M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2021年12月23日更新都道府県別M&A
長野県の事業承継とは?
長野県を含めた日本全国で、後継者難により廃業危機にある中小企業が増加中です。本記事では、長野県の事業承継の実態を考察するとともに、事業承継の種類、事業承継の流れや進め方、そして、M&Aを活用した事業承継について解説します。
長野県における事業承継とは
長野県内の企業における意識調査で、事業承継は経営上の問題としているのは76.0%と高い水準を示していますが、その反面事業承継の計画を進めているとしている経営者は28.4%にとどまっており、事業承継への対応が遅れていることを示しています。
また、後継者がいると答えているのは34.8%となっており、後継者は不在としているのは64.9%と全体の3分の2に迫る推移となっています。 中小企業の経営者の年齢別でみても、60歳代で後継者が不在としているのは51.7%で、70歳代では38.3%となっています。
日本全体が高齢化となっており、長野県内の中小企業でも経営者の高齢化が進み、後継者が不在の会社が多いことが分かります。 後継者候補としているのは子供が49.4%とほぼ半数を占めており、親族が19.2%、配偶者は2.4%となり、同族を後継者としているが全体の71.1%になります。
非同族を後継者としているのは28.9%を推移しており、社内の内部昇格によって親族ではない人材が事業承継してする場合もあります。 長野県内の経営者の平均年齢は60.4歳で、前年よりも0.3歳上昇しています。
全国的に見ても9番目に高い平均年齢で、会社の規模が小さくなるほど経営者の年齢が高くなる傾向があります。 このような中で、事業承継については準備が整っていない会社が多く、その理由には後継者がいないという問題もあります。
事業承継には、親族に承継する親族内承継と従業員や役員が承継する親族外承継、外部の会社とのM&Aの方法がありますが、長野県内のM&Aの売り手側が14件、買い手側が5件となっています。 この件数は、すべてが事業承継によるものではないので、事業承継におけるM&Aとなると、件数が減ることが予測できます。
事業承継が経営上の問題と認識する会社が76.0%としているものの、計画があって進めている会社は28.4%にとどまり、計画はあるが進めていないとしている会社は20.0%を占めています。
また、すでに事業承継を終えていると回答しているのは16.9%となっており、会社の経営上で事業承継が経営上の問題としていても、計画がないと答えているには55.9%と半分以上の会社が何も計画をしていないことになります。
事業承継の計画を進めていない、計画がないと回答した経営者に理由を問うアンケートを行うと、後継者が決まっていないが45.7%となっており、事業承継の計画を勧めたくても、後継者不在で進められないという状況がうかがえます。
事業承継の流れや進め方
事業承継は、短期間で実施できるものではないので、綿密な計画を立てて実施するのが一般的です。 会社経営者の急死などに伴って、急いで事業承継をしなければならない場合もありますが、通常は現経営者が引退の時期を決めて、後継者に会社を引き継ぐことになります。
事業承継の流れは、現経営者が現在に会社の状況を把握して、伸ばしていきたいところと改善したいところを精査する作業をします。 現状の把握ができていないのに、後継者に承継されても後継者が新経営者として着任しても、いろいろな雑務に追われることになり、事業が立ち行かなくなる場合もあります。
どのようなことから始めればよいのか、分からない時は中小企業庁の事業承継ガイドラインを参考にすると良いでしょう。 事業承継の準備期間には、後継者の教育も含めると10年前後かかるとされています。
まずは、事業承継の構成要素を認識しておくと良いでしょう。 事業承継は、人(経営)の承継、資産の承継、知的資産の承継の3つが柱となります。 人(経営)は、経営者の交代のことを表しており、現経営者から後継者への承継になります。
資産の承継は、株式、事業用資産(設備や不動産など)、資金(運転資金や借入など)を表し、知的資産の承継は経営理念、従業員の技術や技能、ノウハウ、経営者に信用、取引先との人脈、知的財産権(特許など)、許認可などになります。
