2020年4月17日更新業種別M&A

飲食店の事業承継とは?課題や注意点を解説!

飲食店の事業承継は個人経営のお店も多く、現実的には難しいのが実情でしょう。お店が繁盛しているにも関わらず、後継者不足によりお店が存続できないのであれば、M&Aを検討する方法があります。今回の記事では、飲食店の事業承継について課題や注意点も含め紹介していきます。

目次
  1. 飲食店の事業承継とは
  2. 飲食店に関する事業承継の現状
  3. 飲食店に関する事業承継の課題
  4. 飲食店に関する事業承継の注意点
  5. 飲食店の事業承継はM&A仲介会社に相談
  6. 飲食店の事業承継事例
  7. まとめ
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飲食のM&A・事業承継

飲食店の事業承継とは

飲食店業界は、慢性的な人材不足が続いています。また、個人経営の飲食店では後継者の不在や店主の高齢化により、業績のいい人気店であってもお店を存続するのが難しくなると閉店を余儀なくされています。

今回は、このような飲食店業界の現状や課題もあわせて、飲食店業界の事業承継について紹介していきます。

事業承継とは

初めに、事業承継について詳しく解説していきます。

事業承継とは、経営者が後継者に対し、会社の経営を引き継ぐことをいいます。経営者の高齢化や人手不足により、事業承継が進んでいない中小企業も多い現状ですが、誰に引き継ぐかは重要な経営判断になるため、早めの検討が必要です。

事業承継には親族内承継、親族外承継、第三者へ売却(M&A)の3種類があるため、それぞれの特徴を紹介していきます。

親族内承継

親族内承継とは、息子や娘など身近な親族を後継者として事業を引き継ぐ方法です。従業員や他社が承継するよりも従業員の納得を得られやすい点や、時間をかけて後継者としての教育ができる点がメリットといえます。

親族外承継

親族外承継とは社内の役員や従業員、もしくは社外から経営者を招いて事業を引き継ぐ方法です。社内の役員や従業員を後継者にする場合は、すでにノウハウを理解しているため、ゼロの段階から教育する手間が省けるメリットがあります。

M&A

M&Aとは、二つ以上の企業が一つの企業に統合されることを意味します。つまり、第三者に事業を引き継ぐ手段といえるM&Aは、事業の継続や拡大だけではなく、後継者問題を解決する手段としても近年活用するケースが増加傾向です。

※関連記事
事業承継を戦略的に行う方法!成功ポイントや事例を解説
M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!

飲食店に関する事業承継の現状

次に、飲食店業界が現状抱えている問題について紹介していきます。

後継者不足

帝国データバンクの「2017年後継者問題に対する企業の実態調査」によると、飲食店を含むサービス業を見ても、後継者不在としているのは71.3%の割合を占めており、全国の中小企業の場合でも後継者不在率は66.1%となっています。

全国における中小企業の後継者不在率と比較しても、飲食店が含まれるサービス業の数値は高くなっており後継者不足が深刻な問題になっているといえます。現在、日本は少子高齢化が問題として取り上げられることが多いですが、飲食店業界でも少子化の影響を受けていると考えてよいでしょう。

そのほか、職業を選択する自由もあり、親が飲食店を経営していても後継者とならない子供も多いことが考えられます。子供自身が親の経営している飲食店を継がず、ほかの職種につくことも珍しいことではありません。

※参考元(帝国データバンク)
2017年後継者問題に対する企業の実態調査

人手不足

帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2019年10月)」によると、およそ80%の飲食店で人材が不足しているといい、飲食店業界の全体が人材不足となっていることもわかります。

子供に事業承継できないのであれば、すでに働いている従業員を後継者とする方法もありますが、飲食店業界全体が人材不足なので、後継者の資質を持った人材に巡り合えないことも飲食店業界の問題だといえます。

※参考(帝国データバンク)
人手不足に対する企業の動向調査(2019年10月)

店主の高齢化

中小企業庁の調査では、2015年に中小企業の経営者年齢のピークが66歳とされており、経営者の平均年齢の推移を見ても直近から4年前では67.7歳、小規模事業者では70.6歳を推移しています。

規模の小さい飲食店においては、店主が60歳代、70歳代でもお店の運営をしている場合が多いでしょう。本来であれば、事業承継を終えているのが望ましい年代ですが、後継者不在のためにお店の運営を続けている場合が多いのです。

