2025年9月25日更新業種別M&A

スポーツクラブのM&A動向と成功のポイント|事業譲渡のメリット・事例も解説

スポーツクラブ業界では後継者問題や競争激化を背景にM&Aが増加しています。この記事では、スポーツクラブのM&A動向や事業譲渡を成功させるポイント、企業価値を高める方法を解説。業界の現状と将来性も踏まえ、最適な売却タイミングを探ります。

目次
  1. スポーツクラブ・フィットネスクラブとは
  2. スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界が直面する3つの課題
  3. スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界でM&Aが注目される理由
  4. スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界のM&A動向と将来性
  5. M&Aでスポーツクラブの企業価値を高める2つのポイント
  6. スポーツクラブM&A成功の鍵|市場の変化と売却タイミング
  7. スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡のポイント
  8. スポーツクラブ・フィットネスクラブの株式譲渡のポイント
  9. スポーツクラブ・フィットネスクラブのその他のM&A手法
  10. スポーツクラブ・フィットネスクラブを事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて
  11. スポーツクラブ・フィットネスクラブを事業譲渡する際の相談先
  12. まとめ
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スポーツクラブ フィットネスクラブのM&A・事業承継

スポーツクラブ・フィットネスクラブとは

スポーツクラブ・フィットネスクラブとは、スポーツやトレーニングを行うための会員制の施設のことです。室内運動施設と室内プールを有し、インストラクターがスポーツやトレーニングの指導を行います。

主なスポーツクラブ・フィットネスクラブは、セントラルスポーツ・コナミスポーツクラブ・ティップネス・ルネサンスなどで、他にも通勤客の利用を見込んだ運輸企業系列のクラブや、不動産会社や建設会社が運営するスポーツクラブ・フィットネスクラブもあります。

スポーツクラブ・フィットネスクラブの始まりは1970年に創業した「スポーツ会館」で、現在も基本的なサービス内容はスポーツ会館のスタイルを受け継いでいるといえます。

事業譲渡とは

事業譲渡とはM&Aスキームの一つで、会社が持っている事業資産を他の会社へ売却して、事業の経営を譲り渡すことをいいます。

事業譲渡は、株式を売却して経営権を譲り渡す株式譲渡と並んで、よく利用されるM&Aスキームです

事業譲渡で事業を売却しても、会社自体はそのまま存続するのが特徴(下の図でいうと、A会社はB会社の子会社にはならない)で、この点が会社全体を譲渡する株式譲渡との大きな違いとなっています。

【関連】事業譲渡とは?意味や方法、M&Aにおける活用​を解説

その他のM&A手法

M&Aの手法は、事業譲渡や株式譲渡以外にもいろいろあります。

例えば、株式譲渡のように株式の売買により会社を譲渡する手法としては、株式移転株式交換第三者割当増資があります。

他には組織再編手法としてよく利用される合併・分割、買収はせずにゆるやかな関係性のもとで協働していく資本提携・業務提携などがあります。

スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界が直面する3つの課題

スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界はゆるやかに成長を続けており、今後もまだ伸びしろがある産業です。

しかしだからといって何も問題がないわけではなく、スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界が直面している特有の問題というものもあります。

スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界が直面している主な問題としては、以下の3点が挙げられます。

【スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界が直面している問題】

  1. 近隣に競合があるため競争が激化している
  2. 新しい設備投資を行うには負担が大きい
  3. 経営者が高齢になり引退を考えている

①近隣に競合があるため競争が激化している

スポーツクラブ・フィットネスクラブは市場規模がやや飽和状態にあり、ここ数年はほぼ横ばいか微増の状態が続いています。

一方でスポーツクラブ・フィットネスクラブの施設数は順調に増えており、近いエリアに競合施設ができ競争が激化する傾向があります

近年は24時間営業のジムやパーソナルトレーニング、暗闇フィットネス、オンライン特化型など、特定のニーズに応える小規模なクラブが急増しています。これにより、大手総合クラブとの差別化が進み、競争はさらに激化していくことが予想されます。

