M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年7月31日更新業種別M&A
飲食業界の動向とM&Aのメリット!流れや注意点と売却・買収事例18選を解説!【2024年最新】
本記事では飲食業界の現状、M&Aの活用、居抜きとの違い、それぞれのメリット・デメリットから実際の5つのM&A事例をご紹介します。飲食業界のM&Aは活発な傾向で売り手市場です。飲食業界は競争激化し、新しい付加価値が求められています。M&Aを検討中の方は必見です。
目次
飲食業界の概要
飲食業界とは
飲食業は、調達した食品を調理・加工して顧客に提供するサービスを行う事業を指し、レストランやカフェなどの外食店(飲食店)のほかに宅配ピザや持ち帰りずしなどの中食も飲食業に含まれます。
また、飲食業界には飲食店、料亭やバー、給食事業、宿泊施設などがありますが、日本国内では業界の半分以上を占めるのが飲食店です。飲食店には、「ファストフード」「ファミリーレストラン」「パブレストラン/居酒屋」「ディナーレストラン」「喫茶店」の大きく5種類があります。
飲食業に属する事業者は全国でチェーン展開している大手企業、病院や介護施設でサービス提供を行う企業、個人経営の店舗など、規模も種類も幅広いことが特徴です。
飲食業界の特徴
飲食業界は他業種に比べると参入障壁は低いため事業者数も多く、競争の厳しい業界です。また、飲食店の場合は立地条件が売上に影響しやすく、世界情勢や景気動向、食の流行などの影響も受けやすいという特徴があります。
そのほか、人気シェフがいたり他社と他にはない料理を提供していたりする場合は固定客やリピート客がつきやすいなど、属人的な要素も売上に影響する点も特徴のひとつです。
飲食業界の動向
飲食業界のM&Aについて知る前に、まずは飲食業界の現状をご紹介します。
飲食業界の市場規模
日本フードサービス協会の「外食産業市場動向調査 令和5年(2023年)年間結果報告」によると、2023年における外食産業の全体売上は前年比114.1%となりました。コロナ禍前の2019年と比較すると107.7%となっており、その要因としてはコロナによる行動制限が解除されたことやインバウンド需要の拡大が考えられます。
業態別では「ファーストフード」が前年比110.4%(2019年比120.1%)、「ファミリーレストラン」が前年比117.5%(2019年比98.9%)、「ディナーレストラン」は前年比122.7%(2019年比93.6%)、「パブ/居酒屋」は前年比134.9%(2019年比66.5%)、「喫茶」が前年比120.6%(2019年比96.2%)となりました。
全体の売上は回復傾向が続いていますが、客単価の上昇による部分が大きく、客数は2019年の水準にはまだ回復していないのが現状です。業態別でみると「パブ/居酒屋」が宴会需要などで回復しつつありますが、店舗数は大幅に減少しており、2019年以前の水準にはまだまだ遠い状況が続いています。
労働人口が減少
帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2024年4月)」
出典:https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240501.pdf
近年は少子高齢化の影響もあり、国内の労働人口は減少が続いています。飲食業界の人手不足は以前より低下しているものの、他業種と比較するとまだまだ高水準であるのが現状です。
帝国データバンクの調査によれば、2024年における飲食店の人手不足割合は、正社員が56.5%(前年比△4.8%)、非正社員は74.8%(前年比△10.4 %)であり、前年より緩和しているものの高水準が続いています。特に非正社員の不足割合は業種別でトップとなっており、事業者にとっては労働力確保が課題のひとつです。
参考:帝国データバンク「 人手不足に対する企業の動向調査(2024 年 4 月)」
飲食店のM&A動向
飲食業界は非常に競争が激しく人手不足も深刻なため、倒産を余儀なくされる会社も少なくありません。飲食業界の問題を解決する方法として、M&Aが注目を浴びています。
組織を変える手法としてのM&A
M&Aを活用し、資本を強化する飲食店が増加しています。会社が大きくなれば、従業員の給料も増額できます。その結果労働人口が増加し、過酷な労働環境からも脱却できる可能性もあります。つまり、飲食業界においては組織を変える手法としてM&Aが活用されています。
同業種M&Aで効率的な事業拡大
飲食業界のM&Aは主に同業種の買収を中心に、以前から活発に行われています。時間とコストを要する自社での事業拡大よりも、M&Aを活用することで効率的に行えるメリットがあります。
