中国・四国地方のM&A・事業承継動向【2024年最新】| 成功のポイントや相談先を解説

全国的にM&Aや会社売却、事業承継の成約件数は増加傾向にあります。四国地方についても例外なく増加傾向にあります。そこでこの記事では四国地方についてのM&A・会社売却・事業承継の事情について解説します。

また、個人が100万円で買える会社から大型の案件まで、さらにおすすめの仲介会社などについても紹介します。

中国・四国地方のM&A・事業承継は、全国的な動向と同様に活発化しています。特に、後継者不在に悩む中小企業の事業承継型M&Aが増加傾向にあります。また、地域経済の活性化や産業構造の変化に対応するため、異業種からの参入やスタートアップ企業による買収など、多様な形態のM&Aが見られるようになりました。近年ではIT、医療・介護、建設業界などで再編の動きが顕著です。

中国・四国地方では、全国平均を上回るペースで経営者の高齢化が進行しており、後継者不在が深刻な経営課題となっています。帝国データバンクの「全国企業「後継者不在率」動向調査（2023年）」によると、四国地方の後継者不在率は58.9%と高い水準です。このため、事業の継続を目的とした第三者への事業承継、すなわちM&Aを選択する企業が増加しており、今後もこの傾向は続くと予測されます。

続いては四国地方で見られる経済動向をそれぞれ紹介します。

香川県は四国の玄関口として栄え、県庁所在地の高松市を中心に経済活動が活発です。総人口は約92万人（2024年10月1日時点推計）です。うどんなどの食品製造業に加え、輸送用機械器具や化学工業も盛んです。レコフデータの調査によると、2023年の香川県に本社を置く企業のM&A件数は30件で、四国地方で最も活発な地域の一つです。近年では、事業承継を目的としたM&Aに加え、成長戦略として他地域や異業種の企業を買収するケースも増えています。

高知県は、豊かな自然を活かした農林水産業が基幹産業です。総人口は約66万人（2024年10月1日時点推計）です。近年は、豊かな食資源や観光資源を活かした地域ブランドの強化に取り組んでいます。レコフデータの調査によると、2023年の高知県に本社を置く企業のM&A件数は6件でした。後継者不足に悩む小規模事業者のM&Aが増加しており、公的機関による支援も積極的に行われています。

徳島県は、LED関連産業や医薬品・医療機器産業が集積している点が特徴です。総人口は約70万人（2024年10月1日時点推計）です。阿波踊りで知られる観光業も盛んですが、製造業が県経済を力強く支えています。レコフデータの調査によると、2023年の徳島県に本社を置く企業のM&A件数は11件でした。県外の企業が、徳島県の持つ高い技術力を持つ企業を譲り受けるケースも見られます。

愛媛県は四国最大の人口を擁し、県庁所在地の松山市を中心に商業が発展しています。総人口は約129万人（2024年10月1日時点推計）です。ミカンなどの農業のほか、今治市の造船・海運業や四国中央市の製紙業など、全国的に高いシェアを誇る産業が集積しています。レコフデータの調査によると、2023年の愛媛県に本社を置く企業のM&A件数は25件でした。地域を代表する有力企業が、さらなる成長を目指してM&Aを積極的に活用する動きが目立ちます。

中国・四国地方のM&A・事業承継は、今後も活発化が見込まれます。後継者問題の深刻化に加え、DX（デジタルトランスフォーメーション）推進やサプライチェーン強化を目的とした戦略的M&Aが増加するためです。また、国や自治体による事業承継支援策の拡充も追い風となっています。特に個人でも手がけやすいスモールM&Aの市場が拡大しており、多様なニーズに応えるM&Aが増加していくでしょう。

続いては四国地方にある個人でM&Aできる大型案件と500万円以下の案件を紹介します。個人でM&Aを行う際に使えるマッチングサイトについては以下の記事で詳しく紹介しています。興味のある方は是非ご覧ください。

個人の規模で行う場合、ある程度上限が決まっていると考えられます。一般的に取引金額が1億円以下のM&AをスモールM&Aと呼ばれています。この記事では取引金額が500万円~1億円と個人にとっては大型になるM&A・会社売却・事業承継の案件を3つ紹介します。