②新しい設備投資を行うには負担が大きい

スポーツクラブ・フィットネスクラブはプールやトレーニングマシンなど高価な設備を必要とするので、新しい設備投資を行うには負担が大きいという特徴があります。

スポーツクラブ・フィットネスクラブに新規参入したくても、設備投資がネックになっている企業も多いと考えられます。

しかもトレーニングマシンなどの設備は大型のものが多く、新しい設備を置くスペースが確保しづらいというのも問題だといえます。

③経営者が高齢になり引退を考えている

スポーツクラブ・フィットネスクラブ事業が始まったのは1970年代で、その頃から運営している経営者は現在高齢になり引退時期を迎えています。

しかし、親族や社員など身近な人間に後継者がおらず、引退したくても引退できなかったり、引退するために廃業しなければならないケースが増加しています

これはスポーツクラブ・フィットネスクラブに限らずどの業種にもいえる傾向で、今後後継者問題をどう解決していくかが、日本の産業にとって大きな課題となっています。

スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界でM&Aが注目される理由

競争激化や後継者問題といった課題を抱えるスポーツクラブ業界において、M&Aは有効な解決策の一つとして注目されています。売り手・買い手双方にメリットがあり、業界全体の活性化にも繋がります。

売り手側のメリット:事業承継と創業者利益の獲得

経営者の高齢化が進むなか、M&Aは後継者不在の問題を解決する有力な手段です。従業員の雇用や会員へのサービスを維持したまま事業を第三者に引き継げるほか、オーナー経営者は株式や事業を売却することで創業者利益を確保し、引退後の生活資金などに充てられます。

買い手側のメリット:スピーディーな事業拡大

買い手にとってM&Aは、新規出店に比べて時間とコストを大幅に削減できるメリットがあります。既存の施設や会員、経験豊富なスタッフを一度に獲得できるため、迅速なエリア展開や市場シェアの拡大が可能です。特に異業種から参入する場合、M&Aは事業基盤を早期に確立するための効率的な戦略となります。

M&Aによるシナジー効果の創出

M&Aによって、売り手と買い手の強みを組み合わせることで、新たな価値を生み出すシナジー効果が期待できます。例えば、買い手のデジタルマーケティング力と売り手の地域密着型の顧客基盤を融合させたり、互いのプログラムを導入して会員満足度を高めたりするなど、単独では実現が難しかった事業成長を目指せます。

スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界のM&A動向と将来性

スポーツクラブ フィットネスクラブのM&A・事業承継
スポーツクラブ フィットネスクラブのM&A・事業承継

スポーツクラブ・フィットネスクラブは変化の激しい業界ですが、事業譲渡を行う場合は、業界動向を把握して適切なタイミングで実行する必要があります。

現在のスポーツクラブ・フィットネスクラブ業界を鑑みて、今後の業界動向がどうなっていくか考えると、以下の3点のような予測が立てられます。

【スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界の今後の動向予測】

  1. 市場は減少しているも健康志向は強まっていくと考えられる
  2. 競争はさらに激化していくと予測される
  3. スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界の事業譲渡・M&A動向

①市場は減少しているも健康志向は強まっていくと考えられる

経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、フィットネスクラブの売上高はコロナ禍で一時的に落ち込みましたが、2023年以降は回復基調にあります。2024年に入っても前年を上回る水準で推移しており、健康志向の高まりを背景に市場は再び活性化しています。

