M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年10月11日更新業種別M&A
仮設足場工事・足場施工会社の事業承継ポイント!業界動向・事例も解説
当記事では、仮設足場工事・足場施工会社の事業承継のポイントについて取り上げています。仮設足場工事・足場施工会社が直面している問題や今後の動向予測を通して、事業承継のポイントを詳しく解説します。過去の事例も取り上げていますので参考にしていただけると幸いです。
目次
- 仮設足場工事・施工業界の市場規模
- 仮設足場工事・施工業界が直面している問題
- 仮設足場工事・足場施工会社業界の今後の動向予測
- 仮設足場工事・足場施工会社業界のM&A・事業承継の案件例
- 仮設足場工事・足場施工会社の評価を高めるポイント
- 仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡・M&A・事業承継は資産の保有が大切
- 仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡によるM&A・事業承継のポイント
- 仮設足場工事・足場施工会社の株式譲渡によるM&A・事業承継のポイント
- 仮設足場工事・足場施工会社のその他のM&A手法
- 仮設足場工事・足場施工会社を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて
- 仮設足場工事・足場施工会社の事業承継ポイントまとめ
仮設足場工事・施工業界の市場規模
2023年の住宅リフォーム市場規模は、前年比0.6%増の7兆3,575億円と推定されました。分野別では、「増改築費用」(10㎡超および10㎡以下の工事)が前年から5.2%増加し、「設備の修繕や維持管理費」も0.3%増加しましたが、「家具・インテリア関連費用」は0.6%減少しました。
2023年には、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類へと変更され、消費者の行動がリフォームや家具・家電などの内向き消費から、旅行や外食といった外向き消費へシフトしたことで、リフォーム需要は減少傾向にありました。
しかし、資材費や人件費の上昇に伴い、リフォーム工事の原価が増加したことや、より高付加価値のリフォームを求めるニーズが拡大したため、工事1件あたりの単価が上昇しました。その結果、工事件数の減少分を単価の上昇が相殺し、全体の市場規模は横ばいからわずかながら増加する形で着地したと考えられます。
参考:矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2024年)」
仮設足場工事・施工業界が直面している問題
仮設足場工事・足場施工会社は、事業譲渡を活用することで業界が直面する問題を解決することができます。この章では、仮設足場工事・足場施工会社が直面している問題を3つ取り上げていきます。
【仮設足場工事・足場施工会社が直面している問題】
- 人材不足による労働力の減少
- 受注単価の低下と競争の激化
- 抜け出せない下請構造
①人材不足による労働力の減少
仮設足場工事・足場施工会社は業界全体で人材獲得競争が激化しており、労働力の減少に悩まされています。
労働力不足は請け負える案件が限られてしまい、会社全体の業績に悪影響が出ているところも続出しています。労働力不足の危機を、事業譲渡を活用して乗り越えようとする動きも見られます。
②受注単価の低下と競争の激化
仮設足場工事・足場施工会社は業界全体で顧客獲得競争が激化しています。顧客を獲得するための相次ぐ受注単価の引き下げにより、資金難に陥っている仮設足場工事・足場施工会社も少なくありません。
東京オリンピックなどの影響から建設需要の増加が目覚ましいなか、仮設足場工事・足場施工会社の参入も多くなっています。都心部の建設工事予定はびっしり埋まっているので、今後も仮設足場工事・足場施工会社の競争は激化していくと見られています。
③抜け出せない下請構造
建設業界の重層下請構造は深刻化しています。下請構造は各工程の分担化という面において効率的ともいえますが、仮設足場工事・足場施工会社の身入りが少なくなる問題があります。
政府は重層下請構造について問題視していて改善案などを定期的に取りまとめていますが、重層構造は業界全体の基本構造になっていることもあり、改善は難しい状況にあります。
仮設足場工事・足場施工会社業界の今後の動向予測
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡を検討する際は、まず業界の動向を把握しておくことが大切です。この章では、仮設足場工事・足場施工会社の動向予測を解説します。
【仮設足場工事・足場施工会社業界の今後の動向予測】
- 大手企業は内製化の傾向にある
