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2019年10月31日更新

PMIとは?M&A・買収におけるPMIの重要性

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

PMIはM&Aの成功に直結する重要なプロセスです。日本のM&AではPMIはなおざりにされがちであり、専門家であるはずのM&A仲介会社や経営コンサルティング会社でもPMIを軽視しているケースもあります。PMIの意味、M&Aにおける重要性、PMIの流れ・進め方、M&A専門家を活用したPMI計画の策定を解説します。PMI成功を左右する買収後の計画を是非参考にしてみてください。

目次

    PMIとは?M&A・買収におけるPMIの重要性

    PMI(ピーエムアイ)とは、M&Aを行った後の経営の統合を実行するプロセスを指し、M&Aにおける最も重要なプロセスの一つです
    経営統合によるシナジーを最大化するために、新組織体制の下で長期的成長を支えるマネジメントのしくみ作りおよび企業価値の向上を推進します。

    しかしながら、日本のM&Aにおいては、PMIがしっかり行われていないことは珍しくなく、PMIが不十分であるがためにM&Aで想定していたシナジー効果を得られなかったというケースは少なくありません。

    それだけPMIはM&Aの結果を左右するプロセスだと言えます。

    今回はPMIの意味を改めて確認していくと共に、その進め方やそれぞれのプロセスのポイント、成功の秘訣などについてお伝えします。

    PMIとは?PMIの意味とM&Aにおける重要性

    PMIの意味と概要

    PMIとは「Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)」の略称であり、M&A成立後の経営の統合プロセスを指します。つまりは、M&Aで想定されたシナジー効果を実現し、その効果を最大限発揮させるためのプロセスといえるでしょう。

    しかし、実際にPMIがしっかりと行われたという事例は、決して多くありません。

    M&AにおけるPMIの重要性

    M&Aでは、対象の企業との統合合意を取ることに労力を割くあまり、肝心の経営統合、つまりPMIに関しては力が注がれないケースが多くあります。

    本来PMIは明確なビジョンと明確な計画を持って行うべきものです。

    M&Aを行った後、統合した会社は不安定になります。PMIでの整備が不十分だと業務上でのミス、統合したシステムに不具合が発生するようなことが起こりやすくなります。

    また、異なる企業文化を持つ会社同士が統合したことによって、従業員同士の関係に摩擦が発生することもあり得ます。

    そういった事態に対して適切な対処を行わないと業務が停滞し、業績が低下するだけでなく、従業員の離職や内部対立の顕在化など様々な問題が発生します。そうなれば、想定していたシナジー効果を得られないだけでなく、最悪の場合M&Aそれ自体が破談し、莫大な損失が発生してしまうことにも繋がります。

    このように不十分なPMIの実施は、結果的に会社の成長に悪影響を及ぼすことになります。確実にM&Aのシナジー効果を得たい場合、PMIを適切に実施することは不可欠だといっても過言ではありません。

    しかし、前述したようにM&Aが終わった後の会社は不安定な状態であり、PMIを適切に実行することは容易ではありません。

    そのためPMIを実践には明確なビジョンを持ち、全体的なスキームをしっかり設計してから行いましょう。

    詳しくは後述しますが、PMIは行うべきプロセスが多く、あらかじめ知識がないと実行することが難しいものです。そのため、PMIを行う際にはM&Aの専門家の協力を得るようにしましょう。

    M&A総合研究所であれば、M&Aの専門的な知識を持つアドバイザーがM&Aを全般的にサポートします。
    M&Aを成功させるための交渉などはもちろん、PMIのご相談・ご助言も可能ですので、M&Aで実現できるシナジー効果を最大限引き伸ばすことができます。
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    PMIの流れ・進め方