しかし一方で、高齢化の影響もあり健康志向は年々強まってきており、今後もこの傾向は続くと考えられます。

今後は本格的なトレーニングの場としてよりも、健康維持のための施設としてスポーツクラブ・フィットネスクラブの需要が高まっていくと予想されます。

②競争はさらに激化していくと予測される

近年のスポーツクラブ業界は、高齢者層の健康維持やファミリー層をターゲットとする大規模な総合型施設と、特定の目的を持つ層に特化した専門型施設への二極化が鮮明です。

総合型は飽和状態にありつつも安定した需要がありますが、パーソナルジムや24時間ジム、ピラティス・ヨガスタジオなどの専門型は今後も成長が見込まれます。

また、オンラインレッスンや会員管理アプリの導入など、DX化への対応も競争力を左右する重要な要素となっており、業界全体の競争はさらに激化すると予想されます。

③スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界の事業譲渡・M&A動向

近年のスポーツクラブ・フィットネスクラブ業界は、カーブスやエニタイムフィットネスなど、今までのスポーツクラブ・フィットネスクラブの枠にとらわれない業者が新規参入しており、今後も様々な企業が新規参入してくると予想されます

新規参入したいが設備投資がネックになっている場合、事業譲渡で既存のスポーツクラブ・フィットネスクラブの施設を獲得し、手早く新規参入するという選択肢も有力となります

今後の競争激化を考えると、スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡・M&Aは良いタイミングに差し掛かっているといえるでしょう

【関連】スポーツクラブ・フィットネスクラブにおけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

M&Aでスポーツクラブの企業価値を高める2つのポイント

スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡を成功させるには、施設の評価を高めておく必要があります。

スポーツクラブ・フィットネスクラブの評価を高めるには、以下のようなポイントを押さえておくことが大切です。

【スポーツクラブ・フィットネスクラブの評価を高めるポイント】

  1. 一定の会員数を維持している事
  2. 競合と比べて立地条件が良い事

①一定の会員数を維持している事

スポーツクラブ・フィットネスクラブの多くは会員制なので、会員数は非常に重要なポイントになります。一時的なキャンペーンや小手先の集客で会員数を伸ばすより、確かなサービスを提供することで一定の会員数を維持することが大切です。

②競合と比べて立地条件が良い事

スポーツクラブ・フィットネスクラブは施設数が増えてきているので、設備やサービスの良さに加えて、競合と比べて立地条件が良いことも重要なポイントになります

主要駅や住宅街の近くはもちろん、車でアクセスしやすいロードサイド型の立地も好条件となります。

スポーツクラブM&A成功の鍵|市場の変化と売却タイミング

スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界は変化が激しいので、事業譲渡・M&Aを成功させるには、市場の変化を読み取ることが大切になります。

この章では、スポーツクラブ・フィットネスクラブの市場変化のポイントについて、以下の項目を解説します。

【スポーツクラブ・フィットネスクラブの市場変化のポイント】

  1. 景気の影響を受けやすい業界であるため譲渡・売却のタイミングは重要
  2. 市場が求めるニーズに対応できる柔軟さがある

景気の影響を受けやすい業界であるため譲渡・売却のタイミングは重要

スポーツクラブ・フィットネスクラブは経済的に余裕がある時に利用することが多いため、景気の影響を受けやすい業界だといえます

そのため、スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡を成功させるには、タイミングを見計らうことも重要です。

景気が良く新規参入が活発な時期にスポーツクラブ・フィットネスクラブを事業譲渡すれば、高値で売却できる可能性が高まります。

市場が求めるニーズに対応できる柔軟さがある

顧客がスポーツクラブに求めるニーズは、単なる運動施設の提供から、パーソナライズされたトレーニング指導、食事管理、オンラインレッスン、会員同士のコミュニティ形成へと多様化しています。

こうした市場のニーズに柔軟に対応し、独自の強みを持つクラブは、M&A市場においても高く評価され、事業譲渡が成功する可能性が高まります。

スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡のポイント

事業譲渡のポイント

この章では、スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡のポイントについて解説します。

スポーツクラブ・フィットネスクラブを事業譲渡する際の注目点

スポーツクラブを事業譲渡する際は、事業資産を個別に引き継ぐため、許認可の再取得や契約の巻き直しなど、株式譲渡に比べて手続きが複雑になる点に注意が必要です。

また、従業員の雇用契約も新たに結び直す必要があります。特に、人気のインストラクターなどキーパーソンが待遇に不満を持ち退職してしまうと事業価値が大きく損なわれるため、丁寧な交渉が求められます。