飲食店同士がM&Aを行う際は、「どちらかの会社に買収される」か「新しくホールディングス会社を設立する」ケースが大半です。ネームバリューがある企業同士の場合、M&Aを実施しただけでも宣伝効果となり、客足に変化が訪れます。
さらに企業規模の拡大により、店舗拡大や新メニューの開発にも繋がります。現代の傾向に合わせた商品を生み出すきっかけにもなります。
他業界企業が飲食企業を買収するケース
飲食店のM&Aにはもう1つ方法があります。他業界の会社が飲食会社を買収する方法です。「食」はいつの時代でも需要があるジャンルのため、M&Aにおいて飲食業界は人気が高い業種です。
他業界の企業が飲食店とM&Aを実施すると、すでに完成している飲食企業を獲得できます。短期間で店舗数の拡大を実施でき、企業規模も拡大します。利益獲得に繋がる上に、買収される側としても資本強化が可能です。
その結果、新サービスの開発などに力を入れられ、人材も増やせるため、業界特有の問題も解決に繋がります。深刻な人手不足を改善する方法としてM&Aは非常に有効です。
飲食店のM&Aの金額や相場については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
飲食店のM&Aと居抜きの違い
新規開業の方法として居抜きとM&Aの2種類があります。居抜きとは、これまでの設備や什器などごと物件を貸し借りする方法です。飲食店の他にも、旅館やアミューズメント系の店舗でも利用されます。M&Aとの違いは、会社の中身を引き継げるかどうかです。
居抜きの概要・メリット・デメリット
居抜きとは、これまで会社が使っていた店舗のみを引き渡す手法です。そのため、引き継ぎ後の経営はこれまでの経営と大きく異なります。ファミリーレストランが別ジャンルの店舗に変わっているケースの大半は、居抜きを利用している場合が多い傾向です。
居抜きで開業するメリットは初期投資が少ない点にあります。飲食店を開業する際に一番費用がかかるのは店舗改装費のうち水回りや厨房設備です。飲食店の居抜きの場合にはこれらがすでに設置されている店舗を買い取るため、初期費用をぐっと抑えられます。
デメリットは「赤字で廃業した居抜き物件だった割合が高い」「開業しても0からのスタートのため売上の保証がない」などです。また、内装・改修工事も実施する場合は買い取った会社が負担します。
飲食店をM&Aにより売却するメリット・デメリット
飲食店をM&Aで売却する場合、多くのメリットに期待することができます。その反面、デメリットとなり得る点もあるので、メリットと・デメリットをこう処理て事前によく検討することが重要です。
売却側のメリット
売却側がM&Aで得られるメリットには以下のようなものがあります。
撤退費用の削減
飲食店を廃業する場合、店舗が賃貸であれば原状回復費と解約予告家賃がかかります。一般的に、賃貸の場合はスケルトン工事を行い、設備・床・天井・壁を全て撤去し、コンクリートや配管が剝き出しの状態に戻さなければなりません。
また、解約予告家賃は物件の解約を貸主へ告げた後、実際に明け渡すまで毎月支払う賃料を指します。解約予告は明け渡し日の3~6か月前と義務付けられていることが多いですが、なかには10か月~1年前に定めている契約もあります。
原状回復費と解約予告家賃は高額となるケースも多いため、廃業を選択した場合は費用負担が大きくなりやすいですが、M&Aであれば内装もそのまま譲受側へ譲渡されるため、撤退時の費用を大幅に削減することが可能です。
譲渡益の獲得
M&Aによって売却を行えば撤退費用がかからないだけでなく、譲渡益を獲得できる点もメリットです。株式譲渡の場合は株主(オーナー)、事業譲渡では法人(企業)が譲渡益を得ます。
事業譲渡の場合は法人(企業)へ譲渡益が入りますが、オーナーは退職金などのかたちで受け取ることが可能です。
後継者問題の解消
後継者候補がいないために廃業を考えている場合はM&Aによって解決することができ、譲受側企業が飲食店を引き継ぐかたちで事業承継が実現できます。
また、親族や従業員への事業承継は考えていないが事業は存続したいという場合も、M&Aは非常に有効な手段です。
個人保証の解除
中小企業の場合、融資を受ける際に経営者自身が連帯保証人となるケースが多いです。個人保証は親族や役員・従業員への事業承継を考えた際に足かせとなることも多く、そのために事業承継ができないというケースもみられます。
M&Aでは包括承継スキーム(株式譲渡など)を用いれば、資産だけでなく負債も譲受側へ引き継がれるため、経営者の個人保証も解除される点が大きなメリットです。ただし、自動的に解除されるわけではなく、金融機関での解除手続きが必要となります。
売却側のデメリット