- 資材レンタル業へ舵を切る会社も増加
- 仮設足場工事・足場施工会社業界の事業譲渡・M&A・事業承継の動向
①大手企業は内製化の傾向にある
仮設足場工事・足場施工会社の大手は内製化を進める傾向にあります。内製化とは、外部委託していた業務を自社内で行うことを言います。
従来の仮設足場工事・足場施工会社は、一部の業務を外部委託することで現場を効率的にまわしていましたが、コスト削減を目的に内製化を進める動きが強まっています。
②資材レンタル業へ舵を切る会社も増加
仮設足場工事・足場施工会社の中には、現場作業から徹底して資材レンタル業に専念する会社の姿もあります。
背景にあるのは、仮設足場工事・足場施工会社業界の競争激化です。厳しい顧客獲得競争に参加するよりも、高い需要を見越して建設現場をサポートする資材レンタル業に切り替える会社も少なくありません。
③仮設足場工事・足場施工会社業界の事業譲渡・M&A・事業承継の動向
仮設足場工事・足場施工会社業界は、内製化や資材レンタル業への切り替えにより、事業譲渡・M&Aが増加すると見られています。
近年は建設需要の高まりも激しく、競争が激化していくことが予測されるため、仮設足場工事・足場施工会社の事業の一部を事業譲渡で清算して、会社の体制を整えようとする動きも強まってくると考えられます。
また、労働力を確保しようとする大手の仮設足場工事・足場施工会社も多いです。仮設足場工事・足場施工会社業界全体で労働力不足が叫ばれているので、多くの労働力を保有する会社は売り時であるともいえます。
仮設足場工事・足場施工会社業界のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っている仮設足場工事・足場施工会社業界のM&A・事業承継の案件例として、首都圏の足場仮設工事業をご紹介します。
対象工事は約150件/月で、年間1,800件程度の現場を施工しています。売上割合は個人住宅9割、ビルやマンション1割です。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 3億円(応相談)※簿外資産の足場資材(時価2億円程度)を含む |
譲渡理由 | 自社単独での成長の限界を感じ譲渡を検討 |
仮設足場工事・足場施工会社の評価を高めるポイント
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡を実施する前に、自社の評価を高めておくことが大切です。仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡で重視されるポイントは、以下の2つが挙げられます。
【仮設足場工事・足場施工会社の評価を高めるポイント】
- 地域性による強みがある事
- 過去の工事実績が豊富にある事
①地域性による強みがある事
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡において高い評価に繋がるポイントは、地域性による強みです。特定の地域で強みを持っている仮設足場工事・足場施工会社は、顧客を獲得しやすいため高い評価を得られることが多いです。
特に地方の建設案件数は都市部と比較すると少ない傾向にあるため、該当地域で強みを持っていない場合、全く案件を請け負えない可能性が高くなります。他の会社との差別化を図れるような強みを持っていると、高い評価に繋げやすくなります。
多くの顧客リストを保有している場合、安定した案件を請け負えることになります。安定的な収益は事業譲渡で重視されるポイントなので、事業譲渡の買い手探しや交渉を有利に進められる可能性が高いです。
②過去の工事実績が豊富にある事
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡は、過去の工事実績もポイントになります。工事実績は会社の信用力を測る目安になるので、実績をまとめておくと買い手に対するプレゼンテーションにおいて有効的に働いてくれます。
また、信用力という面以外にも、技術と労働力を保有していることの証明することも可能です。会社として機能していることを示せますので、事業譲渡の際は、過去の工事実績のプレゼンを通して会社としての価値を積極的にアピールしていきましょう。
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡・M&A・事業承継は資産の保有が大切
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡・M&Aにおける買収側は、労働力や資材の確保を目的としていることが多いです。
そのため、仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡・M&Aの際は、会社が保有する資産を適切にアピールすることも大切になります。
