M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2023年5月14日更新業種別M&A
食品メーカー・食品会社におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法や費用の相場を10の事例から解説
食品メーカー・食品会社のM&Aは、買い手や売り手によってM&Aを選択する目的が異なります。メリット・デメリットをしっかり判断したうえでM&Aを選択しましょう。今回の記事では事例も合わせて、食品メーカー・食品会社におけるM&Aについてや10の事例を徹底解説していきます。
目次
食品メーカー・食品会社とは
近年、多種多様な業界の企業でM&Aの活発化が見られますが、食品メーカー・食品会社も例外ではありません。M&Aは後継者不足問題の解決、経営基盤の強化や事業領域の拡大、さらには優秀な人材の確保など、いろいろなメリットがあります。
食品メーカー・食品会社は、近年の円安基調、消費者のニーズの多様化など、さまざまな動向への対応が迫られています。これらの問題を解決するための手法として、M&Aを積極的に活用する動きが見られているのです。
そのような食品メーカー・食品会社のM&Aについて、今回の記事では動向や相場、メリットまで詳しく解説していきます。それでははじめに、業界の特徴や動向を理解しておきましょう。
食品メーカー・食品会社の特徴
まず、食品メーカー・食品会社の正確な定義を確認しておきましょう。総務省の「日本標準産業分類」によると、食品メーカー・食品会社は製造業の中にある「食料品製造業」という分類に含まれます。
「食料品製造業」が製造するものは、以下の通りです。
- 畜産食料品,水産食料品など
- 野菜缶詰,果実缶詰,農産保存食料品など
- 調味料,糖類,動植物油脂など
- 精穀,製粉及びでんぷん,ふくらし粉,イースト,こうじ,麦芽など
- パン,菓子,めん類,豆腐,油揚げ,冷凍調理食品,そう(惣)菜など
清涼飲料、酒類、茶、コーヒー、氷、たばこ、飼料、有機質肥料の製造は「飲料・たばこ・飼料製造業」に分類されるため、食料品製造業に含まれていません。また、食料品製造業は、素材型と加工型に分けて考えます。
素材型は加工部門への原料供給を行い、加工型は仕入れた原料で加工品を製造して需要者に供給します。それでは、素材型と加工型について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
素材型
素材型には製糖、製粉、製油などがあり、飼料も素材として供給する場合は素材型に含まれます。素材型は商品の差異化が難しく、成長率の減少も見られましたが、同業種によるM&Aが活発化して業界再編が進んでいます。
加工型
加工型には、パン・菓子、めん類、冷凍食品などがあり、さらに飼料も加工品として考えると含まれます。需要者に供給する形になるので、食品小売市場の動向が影響します。
食品メーカー・食品会社の動向
農林水産省が実施する平成29年度の「食品産業動態調査」によると、平成30年の食品製造業の生産額指数は対前年比0.6%減となり、ほぼ横ばいで推移しています。また、平成29年度の食品製造業の売上高は44兆9,000億円となり、平成25年度から増加傾向でしたが、昨年度の数値と比べると横ばいです。
参考URL:農林水産省「平成30年度 食品産業動態調査」
さらに、食品製造業の製造品出荷額等は平成28年で34兆7,000億円となり、前年並みです。また、これらの数値を見ると業界規模としては堅調に推移していますが、業界では下記のような傾向が見られます。
- 国内市場の縮小傾向
- 価格変動の傾向
- ニーズの多様化と安全性に対する意識
①国内市場の縮小傾向
堅調に回復している傾向にある食品製造業ですが、一方で、国内市場としては縮小傾向です。例えば、少子高齢化や食料品の価格下落などが、国内市場が縮小している原因としてしばしば挙げられます。
少子高齢化は結果的に人口減少を招くと同時に、需要もますます減少して供給過多の状況が加速します。その結果、食品業界に限らず経済が縮小するおそれがあり、国内での供給過多が深刻化することが考えられるでしょう。
また、近年は消費者の節約志向や所得水準の低下傾向などが進み、価格競争が激化しています。デフレから完全に脱却したとは言えない状況で、価格競争の激化でさらに価格が下落すれば、国内市場の縮小の原因にもなります。
②価格変動の傾向
最近は海外市場での原料価格の上昇などが原因で、値上げの傾向が見られます。その中で食品メーカー・食品会社は、取り扱う原材料を輸入に頼っている状況のため、為替動向が大きく影響してしまいます。
