も引き続き借りることが可能です。
売上高 | 3,600万円台 |
売却希望額 | 500万円 |
譲渡希望理由 | 後継者不在のため |
緑茶の卸業会社
静岡県内の緑茶を中心に卸業を行っている会社の譲渡希望案件です。品質を重視した仕入れを行っており、オリジナルブレンドのお茶を提供しています。50年以上の取引関係にある会社が多く、嗜好品のため十分な信頼関係が強みです。
売上高 | 応相談 |
売却希望額 | 非公開 |
譲渡希望理由 | 後継者不在、体調不安 |
ガソリンスタンド
地域に根ざした事業を行っているガソリンスタンドの譲渡希望案件です。業歴は50年以上あり、近隣に多数の固定客を持っているほか、フルサービスの給油を提供しています。低コストでの経営が可能です。
売上高 | 非公開 |
売却希望額 | 100万円 |
譲渡希望理由 | 後継者不在 |
通信環境整備・オフィス環境整備
オフィス・店舗・学校向けに通信環境・オフィス環境の整備を行う企業の譲渡希望案件です。
テレワーク、インターネット回線、パソコン、モバイルWi-Fi、携帯電話、OA機器・複合機などの選定、手配、工事、導入後のアフターフォローをワンストップサービスで提供しています。
売上高 | 5,000万円〜1億円 |
売却希望額 | 5,000万円〜1億円 |
譲渡希望理由 | 戦略の見直し |
不動産売買仲介業
新築分譲戸建てをメインとした不動産売買仲介業を行う企業の譲渡希望案件です。
営業利益率10%以上の高い収益性を誇っており、優秀な営業マンが多く、宅地建物取引士の資格を持つ人材が複数在籍しています。
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
売却希望額 | 2.5億円 |
譲渡希望理由 | 戦略の見直し |
静岡県のM&A・事業承継案件の探し方
続いて、静岡県のM&A譲渡案件の探し方として、以下の3つを取り上げます。
- M&A仲介会社・アドバイザーへの相談
- 取引関係にある金融機関への相談
- M&Aマッチングサイトの活用
それぞれの項目を把握して、静岡県のM&A譲渡案件を効率的に探しましょう。
①M&A仲介会社・アドバイザーへの相談
1つ目の方法は、M&A仲介会社・アドバイザーへの相談です。M&A仲介会社・アドバイザーは、M&Aの専門家ですから、一番頼りになると言えるでしょう。ここでは、おすすめのM&A仲介会社として、M&A総合研究所を紹介します。
M&A総合研究所の料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、会社売却・事業譲渡に関して無料相談をお受けしておりますので、静岡県でM&Aを検討される場合には、お気軽にお問い合わせください。
②取引関係にある金融機関への相談
2つ目の方法は、取引関係にある金融機関への相談です。地域の金融機関には、顧客である地元の企業から、さまざま経営相談が寄せられています。そこには、事業承継やM&Aに関するものが含まれており、案件探しの方法として有望です。
また、静岡県の金融機関の中には、M&A仲介会社と提携関係にあったり、M&Aによる事業承継を支援する事業を行ったりしているところもあります。
③M&Aマッチングサイトの活用
3つ目の方法は、M&Aマッチングサイトの活用です。M&Aマッチングサイトとは、無料会員登録などをすることによって譲渡希望案件や買収希望者の情報が閲覧できるサイトです。気軽にいつでも情報収集できるので便利です。
気に入った案件があれば別途、手数料を払うなどして(それぞれのM&Aマッチングサイトによって規定は異なる)、当事者間で交渉が行えます。交渉や手続き、契約書作成などに不安がある場合には、M&Aアドバイザーに業務依頼可能です(手数料発生)。
静岡県のM&A事例
ここでは、静岡県のM&A事例として以下の5件を取り上げます。
- 空調機器配管部品メーカーのM&A(アルコニックス・富士根産業)
- 管財事業のM&A(TOKAIホールディングス・イノウエテクニカ)
- 住宅施工業界のM&A(サーラ住宅・宮下工務店)
- 自動車部品製造業界のM&A(TBK・サンテック)
- ブライダル事業のM&A(ブラス・ビーライン)
空調機器配管部品メーカーのM&A(アルコニックス・富士根産業)
2020年11月、アルコニックスは、静岡県沼津市の富士根産業の株式を追加取得して子会社化すると発表しました。本件M&Aの取引価額は3億8,600万円です。
買収側のアルコニックスは、東京都に本社を置く商社・メーカーで、非鉄金属製品などを取り扱っています。対する売却側の富士根産業は、空調機器向けの配管部品メーカーです。主に、冷凍・空調機器製品に使われる各部品を製造しています。
本件M&Aの目的は、グループ内の金属加工に関する製販一体の事業体制の整備およびグローバル展開の実現です。
管財事業のM&A(TOKAIホールディングス・イノウエテクニカ)
TOKAIホールディングスは2020年11月、イノウエテクニカの全株式を取得し完全子会社化しました。本件M&Aの取得価額は公表されていません。買収側のTOKAIホールディングスは、静岡県静岡市に本社を置く持株会社です。
