M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年9月20日更新都道府県別M&A
青森県のM&A・会社売却の動向は?案件探しの注意点や案件一覧も紹介!
本記事では、青森県でのM&A・会社売却・事業承継の動向から案件の探し方、案件一覧から事例まで紹介します。青森県では中小企業の休業・解散件数が2019年に最多になり、打開策としてM&Aによる事業承継が盛んです。M&Aを検討中の方は必見です。
目次
青森県のM&A・会社売却・事業承継の動向
帝国データバンクの「青森県企業『休廃業・解散』動向調査(2023年)」によると、2023(令和5)年に青森県で休廃業・解散した中小企業は524社でした。前年より増加しています。
増加の理由は、コロナ禍が終わりを迎える中、物価高や人手不足なども目立ち、中小企業の収益環境が圧迫されているためです。気になる情報としては、休廃業・解散した企業の49.0%が、当期純利益が黒字でした。
これだけの数の企業が影響を受けるのは、青森県にとって一大事です。そこで、青森県では、後継者不足問題解決のために、M&Aによる事業承継のPRを盛んに行っています。
青森県事業承継・引継ぎ支援センターや商工会・商工会議所、金融機関などが事業承継セミナーを開催したり、青森県知事自らが事業承継を訴えるCMを放送するなど、官民あげての取り組みが行われているのです。
青森県の事業承継については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
青森県でのM&A案件の探し方3選
青森県でM&A案件を探す方法としては、以下の3種類があります。
- M&A仲介会社に依頼する
- 公的機関に仲介してもらう
- M&Aマッチングサイトを利用して自分でM&A案件を見つける
これらの探し方について、そのメリット・デメリットを確認しておきましょう。
M&A仲介会社を利用するメリット・デメリット
青森県でのM&A案件探しでM&A仲介会社を利用するメリットは以下のとおりです。
- 管理案件が多いので、希望する内容の案件を見つけやすい
- M&A案件探しだけでなく仲介まで一貫して依頼できる
- 公認会計士や弁護士などの専門的なアドバイスを受けられる
仲介業者によっては異なりますが、M&A仲介会社を通して案件探しを行うことによって、多くのメリットが得られます。しかしながら、M&A仲介会社にもデメリットはあります。
- M&A仲介会社によって手数料が異なるため、高額な費用がかかる場合がある
- M&A仲介会社によってはクロージングまで何ヶ月もかかってしまう
上記のデメリットはかなりのマイナスとなりますから、M&A仲介会社を選ぶ際には多くのM&A仲介会社の情報を確認し、納得できる会社に依頼する必要があります。
公的機関を利用するメリット・デメリット
青森県で公的機関を利用してM&A案件を探す際のメリットは以下のとおりです。
- 地域に特化した機関のため、独自の案件を管理している場合がある
青森県の公的機関では、後継者のいない中小企業が事業承継の相談に来ているので、民間のM&A仲介会社とは違った案件情報を持っている可能性があるのです。一方、公的機関を利用してM&A案件を探す場合、以下のよなデメリットもあります。
- M&A仲介会社に比べ管理案件が少ない
- M&Aの仲介業務は行ってもらえないため、仲介はM&A仲介会社に依頼する必要がある
公的機関を利用してM&A案件を探せても、最終的にはM&A仲介会社を利用することになると、二重の手間がかかってしまいます。
M&Aマッチングサイトを利用するメリット・デメリット
青森県のM&A案件探しにおいてM&Aマッチングサイトを活用すると、場所や時間帯などを気にせずにいつでもどこでも手軽にM&A案件を探せる点がメリットです。また、ほとんどのマッチングサイトでは、情報収集だけなら無料で利用できます。
不安点としては、売買交渉や手続き、契約書の作成などは全て当事者間で行わなければなりません。そのため、交渉が失敗に終わる可能性もあります。ただし、別途、手数料を支払えばM&A仲介会社に業務依頼可能です。
青森県のM&A・会社売却・事業承継に関する公的機関4選
青森県でM&A・会社売却・事業承継の相談や支援依頼が可能な公的機関として、以下の4つが代表的です。それぞれの概要を記します。
- 青森県事業承継・引継ぎ支援センター
- 青森県よろず支援拠点
- 青森県商工会議所連合会
- 青森県信用保証協会
①青森県事業承継・引継ぎ支援センター
青森県事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業庁の委託事業として設置されている公的機関です。全国の都道府県ごとに設置されています。従来は、青森県事業引継ぎ支援センターと青森県事業承継ネットワークの2機関がありましたが、2021(令和3)年4月に統合されました。
青森県事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業の事業承継の総合相談窓口として、公益財団法人21あおもり産業総合支援センターの中に事務局が開設されています。
②青森県よろず支援拠点