近年は円安基調で推移しているため、原料価格が上昇傾向にあり、輸入による原材料が多く含まれる製品は値上げによって対処する必要があります。しかし、もともと価格競争が厳しいので値上げが難しい状況です。
価格変動への対処は、食品メーカー・食品会社における大きな課題の1つとなっています。このような状況では、競争力を高めるためにM&Aを活用するケースもあります。
③ニーズの多様化と安全性に対する意識
近年の健康食品ブームなど、消費者のニーズもますます多様化しています。このようなニーズの動向も踏まえて事業戦略を練る必要がありますが、近年では特に食品の安全性に対する意識が高い傾向にあります。
食品の表示偽装問題なども原因となり、これまで以上に消費者が食品の安全性を意識しています。そして、食品の安全性が確保できるかどうかは、食品メーカー・食品会社の存続にかかわる重要な問題です。
安全性に問題があって事故が起きれば、社会的な信頼を失ってしまいます。安全性に対するニーズの高まりを意識し、これまで以上に安全性に対する取り組みが求められるのです。
そのために、設備費やメンテナンス費用が以前より増加する傾向にありますが、ここは食品メーカー・食品会社として避けては通れません。また、安全性に関連し、「食品トレーサビリティ」という方法が注目されています。
食品トレーサビリティとは
食品トレーサビリティとは、生産から加工、流通の段階において、食品の移動を把握することです。それぞれの段階で入荷と出荷の記録が保存され、事故が発生した場合には、それらの記録から事故の原因を迅速に発見できます。
健康被害を拡大しないためにも、食品トレーサビリティは重要なシステムです。また、牛・牛肉、米・米加工品については、食品トレーサビリティの取組みが義務化されています。
食品メーカー・食品会社のM&Aの現状と動向
食品メーカー・食品会社のM&Aの現状と動向は、素材型と加工型に分けて考えるとわかりやすいです。また、食品メーカー・食品会社では、多角化を目指すための同業他社の買収が活発化しています。
特に素材型の企業にこの傾向が顕著です。先ほども少し触れましたが素材型の場合、商品の差異化が難しい傾向があり、商品において差異化が難しいため加工部門への原料供給の規模を広げることが必要です。
そのことも踏まえながら、食品メーカー・食品会社のM&Aの現状と動向を一覧で紹介していきます。まず、近年における食品メーカー・食品会社のM&Aとしては、以下のような傾向が見られます。
- 事業拡大を目的としたM&A
- 海外進出を目的としたM&A
- 新規参入を目的としたM&A
- 多様化するニーズに対するM&A
①事業拡大を目的としたM&A
同業者同士のM&Aによって経営基盤の強化や事業領域の拡大を図り、サービス範囲を拡大できます。特に素材型の場合、近年のコスト高の影響による同業種のM&Aが活発化しており、業界再編が進んでいます。
原料価格の高騰が起こり値上げの必要性が高まっても、競争力の激化などが原因で値上げができないというケースは多くあります。また、加工メーカーから値下げの圧力がかかる場合もあり、コスト削減や価格交渉力の向上などを目的としたM&Aが増加しています。
同業者同士がM&Aを行うことで、それぞれの強みやノウハウを取り入れ、競争激化に対応することができるメリットもあります。今後はさらに競争が激化する可能性もあるため、為替動向の影響も踏まえた価格戦略が重要な課題となってきます。
価格戦略に伴い、サービスの質の向上はもちろん大切です。シナジー効果を生み出せる同業者同士が統合することで、効率的に競争力を上げるという手法は効果的と言えるでしょう。
②海外進出を目的としたM&A
加工型の場合は、海外進出としてM&Aを活用するケースが増加傾向にあります。このケースは先にも説明した国内市場の縮小や競争の激化によるもので、海外進出を図る食品メーカー・食品会社が多く見られるのです。
③新規参入を目的としたM&A
異業種からの新規参入の事例も、今後は増加傾向にあると言えるでしょう。健康食品ブームによって、異業種の企業が健康食品の製造会社を買収するといったケースなど、今後は増えるものと考えられるからです。
また、後継者不足や財務基盤で問題を抱えている食品メーカー・食品会社であれば、資金力のある企業への売却を検討することもあるでしょう。そこで、資金力のある異業種の企業が名乗り出る可能性は十分にあります。
④多様化するニーズに対するM&A
多様化するニーズへの対応としても、M&Aは効果的です。同業者同士のM&Aでも同様ですが、あるニーズに対して自社に強みがない場合、その分野に特化した企業を買収することは大きなメリットがあります。