売却側のデメリットとしては主に考えられます。
希望の条件で売却できないリスク
M&Aの条件や価額は売却側と譲受側が交渉して決めるため、双方ともなにかしら折り合いをつけなければならない部分が出てくるのが普通です。
そのため、売却側は自社の希望条件がすべて実現するとは限らないことを理解しておき、どの程度であれば譲歩できるか、譲れない条件はなにかをしっかり決めておく必要があります。
従業員の離職の可能性
M&Aの認知度は年々向上しており、以前に比べるとマイナスイメージも減ってきました。しかし、従業員にとってM&Aで環境が変わることは少なからず負担となるものです。
もしM&Aに対して従業員から理解を得られなかったり、待遇に大きな変化が起こったりすれば、M&Aを機に従業員が離職してしまう可能性もあります。
譲受側が人材獲得で買収を行うのであれば従業員の離職はマイナス要素となるため、売却側は従業員への説明を丁寧に行うなど対策をしっかり行っておくことが重要です。
飲食店をM&Aにより買収するメリット・デメリット
M&Aを利用した飲食店の開業では、会社や店舗ごと全てを引き継げます。通常のM&Aと同様に会社の経営権や資産、負債、従業員などの全てがその対象になります。居抜きとM&Aは全く異なりますので、開業を検討する際には注意しましょう。
飲食業界は需要があるものの競争が激しく、飲食店は絶えず開業されそして廃業されています。昨今では安定した経営基盤を目的にM&Aを利用した飲食店の開業を実施する経営者が増えています。
売却側のメリット
飲食店を開業する際にM&Aを利用すると、すでに完成された環境で経営を開始できます。居抜きのように入れ物である店舗だけではなく、中身も一緒に獲得できるのがM&Aの特徴です。
新規事業への参入
具体的には、売上や利益の実績や人材も同時に引き継げ、規則の作成も実施せずにすみます。つまりM&Aを利用すれば、手間をかけずに飲食店を開業することが可能です。
手間が少ない点では売り手側も同様です。工事や解体などの手続きを実施せずとも会社売却できます。買い手・売り手の双方にとって手間がかからない点が、M&Aで飲食店を開業する最大のメリットです。
すでにコンセプトがある
お店にはコンセプトと呼ばれる経営方針があります。このコンセプトは開業時に必要です。経営方針がなければ方向性が定まらず、経営も上手くいきません。M&Aを利用して飲食店を開業すればコンセプトの変更も不要です。
なお、飲食店の要であるメニューについても、基本的には変更不要です。売り手側にとっても、自社の経営方針がそのまま存続されるメリットがあります。
シナジー効果
シナジー効果はM&Aで得られるメリットのなかで非常に大きなものであり、最大限に効果が発揮されれば事業拡大や売上向上を図ることができ、事業成長スピードを加速させることにもつながります。
コストシナジーや事業シナジーなどさまざまな種類があり、同業種間でのM&Aと異業種とのM&Aでは期待できるシナジーも異なるので、買収前にどのような効果が得られるのかをしっかり検討しておくことが重要です。
飲食店の場合、観光業や農業など親和性の高い業種も多いため、事業の多角化戦略や大量仕入れによるコスト削減、業務効率化による利益率向上など、さまざまなシナジー効果を得られる可能性があります。
売却側のデメリット
M&Aでは初期費用が居抜きの場合より多く要します。また、M&Aを利用した飲食店開業だからこそ、起こり得るデメリットもあります。ここでは初期費用以外についてのM&A開業におけるデメリットを解説します。
人材の流出
M&Aでは基本的に従業員も引き継げるため、従業員の入れ替えは不要です。しかし、一番懸念すべきは「従業員」にあります。経営者サイドが入れ替え不要としていても、従業員がどう考えるかは別問題です。
雇用形態・給与・勤務時間などが変更された場合、従業員が退職する可能性があります。また、新しい経営者と信頼関係を構築できないケースも同様です。M&Aでの飲食店開業と従業員の働きやすさは別物です。
労働環境の整備は絶対条件であり、従業員問題は売り手側に責任が重くのしかかります。事前通告はもちろん、再就職先の斡旋などの手続きが必要になる場合もあります。加えて信頼については、常に気を配る必要があります。
経営者側の問題
M&Aを利用して飲食店を開業しても、従業員はもちろん消費者や仕入先にとっては、これまでと何も変わりません。開業しても、突然オーナーが変更したとしか思われない可能性があります。
経営者として店舗や会社に馴染めない可能性もあるため、十分な配慮が必要です。すでに環境が出来上がっているからこそ、介入しにくい場合も往々にしてあります。好き勝手に経営していると判断されると、信頼を勝ち取れないので注意しましょう。