これらすべてにおいて、現経営者が精査をして引き継いで欲しいものとそうでないものに分類していきます。 まずは、事業承継をどのような形で実施するか検討する必要があります。
経営者の子供や兄弟、同族の中に後継者候補となれる人材がいるか、判別しなければなりません。 親族の中に適任の後継者がいない場合は、社内の役員や従業員の中に後継者候補になれる人材がいるか調査する必要があります。
この場合は、入社したばかりの従業員が突然、後継者として任命されても受け入れらない場合もあるので、このような場合は順次昇格をしていき、将来の後継者候補となってもらう必要があります。
親族や社内にも後継者候補がいない場合は、外部の会社や個人に事業承継をする必要があります。 この場合は、M&Aを実施することで事業承継が可能になるので、M&A仲介会社の選定をすることになります。
どのような方向性で事業承継をするかほぼ決まったところで、事業承継に向けた準備を進めていきます。 現経営者の年齢が60歳を迎えた頃に、準備の必要性を認識して準備に取り掛かるようにしましょう。
事業承継は、会社の様々な事柄について承継する準備があるので、公認会計士や税理士などに相談しても良いですし、経営コンサルタントやフィナンシャルプランナーに相談する方法もあります。
知的財産や許認可の問題では、弁護士の知識が必要になる場合もあるので、弁護士に相談しても良いでしょう。 様々な事業承継の問題にアドバイスを実施している事業承継を専門にしているコンサルティング会社もあります。 コンサルティング会社に相談をして、事業承継の準備を始めても良いでしょう。
事業承継は、経営者自身のプライベートな部分に範囲が及ぶ場合もあるので、分かるように整理しておく必要があります。 準備を始めたら、会社の経営状況と経営課題の把握をします。 これを「会社の見える化」と言い表すこともあります。
会社の現状を見える化をして、伸ばしていきたいところと改善が必要なところを精査していきます。 範囲は、財務や税務、不動産、知的資産など、目に見えるものだけでなく許認可の有無や特許などの目に見えないものもしっかりと見える化をします。
見える化を進めていくと、経営上の改善点なども分かるようになります。 見える化を実施した後は、経営改善できる点を改善していきます。 これを「会社の磨き上げ」と言い、後継者に会社を引き継ぐ時に改善点を少なくすることを意味しています。
会社の磨き上げには、業績の改善やコストの削減、商品やブランド力の向上、優良な顧客や金融機関、取引先との優良な関係、優秀な人材の確保や流出を防ぐなどの従業員の雇用を守るための対策、ノウハウや業務上のノウハウ、法令遵守など様々な点において、磨き上げをしておく必要があります。
これを実行するには、会計士や税理士、弁護士などの協力が必要になる場合があります。 会社の磨き上げを実施したら、具体的な事業承継計画の策定をします。 事業承継計画に策定には、中小企業庁の事業承継ガイドラインの巻末に、計画書の様式例があるので、それを参考にして計画を策定すると良いでしょう。
事業承継が実行されるまでに、10年を目安に考え無理にない期間で実行できるように計画を策定します。 事業承継の計画の策定ができれば、あとは事業承継の実行に向けて計画通りに進めていけばよいのです。
事業承継が計画通りに進み、実行できた後は後継者に会社を任せて事業の成長や発展を見守るようにします。
事業承継の方法
事業承継の方法は、親族に承継する親族内承継と従業員や会社役員に承継する従業員承継(親族外承継)のほかに、第三者にM&Aをする方法があります。
親族内承継は、現経営者の子供や兄弟、配偶者などの親族を後継者とする方法で、従業員や取引先、取引金融機関にも理解されやすい事業承継のやり方です。 しかし、親族の中に適任の後継者がいるとは限らないので、現経営者が親族内承継を望んでも叶わない場合もあります。
また、親族内承継の場合は現経営者との血縁関係があるので、贈与や相続と言った面から見ても、贈与税と相続税の対策をすればやりやすいと言えます。 後継者が親族である場合は、ほかの親族の理解もなければ難しくなることもあります。
経営者の子供が1人ではなく、複数いる場合などに後継者だけに財産が行くように思われることもあり、ほかの親族にも配慮しておく必要があります。 後継者とした現経営者の子供についても、しっかりと事業を承継することを理解させて、教育をする必要があります。