食品メーカー・食品会社といっても特化している分野は異なるので、多角化を目指すためにも同業他社の買収は大きな効果があるのです。また、先にも説明した安全性に対する意識の高まりに対応するためにも、M&Aを活用できます。
安全性に関して確かなノウハウを持つ企業の買収や、安全性に定評のある企業の傘下に入るといった手法により、安全性の確保はつながるのです。
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食品メーカー・食品会社のM&Aの相場と費用
食品メーカー・食品会社のM&Aは、同業者同士のM&Aのほか、海外進出のためのM&Aの事例もあります。経営基盤の強化や事業領域の拡大、さらには優秀な人材の確保などさまざまなメリットがありますが、何を目的とするかでM&Aの規模は大きく異なります。
そのため、M&Aの相場や費用は、目的が似ている事例をもとに検討する必要があります。現時点では同業者同士のM&Aや、海外進出のためのM&Aが代表的となるので、これらの事例をもとに相場や費用を考えられるのです。
一方で、今後は異業種からの新規参入の増加も見込まれます。M&Aの事例が多様化すれば、相場と費用を一概に把握することは困難になるため、似た事例を重点的に分析して相場と費用を検討することが何より必要と言えます。
M&Aをお考えの場合は、ぜひ一度M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、M&Aをフルサポートいたします。
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食品メーカー・食品会社の買収とは?買収側のメリット
それでは具体的に、食品メーカー・食品会社のM&Aでどのようなメリットがあるのか考えていきましょう。はじめに、食品メーカー・食品会社の買収側のメリットについて以下に紹介していきます。
- 事業の拡大
- 競争力の強化
①事業の拡大
同業者による買収の場合、事業領域を拡大できることが1つのメリットです。例えば、買収対象となる食品メーカー・食品会社が特定の地域に特化していれば、その会社の買収によって事業領域を拡大できます。
②競争力の強化
価格戦略やサービスの質の向上のために同業者を買収することで、競争激化に備えられるというメリットが考えられます。買収対象となる食品メーカー・食品会社のノウハウを得ることにより、自社の競争力の向上を図ることができるのです。
今後は、異業種からの新規参入の増加も見込まれます。今後ますます激化していくことが予想される業界内で、食品メーカー・食品会社同士がM&Aによって協力することは、競争力の強化として大きなメリットです。
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食品メーカー・食品会社の売却とは?売却側のメリット
ここまでは食品メーカー・食品会社のM&Aにおける買収側のメリットを紹介してきましたが、一方で売却側にはどのようなメリットがあるのでしょうか?以下に、売却側のメリットを挙げました。
- 後継者不足問題の解決
- 経営基盤の安定化
- 従業員の雇用の維持
特に中小規模の食品メーカー・食品会社は、後継者不足や財務基盤において問題を抱えているケースが多いですが、売却によってこれらの問題の解決を図れます。同業者からの買収を狙うケースのほか、異業種の企業からの買収を狙うのも選択肢の1つです。
短期間で資金面を安定させたい場合には、異業種でも資金力のある企業に売却できます。新規参入を検討している企業にとって魅力的な商品やサービスを展開していれば、経済効果の高い売却を目指すことは十分に可能です。
多様化するニーズの傾向を踏まえ、自社の強みを固めておくことが大切といえます。せっかく良質なサービスを提供しているのであれば、企業としては後継者不足などの問題を解決し、何とか事業を継続することを考えることでしょう。
そのために、M&Aによる売却は効果的な方法です。また、良質なサービスを提供する食品メーカー・食品会社が事業を継続できれば、その企業だけでなく食品業界全体の発展にもつながります。
食品メーカー・食品会社のM&Aをご検討の際には、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には、専門的な知識を持った経験豊富なアドバイザーが多数在籍しており、これまで培ってきたノウハウを生かしてM&Aをフルサポートいたします。