一方、売り手側の経営者もM&Aの実施前に自社ブランドを守る努力をしなくてはいけません。具体的には、同業他社の経営者と事前に顔合わせをするなどです。M&Aを利用して飲食店を売却する際には、会社を売ったら終わりではありません。自社存続のためにもM&Aの手続きに注力しなくてはいけません。
飲食店のM&A流れ
M&Aの意思決定・目的の明確化
M&Aは経営戦略のひとつですが、必ず成功するというものではありません。また、費用も時間もかかるため、自社にとって本当にM&Aが必要なのかを最初によく検討する必要があります。
M&A実行の意思決定を行う際に重要なのは、M&Aの目的や方向性を明確にしておくことです。目的を明確にすることで候補先の絞り込みがしやすくなったり、交渉で譲歩が必要となったりした場合に判断がしやすくなります。
M&A仲介会社に相談
M&A実施の意思が固まったら、次はM&A仲介会社などの専門家へ相談します。M&Aは独力で進めていくこともできますが、成功させるためには専門的な知識やノウハウが不可欠です。
M&Aは通常の事業運営と並行して手続きを進めなければならないので、経営者の負担を軽減するためにも専門家のサポートを受けることをおすすめします。
また、サポートを受けるM&A仲介会社を選ぶ際は、得意業種・規模・支援実績・支援範囲・手数料体系などをよく確認し、総合的に判断することがポイントです。
M&A候補先の選定
M&A仲介会社とアドバイザリー契約を結んだら、M&A候補先(交渉先)を選定します。一般的に、M&A候補先の選定は担当アドバイザーがリストアップした企業から絞り込んでいきますが、その際はM&A後に想定されるシナジーも含めて検討することがポイントです。
M&A候補先を絞り込んでいく段階では、「ノンネームシート」という社名・具体的な所在地・詳細な事業内容など自社が特定されうる情報は伏せた資料を使用します。
そして、M&A候補先を決定し交渉を打診をM&A仲介会社を通して行い、相手側も交渉に対して前向きであれば秘密保持契約を当事者間で結び、詳細情報が記載された企業概要書を提出します。
トップ面談
トップ面談は売却側・譲受側のオーナー同士で行い、企業概要書での疑問点や互いの人柄などを確認します。飲食店のM&Aでは、候補先の店舗を見学に行く場合も多いので、その際は立地だけでなく顧客層や雰囲気なども確認しておくとよいでしょう。
なお、トップ面談は相互理解を深めてM&Aに不可欠な信頼関係を構築することを主な目的として設けられる機会です。そのため、価額・条件などの具体的なM&A内容についての交渉は、基本的にトップ面談の場では行いません。
また、トップ面談後は譲受側から買収に前向きな意向であることを示す「意向表明書」が提出されることが多いですが、必須ではないため省略される場合もあります。
基本合意締結
トップ面談を行い、売却側・譲受側の双方がM&A成立に前向きであれば、売却価額や条件などについてさらに交渉を進め、互いが大筋合意した段階で基本合意を締結します。
基本合意書には価額・条件・クロージング実行予定日・決済方法など、その時点までに取り決めた内容が記載されますが、M&Aの意思確認およびその時点における合意内容の確認といった位置づけであるため、一部事項を除き記載内容には法的拘束力はありません。
譲受側によるデューデリジェンス
デューデリジェンスは、基本合意締結後に行われる譲受側による買収監査のことです。デューデリジェンスでは、事前開示された情報と実態は実態が即しているか、買収のリスクはどの程度あるか、隠れている問題点はないかなどを、財務・法務・人事などの分野で門家が調査します。
デューデリジェンスは譲受側にとって非常に重要な工程であるため、売却側は調査に対して誠実に対応することが大切です。なお、デューデリジェンスは譲受側が主体となって行うため、基本的に売却側の費用負担はありません。
最終交渉・最終契約締結
譲受側がデューデリジェンスの結果をみて買収実行を判断したら、その結果を踏まえ最終交渉を行います。最終交渉ではM&A対象の範囲・価額・対価の支払い方法などの確認や調整を行い、互いがその内容すべてに合意したら最終契約を締結しM&Aが成立となります。
基本合意書は一部事項を除き法的拘束力はありませんが、最終契約書は記載事項のすべてが法的拘束力をもち、締結以降の一方的な事由による破棄または内容変更は原則認められません。
クロージング
M&A対象の経営権を売却側から譲受側へ移転させ、対価の決済手続きを行う一連の手続きをクロージングと呼び、クロージング完了を以てM&Aの有効性が法的に認められることとなります。
クロージングの実行は最終契約書に記載されたクロージング条項を充足していることが前提です。そのため、多くの場合はM&A成立(最終契約の締結日)から一定期間を空けて行われます。そして、クロージングが終わればM&A取引は完了です。