飲食店の場合は調理師の資格が必要であり、お店を運営する資質も必要になります。もし資格取得やお店の経営について事業承継する場合は、10年以上の期間が準備に必要になる可能性もあるため、事業承継は早めの検討が必要です。

※参考(中小企業庁)
中小企業の経営者の高齢化と事業承継

飲食店に関する事業承継の課題

次に、飲食店に関する事業承継の課題を説明していきます。

事業承継について意識を高める

飲食店を含めて中小企業は、慢性的な人材不足となっており、お店を切り盛りするのが大変な状況といえます。その中で、経験の浅い店主であれば事業承継について考えることは少ないですが、年齢と経験を重ねて高齢になるとお店の存続について考えるでしょう。

大手チェーン店であれば、一定の年齢になれば定年退職で新しい店長が迎えられることが予測できますが、規模が小さい個人経営のお店であれば、店主が高齢になると先行きを検討するのは当然のことです。

規模が小さい飲食店ほど事業承継が難しく、現店主が「自分の代で閉店しよう」と考えていることが多いのです。個人経営の場合は、現店主が年齢を重ねても体が動く限りはお店を続けようとする傾向があり、事業承継についてはあまり意識していない場合が多く見られます。

しかし、業績の良いお店や長年親しまれたお店だと、閉店を惜しむ声もあるでしょう。長年培ったノウハウや技術を引き継ぎたいと考える際には、事業承継について早めの対策をとることが必要です。

視野を広げて事業承継を検討する

飲食店業界は、人材不足が問題となっている業種でもあり、適当な後継者を探したくても人材がいないために見つからないという状況があります。現店主の子供が必ずしもお店を継いでくれる保証はなく、やはり後継者については今後も大きな課題となりそうです。

老舗の料理店などの場合は、子供が後継者となることもあるほか、従業員に経営の資質があると後継者に選定する場合もあります。しかし、現実には現店主の子供が後継者となることは少なく、親が飲食店を経営していても、ほかの業種に就職してしまうことも考えられます。

従業員の中から後継者を選定する方法もありますが、人手不足により適当な後継者を見つけることが難しい状態といえます。しかし、もし従業員から「お店を継ぎたい」という申し出があれば、親族外承継によって事業承継を進めるべきでしょう。

後継者がいない場合でも、第三者に事業承継するM&Aという手段もあります。事業承継を検討する際には、幅広い視野を持ってあらゆる手段の中から適切な方法を選択することが必要です。

飲食店に関する事業承継の注意点

飲食のM&A・事業承継
飲食のM&A・事業承継

この項では、飲食店に関する事業承継の注意点を紹介していきます。

綿密な計画をたてる

飲食店の事業承継はお店の営業方法だけでなく、お店の味や運営方法についても承継しなければならないケースがあります。個人経営の場合は、常連客が定着して人気が高い場合もあり、お店の雰囲気や味などを引き継ぐものが多いでしょう。

また、事業承継によってお店の雰囲気を一新させたり、新しい運営体制にしたりする場合も考えられます。事業承継するタイミングでお店のあり方が変わる場合もあるので、事前に綿密な事業承継の計画をたてる必要があります。

情報漏えいに注意

事業承継には3種類の方法があると前述しましたが、いずれの方法でも具体的な内容が確定してから従業員や取引先などに公開するようにしましょう。もし、具体的な内容が決まる前に従業員に情報が漏れてしまうと、従業員から取引先に伝わる可能性もあります。

従業員に事業承継の情報が広まると、人員削減やリストラなどの憶測が生まれて不安を与えることになります。M&Aを実施する場合はお店を売却するので、従業員はとても不安になります。

実際に、事業承継を実施する前に情報が洩れて、M&Aが成立しなかったケースもあります。事業承継を実施する時は、実行直前に公開するようにしましょう。

余裕を持った後継者教育

飲食店の事業承継において、後継者に経営だけではなく調理を任せる場合は、調理師資格を取得させる必要があります。現店主の子供が後継者になるなら、できるだけ早く調理師資格を取得させて、料理の仕方を教えることが必要です。

指導には長い期間がかかると予測できます。他業種の事業承継でも概ね10年程度の期間を要するといわれていますが、飲食店の場合は調理師資格の取得、調理の技術を学ぶまでさらに時間がかかる場合があります。