また、500万円以下のM&A・会社売却・事業承継案件についても1つ紹介します。

まずは個人が行うM&Aにとって大型の案件と考えられるものを3つ紹介します。

1つ目に紹介する案件は人気霊能者による電話占い業の譲渡です。後継者の不足、社長の引退を理由に事業承継を行う目的で事業を売却します。希望譲渡価格は3億円と個人が行うM&Aでは大型に分類できる案件です。

2つ目に紹介する案件は地域で有名や居酒屋店です。事業性の不安や戦略の見直しのために事業を譲渡します。希望譲渡価格は1000~3000万円です。

3つ目に紹介する案件は中心街に構えている旅館です。後継者不在を理由に事業譲渡を行います。希望譲渡価格は2000~3000万円、経営者の想いを引き継いでくれる後継者を希望しています。

続いては取引金額が500万円以下のM&A案件を1つ紹介します。それがカラーオリジナルインテリア家電製造販売の譲渡です。戦略見直しのために事業を譲渡します。当事業の経営者は資金と練られた戦略があれば、十分に業績が向上するビジネスモデルであると考えています。

M&Aや事業承継を検討する際、専門家への相談は不可欠ですが、公的機関や支援制度を有効活用することで、よりスムーズに手続きを進められます。ここでは代表的な相談窓口と支援制度を紹介します。

各都道府県に設置されている公的な相談窓口です。後継者不在の中小企業に対し、事業承継に関する幅広い相談に無料で応じています。中立的な立場から親族内承継、第三者承継（M&A）など、多様な選択肢を提示し、専門家の紹介も行っています。まずは相談したいという経営者にとって最初の窓口として最適です。

国が全国に設置している無料の経営相談所です。中小企業・小規模事業者が抱えるあらゆる経営課題に対応しており、事業承継もその一つです。地域の専門家と連携し、それぞれの企業の状況に応じた具体的な解決策を提案してくれます。M&Aだけでなく、売上向上や資金繰りなど、経営全般の相談が可能です。

事業承継やM&Aを契機として、新たな取り組みを行う中小企業を支援する補助金制度です。専門家への依頼費用（仲介手数料やデューデリジェンス費用など）や、事業統合後の設備投資、販路開拓費用などが補助対象となります。M&Aにかかるコスト負担を軽減できるため、積極的に活用を検討しましょう。

続いては四国地方でM&A・会社売却・事業承継案件を見つける方法を紹介します。一般的には以下の3つが考えられます。

• M&A仲介会社を利用する方法
• 地元の公的・金融機関などに相談する方法
• 会社売買サイト・マッチングサイトを利用する方法

1つ目は、M&Aの専門家であるM&A仲介会社を利用する方法です。M&A仲介会社は、豊富な案件情報と専門知識を有しており、相手探しから交渉、契約手続きまでを一貫してサポートしてくれます。特に中国・四国地方に強みを持つ仲介会社や、特定の業種に特化した仲介会社を選ぶことで、よりスムーズで満足度の高いM&Aが実現しやすくなります。手数料体系やサポート内容を比較検討し、自社に合ったパートナーを見つけることが重要です。

M&A仲介会社選びにお困りでしたら、一度、M&A総合研究所にご連絡ください。M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱っており、全国の案件に対応しています。また、スモールM&Aや小規模案件にも対応可能です。

実績豊富なアドバイザーが多数在籍し、専任となってご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。M&A総合研究所の料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です（※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります）。

随時、無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

2つ目は、地元の公的機関や金融機関に相談する方法です。事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関は無料で相談でき、中立的な立場からアドバイスを受けられる点が魅力です。また、取引のある地方銀行や信用金庫は、自社の経営状況を深く理解しているため、親身な相談相手となります。これらの機関はM&A仲介会社とのネットワークも有しており、専門家への橋渡し役も担っています。

四国地方で最も有力な金融機関は四国銀行です。四国銀行ではM&A仲介会社のように買い手・売り手企業の間を取り持ち、M&Aをサポートする業務を行っています。四国銀行と関与のある企業は是非利用してみてください。

3つ目の方法は会社売買サイト・マッチングサイトを利用することです。会社売買サイト・マッチングサイトとはM&A案件を紹介するプラットフォームのことで、必要であれば、専門家のサポートを受けることができます。

M&A仲介会社が運営する会社売買サイト・マッチングサイトもあり、それらは十分なネットワークの広さを持っています。場合によっては費用を大幅に抑えることができるため、費用を抑えたい方は一度利用されることをおすすめします。