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食品メーカー・食品会社のM&Aにおけるポイントとは
こちらでは、食品メーカー・食品会社のM&Aで会社を売る際のポイントについて解説します。M&Aで会社を売る際、大切になってくるポイントは以下の点が考えられます。
- 相場
- 手法
- タイミング
①相場
M&Aで企業を売却する価格の相場は、買収相手によって上下します。つまり、相手が売り手企業を高く評価していれば価格は上昇し、買い手企業が見つからなければ価格をいくら下げても売却できない可能性があります。
しかし、計算上における概算の相場価格は算出できますので、以下に2点紹介します。以下の計算方法で算出された相場価格を基に、価格交渉することが売却合意への第一歩となりますが、詳しい相場価格についてはM&A仲介の専門会社に相談しながら進めましょう。
DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法
DCF法は、将来におけるキャッシュフローを現在価値に割り引いたうえで企業価値を算出する方法です。売却会社が売却する資産や事業計画書を基に、M&A成立後に収益やキャッシュフローがどれだけ見込めるか計算して相場価格を算出します。
純資産法
純資産法の中には、「簿価純資産法」と「修正純資産法」があります。まず「簿価純資産法」は、帳簿価額に基づき、資産と負債の差額となる純資産を見て相場価格を決定する方法です。
対して「修正純資産法」は、帳簿上の資産と負債を時価で再算出して、簿価純資産額に重要な項目のみ調整して価値を試算する方法です。
②手法
中小企業のM&Aにおける手法は、以下の方法が挙げられます。それぞれ紹介していきますので、要点を確認していきましょう。
- 株式譲渡
- 事業譲渡
株式譲渡
株式譲渡は企業の株式を一部、または全て売却する方法で、会社の債権や債務、雇用契約までも買い手企業へ承継されます。事業譲渡より手続きは簡単ですが、原則として債務も買い手へ引き継がれるので、念入りな事前調査が必要です。
また、通常は経営権や営業権の権利譲渡も同時に行われます。
事業譲渡
事業譲渡は、企業における事業の一部を売る方法です。売り手企業は売却したい事業のみを狙って売却できますし、買い手企業は欲しい事業のみを狙って買収できる点が株式譲渡と異なってきます。
また、事業譲渡は株式譲渡と違い、経営権や営業権を買い手へ譲渡することは法的に不可能な場合がある点に注意が必要です。その場合、買い手側が権利を取り直す必要があります。
③タイミング
M&Aで中小企業を売却するためには、タイミングを見極めることも大切になってきます。それでは、中小企業を売却するために適したタイミングを以下に紹介していきます。
- 業界の再編が進んでいるとき
- 好景気のとき
業界の再編が進んでいるとき
業界の再編が進んでいる最中の業界は、M&Aで中小企業を売却するのに適したタイミングです。中でも、最も適したタイミングは業界の再編が進み、売主候補企業が減少している段階と言えます。
売り手市場となり、高価格で売れる可能性が高くなるのです。ただし、業界再編の流れは永続的に続かない傾向があるため、売り惜しんでタイミングを逃さないようにしましょう。
好景気のとき
もちろん、好景気であるほど中小企業は高く売却することが可能で、むしろ好景気でなければ買い手は現れないと想定しておくべきです。一方、買い手が現れたとしても、景気が悪くなってしまえばその意欲はなくなってしまいます。
食品メーカー・食品会社のM&Aの事例
こちらでは食品メーカー・食品会社のM&Aの事例について紹介します。食品メーカー・食品会社のM&Aを検討する際には、規模や目的が近い事例を見て分析に役立てましょう。
小林製薬による梅丹本舗の買収
「イージーファイバー」ブランドなど栄養補助食品を中心に事業展開する小林製薬は、多様化する顧客のニーズに応えようと商品開発にも積極的な企業です。そのような小林製薬は2019年5月に、90年余りの業歴を持つ老舗の梅専門メーカー「梅丹本舗」を子会社化しました。
「古式梅肉エキス」など梅丹本舗が保有するブランド力と、小林製薬の研究開発力、マーケティング力、販売力を融合し、国内の健康食品事業のさらなる拡大を目指しています。
石垣食品による新日本機能食品の買収
2018年、飲料・珍味事業を手掛ける石垣食品は、健康・美容商材の会員制通販卸サイトを運営する新日本機能食品の株式を取得して、子会社化を決議しました。新日本機能食品は、通販で売れる商品のノウハウや商品開発能力を持っている会社です。
