M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年9月17日更新都道府県別M&A
福井県のM&A・会社売却・事業承継の動向は?案件例や探し方も解説!
本記事では、福井県のM&A・会社売却・事業承継の動向やM&A・事業承継案件の探し方を紹介します。また、M&A・事業承継に関する公的機関やおすすめの仲介会社も解説しています。M&Aを検討されている方は、必見の内容です。
目次
福井県のM&A・会社売却・事業承継の動向
帝国データバンクの「全国企業『休廃業・解散』動向調査(2022年)」によると、福井県で2022(令和3)年に休廃業・解散した企業・個人事業主は366者となっています。
全国平均では、休廃業・解散した企業・個人事業主中54.3%で当期純利益が黒字であり、経営者または個人事業主の平均年齢は71歳ということもわかりました。
これらから推測できるのは、引退時期を迎えた企業経営者・個人事業主に後継者がいないため、黒字にもかかわらずやむなく休廃業・解散したケースが多いということです。
それを裏付けるデータとして帝国データバンクの「全国企業『後継者不在率』動向調査(2022年)」を見ると、2022年における福井県の中小企業の後継者不在率は52.8%で、全国平均の57.2%に比べれば低い数値となっています。
このペースで休廃業・解散が進むと地方経済も日本経済も大きな打撃を受けるため、近年では解決手段としてM&Aによる事業承継が広く喧伝され、国や自治体もその支援を積極的に行っています。
福井県の事業承継については下記の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。
福井県近郊のM&A・事業承継の案件5選
ここで、福井県内にある企業が、実際に譲渡希望を行っている案件例を見てみましょう。
- 【中部地方都市圏】地盤改良工事・地盤調査
- 【北陸地方/複数店舗】アミューズメント施設運営
- 【事業譲渡案件/中部地方×接触抗菌コーティング事業】トップインフルエンサーの紹介実績あり
- 【EBITDA1億円超】東海地方 古紙卸売・リサイクル業
- 【無線技術を得意としてFAソリューションを手掛ける企業】
【中部地方都市圏】地盤改良工事・地盤調査
地盤改良工事をメインとして、地盤調査も手掛ける企業の譲渡希望案件です。資格者が複数名在籍しています(住宅地盤主任技士、宅地建物取引士)。地盤調査を行うにあたり幅広い調査方法が可能です。
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
売却希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望理由 | 戦略の見直し、その他 |
【北陸地方/複数店舗】アミューズメント施設運営
北陸地方にてアミューズメント施設を複数店舗運営している会社の譲渡希望案件です。現在宣伝広告が最小限のため、今後さらなる拡大が想定可能です。
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
売却希望額 | 4,000万円 |
譲渡希望理由 | 後継者不在(事業承継) |
【事業譲渡案件/中部地方×接触抗菌コーティング事業】トップインフルエンサーの紹介実績あり
中部地方で住宅・施設向けの接触抗菌コーティング剤の販売事業を手掛ける企業の譲渡希望案件です。光触媒工業会の認証であるPIAJマークを取得しています。トップインフルエンサーの紹介実績もあり一定の知名度があります。
売上高 | 1000万円〜5000万円 |
売却希望額 | 応相談 |
譲渡希望理由 | 戦略の見直し |
【EBITDA1億円超】東海地方 古紙卸売・リサイクル業
古紙、廃プラの卸売、リサイクル、産業廃棄物処分業(中間処理)を手掛ける企業の譲渡希望案件です。処理実績は年間で古紙3万t、廃プラ300t程度を誇ります。自社保有のヤードに加えて、魅力的な各種許認可を保有しています。
売上高 | 5億円〜10億円 |
売却希望額 | 10億円〜15億円 |
譲渡希望理由 | 後継者不在(事業承継) |
【無線技術を得意としてFAソリューションを手掛ける企業】
無線関連システム、機器の開発・製造・販売を手掛ける会社の譲渡希望案件です。工場内の無線化に伴うシステム開発、機器開発・製造・販売まで一気通貫で手掛けています。高い技術力を有し、あらゆる無線形態も解析可能です。
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
売却希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡希望理由 | 後継者不足(事業承継) |
その他、北陸地方のM&A・会社売却・事業承継については下記の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。
