M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年9月16日更新都道府県別M&A
宮城県の事業承継の動向!東北地方の事業承継案件・事例も紹介
今や全国の中小企業共通の経営課題である事業承継問題について、宮城県を含む東北地方での実態や譲渡案件例を紹介します。事業承継問題は中小企業の経営者1人では解決が難しく、地域の公的な支援が欠かせません。宮城県の公的事業承継支援も解説します。
宮城県・東北地方における事業承継の動向
宮城県・東北地方における事業承継の動向を2つのトピックに分けて解説します。
東北地方の後継者不在率
調査対象となった1万7,289社のうち、後継者がいると答えた企業は7,611社(44.0%)で、一方で後継者が「いない」または「未定」の企業は9,678社(56.0%)でした。
後継者不在率は、2022年の56.7%から0.7ポイント低下し、4年連続で改善傾向が続いています。特にコロナ禍前の2019年と比べて9.3ポイント減少しており、調査開始以来、2023年は最低の不在率を記録しました。しかし、全国平均の後継者不在率は依然として53.9%で、東北地方の改善が遅れていることが指摘されています。
2018年と2023年の後継者状況が比較可能な8,834社を分析した結果、27.4%にあたる2,423社が新たに後継者を決定していました。これには、2018年以降に事業承継を行い、さらに新たな後継者を策定した企業が10.3%、事業承継は行わずとも後継者を新たに選定した企業が17.1%含まれます。
この背景には、地方自治体や地域金融機関が事業承継の相談窓口を全国に広げたこと、M&Aや事業譲渡、ファンドを通じた事業承継の支援体制が整備されたことが挙げられます。こうした取り組みによって、現経営者だけでなく、後継者候補にも事業承継の重要性が広く認識されてきたことが、後継者不在率の低下に寄与していると考えられます。
東北地方の休廃業件数
2023年に東北6県で休業や廃業、解散をした企業(個人事業主含む、以下「休廃業」)は合計3,564件となりました。これは、東北の全企業のうち3.32%が市場から撤退した計算になります。2016年以降で最少だった2022年(3,271件)から9.0%増加し、4年ぶりに前年を上回る結果となりました。
休廃業により影響を受けた雇用(正社員)は少なくとも4,956人で、前年の5,697人から741人減少しました。全員が職を失ったわけではありませんが、約5,000人が転職や退職を余儀なくされたことになります。これによって失われた売上高は合計877億円に達しました。
休廃業した企業のうち、資産が負債を上回る「資産超過型休廃業」は全体の66.6%を占めました。また、直前期の決算で純利益が黒字だった企業は51.0%で、半数以上が黒字での休廃業となっていますが、この割合は前年よりも減少しました。
結果的に、「黒字」かつ「資産超過」での休廃業を行った企業は全体の15.1%で、2016年以降で最も低かった2022年(14.7%)に次ぐ低水準となっています。2023年の休廃業動向では、特に直近の業績が急激に悪化した企業が多かったことが特徴です。
宮城県・東北地方における事業承継の案件一覧
弊社M&A総合研究所が取り扱っている宮城県・東北地方における事業承継の案件一覧をご紹介します。
【東北地方/財務優良】道路舗装工事業
借入なしでキャッシュリッチの財務内容です。特定建設業許可、産業廃棄物収集運搬業許可を保有しています。
エリア | 東北 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 5億5千万円(応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【高収益/無借金経営】東北地方の産業廃棄物収集運搬・中間処理業
産業廃棄物収集運搬から中間処理を一気通貫して対応しており、高い利益率を実現しています。取引先とも長年にわたる信頼関係が構築されており、今後も安定した受注を見込んでいます。
エリア | 東北 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 3億5,000万円(応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【旧型酒類販売業免許保有】東北地方×酒類販売業