飲食店のM&A相場
M&Aの場合、明確な相場というものはなく、最終的な価額は当事者間の交渉によって決まります。価額交渉においてベースとなるのは「企業価値」であり、これは簡単にいえば「企業(事業)の経済的価値を金額で表したもの」のことです。
そのため、事前に自社の企業価値を算定すれば、ある程度目安をつけることができ、適正な価額でのM&A成立を目指すことができます。
大まかな相場の計算方法
企業価値の算定は専門的な知識がなければ算定が難しい方法も多いので、専門家に依頼したほうが安心ですが、大まかな相場であれば簡単な計算で求めることが可能です。
飲食店M&Aの場合、純資産額に営業利益の数年分を加算した額を大まかな相場と考えることができ、「時価純資産+営業利益の数年分(2~5年)」の式に貸借対照表の数字を当てはめて計算します。
式中の営業利益は任意で設定してもよいですが、通常は3年程度とする場合が多いです。中小企業庁の「経営者のための事業継承マニュアル」でも3年分としているので、目安にするとよいでしょう。
企業価値の決め方
企業価値の算定方法は、コストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチの大きく3種類があり、それぞれ着目する点が異なります。
- コストアプローチ:貸借対照表の純資産額をもとに企業価値を算定
- インカムアプローチ:企業の超過収益力や配当予想など将来の収益力をもとに企業価値を算定
- マーケットアプローチ:類似する上場企業の時価総額や買収事例をもとに企業価値を算定
コストアプローチは客観性に優れた算定方法ですが、事業の将来性や企業の固有性質を反映させることはできません。一方でインカムアプローチは事業の超過収益力など将来見込める収益力が評価に反映されますが、事業計画書などをもとに収益見込みをたてるため主観が入りやすいという面もあります。
また、マーケットアプローチは株式市場の価値や買収事例をもとに相対評価を行うため客観性が高く、市場動向やトレンドが評価に反映される点に優れていますが、類似企業の選定には主観が入りやすいことや事業内容やビジネスモデルによっては類似企業がみつからない可能性がある点がデメリットです。
飲食店の相場を決める要素
M&Aの価額交渉でベースとなるのは企業価値ですが、飲食店M&Aでは売上高・店舗数・立地・ブランド力も相場(価額)を決める大きな要素です。
飲食店は立地条件や知名度などが売上に直結するため、好立地の店舗を保有していたりブランド力が高い場合は好条件でのM&A成立にも期待できます。
そのほか、将来の売上見込みや利益率なども加味したうえで交渉を行い、最終的な価額を決定するケースが一般的です。
飲食店のM&Aでの注意点
ここでは飲食店のM&Aを行う際に注意すべきポイントについて解説します。
スピード感ある判断
M&Aは実施タイミングをはかることも成功ポイントのひとつです。M&Aは企業にとって大きな決断であるため慎重な判断は必要ですが、飲食業界はトレンドに左右されやすいという特性があるため、あまりに判断が遅くなるとよい相手先がみつからなかったり、譲受側であれば他社に買収されてしまったりする可能性もあります。
売却側であればM&A実行を決めたら早めに専門家へ相談して売却タイミングを逃さないこと、譲受側であれば取得した飲食店がみつかったら早めにアプローチをかけておくことが重要です。もちろん最終的な判断を早急に行う必要はありませんが、時にスピード感ある判断が必要となることも念頭におくとよいでしょう。
デューデリジェンスの実施
これは譲受側が注意すべきポイントですが、買収可否を判断するためのデューデリジェンスはしっかり行うことが重要です。特に株式譲渡のような包括承継手法の場合、売却側の飲食店が抱える負債・リスクもそのまま譲受側が引き継がなければなりません。
簿外債務や偶発責務のリスクや法的な問題点の有無をしっかり調査しておかなければ、買収後の事業運営だけでなく自社の経営に影響を及ぼす可能性もあります。デューデリジェンスをどの範囲まで行うかの判断は難しい部分もありますが、リスクを最小化するためには徹底して行うことがポイントです。
目的の明確化
M&A実施を検討する際は最初にM&Aの目的や方向性をしっかり定め、交渉過程においても見失わないことが重要です。売却側・譲受側どちらの立場であっても、自社の希望条件をすべて満たす相手先がみつかるというケースはそう多くありません。
M&A交渉は双方が歩み寄らなければ成立は難しく、なにかしらの譲歩が必要となる場面がでてくることが普通です。そのような判断が必要な場面でもM&Aの目的を明確に定めておけば、どの程度(どの条件)であれば譲歩できるのかが判断しやすくなります。