現役世代の作業員を多く雇用している
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡・M&Aでは、建設現場で働くことができる現役世代の作業員がとても重要です。業界全体の労働力不足が深刻化しているため、多くの労働力を保有する会社は高い評価が得られる傾向にあります。
これは事業譲渡・M&Aのシーンにおいても同様です。業界全体で売り手市場となりつつあり、複数の買い手から声がかかることも想定されますので、買い手の選定・交渉を円滑に進められ、高額売却も実現しやすくなります。
足場設営の資材を自社で保有している
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡・M&Aは、足場設営に必要な資材を保有していることもポイントです。
資材をレンタルすると余計にコストがかかりますが、必要な資材を社内で完結できる場合は余計な支出を抑えることができます。事業譲渡・M&A後の運営の費用が抑えられることは買い手にとって有利に働くため、高い評価に繋がることが多いです。
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡によるM&A・事業承継のポイント
この章では、仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡のポイントを解説します。事業譲渡で注目すべき点や事業譲渡事例を確認していきましょう。
仮設足場工事・足場施工会社を事業譲渡する際の注目点
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡の注目点は、従業員の引き継ぎです。事業譲渡は権利義務の包括承継を行わないため、従業員から個別に同意を得なくてはなりません。
事業譲渡の買い手は従業員の確保を目的としていることも多いため、従業員の同意が得られない場合は事業譲渡のクロージング条件を達成できず、成約できなくなる可能性があります。
事業譲渡の実施が正式に決定したら、転籍対象の従業員に対して事業譲渡後の待遇を説明するなど、個別の対応が必要となります。
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡事例
ここでは、仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡事例を紹介します。話題性・規模の大きな事業譲渡事例を2件ピックアップしています。
ダイサンと山陽セイフティーサービスの事業譲渡
2017年4月、ダイサンは山陽セイフティーサービスより足場施工サービス事業を事業譲渡により取得することを公表しました。取引価格は1億2000万円です。
山陽セイフティーサービスは広島の福山地区で長年に渡って足場施工サービス事業を手掛けてきた足場施工会社です。
ダイサンは、今回の事業譲渡の目的を福山地区の商圏確保と従業員の確保としています。新しく取得した拠点と既存拠点の連携を深めることで企業価値の向上を図ります。
地盤ネットホールディングスとジャパンホームの事業譲渡
2018年5月、地盤ネットホールディングスはジャパンホームより全ての事業を事業譲渡により取得することを公表しました。
ジャパンホームは首都圏エリアでオーダーメイドの住宅設計・施工業務を行う会社です。事業を行うなかで負債が膨らんでいき、民事再生手続き開始の申立てを行っています。
地盤ネットホールディングスは、今回の事業譲渡の目的をジャパンホームの事業再生支援としています。今後はジャパンホームの技術力を活用することで、同サービスの収益拡大を図るとしています。
事業譲渡に適した仮設足場工事・足場施工会社とは
事業譲渡に適した仮設足場工事・足場施工会社は、複数の事業を手掛けている会社です。ひとつしかない事業を事業譲渡で手放してしまうと会社の存続が危ぶまれるので、事業譲渡後も中核事業を残せる会社が適しているといえます。
例えば、特定の不採算事業を手放して残存事業に注力したい時などが挙げられます。会社の事業を絞ることで資金や人員といったリソースを集中させることができますので、事業譲渡の効果を最大限に活かすことができます。
また、事業譲渡については以下の記事で詳細に解説しています。具体的な流れや注意点を把握するのに最適な内容になっていますので、事業譲渡を検討の際は、参考にしていただけると幸いです。
仮設足場工事・足場施工会社の株式譲渡によるM&A・事業承継のポイント
仮設足場工事・足場施工会社におけるM&Aは事業譲渡がメインですが、株式譲渡を利用することもあります。この章では、仮設足場工事・足場施工会社の株式譲渡の注目すべき点や株式譲渡事例を確認していきます。
仮設足場工事・足場施工会社を株式譲渡する際の注目点
