2024年1月17日公開業種別M&A

音楽業界の動向とM&Aのメリット!売却・買収事例や流れと注意点も解説!

音楽業界はデジタル技術の発展やSNSの普及などにより環境が激変しています。その結果、新しい時代に対応するためのM&Aを模索する動きが活発です。この記事では、音楽業界で実際に実施されたM&Aの事例などについて解説します。

目次
  1. 音楽業界の動向
  2. 音楽会社をM&Aで売却するメリット
  3. 音楽業界のM&A・売却・買収事例7選
  4. 音楽会社をM&Aで売却する流れ
  5. 音楽会社をM&Aで売却する注意点
  6. 音楽業界のM&A・事業譲渡まとめ
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音楽業界の動向

現在の音楽業界は、CDなどの音楽ソフトの販売から、ダウンロードや配信型のストリーミングへの移行が進み、業界構造が大きく変わりつつあります。

業界動向サーチの分析によると、コロナ禍前は日本の音楽業界の市場は3,000億円ありましたが、2020年から2021年は約2,800億円と縮小傾向にあります

その中で、音楽業界ではオンラインライブやストリーミングなど新しい成長市場も生まれています。今後の日本の音楽業界は、世界から乗り遅れたストリーミングやオンラインライブ、NFTへの対応が求められていくでしょう。

参考:業界動向サーチ「音楽業界の動向や課題、今後の見通しは?

【関連】異業種連携とは何?メリット・デメリットや成功のための注意点を解説!

音楽会社をM&Aで売却するメリット

音楽業界でM&Aで売却するメリットは、今後急激に進む技術発展やIT化に対応して生き残りを図ることが可能になるという点です。

中小の音楽関連会社にとって、自力で急激なIT化を進めるのは難しいでしょう。音楽業界で新時代に対応して生き残るためには、M&Aにより、デジタル関連技術を持つ企業の傘下に入ったり経営統合したりすることで、経営基盤を安定させながら、新しい技術への対応できるようにすることも重要です。

【関連】パーソナルジムのM&A・事業承継・売却!業界動向・相場・注意点を解説【事例あり】

音楽業界のM&A・売却・買収事例7選

音楽業界で実施されたM&Aの事例を紹介します。

ソニーがソンリブレをM&Aした事例

2021年4月にソニーグループ株式会社の子会社である、Sony Music Entertainment(以下「SME」)が、ブラジルのメディア企業であるGlobo Comunicação E Participações S.A.からSom Livreの全株式と関連資産を取得して事業買収を行うことを発表しました。

SMEはソニーグループの音楽系事業を統括する会社です。Som Livreはブラジルの独立系音楽会社です。

このM&Aにより、Som Livreがソニーグループの一員となり、ブラジル音楽やラテン音楽のアーティストやレーベルに対するサポートを強化できるようになるとしています。

参考:ソニーグループ株式会社 「Sony Music Entertainmentによる ブラジルの音楽レーベルSom Livreの事業買収に関する確定契約締結のお知らせ

ソニーがAWALをM&Aした事例

2021年2月にソニー株式会社から、子会社であるSony Music Entertainmentが、Kobalt Music Group Limitedが所有するAWALとKobalt Neighbouring Rightsに関連する全ての株式と関連資産を取得することが発表されました。

AWALは大手インディーズ向けサービス事業です。Kobalt Neighbouring Rightsはグローバルな音楽著作隣接権管理事業を行っています。

このM&Aにより、AWAL所属のアーティストはソニーから強力なサポートを受けられるようになります。また、ソニー所属のアーティストは、Kobalt Neighbouring Rightsのインフラや著作権管理ネットワークの利用が可能になるとのことです。

参考:ソニー株式会社 「Sony Music Entertainmentによる Kobalt Music Group Limitedの一部の事業買収に関するお知らせ

ディー・エル・イーがamidusをM&Aした事例

2020年5月に株式会社ディー・エル・イーが、amidus株式会社の株式を取得して子会社化するM&Aを発表しました。これにより、ディー・エル・イーはamidusの発行済株式の80.00%を所有することになります。