M&A仲介会社へ相談
M&A完了までには非常に多くの行程を経ますが、売却側・譲受側は自社の事業運営と並行して交渉や手続きを進めなければなりません。
また、専門的な知識が必要な手続きも多いため、M&A仲介会社に相談してサポートを依頼すると負担を軽減し、かつ安心して進めていくことができます。
M&A仲介会社には飲食業界のM&Aに特化していることろや、その業界を得意とするアドバイザーが在籍しているところもあるので、支援実績や得意領域などのホームページなどで確認し、自社に合ったところを探しましょう。
飲食業界のM&A案件を探す方法
売り手企業は「後継者がいない」「業績が悪い」などの理由、買い手企業は「飲食業界へ参入したい」「企業規模を大きくしたい」などの理由でM&Aを検討します。ではどうやって飲食店とのM&A案件を探すのでしょうか。
効率的かつ幅広い中から案件を探すには、M&A仲介会社へ依頼するのがおすすめです。多くのM&A仲介会社では一貫支援を行っているので、スムーズにM&Aを進めていくことができます。
飲食業界のM&A事例18選
ホットランドがショウエイを子会社化
2024年7月、ホットランドは子会社のオールウェイズを通じ、愛知県名古屋市のショウエイを子会社化すると発表しました。子会社となるショウエイは、飲食店の「ホルモンショウヤ」「李昇 本館」「昇家」を運営する企業です。
ホットランド子会社のオールウェイズは「銀だこハイボール酒場」などを運営しています。本M&Aはホットランドグループの事業拡大が主な目的です。
ホットランドグループは酒場事業のリソースやノウハウを、ショウエイが展開する「昇家」に活用して融合させ、さらなる事業の拡大を図るとしています。
参考:当社連結子会社による株式の取得(孫会社化)に関するお知らせ
小僧寿しが英Japan Centre Groupなど2社と資本業務提携
2024年6月、小僧寿しはイギリスのKozosushi UK LimitedおよびJapan Centre Group Limitedの2社と資本業務提携を締結すると発表しました。
小僧寿しは、持帰り寿し店「小僧寿し」のフランチャイズチェーンを主力とし、そのほかに居酒屋「とり鉄」などの飲食事業を展開しています。
資本業務提携を行うKozosushi UK Limitedはイギリス国内で飲食事業や小売業を手掛けており、Japan Centre Group Limitedはスーパーマーケット・レストラン・フードホールを運営する日本食品会社です。なお、両社は本M&Aにより小僧寿しの持分法適用関連会社となります。
本M&Aは、海外市場での日本食卸売事業や飲食事業などの拡大が目的です。小僧寿しは、今回の資本業務提携を通じ、多層的な事業展開を図るとしています。
参考:英国 日本食品会社等との3社間資本業務提携(持分法適用関連会社化)に関するお知らせ
SRSホールディングスがアミノを子会社化
2024年5月、SRSホールディングスは宮城県仙台市のアミノを子会社化すると発表しました。子会社となるアミノは、「うまい鮨勘」などの飲食店を国内31店舗、海外2店舗を展開する企業です。
SRSグループは和食を中心とする外食事業を手掛けており、現在は「和食さと」「からやま」「家族亭」「かつや」などを直営・フランチャイズ合わせて国内737店舗、海外24店舗を展開しています。
本M&Aは新エリアでの事業基盤確立と既存事業の強化、仕入原価の低減が大きな目的です。SRSホールディングスは、店舗運営ノウハウやマーケティング、DX施策などを共有することでさらなる事業拡大を図るとしています。
参考:株式会社アミノの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ
コロワイドMDがソシオフードサービスを子会社化
2024年5月、ソシオークホールディングスは自社が保有するソシオフードサービスの全株式を、コロワイド傘下のコロワイドMDへ譲渡すると発表しました。なお、ソシオフードが手掛ける給食事業はグループの葉隠勇進が吸収分割により承継します。
譲受側のコロワイドMDは外食事業を主軸とするコロワイドの子会社で、各種食料品の製造、農畜産物の加工・販売、野菜の水耕栽培生産などを手掛ける企業です。
コロワイドグループは中期計画で給食事業の成長を目標に掲げており、ソシオフードが手掛ける病院・福祉施設・保育園などへの給食受託事業とグループが保有する調達機能やミールキットの製造ノウハウとの融合により大きなシナジー効果が期待できるとし、今回のM&Aに至りました。
参考:ソシオフードサービス株式会社の株式譲渡のお知らせ
吉野家ホールディングスが宝産業を子会社化