グループ企業には、石油・LPガスなどのエネルギー関連事業を行っているTOKAIや、ケーブルテレビやインターネット接続サービスなどの事業を行っているTOKAIコミュニケーションズなどを抱えています。
対する売却側のイノウエテクニカは、静岡県東部でビルメンテナンス事業を展開している企業です。本件M&Aの目的は、静岡県内でのビルメンテナンス事業の拡大にあります。
住宅施工業界のM&A(サーラ住宅・宮下工務店)
2019年6月、サーラコーポレーションの子会社であるサーラ住宅は、宮下工務店の株式を取得して子会社化しました。サーラ住宅は、愛知県・静岡県西部・三重県北部を中心に、木造軸組工法による注文住宅の施工・分譲住宅や土地の販売を行っています。
宮下工務店は、静岡県にて地域に密着して高品質な注文住宅の設計・施工を展開している企業です。本件M&Aにより、両社の経営資源の相互利用とシナジー効果を生み出したいと発表しました。
自動車部品製造業界のM&A(TBK・サンテック)
2018年11月、TBKは、サンテックの株式を取得して子会社化すると発表しました。TBKは、小型車・大型トラック・バス用のブレーキ・エンジン冷却用水ポンプなどの専用メーカーとして、開発・生産・販売を行っています。
サンテックは、静岡県浜松市に拠点を構えており、自動車を中心に電気・建設機械などさまざまな専用工作機械を提供している企業です。本件M&Aにより、TBKは、技術力の強化・ビジネス領域の拡大を目指すとしています。
ブライダル事業のM&A(ブラス・ビーライン)
2017(平成29)年3月、ブラスは、ビーラインが保有するブライダル事業「ヴィラエッフェ」を譲り受けると発表しました。ビーラインは、東海エリアでハウスウエディング式場や貸し切りゲストハウスを運営しています。
ブラスは、静岡県・三重県・岐阜県・愛知県にて、完全貸切ゲストハウスでの挙式・披露宴の企画運営を行っている企業です。本件M&Aにより、ビーラインからブライダル事業を譲り受けることで、静岡県での営業基盤の強化を行いたいと発表しました。
静岡県のM&A・会社売却・事業承継のおすすめ仲介会社
静岡県のM&A・会社売却・事業承継をお考えの際は、全国の案件に対応しているM&A総合研究所へお任せください。M&A総合研究所では、M&A・事業承継の知識や経験が豊富なM&Aアドバイザーが、案件を丁寧にフルサポートいたします。
料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。
静岡県のM&A・会社売却・事業承継に役立つ公的機関
ここでは、静岡県のM&A・会社売却・事業承継に役立つ公的機関として、以下の4つを取り上げます。
- 静岡県事業承継・引継ぎ支援センター
- 静岡県よろず支援拠点
- 静岡商工会議所
- 静岡県信用保証協会
①静岡県事業承継・引継ぎ支援センター
静岡県事業承継・引継ぎ支援センターは、国が設置する公的な相談窓口です。中小企業の事業承継やM&Aに関する専門家が、無料で相談を受けつけています。電話で相談の予約を行えて、センターの窓口でアドバイスや情報提供を受けることが可能です。
②静岡県よろず支援拠点
静岡県よろず支援拠点とは、国が全国に設立している中小企業・小規模事業者向けの経営全般相談所です。無料で利用できます。静岡県よろず支援拠点の設置場所は、静岡商工会議所静岡事務所内です。
中小企業診断士・社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーなどが在籍しており、専門的なアドバイスを受けられます。セミナーやイベントも開催しているため、静岡県でM&Aを行いたい場合は活用するとよいでしょう。
③静岡商工会議所
静岡商工会議所は、地域の経済発展に向けて活動している公益経済団体です。主な会員は商工者や企業の経営者であり、相互の助け合い・セミナーの開催などを展開しています。各種相談会も行っているため、静岡県でM&Aを行う際に役立てられるでしょう。
④静岡県信用保証協会
静岡県信用保証協会は、中小企業を金融面で支えている公的保証機関です。各種保証制度を取り扱っており、起業志望者や経営者などを支援しています。保証業務以外にも経営相談を受けつけているので、事業承継やM&Aの相談も可能です。
商工会議所が支援する事業承継については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
静岡県のM&A・会社売却・事業承継のまとめ
帝国データバンクの「静岡県『後継者不在企業』動向調査」によると、2021年の静岡県内の約7,500社では、後継者不在率が57.5%でした。全国平均の61.5%よりは低い数値ですが、安心できるものではなく廃業危機にある中小企業は多いと言えるでしょう。
その有効な解決策がM&Aによる事業承継です。M&Aで事業や会社を売却すると、その買い手が後継者(新たな経営者)となって事業承継が実現します。そして、M&Aを成功させるためには、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けることが肝要です。
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