福井県のM&A・事業承継案件の探し方と注意点
福井県でM&Aを行いたい場合、M&A案件はどのように探すのでしょうか。一般的には、以下の方法でM&A案件を探す方が多いです。
- M&A仲介会社に依頼する
- 公的機関に相談する
- M&Aマッチングサイトを利用してM&A案件を見つける
こちらでは、M&A仲介会社を利用してM&A案件を見つけてもらう場合と、公的機関を利用してM&A案件を見つけてもらう場合、それぞれのメリットやデメリットを紹介します。
M&A仲介会社を利用するメリットとデメリット
M&A仲介会社を利用するメリットは、以下のとおりです。
- 管理案件が多いため、希望する内容の案件を見つけやすい
- M&Aに関する相談だけではなく、仲介まで一貫して依頼できる
全国対応のM&A仲介会社であれば、福井県を含む日本全国にネットワークを持っており、数多くの案件を管理しています。したがって、理想的な案件を見つけられる可能性も高くなるのです。
M&Aに関する相談やM&A案件を探すだけでなく、仲介までしっかりとサポートを受けられるのも魅力です(案件探しのみの依頼はできません)。一方、M&A仲介会社の利用の際、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
- M&A仲介会社によって料金体系が異なるため、高額な費用がかかってしまうことがある
- M&A仲介会社によっては、クロージングまで長期間かかってしまう
M&A仲介会社の選定にあたっては、料金体系をよく確認し納得したうえで会社を決めるようにしましょう。料金体系がわかりづらい場合には、具体的な見積書を提示させるのも得策です。
公的機関を利用するメリットとデメリット
福井県の公的機関がM&Aを普及させようと動いているように、福井県でM&Aを行う際には公的機関も活用できます。公的機関を利用するメリットは以下のとおりです。
- 地域に特化した機関のため、独自の案件を管理している場合がある
各都道府県に設置されている公的機関では、M&A仲介会社が管理していないような案件を見つけられることもあります。加えて、無料で利用できるため、気軽に相談できるのもメリットです。一方、公的機関には以下のようなデメリットがあります。
- M&A仲介会社に比べ、管理案件が少ない
- M&Aの仲介業務は行わないため、仲介業務はM&A仲介会社に依頼する必要がある
公的機関では、M&A仲介会社に比べ管理案件は多くありません。したがって、希望する内容の案件を見つけられない可能性があります。また、案件を見つけられても、仲介業務は別途、M&A仲介会社を起用しなければなりません。
福井県でおすすめのM&A仲介会社
福井県でのM&Aのため仲介会社をお探しでしたら、ぜひM&A総合研究所にご連絡ください。M&A総合研究所は、全国の中小・中堅規模のM&A案件を取り扱っており、福井県でのM&Aサポートも行っております。
M&Aサポート実績豊富なアドバイザーが多数在籍し、相談時からクロージングまで丁寧なサポートがモットーです。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」となっています(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。
随時、無料相談をお受けしておりますので、福井県でのM&Aをご検討の際は、お電話・Webよりお気軽にお問い合わせください。
福井県のM&A・事業承継に関する公的機関4選
福井県でM&Aや事業承継に関する相談を受けつけ、支援業務を行っている代表的な公的機関の概要を説明します。
- 福井県事業承継・引継ぎ支援センター
- 福井県よろず支援拠点
- 福井県内各商工会・各商工会議所
- 福井県信用保証協会
①福井県事業承継・引継ぎ支援センター
福井県事業承継・引継ぎ支援センターは、福井県の中小企業・小規模事業者の事業承継支援を総合的に行う公的機関です。国からの委託事業として各都道府県に設置されており、福井県では福井商工会議所が運営しています。
これまでの福井県事業引継ぎ支援センターと福井県事業承継ネットワークの2つの公的機関が、2021年4月に福井県事業承継・引継ぎ支援センターとして統合されました。福井県事業承継・引継ぎ支援センターが行う支援内容は、後継者がいる場合は以下のとおりです。
- 親族や社内に後継者がいる場合、事業承継計画書策定のサポート
- 事業承継実施に向けた各種手続きなどのサポート
一方、後継者不在の事業者に対しては以下のような支援を行います。
- リスト化されている譲受希望企業のマッチング
- 後継者人材バンクに登録されている創業・起業希望者のマッチング
- 登録機関であるM&A仲介会社の紹介
福井県事業承継・引継ぎ支援センターへの相談や各種支援は無料で受けられますが、士業などへの実務依頼や、紹介されたM&A仲介会社に業務を依頼する場合には、それぞれの料金体系による手数料が発生します。