そのため、後継者教育を考える時は、時間に余裕のある計画をたてる必要があります。調理技術のほかにも、お店の運営方法や取引先との関わりなど学ぶことがたくさんあるので、余裕を持った計画をたてましょう。

※関連記事
跡取りがいない会社のM&Aを成功させるには?M&A相談先の選び方や後継者不足問題を解説

飲食店の事業承継はM&A仲介会社に相談

事業承継について悩みや不安を抱えている経営者は多くいます。悩みや不安を抱えながらも、日々の忙しさで事業承継を後回しにする経営者が多く、相談できる人がいないとしている場合もあります。

事業承継は、家族などプライベートな部分にも介入する場合があるので、誰にでも相談できるわけではありません。事業承継に悩んでいるならM&A仲介会社に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは

M&A仲介会社とは、M&Aの仲介をしている会社です。M&A仲介会社はM&Aのサポートだけではなく、親族内承継や親族外承継のサポートをしている場合もあります。

飲食店を経営していて、適当な後継者が見つからず困っている場合は、社外への引継ぎとしてM&Aを検討することになるでしょう。特にお店の存続を希望している場合は、M&Aによって買収してくれる会社を探すことになります。

M&Aは、経営者だけの力で実行しようと思っても財務・税務・法律などの問題もあるので、経営者が自分で実行しようとしても難しいものです。経験豊富なM&A仲介会社に依頼することでM&Aの成功率も高まるため、まずは相談をおすすめします。

まずは事前相談

M&A仲介会社は、近年中小企業のM&Aが増えていることから仲介会社が多くあります。中でもM&A総合研究所は、知識と経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、平均3ヶ月という期間でクロージングするスピーディーなサポートを実践しています。

M&A総合研究所は初回相談無料で、その後も一切費用が発生しない完全成功報酬制です。成功報酬は国内最安値水準で皆様からご好評をいただいておりますので、M&Aを検討している際にはどうぞお気軽にお問い合わせください。

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飲食店の事業承継事例

たくさんの飲食店がある中で、実際に事業承継をしている飲食店はどのように成功させたのでしょうか。今回は事業承継の中でも、M&Aを行った事例について紹介していきます。

吉野家の連結子会社アークミールのM&A事例

2019年12月、株式会社吉野家ホールディングスは、連結子会社である株式会社アークミールの全株式を株式会社安楽亭へ譲渡することを決定しました。アークミールは「ステーキのどん」や「ステーキハウスフォルクス」など、現在158店舗を有している企業です。

郊外型焼肉チェーン店を展開している安楽亭グループに加わることで、アークミールの企業価値向上と事業成長を目指しています。また、店舗オペレーションや食材が類似していることでシナジー効果が生まれると期待されています。

チムニーのM&A事例

「はなの舞」「さかなや道場」など、居酒屋を中心に732店舗を展開するチムニーは、2019年11月に株式会社シーズライフを子会社化しました。関東圏を中心に事業展開しているシーズライフは、居酒屋1店舗、焼肉店10店舗を有しています。

厳選した肉をリーズナブルに提供するシーズライフとM&Aを実施したことで、チムニーは焼肉業態をグループに取り入れて事業拡大を目指しています。

まとめ

飲食店の事業承継は個人経営のお店も多く、現実的には難しいでしょう。店主の子供が「お店を継ぎたい」といえば、親族内承継が可能となって、事業承継の問題はクリアされます。

しかし、必ずしもそのようなケースに当てはまるとは限らず、従業員の中に適当な後継者がいるとも限りません。お店が繁盛していて売上高も好調なのに、後継者がいないことでお店が存続できないのであれば、M&Aを検討する方法があります。

M&Aを検討している場合はM&A仲介会社を活用するとよいでしょう。それでは最後に、今回の記事をまとめると以下のようになります。

・事業承継の種類
→親族内承継、親族外承継、第三者へ売却(M&A)

・飲食店に関する事業承継の現状
→後継者不足、人手不足、店主の高齢化

・飲食店に関する事業承継の課題
→事業承継について意識を高める、視野を広げて事業承継を検討する

・飲食店に関する事業承継の注意点
→綿密な計画をたてる、情報漏えいに注意、余裕を持った後継者教育

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