2023年8月31日公開業種別M&A

菓子製造業界のM&A動向とメリット!売却・買収事例や流れも解説!

菓子製造業界では後継者不足などの影響で廃業を考えている経営者も増えてきました。しかし、M&Aを行えば、現在の事業を継続できる可能性があります。この記事では、菓子製造業界の動向とM&Aのメリットや流れなどについて解説します。

目次
  1. 菓子製造業界の動向
  2. 菓子製造業界のM&Aのメリット
  3. 菓子製造業界のM&A・売却・買収事例5選
  4. 菓子製造会社のM&Aをする流れ
  5. 菓子製造業界のM&A・事業譲渡まとめ
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菓子製造業界の動向

業界動向サーチによると、1世帯あたりの菓子への年間支出額は、2010年の6万6,000円から、2022年は7万6,000円と12年間で約1万円増加しています。しかし、少子化の影響で総売上高は減少傾向が続いています。

業界動向サーチによる2022年の菓子製造売上高ランキング1位のカルビーは2020年には2,667億円だった売上高が、2021年には2,454億円と8.0%減少しています。

2022年からの世界的なインフレの影響による原材料費の高騰による収益の低下など、菓子製造業界では今後の見通しが不透明な状況が続くでしょう。

参考:業界動向サーチ「菓子業界の現状、動向、ランキングなどを分析

【関連】製造業(メーカー)のM&Aの動向は?事例や積極買収企業一覧から相場も紹介!

菓子製造業界のM&Aのメリット

菓子製造業会社をM&Aするメリットとは次のとおりです。

売却する側のメリットしては、M&Aによって大きな会社の傘下に入ることができれば安定した経営が望めます。

また、後継者不足で会社の存続が難しい場合でも、M&Aで売却できれば廃業することなく会社を存続させることができます。M&Aでの会社存続により、社員の雇用を守り、長年のお菓子のファンの期待にも応えることができるでしょう。

買収する側のメリットとしては、すでにブランド化しているお菓子の営業権を取得できるという点が最も大きいものです。規模の大きな会社であれば、買収による事業統合でのスケールメリットも見込めます。

【関連】飲食店の廃業実態と理由は?必要な手続き・届出、潰れない店の特徴も解説【3年以内の廃業率70%】

菓子製造業界のM&A・売却・買収事例5選

菓子製造業界でのM&Aの事例です。

三井物産が五洋食品産業をM&Aした事例

2021年10月に総合商社の三井物産株式会社が五洋食品産業株式会社の株式を公開買付で取得し子会社化しました。これにより、三井物産は五洋食品の全株式の87.04%を取得しました。

五洋食品はピザなどに使われるナチュラルチーズの製造販売会社として1975年に設立され、現在は冷凍洋菓子をメインで製造販売しています。しかし、近年は業績が悪化し2015年から投資ファンド主導での事業の立て直しを図っていました。

三井物産としては、コンビニや海外向けの冷凍洋菓子事業に今後も勝機があると見込んでの子会社化だとのことです。

参考:三井物産株式会社「五洋食品産業株式会社に対する公開買い付けの開始に関するお知らせ

亀田製菓がベトナム合弁THIEN HA KAMEDAをM&Aした事例

2021年5月に亀田製菓がTHIEN HA KAMEDA JOINT STOCK COMPANY(以下THK社)の株式の一部を追加取得して連結子会社化することを発表しました。

亀田製菓は新潟県に本社がある、せんべいやあられなどの米菓を中心に製造している会社です。THK社は2013年に亀田製菓の合弁会社として設立されたベトナムの会社です。亀田製菓の技術でベトナム向けに開発した米菓の製造販売などを手掛けています。

ベトナム市場の今後の発展が見込めることから、亀田製菓は海外展開の加速のためのシナジー効果を見込んで連結子会社化するとのことです。

参考:亀田製菓株式会社「持分法適用関連会社の株式追加取得(連結子会社化)に関するお知らせ

神戸物産がサラニをM&Aした事例

2020年4月に株式会社神戸物産のグループ会社である株式会社オースターフーズが、株式会社サラニの全事業を譲り受けるM&Aを行いました。これにより株式会社サラニは、株式会社オースターフーズの瀬戸内工場として稼働することになりました。

株式会社サラニは1989年に創業して、小売や飲食店向けの洋生菓子や焼き菓子を製造販売してきた会社です。このM&Aにより、業務スーパーを展開している神戸物産では、スイーツ商品のPB商品の充実を更に図るとしています。

参考:株式会社神戸物産「新規食品工場取得のお知らせ

綿半ホールディングスが丸三三原商店をM&Aした事例

2019年4月19日に綿半ホールディングスが丸三三原商店を100%子会社化するM&Aを行いました。これにより、丸三三原商店は綿半グループ入りしました。

丸三三原商店は、1874年に長野県安曇野市で製茶卸売業として創業し、現在はお茶やお菓子の製造販売を行っている老舗です。 

楽天スイーツ部門で1位を獲得したこともある人気店で、長野県内に人気のカフェなども複数経営しています。綿半HDとしては、人気の歌詞やカフェのブランドを手に入れて、丸三三原商店のさらなる販路拡大に努めるとのことです。

参考:綿半ホールディングス株式会社 「株式会社丸三三原商店が綿半グループ入り

マツザワホールディングスが十勝たちばなをM&Aした事例

2017年7月に、マツザワホールディングスが十勝たちばなの全株式を取得するM&Aを行いました。取得金額は1億7,900万円です。

マツザワHDは土産物の卸売業を展開しています。十勝たちばなはどら焼きなどの和菓子の製造販売を、都内を中心とした27店舗で50年以上続けてきて、2013年にメディアフラッグの子会社になりました。