さらに、会員情報の引き継ぎでは個人情報保護法を遵守し、施設の老朽化具合や修繕の必要性などもデューデリジェンスで入念に確認することが重要です。

【関連】事業譲渡の手続きとは?全体のスケジュールや手続きの注意点を解説

スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡事例

スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡事例には以下のようなものがあります。

【スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡事例】

  1. スポーツアカデミーがグローバルメディカル研究所へウイングスポーツクラブ及びゴルフガーデン事業を事業譲渡
  2. ヴァーテックスがアークランドサカモトへフィットネス事業を事業譲渡

①スポーツアカデミーがグローバルメディカル研究所へウイングスポーツクラブ及びゴルフガーデン事業を事業譲渡

フージャース ウェルネス&スポーツ

フージャース ウェルネス&スポーツ

出典:https://www.hoo-sports.com/

2013年に、株式会社スポーツアカデミーが、ウイングスポーツクラブ及びゴルフガーデン事業をグローバルメディカル研究所株式会社へ事業譲渡しました。譲渡価額は1億7,000万円となっています。

スポーツアカデミーは、日本全国へ展開しているスポーツクラブ・フィットネスクラブ運営会社です。そしてグローバルメディカル研究所は、健康食品などを扱う健康コーポレーション株式会社の子会社です。

この事業譲渡により、健康コーポレーションが持つ「RIZAP」の事業拡大や、エステサロンなどと連携した事業の多様化を実現しています。

②ヴァーテックスがアークランドサカモトへフィットネス事業を事業譲渡

ヴァーテックス

ヴァーテックス

出典:https://www.vertex-group.co.jp/

2019年に、株式会社ヴァーテックスが、フィットネス事業をアークランドサカモト株式会社へ会社分割しました。譲渡価額は18億4,000万円となっています。

会社分割は厳密には事業譲渡とは違いますが、会社の一部事業を譲渡するという意味で事業譲渡に似ています。

ヴァーテックスが運営するスポーツクラブ・フィットネスクラブとホームセンターを組み合わせ、複合型施設の運営を目指します

事業譲渡に適したスポーツクラブ・フィットネスクラブとは

事業譲渡は事業を個別に売却できるのが特徴なので、スポーツクラブ・フィットネスクラブとは別にコア事業を持っている会社は、事業譲渡に適しているといえます

スポーツクラブ・フィットネスクラブを事業譲渡で売却し、その売却益をコア事業に使うといった経営戦略をとることができます。

スポーツクラブ・フィットネスクラブの株式譲渡のポイント

株式譲渡のポイント

スポーツクラブ・フィットネスクラブのM&Aにおいて、メインに考えるのは事業譲渡ですが、他には株式譲渡という選択肢もあります。

この章では、スポーツクラブ・フィットネスクラブの株式譲渡のポイントについて解説します。

スポーツクラブ・フィットネスクラブを株式譲渡する際の注目点

株式譲渡は事業譲渡と違い、株式を売却することで会社の経営権を譲渡します。これは会社をまるごと売却することになるので、事業譲渡のようにスポーツクラブ・フィットネスクラブ事業だけを売却することはできないのは注意点だといえます。

また譲受する側としては、不要な事業資産や債務を引き継いでしまう可能性があるのも注意点です。

【関連】株式譲渡の手続き

スポーツクラブ・フィットネスクラブの株式譲渡事例

スポーツクラブ・フィットネスクラブの株式譲渡事例は以下のとおりです。

【スポーツクラブ・フィットネスクラブの株式譲渡事例】

  1. SEA GlobalによるSKIYAKIへの株式譲渡
  2. ティップネスによる日本テレビホールディングスへの株式譲渡
  3. ソプラティコによるブシロードへの株式譲渡
  4. ブルーアースによるセンコーグループホールディングスへの株式譲渡
  5. 久ヶ原スポーツクラブによる城南進学研究社への株式譲渡