    PMIは3つの課題を解決するために実行していくことがスタンダートな進め方です。

    1. 人・企業文化の統合
    2. 業務統合
    3. システム・インフラの統合

    M&Aで本来どのようなシナジー効果を得たかったかを念頭に置いたうえで、各課題を解決する必要があります。

    ①人・企業文化の統合

    PMIにおいて人と企業文化の統合は、M&Aの懸念事項の一つである従業員の流出を防ぐためにも、必ず実践しなければならないものです。

    たとえ元々付き合いがあった会社同士のM&Aであっても、共に業務を行うとなると感覚や関係性は変わるものであり、些細な認識や価値観のズレが摩擦を生む可能性はあります。

    また異業種の会社でM&Aを行った場合だと、根底の経営理念や風土などがズレている可能性もあり、従業員同士が連携を取ること自体難しくなることにもなりかねません。

    何より避けたいのが従業員の内部対立です。

    もし買い手側の会社と売り手側の会社の間で上下関係があるような認識を持ってしまうと、それが原因で派閥が出来、そこから対立が生まれる恐れがあります。派閥ができてしまえば、連携どころかコミュニケーションをとることも難しくなるでしょう。

    何よりも避けたい状況は、従業員がM&Aそのものに対して不満を持つことです。

    M&A自体に不満があると、業務上での意識のすれ違いや企業文化の衝突が顕在化し、従業員の流出を招いてしまうことになりかねません。

    経営統合の実践にも通じることですが、買い手側の会社と売り手側の会社それぞれの経営陣は従業員レベルでの意識や価値観のズレや企業文化の摩擦がないかを認識し、適切に対処を行っていく必要があります。

    ②業務統合

    PMIにおいて最も重要なフェーズは、業務統合の実践です。

    買い手側の会社にせよ、売り手側の会社にせよ、お互いの理念や経営戦略、マネージメントフレーム、現場の状況は異なっているものであり、互いに合致させる必要があるものです。

    そのため現場レベルから業務のノウハウ、ビジネスの全体的な流れ、従業員の働き方の傾向などを把握し、それを経営統合に反映させていきます。

    当然ながら買い手側の会社、売り手側の会社それぞれの従業員が何度もミーティングを行い、互いの認識のすり合わせを行っていくことも重要です。

    それぞれの会社が当たり前だと思っていることが違っているということは珍しくありません。従業員の業務への認識の不一致は業務の停滞のみならず、経営統合の成功を阻害するものです。

    現場レベルでしか分からないことも多いため、買い手側の会社と売り手側の両社が力を合わせて、営業だけでなく法務や税務、財務など様々な観点から分析を行う必要があります。

    上場会社が買い手、非上場会社が売り手となっているようなM&Aでは、PMIは非上場会社が上場会社に合わせるパターンが多いですが、それだけ経営上での両社の歩み寄りは重要だと言えます。

    ③システム・インフラの統合

    会社のハードともいえるシステムやインフラなどの統合もPMIにおいて解決すべき課題の一つです。

    システム、インフラ、人事、経理、総務、決算日、支払日などは会社の基本的な構成要素であり、これらを統合させることは決して簡単ではありません。

    それぞれの要素を定める部署の負担は、M&Aになると倍増することが充分に予想されます。

    この負担が部署の不調和や反発、混乱を生み出し、トラブルの種になることもあるため、買い手側の会社と売り手側の会社それぞれの経営陣は、社員にPMIを行う意味を入念に説明し、彼らの負担が減らせるように的確な指示を出さなければなりません。

    PMI成功を左右する買収後の計画

    PMIは複数の課題を解決するために、多角的に様々な物事に取り組まなければならないものですが、これを成功させるためにはポイントがあります。

    1. M&A専門家を活用したPMI計画の策定
    2. 買収後のPMIにおける意思決定プロセスの確立
    3. PMI成功における人材の確保
    4. PMIを失敗させないためのリーダーシップ
    5. PMIのビジョン・意味を現場に共有する