2024年4月、吉野家ホールディングスは京都府京都市の宝産業を子会社化すると発表しました。子会社となる宝産業はラーメン用の麺・スープ・たれなどの製造開発を手掛けており、国内に2工場のほか、アメリカやフランスなどにも海外拠点も有しています。
吉野家ホールディングスは中長期計画で次なる柱にラーメン事業を位置づけており、今回の子会社かもその一環で行われたものです。今回のM&Aでラーメン商材に強みを持つ宝産業を傘下に加え、ラーメン事業の強化と拡大を図るとしています。
参考:宝産業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ
小僧寿しが米ASRAPPORT DINING USA, INCを子会社化
2024年4月、小僧寿しは子会社のアスラポートを通じ、JFLAホールディングスよりアメリカの持ち株会社ASRAPPORT DINING USA, INC.を子会社化すると発表しました。
ASRAPPORT DINING USA, INC.の子会社であるSUSHI BOY INC.は、持ち帰り寿し店や飲食店をアメリカ国内で展開する企業です。
小僧寿しは、持ち帰り寿司店「小僧寿し」や居酒屋「とり鉄」「ぢどり亭」、ラーメン「どさん子」など、飲食店18ブランドを全国展開しており、近年は海外での事業拡大を進めています。
本M&Aも海外での事業規模拡大が主な目的であり、グループにSUSHI BOYを加えることで展開ブランドを拡充し、バリューチェーン強化を図るとしています。
参考:当社連結子会社による株式譲渡契約締結(株式取得による子会社化)に関するお知らせ
ホリイフードサービスがホリイ物流を子会社化
2024年4月、総合飲食事業を手掛けるホリイフードサービスは、ホリイ物流の株式40%を追加取得し、同社を子会社化すると発表しました。
ホリイ物流は食品や酒類などの販売事業を手掛ける茨城県の企業です。ホリイフードサービスはホリイ物流の株式20%を保有していましたが、子会社化により収益力のさらなる向上や競争力強化が図れると判断し、株式の追加取得を決定しました。
参考:株式会社ホリイ物流の株式取得(子会社化)に関するお知らせ
ワタミが米SONNY SUSHIの寿司加工・卸売事業を譲受
2024年4月、飲食事業を主軸とするワタミは、アメリカのSONNY SUSHI COMPANYから寿司加工・卸売事業を譲受すると発表しました。
SONNY SUSHI COMPANYは、寿司の加工・卸売事業をアメリカネバダ州内で展開する企業です。今回のM&Aはワタミがアメリカに新設する会社を通じて行い、SONNY SUSHI COMPANYのブランドや工場などを約9億円(600万ドル)取得します。
ワタミがアメリカで事業を展開するのは初となり、自社のノウハウや日本食の知見を生かした海外への販路拡大と、国内外のサプライチェーン強化が目的です。
参考:SONNY SUSHI COMPANY の資産取得に関するお知らせ
丸七がエコー商事の「ジャンボおしどり寿司」を譲受
2024年4月、焼肉坂井ホールディングス傘下の丸七は、エコー商事が展開する「ジャンボおしどり寿司」の営業権を譲り受けると発表しました。
丸七は寿司・海鮮居酒屋店を神奈川県内で11店舗運営しています。同じく神奈川県内で5店舗を展開している「ジャンボおしどり寿司」とは主力が寿司・海鮮であることや地域密着型である点に親和性が高いとし、本M&Aに至りました。
参考:「ジャンボおしどり寿司」営業権譲受のお知らせ
アダストリアがゼットンを株式交換により完全子会社化
株式会社アダストリアと株式会社ゼットンは、2024年3月21日に開催された両社の取締役会で、アダストリアを完全親会社とし、ゼットンを完全子会社とする株式交換を実施することを決議しました。この決定に基づき、両社は株式交換契約を結びました。
ゼットンはこの株式交換を機に、中長期的な経営戦略の一環として、自社のブランド力を最大限に生かし、新しいビジネスモデルの開発を進めます。さらに、サステナブル戦略に基づく持続可能な社会づくりを目指し、既存事業の強化を通じて、永続的な企業価値の向上を図る計画です。
ブロンコビリーがレ・ヴァンを子会社化
株式会社ブロンコビリーは、2024年3月8日の取締役会で、株式会社レ・ヴァン(愛知県名古屋市)の全株式を取得し、子会社化することを決定しました。この決定に基づき、3月12日には株主と株式譲渡契約を締結しました。
レ・ヴァンは地元愛知県で強固なブランド力と実績を持っており、この子会社化によりブロンコビリーの「とんかつ業態」の地域内での事業基盤がさらに強化されます。また、レ・ヴァンはブロンコビリーのグループリソース、特に自社工場や松屋栄食品本舗の食材調達能力と工場加工技術を利用することで、収益力を向上させることが期待されます。