EC販売に関しては3,000㎘以上国内販売しているメーカーの商品も扱えます。酒屋への直接販売と、メーカーからの直接仕入れが可能です。
エリア | 東北 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
【東北地方/建設機械の販売・修理・レンタル業】地域密着の業歴50年以上の老舗業者
地域密着で業歴50年以上の実績があり、当地では知名度高い老舗業者です。ベルト、ホース、エンジン、足回り、溶接、法定検査等、自社販売以外の機械・装置でも修理対応が可能です。
エリア | 東北 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
宮城県・東北地方の事業承継事例
宮城県・東北地方の事業承継事例をピックアップしてご紹介します。
エーアンドエーマテリアルによる大昭和ユニボードの事業承継
2024年8月27日、エーアンドエーマテリアルは、大昭和ユニボード(宮城県岩沼市)の株式を日本製紙株式会社(3863)から取得し、子会社化することを決定し、株式譲渡契約を締結しました。
エーアンドエーマテリアルは、建材事業や工業製品事業を展開している企業です。一方、大昭和ユニボードは、低圧メラミン化粧板や建材、家具材の製造・加工・販売を手がけています。
このM&Aの目的は、エーアンドエーマテリアルが持続的成長を目指して事業領域を拡大するため、戦略的M&Aを重要施策として推進している一環です。
今回のM&Aにより、エーアンドエーマテリアルは、グループが持つ全国的な販売網を活用して販売チャネルを拡大し、研究開発部門との連携を通じて新しい製品や技術の開発を進め、事業規模の拡大と相乗効果を目指しています。
キムラタンによるイストグループ3社の事業承継
2024年8月26日、キムラタンは、宮城県仙台市に拠点を置くイスト、ライブ、コネクト(以下、総称して「イストグループ」)の発行済株式をすべて取得し、子会社化することを決定しました。
キムラタンは、不動産事業、ベビー・子供向けアパレル事業、ウェアラブル事業を展開しています。一方、イストグループは、個人向けの不動産販売をはじめ、リフォーム工事や不動産賃貸事業を手がけています。
このM&Aの目的は、イストグループの不動産賃貸収入や販売収入を通じて収益を拡大し、キムラタングループ全体の収益力を高めることです。また、事業領域を広げることで、多様な不動産ビジネスの展開を目指しています。
SRSホールディングスによるアミノの事業承継
2024年5月28日、SRSホールディングスは、取締役会でアミノ(宮城県仙台市)の全株式を取得し、子会社化することを決定し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。
SRSグループは、「和食さと」「天丼・天ぷら本舗さん天」「にぎり長次郎」など、和食を中心とした外食ブランドを運営しており、令和6年4月時点で国内に737店舗、海外に24店舗を展開しています。
一方、アミノは、グルメ寿司チェーン「うまい鮨勘」などを東北地域を中心に国内31店舗、海外に2店舗展開しており、顧客から高い支持を得ています。
株式取得の目的として、アミノが自動配膳や非接触サービスの導入など、時代に合わせた新業態開発を積極的に進めており、SRSグループの事業と親和性があることが挙げられます。
SRSグループは、この買収により、未進出の地域での事業基盤の確立、双方の仕入れや店舗運営のノウハウ、マーケティングやDX施策の共有によって、コスト削減や既存事業の強化を期待しています。
また、SRSグループの資金力や店舗開発力を活かし、アミノのさらなる出店加速によるシナジー効果も見込まれ、グループ全体の中期経営計画の達成に大きく寄与すると見込まれています。
宮城県の公的事業承継支援
事業承継問題をその会社個別の経営課題として放置すると、廃業が相次ぎ日本経済を根底から揺るがすことになると危惧した国と自治体は、数年前から公的な事業承継支援事業を始めました。基本的には、都道府県ごとに独自の事業承継ネットワーク体制が取られています。