多品種少量生産に取り組むマツザワHDとしては、首都圏の老舗和菓子店をグループ傘下に収めることでのシナジーを見込んでいるものと思われます。

参考:メディアフラッグ「2017年7月31日 子会社売却の報告と今後の見通しについて

【関連】食品製造業界のM&A動向と未来予想!【事例あり】

菓子製造会社のM&Aをする流れ

食品メーカー 食品会社のM&A・事業承継
食品メーカー 食品会社のM&A・事業承継

菓子製造会社をM&Aするときの流れをみていきましょう。

専門家に相談

菓子製造会社を売却したい、事業を譲渡したい、自分の代わりに経営してくれる人を探したい、と思っても、どうしたらいいのかわからないという方も多いことでしょう。

菓子製造会社を売却したい、もしくは買収して手に入れたいと思ったら、まずはM&Aの専門業者に相談してみることをおすすめします

日本には、中小企業のM&Aを専門に取り扱う業者がいます。専門知識がない方でも、安心してM&Aの相談に乗ってもらえます。ぜひ、会社の売却や買収を考え始めたら、M&A専門業者に相談することから始めましょう。

M&Aの相談なら

M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱っており、全国の案件に対応しています。

知識・支援実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートさせていただきます。

M&A総合研究所の料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)

無料相談を随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお電話・Webよりどうぞお気軽にお問い合わせください。

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買収先の選定、交渉の打診

M&Aの専門業者に依頼することにしたら、次に買収先の選定を行います。

買収先の選び方は、売却を希望する企業を特定しない形でのノンネームシートをM&A情報サイトなどに掲載したり、M&A専門業者に菓子製造会社の買収希望を申し出ている企業に、業者が声を掛けたりして探します。

M&Aの相手としてふさわしい企業が見つかったら、交渉の打診を行います。

秘密保持契約の締結

M&Aの専門業者に依頼したり、候補企業に対して交渉の打診を行うときには、秘密保持契約を締結します。

M&Aを行うためには、会計資料や菓子の製造レシピなどの会社の機密事項を相手先企業や業者に開示しなければいけません。企業にとっての機密情報が外部に漏れることを防止するために結ぶのが秘密保持契約です。

秘密保持契約では、開示する情報の種類や返却期限、使用目的、返還方法などが明記されます。万が一秘密保持契約を破った場合には、違約金などのペナルティを設ける条項を定めることが一般的です。

トップ面談・条件交渉

M&Aについて交渉する相手を決めて、会計資料や菓子の製造方法などの情報を相手に開示したら、次にトップ面談を行います。

トップ面談は、結婚でいうお見合いのようなもので、資料だけではつかみきれない部分をお互いに理解し合うための場となります。

トップ面談では、企業文化や経営理念、トップの人間性などを把握し、お互いの疑問点を解消することを主な目的とします。

基本合意の締結

トップ面談の結果、M&Aを進めることに双方が納得したら、次に条件交渉を行って、基本合意書を締結します。

基本合意書に記載される項目は主に次のとおりです。

  • M&Aのスキーム
  • スケジュール
  • 取引価格
  • 独占交渉権
  • デューデリジェンスの進め方など

基本合意書にM&Aの方向性をほぼ定めて記載しますが、法的な拘束力はそれほど強くありません。

デューデリジェンスの実施

基本合意書を締結した後で実施されるのがデューデリジェンスです。デューデリジェンスとは、買収する側が買収にあたってのリスクがないかどうかを徹底的に調査することです。

事業の状況や、企業としての法務や財務、税務、人事などについて調査して、基本合意書に記載した金額が妥当であるか、リスクはないかを調べます。

デューデリジェンスにはM&Aについての高度な知識が必要になるために、多くの場合は専門チームが実施します。

この時点で、買収するにはリスクが高すぎると判断された場合には破談になった事例もありました。

最終交渉、最終契約の締結

デューデリジェンスの結果、破談にするほどではないけれども、基本合意書を締結したときには見えていなかったリスクなどが見つかった場合には、金額や引き渡し後に万が一問題が起きた場合の補償についてなどの最終交渉が行われます。

最終交渉がまとまったら、最終契約書が締結されます。

クロージング

クロージングとは、M&Aの最終段階で取引を実行することです。

スキームが株式譲渡の場合には、売主から買主への株式の譲渡と、買主から売主への代金の支払いが行われます。

通常は、最終契約書締結からクロージングまでは一定期間を空けます。短くても1ヶ月、長ければ1年程度空けることもあります。

時間を空けるのは、M&Aの手続きにはクロージングまでに多くの手順があるためです。また、従業員や取引先へ理解を求めるのもこの間に行います。

菓子製造業界のM&A・事業譲渡まとめ

近年、人気の駄菓子を製造していた会社が後継者不足で廃業して、その駄菓子が販売されなくなるというニュースが時折聞かれるようになりました。

菓子製造販売会社の中には、小規模な個人経営の工場も多く、後継者不足などで廃業を検討しているところも多くあります。

しかし、M&Aなら事業を引き継いでくれる企業を見つけられる可能性があります。後継者不足などで廃業を検討している方は、ぜひ一度、M&Aの専門家に相談してみるのがおすすめです。

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