この取引により、ブロンコビリーは「とんかつ業態」の成長を加速し、グループ全体のさらなる成長を目指します。
コロワイドが日本銘菓総本舗を子会社化
2024年3月、株式会社コロワイドは、株式会社日本銘菓総本舗(東京都港区)の全株式を取得する契約を締結しました。
コロワイドは、日本銘菓総本舗の事業が将来も成長すると見ています。この取引により、日本国内外での新規出店を通じて日本銘菓総本舗の事業拡大を図ります。また、コロワイドグループの既存事業と連携し、新しい販売機会を探ることで、日本銘菓総本舗およびコロワイドグループ全体の企業価値を最大化することを目指します。
WDIが米子会社GKBH Restaurant, LLCの全持分を譲渡
2024年2月、レストラン事業やブライダル事業を手掛けるWDIは、アメリカの連結子会社GKBH Restaurant, LLCの全持分を譲渡すると発表しました。なお、本件の譲渡先は非公表となっています。
GKBH Restaurant, LLC はハワイ州のレストラン「GEN KOREAN BBQ HOUSE」を運営する企業です。今回の譲渡はWDIグループのリソースの運用向上が目的であり、検討の結果、GKBH Restaurant, LLC」の全持分譲渡を決定したとしています。
参考:当社連結子会社の異動(持分譲渡)に関するお知らせ
ロイヤルコントラクトサービスとハイウェイロイヤルの吸収合併
2023年11月、ロイヤルホールディングスは、子会社のロイヤルコントラクトサービスとハイウェイロイヤルの間で吸収合併を行うと発表しました。本M&Aではロイヤルコントラクトサービスが存続会社、ハイウェイロイヤルが消滅会社となり解散します。
ロイヤルコントラクトサービスは空港施設や高速道路などでの飲食店や売店の運営、ハイウェイロイヤルは高速道路のサービスエリア内レストランや売店を運営する企業です。
今回の合併は事業効率性の向上および商圏拡大が主な目的であり、本件を通じて事業基盤のさらなる強化と事業成長を図るとしています。
参考:完全子会社間の合併に関するお知らせ
サンマルクホールディングスが完全子会社3社を吸収合併
2022年4月、サンマルクホールディングスが完全子会社3社を吸収合併しました。
サンマルクホールディングスは本M&Aでベーカリーレストラン事業・寿司事業の悪化を受け、レストラン事業部としてビジネスモデルの再構築を図っています。
吉野家ホールディングスがグリーンズプラネットの全株式をフライドグリーントマトへ譲渡
2022年3月、吉野家ホールディングスがグリーンズプラネットの全株式をフライドグリーントマトへ譲渡しました。
吉野家ホールディングスは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、フライドグリーントマトに事業の今後を託す決断をしています。
ジェイグループホールディングスがNEWFIELD HONOLULU,INCの全株式を譲渡
2022年2月、ジェイグループホールディングスがNEWFIELD HONOLULU,INCの全株式を譲渡しました。
ジェイグループホールディングスはハワイ州での飲食事業を撤退しています。NEWFIELD HONOLULU,INCも新柄コロナウイルスの影響でハワイ州での事業を撤退しています。
木曾路が大将軍の子会社化を発表
2020年11月、木曾路が大将軍の子会社化を発表しました。
大将軍は、高級焼肉店「大将軍」と中価格帯の焼肉店「くいどん」の業態で合計38店舗を展開しています。木曾路は大将軍と強みを生かし付加価値の高い店舗運営を実現することを目的としてM&Aを行っています。
飲食業界のM&Aまとめ
M&Aに限らず、「食」のジャンルはなくなりません。需要自体はあるものの、その形は刻々と変化しています。外食だけではなく、中食や宅配などのデリバリーにも注目が集まっています。以上の現状をふまえ、飲食業界のM&Aは非常に活発に実施されています。本記事の要点は下記のとおりです。
・飲食業界の現状
→生き残りをかけて競争が激化している
・飲食店のM&A
→人手不足解決や組織変革の手段として有効
・M&Aを利用した飲食店開業のメリット
→すでに完成された環境で経営をスタートできる
・M&Aを利用した飲食店開業のデメリット
→従業員が離職するリスク、関係者に認められにくい
・飲食業界のM&A案件を探す方法
→M&A仲介会社の利用、銀行などからの紹介
飲食業界でM&Aを検討する際は、上記のメリット・デメリットを踏まえ、専門家に相談すると良いでしょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。