買収の目的は、商品の製造ノウハウやリソースを利用してグループ全体の利益を確保することでした。買収後の石垣食品は、新日本機能食品が運営する通販サイトにて、自社製造の健康飲料を販売することで販路の拡大を狙っています。
21LADYによるあわ屋惣兵衛の買収
2018年に、ライフスタイル産業に関わるM&Aを行い新規事業に進出している21LADYは、和菓子メーカーのあわ屋惣兵衛における全株式を取得しました。あわ屋惣兵衛は、和菓子を中心とした販売・製造を手掛けており、高いブランド力や商品開発力を持っている会社です。
買収の目的は、生産性と商品企画力の向上を狙うことでした。買収後の21LADYは、人材の補強と店舗開発を補完しあいながら、シナジー効果の形成を狙っています。
ジャパン・フード&リカーアライアンスによる銀盤酒造の買収
2017年にジャパン・フードリカーアライアンスは、酒造メーカーである銀盤酒造の株式を取得して、子会社化を決議しました。買収の目的は、双方の製造機能を活用した販路の拡大や営業力の強化、海外展開を図ることです。
買収後のジャパン・フード&リカーアライアンスは、銀盤酒造の持つ製造ノウハウやリソースを活用して、収益性の向上を狙っています。
ヨシムラ・フード・ホールディングスによる純和食品の買収
ヨシムラ・フード・ホールディングスによる純和食品の買収は、2016年に行われた最近の事例です。ヨシムラ・フード・ホールディングスは、食品の製造・販売を行う中小企業の支援・活性化を目的としています。
子会社に対して独自の「中小企業支援プラットフォーム」を提供していることが特徴です。このヨシムラ・フード・ホールディングスが4億5,500万円で純和食品を買収しました。
これは、売却側が経営基盤の強化を図った事例の代表例と言えます。純和食品としては、ヨシムラ・フード・ホールディングスの傘下に入ることで「中小企業支援プラットフォーム」の支援を受け、経営基盤の強化を可能としたのです。
日清製粉が熊本製粉を子会社化
日清製粉が熊本製粉を子会社化したのは2022年6月の事例です。
人口減少・少子高齢化による需要減少や国際貿易協定発効による競争激化で小麦粉市場における生存戦略の策定が必要になりました。結果、M&Aを行いコスト競争力・市場適応力の強化を図っています。
株式譲渡でM&Aが行われ、日清製粉が熊本製粉の株式の85%を取得しました。譲渡金額は非公表です。
エバラ食品工業子会社がヤマキンを完全子会社化
エバラ食品工業子会社がヤマキンを完全子会社化したのは2022年5月の事例です。
高齢化・世帯人数減少などが背景にあり、今後需要拡大が見込まれる小容量製品を多く製造するためにM&Aが行われました。手法は株式譲渡で譲渡金額は非公表です。
オーイズミがバブルスターを完全子会社化
オーイズミがバブルスターを完全子会社化したのは2022年4月の事例です。
事業分野のさらなる拡充を目的としてM&Aが行われました。手法は株式譲渡で、譲渡金額は譲渡企業の意向により非公表となっています。
スターゼンと大商金山牧場が資本業務提携
スターゼンと大商金山牧場が資本業務提携したのは2022年4月の事例です。
東北エリアを中心に営業面の相互補完を目的としてM&Aが行われました。またSDGs施策の推進も目的の1つとして公開されています。M&Aの手法は資本業務提携で譲渡金額は不明です。
まとめ
食品メーカー・食品会社のM&Aは、現段階では目立った失敗事例は少ないと言えます。ただし、今後はさらにM&Aが加速すると考えられ、失敗事例が発生する可能性もあるのです。
特に異業種からの新規参入の増加が見込まれる中、今後はM&Aの事例も多様化すると考えられます。他分野の事業を取り込むことは、事業拡大につなげることができる一方で、リスクも高いです。
リスクの高いM&Aでは失敗事例が発生する可能性もあるため、今後の業界の動向も踏まえ、さまざまな事例の検討・分析が必要です。今回の記事をまとめると、以下のようになります。
・食品メーカー・食品会社とは
→「食料品製造業」という分類で、さらに素材型と加工型に分けられる
・食品メーカー・食品会社の動向
→回復傾向にあるものの、国内市場は縮小傾向
・食品メーカー・食品会社のM&Aの現状
→事業拡大、海外進出、新規事業、多様化するニーズを目的としたM&Aが活発化
・食品メーカー・食品会社の買収側のメリット
→事業の拡大、競争力の強化
・食品メーカー・食品会社の売却側のメリット
→後継者不足問題の解決、経営基盤の安定化、従業員の雇用の維持
・食品メーカー・食品会社のM&Aにおけるポイント
→相場、手法、タイミング
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