①SEA GlobalによるSKIYAKIへの株式譲渡

SEA Global

SEA Global

出典:http://www.sea-global.co.jp/

2018年に、株式会社SEA Globalが株式会社SKIYAKIへ株式譲渡しました。取得価額は非公表となっています。

SEA Globalはスポーツに関連した多様な事業を手がけている会社で、SKIYAKIはIT関連企業です。SEA Globalの経営資源を活用した、スポーツ分野への事業拡大が目的となっています。

②ティップネスによる日本テレビホールディングスへの株式譲渡

ティップネス

ティップネス

出典:https://www.tipness.co.jp/

2014年に、株式会社ティップネスが日本テレビホールディングス株式会社へ株式譲渡しました。取得価額は非公表となっています。

ティップネスは全国にスポーツクラブ・フィットネスクラブを展開している企業で、健康に関する事業の拡充が株式譲渡の目的となっています。

③ソプラティコによるブシロードへの株式譲渡

ソプラティコ

ソプラティコ

出典:https://www.sopratico.com/

2020年に、株式会社ソプラティコが株式会社ブシロードへ株式譲渡を行いました。譲渡価額は非公表となっています。

ソプラティコはスポーツクラブ・フィットネスクラブを運営する会社で、ブシロードはカードゲームやアニメなどのコンテンツを手がける会社です。

ソプラティコは子会社に劇団飛行船を有しており、劇団飛行船も同時に買収することで、新たな事業展開を目指すのが目的となっています。

④ブルーアースによるセンコーグループホールディングスへの株式譲渡

ブルーアース

ブルーアース

出典:https://blueearth.co.jp/

2017年に、株式会社ブルーアースがセンコーグループホールディングスへの株式譲渡を行いました。取得価額は非公表となっています。

ブルーアースは山梨県を中心にスポーツクラブ・フィットネスクラブを運営する会社で、センコーグループホールディングスは物流を中心に様々な事業を手がけている会社です。

スポーツクラブ・フィットネスクラブ事業への進出、および介護事業とのシナジー効果獲得などが目的となっています。

⑤久ヶ原スポーツクラブによる城南進学研究社への株式譲渡

久ヶ原スポーツクラブ

久ヶ原スポーツクラブ

出典:http://kugahara-sc.jp/

2015年に、久ヶ原スポーツクラブが城南進学研究社への株式譲渡を行いました。売却価額は7億4,000万円となっています。

久ヶ原スポーツクラブは、スポーツクラブ・フィットネスクラブを始め、バレエや囲碁教室なども展開する会社です。城南進学研究社は、城南予備校を始めとする学習塾の経営、および子供向けの教育関連事業などを手がける会社です。

久ヶ原スポーツクラブを傘下に収めることで、事業の更なる発展を目指します。

株式譲渡に適したスポーツクラブ・フィットネスクラブとは

事業譲渡の売却益は会社のものになるのに対して、株式譲渡は株主が利益を受け取ります。よって経営者が引退する目的で株式譲渡を行えば、リタイア後の生活資金を得ることができます

また、株式譲渡は事業譲渡に比べて手続きが簡単なので、手早くM&Aを実行したいスポーツクラブ・フィットネスクラブにとって、株式譲渡は適しているといえます。

スポーツクラブ・フィットネスクラブのその他のM&A手法

その他のM&A手法

スポーツクラブ・フィットネスクラブのM&A手法は事業譲渡と株式譲渡以外にもいろいろあり、下がその一覧になります。

下に表で示していますが、まず狭義のM&Aとして買収・合併・分割があり、それぞれさらに細かく分岐します。事業譲渡や株式譲渡は買収の一種です。

他には広義のM&Aとして資本提携業務提携があります。「広義」と呼ばれるのは、資本提携や業務提携は会社の買収は行わないからです。

【M&A手法一覧】

  1. 事業譲渡
  2. 株式譲渡
  3. 第三者割当増資
  4. 株式交換
  5. 株式移転
  6. 合併
  7. 分割
  8. 資本提携
  9. 業務提携