    それぞれの説明は以下の通りです。

    ①M&A専門家を活用したPMI計画の策定

    PMIを成功させるために最も不可欠なポイントとしては統合プランを迅速に、かつ長期的な視点で策定することです。

    PMIは統合初日から着手するようなものであり、その段階で綿密なプランがなければ見通しを立てることが難しくなりますし、従業員への指示を出す根拠も曖昧になります。

    加えて、PMIは長時間かかる可能性があるものです。それこそ完璧な経営統合を実現するには現場レベル、会社の構成要素から調整することも必要なため、それに応じて統合プランも長期的な視点に立って策定する必要があります。

    M&Aを行っている段階から買い手側の会社と売り手側の会社双方で、網羅的かつ長期的な統合プランを策定しておく必要があります。

    当然策定する統合プランは曖昧なものであってはいけません。

    統合のプロセスを段階的に、わかりやすく整理したうえで、それぞれのプロセスを遂行する担当者もあらかじめ決定し、詳細な統合プランを策定しておくべきでしょう。

    しかし、M&Aは契約を結ぶ段階でかなり労力を使うため、PMIに向けた統合プランの策定を進めることは決して簡単ではありません。

    実際に統合プランを策定するなら経営コンサルティング会社やM&A仲介会社などといった、M&Aに協力している専門家と共に行った方がいいでしょう。

    M&A総合研究所であれば、M&Aの経験が豊富で実績もあるアドバイザーが対応してくれるため、安心してPMIのご相談・ご助言を含めたM&Aのサポートを任せることができます。
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    ②買収後のPMIにおける意思決定プロセスの確立

    PMIを実行する際には、意思決定プロセスを確定しておくと楽になります。

    M&A後は経営陣も含め、従業員も新しい組織体制に慣れておらず、現場で混乱が発生するようなことは充分に予測できます。加えて、経営統合を進めていく過程で意思伝達が円滑に行われていなければ、PMIそれ自体も停滞してしまうでしょう。

    統合プランを策定すると同時に、統合後の意志決定プロセスも確定させてしまえば、その後のPMIが円滑に進むようになります。

    実際に意思決定プロセスを確定させる際には、M&Aを行った後の組織がどのような形になっているかを想定し、その組織における最適な意思決定プロセスを組んでおくようにしておきましょう。

    そのためには、M&Aの交渉が行われる段階から買い手と売り手双方の意思が共有されていることが重要です。最初の交渉段階から買い手と売り手双方のニーズが合致しているか、PMIのやり方に問題はないかなどを協議する必要があります。

    M&A総合研究所のM&Aプラットフォームのように、適切なマッチングを受ければPMIを含めたM&Aのプロセス全てが順調に進む可能性があります。M&A総合研究所に買収ニーズを登録すれば、高性能のAIが条件の合った売却案件をマッチングしてくれるため、理想的な相手と巡り会える可能性が高まります。
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    ③PMI成功における人材の確保

    PMIは現場レベルで様々な統合を行っていくため、それを適切に実行し、なおかつ適切な判断を他の従業員に下せる有能な人材の確保が不可欠になります。

    そもそもPMIを行っている過程で従業員は新しい決まり事や業務を理解しながら、日々の業務をこなしていく必要があり、その負担は大きくなります。ルールや業務プロセスが確定していない状態であれば、日々の業務すら上手くできないということもあり得るでしょう。

    そんな状況でも、経営陣が目指す統合プランを理解し、適切に指示を出して従業員を動かすことができる人材がいれば、従業員の負担を減らしつつ、統合プランの遂行をサポートを任せることできます。

    そのため、統合プランにある各種プロセスの担当者となるべき有能な人材は、あらかじめ確保するように心がけておきましょう。

    当然ながらそういった人材が流出するような事態は回避すべきです。これはコア事業のみならず、総務や経理、法務などといったバックオフィス業務を担当する部署の人材にもいえることです。

    ④PMIを失敗させないためのリーダーシップ

    精神論になってしまいますが、PMIにおいてはリーダーシップも重要になります。

    M&Aを行うと買い手側の会社も、売り手側の会社も組織が大きく変わることになるため、不安や混乱を感じてしまうことは避けられません。

    加えて業務レベルで意思疎通ができない、企業文化が異なるなどといった原因で従業員同士の摩擦が生まれたり、役員同士が自身の利害に固執するあまり意見が合わずに対立してしまうようなシチュエーションが発生することも充分考えられます。