②福井県よろず支援拠点
福井県よろず支援拠点は、創業希望者や中小企業・小規模事業者からの経営に関するあらゆる相談を受けつけている、国が設置している公的機関です。定期的に県内各地で移動相談会も開催しています。
弁護士や中小企業診断士などがコーディネーターとして在籍しているため、専門的なアドバイスを受けられるでしょう。
③福井県内各商工会・各商工会議所
商工会・商工会議所は、各地域の商工業の発達と振興を図る自由会員制の公益経済団体です。福井県には、13の商工会と7つの商工会議所があります。各地域の事業者が会員となって団体が構成され、地域密着の活動をするのが特徴です。
経営全般に関する相談受付や支援活動も行っているので、事業承継やM&Aの相談も行えます。ただし、非会員の場合は、相談内容が限られる場合があります。
④福井県信用保証協会
福井県信用保証協会は、主に金融面で福井県の企業を支える公的保証機関です。中小企業が金融機関から資金調達する際に、公的な保証人となって円滑に融資が受けられるようにしています。
保証業務以外にも創業・経営相談を受けつけているので、事業承継やM&Aの相談も可能です。
商工会議所が支援する事業承継については、下記の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。
福井県のM&A・事業承継の事例3選
ここでは、近年、実際に福井県の企業が行ったM&A事例を見てみましょう。取り上げたのは、以下の3事例です。
- 眼鏡製造・販売・修理業界のM&A(三城ホールディングス×オプトメイク福井)
- シリコンウェーハ成膜加工業界のM&A(セーレン×ケイ・エス・ティ・ワールド)
- 食品生産・加工販売業界のM&A(亀田製菓×マイセン)
眼鏡製造・販売・修理業界のM&A(三城ホールディングス×オプトメイク福井)
2019(令和元)年6月、三城ホールディングスはオプトメイク福井の株式を取得することにより、グループ化したと発表しました。三城ホールディングスでは、日本製眼鏡を提案するため「Made in JAPAN project」を推進しています。
オプトメイク福井は、福井県鯖江市を拠点に、メガネフレームの修理を専門に行っている企業です。今回のM&Aにより、アフターサービスとしてメガネ修理サービスを提供できるように徹底したいと考えています。
参考:https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201906180412
シリコンウェーハ成膜加工業界のM&A(セーレン×ケイ・エス・ティ・ワールド)
2019(平成31)年2月、セーレンはケイ・エス・ティ・ワールドの株式を過半数取得することにより、買収したと発表しました。セレーンは、車輌資材やハイファッション、環境生活資材など、さまざまな分野で活躍する企業です。
ケイ・エス・ティ・ワールドは福井県福井市に拠点を構え、半導体や光デバイス向けに、シリコンウェーハの成膜加工サービスを行っています。今回のM&Aにより、独自技術を融合し、さらなる事業領域の拡大を行う考えです。
参考:https://www.kst.seiren.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/ir.pdf
食品生産・加工販売業界のM&A(亀田製菓×マイセン)
2019年2月、亀田製菓はマイセンの株式を90%取得することにより、子会社化したと発表しました。亀田製菓は、中長期経営計画にて、食品業へのさらなる展開を図っています。
マイセンは福井県鯖江市に拠点を構え、玄米などの主食米販売や、アレルギー特定原材料(大豆を除く)を使用しない食品工場を保有し、グルテンフリー食品の製造や販売を行っている企業です。
今回のM&Aにより、販売ルートや製造ノウハウをシェアし、企業価値向上を目指すとしています。
参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41422220Y9A210C1L21000/
福井県のM&A・会社売却・事業承継のまとめ
福井県では地元の金融機関や自治体の取り組みによってM&Aの有用性が広く浸透しつつあり、買収側は事業規模拡大や新規事業への進出などの経営戦略として、売却側は主に後継者不在問題の解決策として行われています。
M&Aを成功させるポイントは、自社に適したM&A仲介会社選びにあります。無料相談などを活用し、よく吟味して自社にあったM&A仲介会社を選びましょう。
M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談は成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 譲渡企業様完全成功報酬!