青森県よろず支援拠点は、国が全国に設置した中小企業・小規模事業者のための経営相談所です。2022(令和4)年1月現在で8名のコーディネーター(専門相談員)が在籍しています。
セミナーや出張相談会なども行っており、M&A・会社売却・事業承継も含めた経営全般の相談が可能です。
③青森県商工会議所連合会
青森県商工会議所連合会とは、商工会議所法に基づき、事業経営者を中心として運営される地域総合経済団体です。
会員である商工業者や中小企業者への経営支援を行っており、M&A・会社売却・事業承継の相談もできます。
④青森県信用保証協会
青森県信用保証協会とは、信用保証協会法に基づいて設立された公的保証機関のことです。中小企業が金融機関から借入を行う際に、公的な保証人となる業務を行っています。
各支所において経営相談・支援業務も行っているので、M&A・会社売却・事業承継の相談も可能です。
青森県近郊のM&A・譲渡案件一覧
ここでは、青森県近郊のM&A・譲渡希望案件情報の一部を公開します。
- 【東北地方/主要ターミナルからのアクセス抜群】土地自社保有のゴルフ場
- 【東北地方/財務優良】道路舗装工事業
- 【高収益/無借金経営】東北地方の産業廃棄物収集運搬・中間処理業
【東北地方/主要ターミナルからのアクセス抜群】土地自社保有のゴルフ場
まずは18ホールのゴルフ場運営です。高級クラブとしてのコースをリーズナブルな価格でプレイ可能で、主要ターミナルからのアクセスが抜群です。また、土地、建物を自社保有しています。
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
売却希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望理由 | 戦略の見直し |
【東北地方/財務優良】道路舗装工事業
続いては主に舗装工事業、土木事業、特殊工事業を営む企業です。長年の業歴から官公庁や民間企業からの受託をメインとしています。橋面舗装や一般道路舗装を手掛けており高い技術力を有しています。
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
売却希望額 | 5億5千万円(応相談) |
譲渡希望理由 | 後継者不在(事業承継) |
【高収益/無借金経営】東北地方の産業廃棄物収集運搬・中間処理業
こちらは、産業廃棄物収集運搬・中間処理業です。産業廃棄物収集運搬~中間処理を一気通貫して対応しており、高い利益率を実現しています。取引先とも長年にわたる信頼関係が構築されており、今後も安定した受注を見込んでいます。
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
売却希望額 | 3億5,000万円(応相談) |
譲渡希望理由 | 後継者不在(事業承継) |
東北のM&A・会社売却・事業承継の情報については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
青森県のM&Aの事例2選
ここでは、実際に青森県の企業が関わったM&A事例を紹介します。
- エレベーター・メンテナンス事業のM&A( ジャパンエレベーターサービスホールディングス×コスモジャパン)
- 薬局のM&A(ウエルシアホールディングス×丸大サクラヰ薬局)
エレベーター・メンテナンス事業のM&A(ジャパンエレベーターサービスホールディングス×コスモジャパン)
2020年10月、東京都中央区のジャパンエレベーターサービスホールディングスは、青森県八戸市のコスモジャパンの全株式を取得し完全子会社化しました。なお、取得価額は公表されていません。
ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、エレベーターのメンテナンス・リニューアル事業を行うグループの持株会社です。コスモジャパンは、青森県・山形県・宮城県・岩手県でエレベーターのメンテナンス事業を行っています。
ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、未展開だった東北地区への進出と、グループ全体でのシナジー効果創出を目的として本M&Aへ至りました。
薬局のM&A(ウエルシアホールディングス×丸大サクラヰ薬局)
2017(平成29)年6月、東京都千代田区のウエルシアホールディングスは、青森県青森市の丸大サクラヰ薬局の全株式を取得し完全子会社化しました。丸大サクラヰ薬局は青森県を中心に、ドラッグストアを67店舗、調剤薬局を8店舗運営する企業です。
ウエルシアホールディングスとしては、丸大サクラヰ薬局を東北地方における薬局事業の基盤として、店舗体制を拡充していくとしています。
青森県のM&A・会社売却・事業承継のまとめ
青森県では、これ以上、後継者不足による休廃業・解散が進行しないために、M&Aによる事業承継の啓蒙活動を盛んに行っています。その成果は徐々に表れてきており、公的機関の支援やM&A仲介会社の利用環境も整ってきました。
M&Aを行う際は、どの公的機関に相談するか、どのM&A仲介会社を起用するかがポイントのひとつです。早い段階からM&A・事業承継に関する情報収集しておくと、いざというときにも役立ちます。
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