    そのため経営者はそういった事態を解決し、混乱する従業員を力強く導いていくだけのリーダーシップが求められることになります。

    また、リーダーシップは経営者だけでなく、統合後の各部署を取り仕切る責任者クラスの従業員にも求められるものです。立場の上下はあれど、部下に指示を出す立場の人間が混乱し、明確な意思決定ができないようであればPMIが円滑に進むことは決してありません。

    現場、そして会社全体のより早い安定化を図るためにも、指示を出すポジションの人間はリーダーシップを意識しておくべきでしょう。

    ⑤PMIのビジョン・意味を現場に共有する

    基本的なことになってしまいますが、PMIのビジョンや行う意味を経営陣から現場の従業員まで明確に共有することも重要です。

    PMIの意味やビジョンが浸透していない従業員が多くいる場合、最悪のケースだとそもそも経営陣がPMIの意味を理解していないということもあります。

    そのような状態ではPMIができないどころか、トラブルが発生し、M&A自体が破談になってしまうことも充分に考えられ、統合プランの遂行自体も難しくなってしまうでしょう。

    そのためPMIを行う前に経営者から現場の従業員まで、PMIのビジョンは明確に共有しておくようにしましょう。

    PMIについておすすめの本

    PMIについて学ぶために適した本をご紹介します・

    1. M&Aシナジーを実現するPMI: 事業統合を成功へ導く人材マネジメントの実践
    2. ポストM&A成功戦略: 企業価値を最大化する統合の実践シナリオ
    3. 日本型PMIの方法論――中堅・中小企業を成長させるポストM&Aのプロセス

    M&Aで本来どのようなシナジー効果を得たかったかを念頭に置いたうえで、各課題を解決する必要があります。

    ①M&Aシナジーを実現するPMI: 事業統合を成功へ導く人材マネジメントの実践

    実務ガイドブックになっており、体系的にPMIを解説しています。PMIの実態と課題からPMIの全体像、ハード(組織、人事)とソフト(企業、組織文化)の両面におけるPMIなどが実務を中心に記されており、事例やケーススタディも交えて具体的に解説してくれています。

    ②ポストM&A成功戦略: 企業価値を最大化する統合の実践シナリオ

    ポストM&AはPMIをさしており、M&Aの成立後(ポスト)の成功を戦略的に解説しています。発売以来、長きに渡ってPMIを学ぶための本として読み継がれています。

    ③日本型PMIの方法論――中堅・中小企業を成長させるポストM&Aのプロセス

    2019年に発刊された中小企業のPMIという切り口でPMIの実務を綴っているのが本書です。内容は、実際にM&AにおけるPMIを手がけて著者の経験と理論を基にしているので、参考になる情報が多いでしょう。

    まとめ

    今回の記事をまとめると以下のようになります。

    • PMIとはM&Aを行った後の経営統合を進めていくプロセスのことをいう。
    • PMIは業務の統合の実践、システムやインフラなどの統合、人と企業文化の統合といった3つの課題を解決する形で進める。
    • PMIを成功させるためのポイントは複数あり、それぞれしっかり押さえておくべきものである。
    • 指示を出す立場の人間やリーダーシップをちゃんと持つことや、PMIのビジョン・行う意味を明確に共有することも成功するために必要である。

    日本のM&AではPMIはなおざりにされがちであり、専門家であるはずのM&A仲介会社や経営コンサルティング会社でもPMIを軽視しているケースもあります。

    PMIは失敗すれば当然M&Aの失敗に繋がるといっても過言では無い、重要なプロセスです。決しておろそかにせず、早い段階から準備をすることをオススメします。

    M&Aの定義について確認したい場合は「M&Aとは?M&Aの意味をわかりやすく解説!」の記事をご参照ください。

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