ディー・エル・イーはIP(著作権や商標権などの知的財産権)を開発、取得して、そのIPを活用して人々を楽しませるコンテンツやサービスを展開するエンタテインメントカンパニーです。

amidusはデザインや実写映像で高いクオリティを誇るクリエイティブ集団です。

このM&Aにより、ディー・エル・イーではamidusが持つデザイン力やビジネス開発力を生かして、他社との差別化を図ることができるようになるとしています。

参考:株式会社ディー・エル・イー 「amidus株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

アミューズがライブ・ビューイング・ジャパンをM&Aした事例

2019年11月に株式会社アミューズが、株式会社ライブ・ビューイング・ジャパン(以下、「LVJ」)の株式を取得して子会社化するM&Aを実施しました。これにより、アミューズが所有するLVJの発行済株式の所有割合は50.10%となります。

株式会社アミューズは日本の大手芸能事務所です。LVJはコンサートや舞台の映像を映画館などに配信する、ライブビューイング事業を主に展開する会社です。

このM&Aにより、アミューズとしては、LVJがアーティストのさまざまなコンテンツ作りの重要な機能の一部になるとしています。

参考:株式会社アミューズ 「株式会社ライブ・ビューイング・ジャパンの株式取得(子会社化・連結対象)に関するお知らせ

エイベックスがLIVESTARをM&Aした事例

2019年11月にエイベックス株式会社が、株式会社LIVESTARが実施する第三者割当増資の引受を行い、子会社化することを発表しました。

エイベックスは日本で音楽や映像の関連事業を幅広く手掛けている会社です。LIVESTARは個人クリエイターが多数所属するライバー事務所です。

このM&Aにより、エイベックスとしてはネット領域におけるクリエイターの発掘、育成、支援のノウハウをグループ内で有効活用できるようになるとしています。

参考:会社名 エイベックス株式会社「株式会社LIVESTARの株式取得に関するお知らせ

CSSホールディングスがMood Media JapanをM&Aした事例

2018(平成30)年10月に、株式会社CSSホールディングスから、子会社である東洋メディアリンクス株式会社(以下、「TML」)が、Antane Investments S.à r.l.が保有するMood Media Japan株式会社(以下、「MMJ」)のすべての株式を取得して子会社化(CSSにとっては孫会社化)するM&Aを実施しました。

TMLは音響設備や映像設備の施工や、音楽や映像に関するソフト制作を行う会社です。MMJは音楽、映像、AVシステムなどをデザインしてホテルやレストランなどに提供する会社です。

このM&A以前に、すでにTMLはMMJの株式の50%を所有していましたが、100%の子会社とすることでTMLの音楽事業のさらなる拡大と経営の効率化を目的とするとのことです。

参考:株式会社CSSホールディングス 「当社子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

ローソンがHMVジャパンをM&Aした事例

2010年10月に、株式会社ローソンがHMVジャパン株式会社の全ての株式を取得して完全子会社化するM&Aを発表しました。

ローソンは日本国内に14,000店舗以上を構えるコンビニチェーンです。HMVはイギリス発祥のレコード販売店グループで、日本法人であるHMVジャパンは1990年に設立されました。

ローソンでは、店内端末Loopiやネットショッピングを活用したエンタメ系オリジナル商品の開発販売を行っており、リアル店舗とネット通販をバランスよく融合しているMHVジャパンをグループ化することで、リアルとネットの両面での総合エンタテイメントショップが実現できるとしています。

なお、本家のHMVは2013年と2018年に経営破綻していますが、その前にこのM&Aが成立して資本関係になかったことから、HMVジャパンは全く影響を受けていません。

参考:株式会社ローソン「HMVジャパン株式会社の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

【関連】ソフトウェア業界のM&A・会社売却・買収の動向/相場/メリットを解説【事例あり】

音楽会社をM&Aで売却する流れ

音楽業界でM&Aを実施する流れをみていきましょう。

専門家への相談

音楽業界で会社を経営している経営者は、音楽には詳しくても会社の売買に詳しい人は少ないでしょう。会社をM&Aで売却することを考え始めたら、まずはM&Aの専門家に相談するのが得策です。