続いては四国地方の事業承継向け相談機関を紹介します。機関における相談にかかる費用は原則無料です。そのため、事業承継について何となく相談したいという経営者の方におすすめできます。

• 四国経済産業局
• 中小企業基盤整備機構 四国本部
• 事業承継･引継ぎ支援センター（四国各所）

1つ目は四国経済産業局です。経済産業省直轄の四国地方での公的機関で、主に補助金申請支援など中小企業向けの総合的な支援を行っています。その一環として事業承継に関する支援も行っています。

全国事業承継推進会議は中小企業庁が主管となって行っている会議で、事業承継を様々な機関と連携して後押ししています。全国に9ブロック設置されており、四国地方では高松市に設けられています。この会議に参加している金融機関や公的機関で相談されることをおすすめします。

2つ目に紹介する公的機関は中小企業基盤整備機構四国本部です。四国4県の中小企業に対して迅速で的確なサポートの実現を目指して支援体制を充実させています。事業承継だけでなく、人材育成や共済制度など総合的なサポートを受けることができます。

事業承継･引継ぎ支援センターは、中小企業庁からの委託事業として各都道府県に設置されている公的機関です。中小企業の事業承継を支援する目的で設置されました。事業承継･引継ぎ支援センターの独自事業としては、後継者人材バンクがあります。

これは、既存企業を事業承継することにより経営者になることを希望する起業家と、後継者不在の中小企業をマッチングするサービスです。無料で利用できます。

次は四国地方の案件を扱う会社売買サイト・マッチングサイトを紹介します。この記事では以下の4つを紹介します。

• M&A総合研究所
• トランビ (Tranbi)
• バトンズ (Batonz)
• 会社売却.jp

M&A総合研究所では、M&Aマッチングプラットフォームを運営しています。さまざまな業種の案件を多数掲載しており、サイト上で売却・譲渡希望案件をご覧いただけます。

相手先と直接交渉を進めていただくことができますが、ご自身での手続きや交渉に不安のある場合は、アドバイザーによるM&仲介サービスを別途ご依頼いただくこともできます。

トランビは国内最大の事業承継・M&Aプラットフォームです。プラットフォームを通じて、原則的に買い手・売り手の自由交渉に委ね、必要であれば、専門家がサポートするという体制を取っています。そのため、買い手・売り手両方ともリーズナブルな価格で利用することができます。

バトンズも国内最大級を誇るマッチングサイトです。バトンズの特徴はネットワークの広さ・安価な料金・圧倒的なスピードです。これらの特徴からバトンズを利用することで、速やかに希望の企業を見つけることができ、かつM&A交渉・手続きを迅速に行うことができます。

費用やM&Aのスピードを考慮している経営者の方は是非ご利用ください。

最後に紹介する会社売買サイトは会社売却.jpです。ネットワークの広さから多数の案件を準備している会社売買サイトです。また、会社売却.jpでは多様な業種・規模のM&Aも扱っています。

最後に四国地方でのM&A・会社売却・事業承継の事例を2つ紹介します。

1つ目に紹介する事例は四電工による有元温調の買収です。両社ともに空調事業を主力とした会社で四電工は本事案でシナジー効果を期待しています。また、有元温調は兵庫県を基盤とした企業であることから四電工は本格的な関西圏への進出を果たすことになります。

2つ目に紹介する事例はOCHIホールディングスによる愛媛プレカットの子会社化です。OCHIホールディングスは加工・建材事業を主力としており、愛媛プレカットは住宅用木材の加工事業を行っています。

本案件でOCHIホールディングスは四国地方での事業拡大を図るとともにシナジー効果による業績向上も期待しています。

四国地方では経営者の高齢化が進んでおり、それを理由としたM&A・会社売却・事業承継の件数は現在も増加しています。M&Aや事業承継を考えている経営者は適切や相談先・サポート先を見つけることが必須です。

【四国地方でM&A・会社売却・事業承継案件を見つける方法】

• M&A仲介会社を利用する方法
• 地元の公的・金融機関などに相談する方法
• 会社売買サイト・マッチングサイトを利用する方法

【四国地方の事業承継向け相談機関】

• 四国経済産業局
• 中小企業基盤整備機構 四国本部
• 事業承継･引継ぎ支援センター（四国各所）