経営者としての教育は、社内教育と社外教育があり、社内教育では自社の社員として迎え入れて、事業内容や経営理念、方針などを教育して経営者としての資質を高めるようにします。
社外教育は、同業種の会社に入社させて業界での仕事の仕方なども学ばせて、一定期間社外教育をしてから自社に迎え入れる方法です。 いずれの方法でも後継者としての教育は十分にできるでしょう。
従業員承継は、親族外承継とも言います。 自社の従業員や役員の中から内部昇格と言う形で承継することが多いようです。 親族内承継を望んでも、適任の後継者がいない場合に会社の従業員の中から適任の後継者を選定して、後継者候補とします。
もともと社内で仕事をしていたので、会社の理念や方針、事業内容は十分に理解しているので、あとは経営者としての資質を向上させることがポイントなります。
従業員承継で懸念されるのは、会社の株式の買い取りの時に資金不足になる可能性が高いということです。 中小企業の場合は、経営者がほとんどの株式を保有しており、議決権を得るために後継者に株式を譲り渡すことになります。
資金の調達の方法は、金融機関からの借り入れや後継者となる従業員の報酬をあげて資金を確保させる方法が一般的です。
また、後継者を従業員や役員の中から選ぶことで、現経営者の親族から不満が出るなどの懸念材料があります。従業員や役員の中から後継者を選ぶことを親族にも十分に理解するように話をしておく必要があります。
次に、M&Aによる事業承継は、会社を売却して新たな経営者を迎えることになります。 M&Aは、買収した会社の子会社となる方法や株式譲渡によって経営者が交代する方法があり、そのほかにも事業だけを譲渡して株式は現経営者が保有し続ける方法もあります。
M&Aを活用した事業承継
M&Aを活用した事業承継は、近年、国も推し進める事業承継の方法の一つです。 長野県に限らず、全国的に中小企業の後継者不足は慢性的な問題として取り上げられることが多く、これまでは経営者が引退の時期を迎えると、会社の存続か廃業かの選択しかありませんでしたが、M&Aと言う方法を選択すれば会社の存続が可能になるということが周知され始めています。
M&Aは、会社の合併と買収を意味していますが、中小企業の場合は買収を指すことが一般的です。 M&Aは大企業が事業再建や事業拡大を狙って、実施されてきた手法ですが、中小企業では事業承継の方法のひとつでもあるのです。
M&Aによる事業承継を選択した場合は、M&A仲介会社に選定をします。 M&Aは、経営者自身で実施することもできますが、希望条件に合った買収先を探すことや財務、税務、法律なども関わってくるので、経営者だけの力では及ばない面もあります。
このような場合に、M&A仲介会社に仲介を依頼して、様々な手続きや書類の作成などのサポートを受けるとM&Aがスムーズに実施できます。 後継者がいないという問題も解決できますし、会社を売却すれば収益を得ることもできます。
会社を売却することは「身売りをするようで嫌だ」と考える経営者も多いですが、M&Aによって得られるものも多くあります。 会社が存続して、従業員の雇用が守られる状況を作ることもできます。
マイナスのイメージが先行しますが、後継者がいない場合や事業再建などを検討している時は、M&Aを選択して事業承継する方法もあります。
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まとめ
長野県では、中小企業の高齢化が顕著に表れており、廃業を選択する会社も目立ちます。 このまま中小企業の廃業が増加していくと、長野県内の経済にも影響を与える可能性があるでしょう。
そのような中で、中小企業に経営者は会社が順調で黒字であるなら、事業承継の方法を親族内承継だけでなく、親族外承継やM&Aを視野に入れて検討すべき時期が来ているといってよいでしょう。
国も、中小企業の事業承継は今後の経済にも影響があるものと考えており、事業承継を成功させることが重要としています。 後継者がいない場合は、親族外承継またはM&Aを選択するなどの方法があります。
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