- 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
- 上場の信頼感と豊富な実績
- 譲受企業専門部署による強いマッチング力
M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
あなたにおすすめの記事
M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
近年はM&Aが経営戦略として注目されており、実施件数も年々増加しています。M&Aの特徴はそれぞれ異なるため、自社の目的にあった手法を選択することが重要です。この記事では、M&am...
買収とは?用語の意味やメリット・デメリット、M&A手法、買収防衛策も解説
買収には、友好的買収と敵対的買収とがあります。また、買収に用いられるM&Aスキーム(手法)は実にさまざまです。本記事では、買収の意味や行われる目的、メリット・デメリット、買収のプロセスや...
現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説
M&Aや投資の意思決定するうえでは、今後得られる利益の現時点での価値を表す指標「現在価値」についての理解が必要です。今の記事では、現在価値とはどのようなものか、計算方法や割引率、キャッシ...
株価算定方法とは?非上場企業の活用場面、必要費用、手続きの流れを解説
株価算定方法は多くの種類があり、それぞれ活用する場面や特徴が異なります。この記事では、マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセス、株...
赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説
法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。しかし、会社は赤字だからといって、必ず倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリット...
関連する記事
福岡県の事業承継を徹底チェック!動向や成功事例・案件の探し方は?
近年、福岡県では後継者不足や事業の成長を目的とした事業承継を行う企業が増加しています。しかし、依然として小売業や飲食業、宿泊業では後継者不足・人材不足の問題が深刻であり、今後も人材獲得や事業存続...
九州のM&Aの動向や産業の特徴は?成功事例や注意点も徹底解説!
九州は、福岡県や長崎県を中心に多くの産業が盛んになっていますが、近年では人口減少が深刻化しており多くの中小企業が後継者不在や廃業リスクを抱えている状況です。 今回はそんな九州の産業の特徴やM&...
兵庫県のM&Aの動向や事例を徹底解説!成功させるためのポイントは?
兵庫県は、商業施設や観光地の多い神戸市を中心にさまざまな産業が盛んな地域で、多くの企業が盛んに活動しています。 しかし、近年は少子高齢化や人口減少による後継者不足が問題になっています。 今回...
東京のM&Aの動向を徹底チェック!成功事例やメリット・デメリットは?
東京都は、多くの企業が集中しておりM&Aも盛んに行われている都市です。 最近では、後継者不足や事業拡大を目的にM&Aを行う企業も増加しているため、東京都でM&Aを行う場...
埼玉のM&Aの動向を徹底解説!産業構造や事例・成功するためのポイントは?
埼玉県は、製造業が盛んで工場が多い地域ですが、人口減少によって倒産してしまう企業が増加傾向にあります。 そのため、M&Aを行う企業が多くなっています。 ここでは、埼玉のM&A...
東北地方のM&A事情や動向は?メリットやデメリットから成功させるポイントも解説!
本記事では東北地方のM&A事情や動向、産業構造から成功事例・注意点まで徹底解説します。東北地方では後継者不足が大きな問題となっており、M&A支援に取り組む地方自治体が多くあります...
広島のM&A事情や動向を徹底リサーチ!成功事例やメリット・デメリットは?
広島県では後継者不足問題が顕著に現れています。後継者不足問題を解決するM&Aも盛んに行われているわけでもありません。そこで本記事ではそんな広島県のM&A事業や動向を徹底リサーチし...
新潟のM&Aの動向を調査!産業の特徴や事例・メリット・注意点は?
後継者問題を抱える新潟エリアでは、多くの企業がM&Aで課題解決を目指す動きが活発です。当記事では、過去に行われた売却・買収事例を交えながら新潟のM&A事情を解説します。産業の特徴...
茨城県のM&Aの傾向や産業構造を徹底解説!事例やメリット・デメリットは?
茨城県は、農業や製造業を中心に産業が活発になっていますが、最近では人口減少による後継者不在問題を抱えている企業も多いです。 そのため、茨城県ではM&Aを行う企業やM&Aを進める...
株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。