日本には中小企業のM&Aを扱っている専門家がいます。そのような専門家に相談して、仲介やM&Aの手続きを依頼することで、スムーズに売却先とのマッチングや手続きを進めてくれるでしょう。

まずはM&Aの専門家への相談から始めることがおすすめです。

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売却先の選定と秘密保持契約の締結

M&Aの専門家に依頼することを決めたら、経営者が行う重要なことは売却先の選定です。選定作業は専門家の顧客から探したり、M&A情報サイトなどで見つけたりします。

売却先の候補リストの中から、経営者本人が交渉先を選び、決定したら次は秘密保持契約の締結です。M&Aの交渉には、売却側の会計資料やノウハウなどの機密事項を相手に開示する必要があります。機密事項が漏れないようにするために秘密保持契約が必要です。

トップ面談と条件交渉

売却側と買収側の経営者同士が直接会って話し合うのがトップ面談です。結婚でいうお見合いのようなもので、お互いの相性などを探ります。資料からは見えない企業文化や経営理念などを理解し合い、M&Aの相手としてふさわしいかを判断します。

M&Aを進めることを両者が決めたら、売却金額やM&Aのスキーム、従業員や役員の待遇などの条件交渉に入ります。

基本合意契約の締結

交渉がまとまったら基本合意書を締結します。基本合意書では、M&Aの方向性をかなり具体的に記載しますが、秘密保持と独占交渉権以外の項目は法的拘束力を掛けないのが一般的です。

基本合意書の締結の後で、買収側が売却側のリスクを調べるデューデリジェンスが実施されます。

最終交渉

デューデリジェンスの結果に基づいて最終交渉が行われます。デューデリジェンスで何らかの問題が発見された場合には、基本合意書で合意した価格から値引き交渉がされたり、売却後に問題が発生した場合の保証を求められたりすることもあります。

最終契約の締結・クロージング

最終交渉が合意したら、最終契約書を締結します。最終契約書はすべての項目において法的拘束力が発生するので、サインをする前に、自分に不利になる点はないか、よく確認しましょう。

最終契約書を締結したら、1ヶ月から1年程度の期間をおいて、引き渡しであるクロージングとなります。クロージングまでの間に、従業員や取引先に説明をして理解を求めることが大切です。また、経営体制の移行に向けた準備も進めます。

【関連】EC・ネット通販の売却の相場は?高値で売る方法も解説!

音楽会社をM&Aで売却する注意点

音楽業界において、M&Aで会社を売却する時の注意点です。

情報の漏洩

自分の会社や取引先が売却されるかもしれないという噂が立つと、従業員や取引先は不安にかられてしまうものです。M&Aの噂が立つと、優秀なスタッフが辞めてしまったり、取引を打ち切られてしまったりすることもあります。

M&Aは最終契約書が締結されるまで、絶対に情報が漏洩しないように気をつけましょう。噂はちょっとした会話の断片からでも広がります。M&Aの専門家との社内での会話や電話には気をつけましょう。

株主・役員や従業員への配慮

株式会社の場合には、M&Aを決定する前に株主総会で議決されることが必要です。株主の理解を得られるように説明を尽くしましょう。

また、買収側の条件が従業員がそのまま働き続けることである場合もあります。特に優秀な人材が流出しないように、M&A後の環境や雇用条件、待遇などについて保証するように注意しましょう。

音楽業界のM&A・事業譲渡まとめ

まだ、CDの売上がストリーミングを上回っている日本の音楽業界の状況は、世界からだいぶ遅れていると言われています。

新しい時代に適応していくためにはM&Aは大切な手段です。ぜひ、現在の音楽業界での立ち位置に行き詰まりを感じるようであれば、一度、M&Aの専門家に相談してみることをおすすめします。

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