M&Aとは?手法ごとの特徴、目的・メリット、手続きの方法・流れも解説【図解】
2023年9月22日更新業種別M&A
クライミングジム・ボルダリングジム業界のM&A・買収・売却の特徴は?費用の相場も解説!
本記事では、クライミングジム・ボルダリングジム業界におけるM&Aの動向や費用相場を解説します。クライミングジム・ボルダリングジムの発展に伴い、業界内でM&Aが活発化しており、今後は新規参入目的でのM&Aも増えると考えられます。M&Aを検討している方は必見です。
目次
クライミングジム・ボルダリングジム業界とは
近年のボルダリングブームも相まって、クライミングジム・ボルダリングジム業界は比較的堅調に推移しています。また、2021年の東京オリンピックでスポーツクライミングが初めて正式種目として採用されたこともあり、クライミング・ボルダリングに対する注目度がますます上がっている状況です。
こうした状況の中で、クライミングジム・ボルダリングジム業界に進出する会社が増えています。こうした新規参入が原因で、今後はクライミングジム・ボルダリングジム業界でM&Aが加速する可能性が高いです。
以上のような背景を踏まえ、本記事では、クライミングジム・ボルダリングジム業界の動向やM&Aをご紹介します。 まずは、クライミングジム・ボルダリングジム業界の特徴・動向を整理しました。
クライミングジム・ボルダリングジム業界の特徴
オリンピックの正式種目に指定されたスポーツクライミングは、ボルダリング・リードクライミング・スピードクライミングの3種目に大きく分かれます。この中でも、特にボルダリングの知名度が高いです。ボルダリングは、ロープを付けないクライミングのことであり、3~5メートル程度の壁を登るスポーツです。
気軽に始められることもあり、初心者も含めて多くの人から人気を集めています。近年は都市部を中心に多くのボルダリングジムが開設されており、今後ともボルダリングブームが加速していく見込みです。
また、近年では、クライミングジム・ボルダリングジム業界に新規参入する会社も増加しています。 例えば、フィットネス大手のコナミスポーツクラブは、2017年3月に東京・池袋のスポーツクラブ内にボルダリングジムを新設しました。
クライミングジム・ボルダリングジム業界の主な動向
一般的なクライミングジム・ボルダリングジムには初心者向けコースから上級者向けコースまでそろっており、さまざまなニーズに対応した事業展開に特徴があります。近年のブームに合わせて初心者の取り込みを進めているほか、上級者にとっても満足いくサービス体制も整えているジムが多いです。
また、今後のクライミングジム・ボルダリングジム業界では、年齢層を拡大した事業展開が進むと推測されています。ボルダリングは幅広い年齢層を対象とするスポーツであるため、若い人以外の取り込みを進める施策は非常に効果的です。
さらに、既存のクライミングジム・ボルダリングジムは都市部に集中している傾向があるために、今後はジムの全国展開が加速する見込みです。例えば、スポーツジムを運営する大手企業がクライミングジム・ボルダリングジム業界に参入し、各ジムのネットワークを生かした全国展開を進めるといった事例が典型的です。
そのうえで、全国の各スポーツジムにボルダリング施設を併設するなど、既存の事業エリアを活用してクライミングジム・ボルダリングジムを全国展開させる施策は効果的だといえます。
パーソナルジムのM&A・事業承継・売却については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
クライミングジム・ボルダリングジム業界のM&A・買収・売却・譲渡の動向
クライミングジム・ボルダリングジム業界は比較的新しい業界であるため、今後はさまざまな形で業界発展が進むものと思われます。こうした動きの中で、M&Aが加速する可能性があるのです。
例えば、あるエリアに進出したいと考えるクライミングジム・ボルダリングジムが、そのエリアに強みを持つジムを買収し、比較的短期間で事業エリアを拡大するといったケースが十分に考えられます。
また、クライミングジム・ボルダリングジムが、経営基盤を安定・強化させるために大手企業への売却を考えるなどのケースも典型的です。さらには、今後、スポーツ用品・登山用品などの関連業界も合わせてボルダリングブームが拡大していくことも予想されており、関連業界を含めたM&Aが加速する可能性もあります。