宮城県の事業承継ネットワーク体制の詳細と、そこで行われている事業承継支援事例について見てみましょう。
宮城県事業承継ネットワーク
宮城県の場合、事業承継ネットワークは全109機関で構成されています。以下にその全てを掲示します。
【国・県等関係機関】
- 経済産業省東北経済産業局産業部
- 財務省東北財務局理財部金融調整官
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構東北本部
- 宮城県経済商工観光部中小企業支援室
- 公益財団法人みやぎ産業振興機構
- 公益財団法人仙台市産業振興事業団
- 宮城県事業承継・引継ぎ支援センター(中小企業庁委託事業)
- 宮城県中小企業再生支援協議会
- 宮城県よろず支援拠点
- 宮城県内全35市町村
【商工団体】
- 宮城県商工会連合会
- 宮城県中小企業団体中央会
- 宮城県内商工会議所(全6所)
- 宮城県内商工会(全33会)
【金融機関および保証協会】
- 七十七銀行
- 仙台銀行
- 杜の都信用金庫
- 宮城第一信用金庫
- 石巻信用金庫
- 仙南信用金庫
- 気仙沼信用金庫
- 石巻商工信用組合
- 古川信用組合
- 仙北信用組合
- 日本政策金融公庫仙台支店
- 商工組合中央金庫仙台支店
- 宮城県信用保証協会
【士業関係団体】
- 日本公認会計士協会東北会宮城県会
- 東北税理士会宮城県支部連合会
- 仙台弁護士会
- 一般社団法人宮城県中小企業診断協会
【同業団体・支援団体】
- 一般社団法人宮城県自動車整備商工組合
- 宮城仙台青果商業協同組合
- 協同組合仙台卸商センター
- 宮城県電機商業組合
- 一般社団法人宮城県建設業協会
- 宮城県電気工事工業組合
- 東京中小企業投資育成株式会社
基本的には、各市町村や商工団体、金融機関などが最前線の窓口となり、宮城県よろず支援拠点と宮城県事業承継ネットワーク事務局を兼ねるみやぎ産業振興機構が連携を取って全情報を集約し、個別に適切な事業承継支援対応を行う体制となっています。
宮城県事業承継ネットワーク事例
宮城県事業承継ネットワークの構成機関が、それぞれ独自に行っている事業承継支援の実例について代表的なものをいくつか取り上げ紹介します。
宮城県事業承継・引継ぎ支援センター
事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業庁からの委託事業として都道府県ごとに設置されています。運営主体がどこになるかも含めての委託事業です。宮城県の場合は、みやぎ産業振興機構が運営しています。
宮城県事業承継・引継ぎ支援センターの主たる役割は、全国の事業承継・引継ぎ支援センターとも情報共有し、宮城県内でM&Aによる事業承継を希望する会社に対して、そのマッチング支援を行うことです。
七十七銀行とみやぎ産業振興機構
2019年6月、七十七銀行とみやぎ産業振興機構は、M&Aによる事業承継仲介サイトを運営している東京のバトンズと連携協定を締結しています。バトンズとの情報共有によって、M&Aでの事業承継を目指す宮城県内の企業に、よりマッチングの選択肢を増やせるようにする方針です。
仙台市独自の公的事業承継支援
仙台市には、市固有の公益財団法人仙台市産業振興事業団があり、独自施策を行う環境が整っています。市独自の公的事業承継支援施策としてまず挙げられるのは、中小企業のための事業承継情報サイト「せんだい事業承継ナビ」の運営です。
また、仙台商工会議所には事業承継・引継ぎ支援センターが設置されており、宮城県内でも企業数が集中している仙台市において、支援漏れが出ないように対策されています。さらに、仙台市による事業承継無料相談の実施など、二重三重の支援体制構築に余念がありません。
宮城県・東北地方の事業承継まとめ
宮城県で事業承継に困ったとしても、宮城県事業承継ネットワークを活用すれば道は拓ける可能性があることがわかりました。国が用意している事業承継税制や補助金、その他の特例措置などもたくさんあります。
それらを全て上手に活用するためにも、宮城県事業承継ネットワーク各機関への相談はどんどん積極的に行いましょう。
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