【関連】M&Aのスキームを解説!特徴やメリット・デメリット、事例も紹介します

スポーツクラブ・フィットネスクラブを事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて

引き継ぎ・手続きについて

スポーツクラブ・フィットネスクラブを事業譲渡・株式譲渡する際は、引き継ぎ・手続きを理解しておくことが大切になります。

事業譲渡の引き継ぎ・手続きで重要なのは、従業員の再雇用許認可の再取得です。事業譲渡では会社の売却は行わず、売却した事業だけが売却先企業に移籍することになります。それにともない、そこで働いている従業員も転籍という形になり、再雇用の契約が必要になります

許認可については、スポーツクラブ・フィットネスクラブを開業すること自体に許認可は必要ありませんが、各種設備の設置に際して、保健所や市町村などに許可を得る必要があります

次に株式譲渡の引き継ぎ・手続きですが、株式譲渡では株主名簿を書き換えるのが主な手続きで、事業譲渡に比べると非常に簡便になっています。

ただし、株式譲渡は株主総会の決議を得ないと実行できないので、株主が多数いる大規模・中堅規模のスポーツクラブ・フィットネスクラブの場合は注意が必要です。

スポーツクラブ・フィットネスクラブを事業譲渡する際の相談先

事業譲渡する際の相談先

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M&A総合研究所では、M&Aの専門知識・実績豊富なアドバイザーがフルサポートし、納得いく条件でのM&A成約を目指します。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)

無料相談を随時受け付けていますので、スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡をお考えの方は、電話かメールで気軽にお問い合わせください。

スポーツクラブ・フィットネスクラブのM&A・事業承継ならM&A総合研究所

まとめ

まとめ

スポーツクラブ・フィットネスクラブは今後競争が激化していく業界なので、事業譲渡の事例も増えてくると考えられます。事業譲渡について正しく理解しておくことが、スポーツクラブ・フィットネスクラブ経営者にとって重要になってくるでしょう。

【スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界が直面している問題】

  1. 近隣に競合があるため競争が激化している
  2. 新しい設備投資を行うには負担が大きい
  3. 経営者が高齢になり引退を考えている
【スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界の今後の動向予測】
  1. 市場は減少しているも健康志向は強まっていくと考えられる
  2. 競争はさらに激化していくと予測される
  3. スポーツクラブ・フィットネスクラブ業界の事業譲渡・M&A動向
【スポーツクラブ・フィットネスクラブの評価を高めるポイント】
  1. 一定の会員数を維持している事
  2. 競合と比べて立地条件が良い事
【スポーツクラブ・フィットネスクラブの市場変化のポイント】
  1. 景気の影響を受けやすい業界であるため譲渡・売却のタイミングは重要
  2. 市場が求めるニーズに対応できる柔軟さがある
【スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡事例】
  1. スポーツアカデミーがグローバルメディカル研究所へウイングスポーツクラブ及びゴルフガーデン事業を事業譲渡
  2. ヴァーテックスがアークランドサカモトへフィットネス事業を事業譲渡
【スポーツクラブ・フィットネスクラブの株式譲渡事例】
  1. SEA GlobalによるSKIYAKIへの株式譲渡
  2. ティップネスによる日本テレビホールディングスへの株式譲渡
  3. ソプラティコによるブシロードへの株式譲渡
  4. ブルーアースによるセンコーグループホールディングスへの株式譲渡
  5. 久ヶ原スポーツクラブによる城南進学研究社への株式譲渡
【M&A手法一覧】
  1. 事業譲渡
  2. 株式譲渡
  3. 第三者割当増資
  4. 株式交換
  5. 株式移転
  6. 合併
  7. 分割
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