例えば、関連事業を行う企業がクライミングジム・ボルダリングジムとM&Aを行い、比較的短期間で新規参入を実現するといったケースが考えられます。このように、M&Aは、異業種企業が新規参入する際にも効果的な手法です。
既存の事業を行っている企業を買収すれば、ゼロから新規事業を開始するよりも短期間で新規参入を実現できます。こうしたケースも含め、今後のクライミングジム・ボルダリングジム業界の発展に伴い、M&Aが大きな力を発揮する可能性が十分にあるのです。
クライミングジム・ボルダリングジム業界のM&A・買収・売却・譲渡の相場
クライミングジム・ボルダリングジム業界では、今後M&Aの加速が予想されるため、現段階ではM&Aの相場・費用を判断することは難しいです。
とはいえ、M&Aにあたって想定外の費用が発生する事態を防ぐためにも、事前に相場・費用の目安をある程度付けておくことが大切です。
具体的には、それぞれの事例のM&Aの目的・M&Aの当事者となる会社の規模・対象事業の規模・会社の業績・従業員の数・M&Aのスキームなどをチェックし、自社の状況と似ている事例を分析することで、相場・費用を検討しておきましょう。
スポーツクラブ・フィットネスクラブの事業譲渡・株式譲渡のポイントについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
クライミングジム・ボルダリングジム業界のM&A・買収・売却の事例と案件
この章では、クライミングジム・ボルダリングジム業界で行われたM&A事例として、富山県南砺市が桜ヶ池クライミングセンターを売却したケースを紹介します。
2019年3月、富山県南砺市は、同市が運営しているクライミング施設「桜ヶ池クライミングセンター」の売却を発表しました。
これに対して、2020年2月、北陸電気工事と平野電業は、同市の選定委員会から譲渡先として選定を受けたことを発表しています。
北陸電気工事は、富山県富山市に本社を置く北陸電力グループの電気設備工事・電力関連工事・電気通信工事などを行う総合設備企業で、平野電業は富山県において電力事業のノウハウとIT事業の実績を兼ね合わせた電力系IT事業を確立しており、生活インフラを基本としたサービスを提供しています。
北陸電気工事と平野電業では、高所を得意とするクライミング選手が業界への適性が高いと判断し、大会の開催などを通じて同施設を「人材採用の拠点」とし、送配電工事業の人手不足の解消を図るとしています。
スポーツクラブ・フィットネスクラブのM&A動向については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
クライミングジム・ボルダリングジムのM&A・買収・売却のメリット
本章では、クライミングジム・ボルダリングジムを対象とするM&Aに期待されるメリットを、買収側・売却側の立場に分けて紹介します。
売却側のメリット
売却側の主なメリットは、以下のとおりです。
- 社員の雇用維持
- 後継者不在問題の解消
- 譲渡利益の獲得
- 大手傘下に入ることによる経営の安定化
- 個人保証・債務・担保などからの解放
クライミングジム・ボルダリングジムを廃業してしまえば、社員は職を失ってしまいますが、M&Aにより売却すれば、店舗運営も継続され社員の雇用を維持できます。
M&Aでは第三者から後継者を探せるため、経営者自身の周囲に後継者候補がいない場合でも、事業承継の実現が可能です。
さらに、M&Aによる売却では、譲渡利益としてまとまった額の現金を獲得できるので別の事業への投資資金や、引退後の生活資金などに活用できます。
そのほか、大手グループの傘下に入ることによる経営の安定化や、経営者の個人保証などの解放も、M&Aによる売却に期待されるメリットです。
買収側のメリット
続いて、買収側に期待される主なメリットとして、以下を取り上げます。
- 優秀な社員の確保
- コストを抑えて新規事業を獲得
- 顧客・取引先・ノウハウなどの吸収
- 事業エリアの拡大
M&Aによる買収では、専門知識や経験を持つ相手企業の社員をそのまま獲得できるので、スピーディに事業拡大を進められます。
また、ゼロから新規事業に参入する場合は多くの手間・時間がかかりますが、M&Aによる買収を活用すれば、既存店舗をそのまま吸収できるため、非常に効率的です。
さらに、顧客・取引先・事業に関するノウハウなどの経営資源もまとめて獲得できるほか、自社と異なるエリアに拠点を持つ会社を買収すれば事業エリアを拡大できる点も大きなメリットといえるでしょう。