仮設足場工事・足場施工会社の株式譲渡の注目点は、簿外債務の引き継ぎです。簿外債務とは、賃借対照表に表示されない債務のことで、買い手からすると想定外のリスクになります。
株式譲渡は会社の経営権と共に、資産・負債の全てを包括的に承継します。その中には簿外債務も含まれており、存在に気づかないまま株式譲渡が完了してしまうケースが稀にあります。
成約後に損害賠償問題に発展する可能性があるので、事前に調査して報告しておかなくてはなりません。M&A戦略策定段階から、資産と債務を正確に把握しておくことが重要になるでしょう。
仮設足場工事・足場施工会社の株式譲渡事例
仮設足場工事・足場施工会社のM&Aは事業譲渡以外に株式譲渡事例も見受けられます。ここでは、特に話題になった株式譲渡事例をピックアップしてご紹介します。
日本足場ホールディングスによる上田建設の子会社化
2024年9月19日、コンドーテックは、連結子会社である日本足場ホールディングスを通じて、上田建設(北海道苫小牧市)の全株式を取得し、子会社化(コンドーテックの孫会社化)することを発表しました。
日本足場ホールディングスは足場施工事業を行う子会社の経営管理を担い、上田建設は土木建築用足場の架払工事や機械器具の設置工事を手掛けています。
このM&Aにより、コンドーテックは今後も高い需要が予測されるプラント工事現場向け仮設足場工事分野での事業基盤の強化を図ります。
さらに、グループ内のテックビルド株式会社、東海ステップ株式会社、株式会社フコクといった関連企業と連携することで、仮設足場工事の分野における事業拡大を目指し、グループ全体の成長と企業価値の向上を図ることが狙いです。
コンドーテックによる東海ステップの子会社化
2020年2月、コンドーテックは東海ステップの全株式を取得して完全子会社化することを公表しました。取引価格は非公開となっています。
東海ステップは関東地方を中心に足場施工業務を行っている会社です。建設現場で必須となる仮設足場の施工会社として、豊富な顧客基盤を保有しています。
コンドーテックは、東海ステップの技術や顧客基盤を活用することで、自社グループ全体の長期的な成長と企業価値の向上を目指すとしています。
株式譲渡に適した仮設足場工事・足場施工会社とは
株式譲渡に適した仮設足場工事・足場施工会社は、大手の傘下に入って事業規模を拡大させたい会社です。
大手の傘下に入ると経営資源を活用することができるので、資源的な問題で思うように事業展開できていなかった会社は、株式譲渡をきっかけに大きく成長するチャンスになります。
また、株式譲渡は売却益の獲得を目的とすることもあります。仮設足場工事・足場施工会社を株式譲渡で売却すると、売却益の獲得者は経営者(株主)となります。個人的な資産になりますので、リタイア資金として活用する経営者も多いです。
株式譲渡に関しては以下の記事が分かりやすくまとめられています。内容や手順が詳細に解説されていますので、参考にしていただけると幸いです。
仮設足場工事・足場施工会社のその他のM&A手法
仮設足場工事・足場施工会社のM&Aにおいては基本的に事業譲渡が用いられていますが、その他のM&A手法を用いることもあります。
具体例としては、資本業務提携が挙げられます。資本業務提携とは、経営に干渉しない程度に相互の株式を取得して協力関係を築く手法です。資本関係が生じるため、広義のM&Aとして扱われています。
事業譲渡や一般的なM&A手法と比較すると短期間で契約することができるので、目的の達成を早めることができるメリットがあります。
仮設足場工事・足場施工会社を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて
仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡・株式譲渡は、それぞれ必要な引き継ぎ・手続きが異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
まず株式譲渡ですが、顧客や従業員の引き継ぎを行う必要がないので、株主名簿の書き換えを行うだけで引き継ぎは完了します。
一方の事業譲渡は、権利義務に関して包括承継しないので、事業譲渡で移転する資産や従業員、顧客に関して別途手続きを行わなくてはなりません。
仮設足場工事・足場施工会社の事業承継ポイントまとめ
今回は、仮設足場工事・足場施工会社の事業譲渡・M&Aのポイントを見てきました。仮設足場工事・足場施工会社は業界全体で競争が激化していることもあり、事業譲渡・M&Aも活性化しています。
今後も建設需要は増加することが見込まれているので、仮設足場工事・足場施工会社を取り巻く環境も激変していくことが想定されます。事業譲渡について把握しておくと、いざという時の備えになるでしょう。
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