クライミングジム・ボルダリングジム業界のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント
ここでは、クライミングジム・ボルダリングジム業界でのM&A・買収・売却・譲渡を成功させるポイントを取り上げます。
売却側の成功ポイント
売却を成功させるには、相手に自社の魅力を理解してもらう必要があります。 相手企業にとって魅力的な事業を展開していれば、その企業が買収に名乗り出る可能性が高まるためです。
そのためにも、自社の魅力・強みを十分にアピールしなくてはなりません。また、売り手の魅力が買い手のニーズにマッチする場合、そのM&Aは売り手にとってもさまざまなシナジー効果を期待できます。
買収側の成功ポイント
買収によって事業の強化・拡大などのシナジー効果を創出するには、自社が強化すべき事業・分野、エリアなどをあらかじめ整理しておく必要があります。
この点を明確化しておけば、適切な相手企業を探しやすくなります。 例えば、クライミングジム・ボルダリングジムの全国展開を考えているのであれば、自社がまだ進出していないエリアで事業を行っている企業を買収することで、比較的短期間で新規エリアへの参入が可能です。
こうした買収を成功させるためにも、強化すべきエリアを事前に確認し、買収対象を検討することが重要です。 また、同業者を買収することで、双方のノウハウを生かしながら、サービス体制を強化できます。これを実現するためにも、強化すべき事業やサービス体制を再確認し、買収するべき企業を決めることが大切です。
美容院・美容室の事業譲渡・株式譲渡・M&Aについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
クライミングジム・ボルダリングジム業界のM&A・買収・売却・譲渡における注意点
M&Aにあたっては、「目的を明確にする」「対象企業を丁寧に選ぶ」などの点に特に注意する必要があります。そもそも目的がはっきりしていなければ、M&Aをしても思ったような効果が現れなかったなどの事態につながります。
一方で、M&Aの目的が明確であれば、具体的なM&A戦略を策定して方向性を定め、最適なM&Aスキームを検討しやすくなります。結果として、自社に合った適切なM&Aの実現につなげることが可能です。また、M&Aによって売却・買収を行う以上、対象となる企業は丁寧に選ばなくてはなりません。
売却によって経営を任せる場合であれ、買収によって企業を傘下にする場合であれ、相手企業は信頼できる企業でなければならないためです。そのため、相手企業の事業内容や方針などを十分に検討し、慎重に判断する必要があります。なお、ふさわしい相手企業が見つかったら、アプローチを早めに行うことも大切です。
これにより、他の企業に先を越されてしまったなどの事態を防げます。そのほか、M&A手続きの注意点としては、「専門家のサポートを受けるべき」という点が挙げられます。M&Aの手続きでは、法務・税務・財務などの専門知識が必要とされるほか、相手企業との交渉力も求められます。
このような手続きを自社だけで進めることは難しいので、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートを受けるのがおすすめトです。
M&A総合研究所では、M&Aの知識・支援実績豊富なアドバイザーによる専任フルサポートを行っています。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしてしておりますので、M&Aを検討される際はお気軽にお問い合わせください。
クライミングジム・ボルダリングジム業界のM&A・買収・売却のまとめ
ボルダリングブームに加え、東京オリンピックでスポーツクライミングが正式種目になったこともあり、近年はクライミングジム・ボルダリングジム業界への注目度が上がっています。クライミングジム・ボルダリングジム業界の発展に伴い、業界内でM&Aが活発化することも予想されます。
また、関連業界も含めて業界の発展が進むことも考えられるため、新規参入にあたってM&Aが活用されるケースも増える見込みです。このような展望も踏まえ、クライミングジム・ボルダリングジム業界では、今後の動向・M&A傾向などが大きく注目されています。
クライミングジム・ボルダリングジム業界でM&Aを考える際は、M&Aも含めた業界動向をチェックし、さまざまな事例を分析しておくことが大切です。
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